シーズー物語 ぷち


第2話


僕は犬。それもシーズー。

僕の得意技は右手と左手。

“おて”とか“おかわり”なんて言われたらちょっとムッとするし、トイレはたまに失敗したりするけど(てへっ)、 “右手”、“左手”と言われたときの素早さは誰にも負けないつもりだ。

最近一緒に生活しはじめた新参者にも、このスピードだけは真似出来ない。

それにもうひとつ。
“まぶしい顔”だ。

ご主人様から怒られそうなとき。

何とかご飯を早くもらいたいとき。

僕の可愛さを精一杯アピールするためのとっておきの顔だ。

これには細かいテクニックがあって、例えば同時に尻尾も細かく振ることだとか、 出来れば顔も左右どちらかに少し傾けるとか、これはこれで結構難しいのだ。

ただ最近僕の体重が約2倍になったこともあってか、効果が若干薄れ気味の気がするけど、それでもまだまだ威力はあるのだ。

……それに比べてこの新参者。
(名前はクロウという何だかあんまり縁起の良くないものらしい。顔が黒すぎるからとかそんな安易なネーミング方法でも決してないらしい)

今日でもう1週間にもなるというのに、まだ右手、左手どころかトイレも満足に出来ないらしい。

今もほら、ご主人様の嘆き声が響いてきている。

ああ…、またぷうのやつ失敗しやがって……。

まったく仕方ないんだから。


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