その14 モモち、病に倒れる?!
モモちも2歳。はっきし言って、『お年頃』である。
そんなモモちが此の度『恋』をした。
相手は『カンキママさんちのフクちゃん』(当時は♂・2歳)
2匹は風薫る5月、ヨーキークラブのお台場オフ会で出会った。
その日の事を、モモちは鮮明に覚えている。・・・・・
(ここより、モモちの回想)
あれは、5月の日曜日。
あたしはパパちとママちに連れられて、お台場に向かったの。
公園は沢山の人とヨーキーで溢れていたわ。
「誰が誰だか、お尻を匂って確かめてみなきゃ、ワカンナイわ。」あたしがそんな事を考えていた時、
あたしはカレと、運命の出会いを果たしたのよ!・・・
その愛くるしい瞳。うつむきがちな視線。恥ずかしげに振る尻尾。・・・
一瞬であたしのハートを鷲掴みにした、哀愁漂う口元。
・・・・・『あなたは誰?』
あたしは思いを込めて、カレに視線を送ったの。
その時よ。ママちがあなたを抱いている女の人と喋り出したのは。・・
ママち『カンキママ、今日はフクちゃんと来たのね。〜〜〜」
『フクちゃんさま。』
あたしは心のなかでそっと、その名前を繰り返したわ。
なんて親しみやすくて、素朴なお名前!
もっとカレのことが知りたいの。あたしはママちに・・・・・・・。
余りにも長いので、強制終了させて頂きます。(BY・ママち)
とにかく、モモちは『突然の恋』に落ちてしまったらしい。
オフ会の間中、フクちゃんの後を追い掛け回し、覆い被さり、腰を使う(?)
(↑すみません。育て方を大幅に間違えました・・・)
パパちが呼んでもママちが呼んでも、帰ってこない。
その上帰りには、フクちゃんが入ったキャリーバックにしがみつき、
モモち「かえらないでぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
と、寛一・お宮ごっこまでする始末。
ここにきて、さすがにママちもキレた。
ママち『モモち!いい加減にしなさいっ!』
モモち『キ、キュウウウン・・・』
こうして、モモちの恋は終わったのである。・・・
あれから数日後。
夕方、ママちはパパちとお電話していた。・・・
ママち『うん。今から病院行ってくる。またご飯、食べてないんだもん。また注射かな?』
パパち『・・・どうしたんだろ。もう3日目だよ、病院行くの。なんか病気かも・・・・・。』
ママち『わかんない。昨日は「なんとも言えない」って言われたし。』
そう、オフ会後から モモちはご飯を食べなくなってしまったのだ。
その上、大好きな『オヤツ』さえ食べたがらない。
あの、『歩く食欲』とまで言われたモモちが!
ママち、自転車のカゴにモモちを入れ、動物病院に向かう。
モモち、今日で連続3日目の通院である。
カゴから顔を出したモモち。心なしか顔もやつれ、一回り小さくなっている。
ママち『モモち、病気なの?お注射して、治してもらおうね。』
モモち『キュウウウウウン・・・』
モモち、ママちの顔を見上げ、小さく泣き声をあげた。
動物病院についた。
モモちは予約していたので、すぐ診察を受ける。
先生『モモちゃん、今日もご飯食べなかったの?』
ママち『オヤツも食べないんです。モモち、なんか病気なんですか?』
先生『でもね、お腹の張り具合とか、陰部とか、お熱とか見ても、特に異常はないんだよね。』
ママち『でも、もう3日もご飯食べないんですよ?!』
ママち、食い下がる。病気かどうか、はっきり分からない事には、不安で仕方ない。
ところが・・・
先生『・・・・あのね、今まで「人間の食べ物」あげた事ある?』
先生、唐突にそう言い出す。
ママち『・・?・・・いえ、あげない様にしてますけど・・?』
ママち、なんでそんな事聞かれるのか、さっぱり分からない。
それとモモちの病気となんか関係があるんでしょうか?
しかし、先生大きく頷いて、
先生『帰ったら、ササミとか果物とか、食べてもいい物をあげてみて下さい。』
先生『もし、・・もしもそれで食べるようだったら・・・モモちゃんの病気は・・』
先生、一呼吸おいて。・・・
先生『・・・仮病かもしれません。』
ママち『・・・!!!な、治るんで・・え?仮病???』
先生『神経質な子によくあるんですよ。興奮しすぎて、なっちゃうんです。』
ママち『・・・しんけいしつぅ?!・・・』
ママち半信半疑であるが、とりあえず、その日は『栄養注射』を射ってもらって帰宅した。
そして、夜。・・・・
ママちが用意した物。
りんご。キャベツ。ささみ。減塩ハム。
パパち『でもさ、モモちが仮病の訳ないじゃん?ホントに食べれないんだよ?』
帰ってきたパパちも、半信半疑である。
でも、とにかく試してみるしかない。ママち、りんごを手に取った。
ママち『モモち〜!りんご食べるぅ??』
モモち、りんごのスライスをチラッと見て・・・ソッポを向いた。
パパち『ほらぁ!!!』
ママち『まだワカンナイでしょ〜!モモち!キャベツは?』
モモち、チラリとも見ない。ホントに食欲が無いのかもしれない。
ママち『・・・ささみは?』
モモち、チラッと見るが、目を伏せてしまう。欲しくない様だ。
パパち『無駄無駄〜!モモちはホントに病気なの!ちゃんと検査してもらって来てよ!』
パパち、医者の言葉を疑いまくり。
ママちも、何だかそんな気がしてきた。でも、一応・・・
ママち『モモち〜!ハムは食べる?』
その時、ママちは見た!
食欲の無いはずのモモちが、舌なめずりをしたのを!!!
パパち『・・・モモち?!』
パパちにも見えた様だ。ママち、パパちと目配せをして・・・。
ママち『モモちゃ〜ん。ハム、美味しいよ〜。』
モモちの目の前に、ちぎったハムをちらつかせる。・・・
・・・・・・1秒、2秒、そして・・・・
モモち『ハグッ!ムシャムシャムシャ・・・。』
我慢できなくなったモモち、ママちの手からハムをひったくって食べ始めた。
そのうえ、
モモち『ウゥ〜ワンワン!!!』(おかわりくれぇ〜!)
その日、モモちはハムを3枚食べた。
食べ終わって舌なめずりしているモモちに、ママちが
ママち『モモちゃん、病気だったんじゃ・・・?』
と声を掛けると、ハッとした顔で
モモち『・・・・キ、キュウウウン・・?』
と、慌ててベットに横になった。気弱そうな顔まで作って!!!
まさに、モモちの病気は『仮病』だったのだ!!!
パパち『モモちゃん、そこまでしてフクちゃんに会いたかったのかい?』
パパち、モモちを抱っこして尋ねる。
モモち『・・・・・・キュゥン』
モモち、パパちを見上げて、小さく鳴いた。
フクちゃんに会いたいが為に、病気のフリをするなんて・・・。
モモち、なかなか『一途なオンナ』である。しかし・・・
ママち『モモち、そんなに思ったって、無理だよ。』
ママち、残酷にも言い放つ。
ママち『だってフクちゃん、オカマ好きなんだって。
オンナの子には興味無いんだってさ。』
モモち『・・・・・・・・・!!!』
あれから数日。
モモちは毎日元気に、ご飯を食べまくっている。
あの食欲不振が嘘の様である。(嘘だったんだけどね)
モモちの恋心は、あの日以来、キレイさっぱり消えてしまったようであるが・・・
パパち『モモち!モモちが好きなら、どうしてもって言うなら・・・
パパちはモモちの結婚を許しますからね・・・。』
約1名、パパちだけが、吹っ切れていない様子である。
繰り返される『花嫁の父』ごっこに、溜息をつくママちであった。・・・
・・・・・・・多分、続く。