その2     モモち「バカ殿」になる。


モモちが我が家に来て2週間経った。
爪が伸びてきて、歩くと「カシャカシャカシャ・・・」と軽快な音がする。
本人(?)はこっそりイタズラをしようとしていても、足音で全て分かってしまう。
これはこれで便利なのだが、いかんせん我が家は「フローリング」 やはり音は気になる。
そこで、モモちは「犬用美容院」に行く事になった。(ついでに、カットしてもらうため)

美容院は、我が家から自転車で10分。モモち、初めての自転車である。
首をカゴの中から出し、ご機嫌である。気に入ったらしい。
しかし、美容院に着いたので、モモちの「わくわくサイクリング」はあっさり終わり。

さて、美容院である。モモちは既に「ブルブル」を通り越して「ガタガタ」に震えている。
  トリマー「今日は、どう言う風にカットしますか?」  (モモち、怖くてトリマーさんから目をそらしている)
  ママ「そうですね、身体は揃える感じで。前髪は伸ばして目に入らないようにしたいんです。」(モモち腰が抜け、座り込む)
  ママ「じゃあねー、モモち!頑張るんだよー」(モモち、もう声も出ない。「ドナドナ」の歌が聞こえているらしく、悲しそうな目。)

そして3時間後。

   ママ「モモち、ただいまー。」(ママ、ビックリ。その後の声がでない)
   モモ「キューン、キューン。」(珍しく、弱気な声である。かなり辛かったらしい。)
   ママ「ありがとうございました。さ、モモち、帰ろう!」(帰ろう、の声に元気を取り戻し、尻尾をプリプリする)

ママち、店を出て もう一度モモちを見る。
 ママ「・・・・・・・・ダースベイダー?・・・・・」(スターウォー○ 参照)
かわいそうなモモち!  なぜか「おかっぱ」に切り揃えられた姿は、余りにも ヘン だった。
《お見せできなくて、大変残念です。写真が無くなってしまいましたー。》
しかし、悲劇はそれだけでは終わらなかった。

パパち「モモち、なにそれ!ヘンだよ!へん!」(パパち、笑い転げる。しかも、指差したまま。)
家に帰ったモモちを迎えたのは、パパちのデリカシーのかけらも無い一言でした。
パパち「・・なんかさ、ダースベイダーみたくない?・・・」(今、思いついたらしい)
ママち「やっぱ、そう思う?揃えるだけのはずだったのにねぇ。」(ため息)
パパち「よし、じゃあ今日から『戦いごっこ』はモモちが『悪役』な!」

パパち「ところでさ、この前髪、すごく『無理無理』に引っ張って結んでないか?痛そうだよ。」
ママち「・・・そうねぇ。今、直しちゃおうか?」
ママち、モモちの前髪のリボンを外す。

そして、悲劇は起こった。

パパち「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ママち「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
モモち「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キュゥン?」

・・・なに?なんなの?これは!・・・・・


モモちの前髪は、『切らないで』と伝えたにも関わらず、バッキリ切られていた。
そして、短すぎて結びにくかったのか、「ムース」?のようなもので固められ、『ツノ』のように立っていた。

もし、これがナナメ前へ立っていたなら、まるで「伝説のユニコーン」の様に見えたかもしれない。
しかし、「それ」は余りにも真っ直ぐに突き立っていた。

まるで、「ちょんまげ」のように。・・・・・・・・・

パパち「モモち!『アイーン』ってしてみるんだ!プププッ・・・!」(腹を押さえて、息も絶え絶えである。)
ママち「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(もう、言葉にならない。)

まだ、ダースベイダーの方がマシだった。
この日からしばらくの間、モモちは『バカ殿』と呼ばれた。


・・・・・・・・・・・・女の子なのに・・・・・(ママち、泣く)
あれから、あの美容院には行っていない。


                                        多分、続く。

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