幼虫飼育例(オオクワ、ヒラタ系) ------------------------------------------------------------------------
1.材飼育
シイタケのホダ木などの朽ち木を適度に湿らせ、ドリルで幼虫の入れる穴をあけます。その中に幼虫を入れて、濡れたティッシュでふたをします。朽ち木は体積が1リットル以上のものが適しています。これを飼育ケースの中で、埋め込み用マットの中に埋没し、その上を小さな穴をあけたビニールシートで覆います。暗く涼しい場所に置き、半年毎に朽ち木を取り出し、かなりもろくなっているようであれば交換します。なお成虫になるまで1〜2年かかります。この方法では、大きい成虫が得られますが、成長過程が見れないのが難点です。

2.菌糸ビン飼育
オオヒラタケなどの菌床を利用したもので、最も大きな幼虫が得られます。菌床の種類や、栄養剤によっても差がでます。2齢幼虫から投入し、20℃程度で 管理する のが最も良いようです。(我家の菌床ビン)

3.マットビン飼育
 
成長過程が観察できるこのビン飼育が、初心者の方にはお勧めです。方法は、下記の通りです。
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マットビン飼育

I.初齢幼虫

完全発酵マット朽ち木マット で飼育する方が死亡率が低く安心です。容器体積は100−200cc程度。フィルムケースや工具のパーツケースを使用しています。容器が大きすぎると、成長が観察し難くなります。容器の蓋には小さな穴を3〜5個所あけています。


使用しているケースの例(右端は5匹用の工具ケース)



II. 2齢幼虫

100cc〜500tの容器が適当だと思います。添加剤マットも使用するこができます。私は 市販マットや 小麦発酵マット に栄養剤を追添したもの等を使用しています。マットの湿り具合は強く握ってみてダンゴができる程度にし、ビンの中に強く詰め込みます。この時、初齢幼虫時のマットも最上層部に入れています。1週間経っても幼虫が潜り込まないか上層部に滞留しているようだと、マットを嫌っているので別の種類に交換した方がよいでしょう。マットの量はビンの容積の8〜9割程度にしています。幼虫が穴を掘り出すと、その分の容積が増えるのと、窒息防止用に蓋とマットの間に空間を設けています。ただこの空間は、蒸れやすくカビが発生し易いようですが、窒息よりましだと思ってあけています。蓋には直径2mmの空気穴を5ケ開け、さらにダニよけにキッチンペーパーで覆って輪ゴムでとめています。頭幅の大きい3齢幼虫を目指して飼育します。


使用しているビンの例'(100〜500cc)



III. 3齢幼虫 以降

体重の重い幼虫をつくることがポイントです。容器は800−1500ccで大丈夫だと思います。マットは、将来蛹室を作った時にくずれないようにできる限り固く詰めます。2齢時と同じ種類のマットを詰め込みます。バクテリアの関係上、2齢時のマットそのものも混ぜるか上層部に詰め、全体で容器の8〜9割程度にしています。蓋に穴を開けキッチンペーパーで覆っています。
スチール棚 等にビンを並べて整理します。なお 温室 を使用すると羽化までの期間が短くなります。
なお前蛹期では、さなぎになる準備をするため部屋をつくります。この時は体が皺っぽく少し縮み、ほぼ水平で上向きの姿勢をとります。この時期以降に、容器を動かすと蛹化失敗や羽化不全の確率が高くなります。万一、蛹室を壊した場合は 人工蛹室 で代用します。(羽化の一例は、ここをクリック)




IV. 注意点

1.幼虫は静かで暗い場所においてください。刺激を与えると蛹化や食べることに悪影響を与えます。
2.マットは使用前に電子レンジで加熱して下さい。品質の高いマットの場合は大丈夫ですが、自作マット等では、これをやらないとダニや線虫の大発生に見まわれることがあります。
3.できるだけ小さいビンから始めて、齢期に応じて大きなビンに交換して下さい。最初から大きなビンにすると、幼虫が大きくなる前にマットの方が先に変質して、結局交換することになって不経済です。
4.幼虫が蛹になる時期以降は、できるだけ動かさないようにしてください。
5.ビンに詰め込むマットの量は、容器の8〜9割程度にしてください。
6.上の写真のように容器にテープを貼り、飼育記録を書き込んでいきます。記録をしていないと種類が増えたときに、何がなんだかわからなくなります。最後に羽化サイズを書き込んだら、テープを剥がし、記録ノートに貼り付けていきます。どの方法が一番良かったかが、わかるはずです。