第9話
僕は犬。それもシーズ−。
僕はこう見えても虚弱体質だ。えへん。
生後3ヶ月位からご主人様のところに来て以来、お腹を壊したことや、食欲がなくなったことはもちろん、生死に関わる状況までいったことも何度かある。
そんな僕のことだから、ご主人様の僕に対する態度は他の2匹(新参者=くろう、僕の奥方=ぷち)に比べると比較的やさしい。
草木も眠る深夜2時、僕が寝静まるご主人様のベッドに勝手に入り込んでて、朝ご主人様が目覚めた時に目と目があって「ふがっ」と挨拶しても何も言われない。
これが新参者とかだと大変だ。
元々新参者は普通のシーズ−とは思えないほどの強烈な体臭があるのに加え、人間で言うディープキスが異常に好きで、それが男性であろうと女性であろうと僕のお尻であろうと僕の奥方(ぷち)であろうとところ構わず舐めまわすため、基本的にご主人はあまり抱き上げたくないようなのだ。
たまにご主人様の気が向いたときに「くろうっ」と呼ばれたら最後。
僕や僕の奥方なんで吹っ飛ばして一目散にご主人様のところに走っていき、抱き上げられるが否やこれまた普通のシーズ−とは思えない位に長い舌をぺろんぺろんさせてご主人の顔や口をなめまくるのだ。
ご主人様も思いつきとはいえ自分が呼んだ手前、さすがにそう邪険には出来ないらしく、しばらくはされるがまま新参者の舌使いに身をまかせているのみなのだ。
ご主人様に呼ばれる前に、実は彼は自分の股間の毛づくろいをしてて、さらにその前には僕のお尻を嗅ぎまくり、舐めまくっていたのだが、それは僕は大人だから言わない。
ちなみに僕には奥方が来たが、彼にはまだそんな話はないみたいだ。
新参者もそろそろ年齢的には一人前になるはずなのにかわいそうだなあっと思っていたその矢先。
「ぷうとぷちに女の子が生まれたら、それをくろうのお嫁さんにすればいいか‥‥」
ご主人様の独り言を聞いてしまったのだ。
ああ、そうか、なるほどね。
僕と僕の奥方との間に生まれた女の子を新参者のお嫁さんにね。
ってことは僕の娘になるわけで、しかも長女?になるわけで、もしかしたら一人娘になるかも知れないわけで、さらにその子が新参者のあの異常に長い舌のえじきになるわけで‥‥。
ふががっ、う、うちの娘は、嫁にはやらーんっ!!
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