観察飼育って。。。

観察飼育って楽しいですよ。いわゆるペットと主人的なコミュニケーションは期待できないのですけど。
ただ、プリントのコとはちがい、WCのコ(通常そのうち慣れると言われて売られている子達です)は、私の調べた限り、生死の境をさまようほどの調教を受ける等を行わない限り、まずそう簡単に、しかも勝手に慣れていくなどということはないようです。

ペットへの愛情があれば。。。。

言葉尻だけを捕らえれば、非常に美しくいかにもそのことばかり考えているかのような響きがあります。
でも、その美しき愛情のために餓死していくフクロウたちはいったい・・・・・?
愛情という言葉をそのまま使うのであれば、愛情には、質量のある愛情と質量のない愛情があるのではないでしょうか。それら2つが常に絡まりあってはじめて意味のあるものに昇華されていくのではないでしょうか。

質量とは、知識とそれに伴う意思や努力(資金、時間等も含む)です。


観察飼育にすると。。。

はがねを観察飼育に切り替えた後、ほかの場所で会うふくろうたちへの気持ちも変わりました。単に「かわいい」だけの存在ではなく、フクロウもこちらを見ていると感じるようになったのです。
そう思いはじめると、今度はいろいろな部分で見方が変わってきました。あの愛くるしいウラルアウルの目も何もかも見透かすような目に見えてきます。
はがねが私たちの手から食事をしていたのは、単に死にかけていたからであり、愛情が通じているわけでもなんでもないこと、実は人嫌いで「触られるなんてのはとんでもない」などと思っていそうなこと。切り替え後のはがねの態度を見れば一目瞭然です。
考えてみれば、彼らもまた現代まで続く進化の流れに勝ち残り、その中で彼ら特有の特殊な能力を勝ち取ってきた偉大なる種族なわけですから、それを人間のエゴイスティックな欲望によって「飼う」訳ですから、当然は払うべき敬意もあるだろう。。。。。。。。。そんな気にさせてくれる飼育方法です。


観察飼育の実際。。。

観察飼育そのものの目的を私は「飼育下における最大死亡原因の回避」と思っています。
方法はある意味簡単で、下記の約束を守るだけです。
1.おなかいっぱいに食事していただく。
2.なるだけ大きなお住まいに住んでいただく。
3.人間は、食事と掃除以外関与しない。
これだけです。
それぞれの約束についていろいろな方法論は存在するでしょうが、基本はこれです。とにかく距離を取るということですね。そうすることで彼らの警戒心はうすれ、健康に近づき、いろいろな姿を見せてくれるようになります。
表情や仕草が豊かになるだけですごくうれしいです。


プリント個体なら何でもOKか?。。。

これもまたNOだと思います。
はがねの飼育方針変更、つまり現在はがねが存命している理由たる「観察飼育」の概念を、某猛禽飼育サークルの代表の方からいただきました。この時の言葉のニュアンスなども含めたすべてを我々流に焼き直ししたものが上記です。(といっても焼きなおすほど複雑なものではないので、あくまでも我々の内面の話です)

プリント固体であるちびろうを迎えるにあたっても色々と基本的なことから質問し、現在の方法を選択し、実践していますが、以降は氏のお話から我々が解釈し、実践しているもので氏の意思というわけではありません。(かの方に「こう飼いなさい」的な威圧的な言葉をなげられたことは一度もありません)

ちびろうは深くプリントされたワシミミズクで、いわゆる「フリーフライト」の可能な高度な訓練が施されています。
素人の我々であっても外で飛ばすことが可能です。
ただ、「いわゆる」とつけたのは、私の今の解釈では、フリーフライトとは自由に飛ぶことではなく、紐無しで飛ぶことだと理解しているからです。
つまり、「自由に飛ばせてあげる」のではなく、こちらの(紐ではないが)管制下において「飛んでいただく」ことだと。
見た目においてはフリーであっても、内容はコントロールフライトなわけです。

プリントを施された子は人間が好きなのではなく、はがねやほかのプリントではない(おそらく)全てのフクロウのように、「根本的には人間の存在を許せない」という意識をもっていないに過ぎません。ただこれを利用し、彼らに何かをやってもらうために何かを提供するルールを許容してもらいます。彼らの意思しだいの非常にもろい契約です。
この契約に基づいてフライトや放し飼いが可能になるのであって、人間のもっているべき意識はWCのこと付き合う場合とまったく同じで、現れてくる現象が契約のおかげで少しくペット的でわかりやすいだけです。

プリント個体と人間は対等に近い契約が可能なだけです。
主人と隷属物には永遠になれません。
WCはもちろん、プリント個体であっても契約が契約だけに何かの決定は全て向こうあわせです。

これらを踏まえ、高度な飼育技術を持たないわれわれは、ちびろうの普段の生活についても観察飼育の手法を用いています。
食事のとき(=フライトを行う時)以外、彼の意思以外で我々が彼に会うことはほとんどありません。
もちろん掃除も彼の食事にあわせて行うため、我々は彼のいる間に部屋に入ることはありません。
これによって、無意識に契約違反を行ってしまうことから逃れているのです。

観察飼育と呼ばれる飼育方法は、猛禽飼育の一手法ですが、ほかの飼育方法も基本ラインでは同様でしょう。
取り様によっては非常に困難かもしれませんが、取り様によっては非常に簡単です。
向こう合わせゆえにあれこれ考え、考えつつちょっと謝りつつ、
鳥の気持ちをひたすら読み取ろうとすることで、かろうじてともに暮らすことはできる。。。。


ただ、
それによって得られるものは少なくなく、はっきりいって楽しいですよ。