第19話
僕は犬。それもシーズー。
前2話が節分、バレンタインネタと続いたこともあってか、知人(知犬)から
「次回はちょうどあんまり時節ネタってないですね。楽しみ。ふふふ」
みたいなご意見を頂いた。
今までの僕だったら”かちん”と来るところだが、
もう立派な大人の僕はそんな細かいことは気にしない。
ただ今度会ったらただじゃおかない(気にしてるし)。
それはともかく、僕が住んでる地域では最近すこぶる天気が安定していない。
雨が降ったり止んだり晴れたり降ったり降ったり晴れたり晴れたり曇ったりしてるみたいだ。
基本的に犬、特に僕みたいに散歩嫌いの犬には天気なんて関係ないんだけれど、
新参者だけはそうじゃないみたいだ。
元々巻き毛ぐるぐるローリング系の体毛をしている彼だが、雨が降る=湿度が高くなると
どうもその体毛が湿ってくる感じがするらしくとにかく不機嫌になってしまうのだ。
ただでさえ目つきが悪い彼なのに、雨の日だとそれがなおさらだ。
路地を曲がった先に彼がいたら目線を左下45度に落としてさり気なく通り過ぎようくわばらくわばらと
思うくらいにその目つきは怪しい。
いつもだと朝起きてご飯食べた後にみんなでじゃれあったりするのだけれど、雨の日には
なかなか彼がその誘いに乗ってこない。
無視して一方的に噛んでたりすると、まるで喧嘩の時に泣きじゃくりながら両手をぐるぐる回して
反抗してくる子供のようにいきなりキレたりしてくるのだ。
言ってなかったかも知れないが、彼の体格は最近富に大きくなって下手したら体重は僕よりも
重くなったんじゃないかという位に急成長している。
そんな彼にキレた状態で突っ込んでこられたら、いくら僕でもちょっとひるんでしまう。
とりあえず一旦彼の攻撃を交わし、ご主人様か僕の奥方の後ろに逃げ込むしかないのだ。
情けないと言われようが何と言われようが仕方ない。
命あってのものだねなのだ。
さすがにいくらキレた状態の彼でもご主人様にはかなわない。
1度盗み食いをして怒られてる時に逆ギレして歯向かったことがあったみたいだが、それこそ
文字通り一蹴されてしまっていた。
僕の奥方に対しても同様で、彼女の趣味である新参者いぢりをやり過ぎて彼にキレられた時に
すぐさま自分もキレ返して彼の耳に噛み付き”くわがわ虫”みたいに離さなかったことが効いてるみたいだ。
そんなことから、いくら彼がキレても僕にしか向かってこれなくなったわけだ。
あれ?
これってもしかして立場的になんかやばいのだろうか。
いやいや、一番最初にここの部屋に住んでたのは僕だし、しかも年齢も一番上なんだし、きっと
それは大丈夫なんじゃないかな。きっと。うん、きっと、そう。
……とりあえずしばらくは雨が降りませんように。
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