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855 :川瀬@会員番号212 :02/07/09 01:57 ID:Dq2PoFBO
暗闇の向こう側3 <復讐の天使・降臨>


「来たニダか・・」暗闇から声がする

「お久しぶりです」制服に身を包んだ女性が答える、帽子を取り軽く首を振る、豊かな黒髪がたなびく
ーその服装は旧ナチスドイツの士官を髣髴させるー

彼女の名は李・杏樹、日本人との混血でありながら北の最精鋭部隊「第6軍」に属し、最高の称号である『Angel』を
自らのコ−ドネ−ムとし世界中のあらゆる特殊工作の最前線で暗躍してきた

しかし、転落は突然やってきた、日本最大の電脳テロリスト集団「2CH」対半島調査班『ハン板』
その情報工作のため下部組織「SO-LEN」に派遣された、その作戦が終わり次第女性としては異例の情報部上級将校
としての地位は約束されていた
しかし作戦は失敗した、今までの情報工作とは全く違う中枢のないテロリスト集団相手の工作は旧来の作戦とは全く違っていたのだ

地位は剥奪され最下級に落とされた、そして『極東』監視班に左遷された
それ以上に彼女のプライドを傷つけたのはコ−ドネ−ムとしての『Angel』の名の使用は認められたと言う事だった

翼をもがれ、天使は地に堕ちた・・

彼女にとって今回の召集は待ちわびていたものであった、失った誇りを取り戻すために

しかし、彼女にとって予想しなかった事が告げられる

「君にはここを離れて活動してもらうニダ」

「どう言うことですか?!」思わず声をあげる

「現在、我々は非常に微妙な状況にあるニダ」苦々しく上司が答える
「知ってのとうり我々と『MINDAN』は相互不干渉の原則を紳士協定として結んでいる」
「時として本国には極秘で共同作戦も行っているニダ」
「しかし、本国からの送金も無く日本からの資金供給も減り我々単独での特殊工作は難しくなってきている
 そのため我々の発言力が大きく落ちこんでいるニダ」
「現状を回復するために我々はある極秘計画を遂行することにしたニダ」

「極秘計画?」直立不動のまま聞く

「『ハン板』で南に対して不利になるよう情報操作を行い日本と南の関係を一時的に悪化させ向こうの戦力を削ぐニダ」
「この事は何があっても知られては成らないニダ、だからこそ君にもここを離れて動いてもらうニダ」

「捨て駒か・・」心の中でつぶやく

「無論、君一人で行わなくても良い、正確にはある人物のサポ−ト兼監視役が君の任務ニダ」

写真が一枚渡される、「この作戦に当たってフリ−ランスのプロを雇ったニダ」
遠距離から撮影であることが見て取れた、同年代と思われる銀髪の女性が写っている、見覚えのある顔だった

「この女を雇ったのですか?」瞳に険しさが浮かぶ
「知っているニダか?」「東欧で作戦中に敵としてですが・・油断のならない相手です」

「コ−ドネ−ムの使用も認める、しかしあくま必要な場合のみ、基本的には名無しで動いてもらうニダ」
「やり方は君に任せる、作戦成功の暁には君の復帰も考えているニダ」

「嘘だ・・」そう直感した、しかしそれでも構わないと思った、自分のプライドをズタズタにした
かつての敵に対しての復讐、それさえ出来るなら満足だと思った・・

黒色のジャケットに細いウエストを強調するような長めのタイトスカ−トの私服に着替え本部を後にした

街灯に照らされ暗闇に一人立ち尽す、その姿はとても弱々しく杏樹の心は孤独に染まっていた

「もう、戻ってくることはないわね・・」目を閉じ心の中でつぶやく

風が吹き彼女の長い髪が広がる、静かに目を開く、迷いの無い強い意思がその瞳に宿る
孤独は風と共に去り、『孤高』の一言に変わる、失われた翼が再びその白き姿を広げてゆくのを感じる




      ハ  ン  板  に  再  び  天  使  が  降  臨  す  る  ! !