その17  モモち『君の名は・・・?』


この間、パパちはお友達と夜釣りに行った。
お友達は愛犬の1歳になるラブラドール「さくら」ちゃん連れ。
犬好きのパパち。釣りそっちのけで、さくらちゃんと遊んでたらしい。
この さくらちゃん、元気で活発だったらしいが。・・・

パパち『さくらさぁ、すっげーバカちんなの!』
うちに帰ってきたパパち、開口一番そう言う。
パパち『うちのモモちゃんのほうが小さいけど、頭はず〜っといいよねぇ!』
出迎えのモモち。褒められた事を察してか、ピョンピョン飛び跳ねる。
パパち『そうですか!モモちはおりこうちんですか!さすがパパの子です!!!』
バカ2匹(?)である。
ママち『でもさぁ、ラブラドールって盲導犬とかになれる犬だよ。お利口なはずだよー。』
ママち、見たこと無いさくらちゃんを弁護しておく。
大体、モモちだって「お利口」・・・とは言い難いしねぇ。
パパち『ブッブ〜〜〜!!!モモちの方が絶対お利口です〜!!!』
パパち、うれしそうに胸を張った。
パパち『だって、モモちゃんは自分の名前が分かるもんねぇ!!!』
ママち『・・・・・?』

パパちの説明によると。・・・
『さくらは人懐っこい可愛い子だが、どんな名前で呼んでも尻尾を振って応える。
だから、さくらは自分の名前も覚えてないおバカな子に違いない』

・・・と言う事らしい。・・・
でも・・・それだけで知能を推測していいのか???
そこでママちとパパち、モモちの知能検査(?)を行うことにした。
判定委員はもちろんママち。
パパちだと判定基準が激甘になるのは目に見えてるからね。
そんで、検査開始です。

ママち、すごくさりげなく(?)知ってるワンコの名前をつぶやき始める。・・・
ママち『ポチ・・コロ・・ジロー・・マル・・ラッシー・・マック・・ダンボ・・ルパン・・』
モモち、きょとんとした顔でママちを見つめてる。
もちろん、耳は後ろにねかせたままである。
ママち『・・サクラ・・ヒナ・・ルナ・・マロン・・ミック・・・・・・モモち』
ぴくん!
それまで寝たままだったモモちの耳は、名まえを呼ばれた途端にピン!と立った。
尻尾もプリプリ振って「なに?なに?」と言わんばかりである。
それまで息を殺して成り行きを見守っていたパパちも飛び上がる。
パパち『!!!さすがモモちゃんです!!!パパの子です!!!』
モモちとパパち、踊りながら冷蔵庫に向かう。
しかし・・・

ママち『ちょっと待ったぁ〜!』

いきなりママちの怒声がおバカ2人組に投げつけられた。
冷蔵庫からご褒美のチーズを出そうとしてたパパちと貰う体制だったモモち、凍りつく。
ママち『一回だけで褒めちゃ駄目!まぐれかもしれないでしょ?』
パパち『・・・・・・ふぁ〜い。』
パパち、渋々チーズを戻して
パパち『モモちゃん、鬼のママちがもう一回だって。モモちゃん頑張るんだよ』
だって。・・・一言余計なパパちである。

さて、気を取り直してもう一回です。
今度は何にしようかな?ママち、部屋を見回して・・・
ママち『テレビ・・ビデオ・・パソコン・・ライト・・電話・・』
パパち、ぷぷっと笑い出す。
パパち『今度は家電シリーズなの?そんなの無駄でしょうが?』
モモちを見ると、さっきよりキョトンとしてお座りしたままである。
ママち『家電じゃ名まえだと思わないかなぁ〜。ん〜と・・プリンター・・ケータイ・・ラジオ!』

モモち『ワン!』
ママち『!!!!!!!』
パパち『???????』

パパち『今・・・返事した?』
パパち、呆然。・・・
当のモモちはお座りして、耳をピンと立て尻尾をプリプリ振っている。
ママち『も・・もう一回やってみる?』
パパち『う・・うん。』
ママち『ミカン・・リンゴ・・イチゴ・・』
今度は果物シリーズ。
モモちは・・・お座りしてキョトンとしている。尻尾は動かない。
ママち『・・・・・・・ラジオ?』
モモち『キュン!』

間違いありません。
この子は『ラジオ』に反応してます!
でも・・・『モモち』と『ラジオ』・・・
どう考えても全然、語感すら似てないわ〜〜〜。
犬のくせに耳がおかしいのかしら?いや、おかしいのは頭か???
ママち、ショックで思考回路が麻痺しかけている。
しかし・・・
パパち『考えられることは一つ!』
モモちがバカ犬かも。。というショックからいち早く立ち直ったパパち、宣言する。

パパち『モモちゃんは昔、ラジオという名前だったんだよ!』(きっぱり)

ママち『・・・・・・・パパち・・・・・』
ママち、言葉も無い。
『犬は飼い主に似る』そんな言葉がママちの脳裏を駆け巡った。
「モモちゃんがおバカなのは、モモちゃんのせいじゃない。」
これが分かっただけでも、知能検査の意味はあったのだ。(多分)

モモちが誰に似たのかは敢えて言わないが。・・・
ただ・・・これだけは主張しておきたい。

ママはこんな子に育てた覚えはありません


しかし・・・モモちが何故『ラジオ』に反応するのかは未だに謎のままである。
  万が一パパちの説が正しくて、以前『ラジオ』という名前のヨーキーを手放した方がいたなら、ご連絡下さい。
その子は今・・モモちと呼ばれてるかもしれません。・・・・


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