シーズー物語 夫婦(ぷうとぷち)


第10話


僕は犬。それもシーズ−。

僕は基本的にはあんまり外を出歩くのが好きではない。

「ぷう、行くよっ」
ご主人様が深夜コンビニに怪しげな本や怪しげなコンビニ限定発売ビデオや怪しげなおでんなどを買いに行くときによく声をかけられるが、僕としては出来ればあまり行きたくない。
このあったかい部屋の中で純米焼酎のお湯割でも飲みながらじっと本でも読んでいたいというのが本音なのだ。
引きこもりと言われようが何と言われようが構わない。
僕にはそれだけの決意を持つにあたる理由があるのだ。

あれは僕がご主人様の所に来た3ヶ月のある日。
そう、その日は今夜みたいにしんしんと静かに雪が降りしきる夜でした‥‥(うそです)。

(編集部注:ここから少し寂しげなBGMを流していただくGOODです)

初めての外出(散歩)ということもあって柄にもなくはしゃいだ僕はご主人様の後ろをとっとことっとこ元気よく走ってついていったものです。

その時もご主人様はコンビニに向かっていたのですが、実はご主人様の家から最寄りのコンビニまでは歩いて約15分ほどの距離があります。
生後半年にも満たない僕等シーズーにとって人間が15分かけて歩く距離というものは相当なものです。
もちろん当時の僕のことをを気づかって、ご主人様も僕の歩調に合わせてゆっくりと歩いてくれるなんてことはもちろんありません。ええ、ありません。

一応リードをつけられた僕は最初のころこそ懸命についていっていたものの、悲しいかな所詮は子犬。
あの無駄にでかい図体のご主人様の歩くスピードについていけるはずがなく。
いつの間にか僕のまだ小さい体はずりずりと引きずられ、その上、マンホールの蓋のほんの数センチの段差にはひっかかり、さらには排水溝の金網にはその白魚のような小さな足をはさまれ、僕のまだ熟しきっていない柔肌を狙ったのら犬達にはほえかかられ。
もうさんざんな目にあってしまったのだ。

(BGM フェードアウト)

僕が嫌がっているのを知ってか知らずか、ご主人様はそれでも歩いてどこかに行くときにはほとんどの場合僕を連れて行こうとする。
単なる寂しがり屋なんじゃ?
いやいや、実はああ見えて怖がりなんじゃ?くすくす。
なんてことは僕は大人だから言わないが、まさかあの無駄にでかい図体のご主人様に限ってねえ。うふふ。
まあ、新参者はとても人様に見せられるような顔ではないし、僕の奥方もまだ散歩などできる状況ではない。
さらにジャニーシーズーJrからお誘いがあってもおかしくないほどの美形である僕が指名No.1になるのは仕方ないとは思うのだけれども。

「ぷう、行くよっ」

今日もまた、「リ○グ」なるビデオをよせばいいのに見てしまったご主人様が僕を呼んでいる。
そういえば前回、またコンビニ限定発売ビデオを予約していたような‥‥。




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