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125 :川瀬 ◆No212gxw :02/07/18 22:42 ID:vLgWVuBM
暗闇の向こう側4 <闇の中に潜む影>

「ん〜、おかしいなぁ・・」
「どうしたの、梨美?」 端末の前で考え込んでいる梨美を梨子は見つけた

「あ、梨子ちゃん」
「えとね、いまハン板の各スレッドの情報を分析してたんだけどぉ、ちょっと気になることがあって」

「気になること?」
「うん、えとね、この子なんだけどぉ・・」

モニタ−の中に見なれたハンドルネ−ムがあった

「この子ってぇうち(MINDAN)のえ〜じぇんとじゃないよね?」確認するように梨美は聞いた
「そんなの聞いたこと無いわよ、民間の在日同胞が書きこんでるんじゃないの?気にすること無いわよ」

「でも、朝も昼も晩もず〜っと書きこんでるんだよそれに・・」
「どうせハン板の連中がハンドルを騙って遊んでるんでしょ、トリップさえつけてないんだから当然のことでしょ」

「うん、だからぁ最後まで言わせてよぉ」取り合おうとしない姉に対して眉毛を八の字にして抗議する
「私ね、気になったからちょっと調べてみたの、これ見てみて」
手元のモニタ−を指差し説明する


「ここ数ヶ月にこのハンドルで書きこんだ発言と文章構成、その時間をログからぴっくあっぷして・・
その中から明らかな悪戯を除外したものをさんぷるとして纏めてみたのね」

「次ぎにそれ以前のこのハンドルでの書きこみ内容、文章構成、時間等を基本で〜たとしてまとめてみたの」

情報処理能力では組織の中でもトップクラスな梨美の説明に黙って耳を傾ける

「それでぇ基本で〜たを元にさっきまとめた発言を分析してみたのがこれなの」

「基本で〜たとの誤差率25ぱ〜せんと以上を偽者として除外、誤差率5ぱ〜せんと以内をA
15ぱ〜せんと以内をB、それ以上をCとまとめてみたの」

「で、何がわかった訳?」
「うん、えとね、このハンドルの使用者が最低2人いるみたいなの」

「2人?どう言うこと??」困惑したように梨子は聞いた

「このAは本人だと思うのね、Bも一人が書きこんでいて、Cは複数の釣り師が真似してると思うの」
「それでね、Bの発言の流れをまとめて見たの」

いぶかしげにモニターをのぞき込む、その内容を理解した瞬間、梨子の顔色が変わる

どう言うこと??!」

その内容は一見すると韓国擁護の発言に見えた、がそれは旨く出来た誘導であった
最終的には韓国にとって好ましくない方向にスレ住人の意見が向かっている

「ね、なんか変でしょ?それでぇ梨子ちゃんに見てもらいたかったの」不安そうに梨子に意見を仰ぐ

「公安?・・それとも・・・」小さくつぶやく「梨美、この件をだれかに話した?」
「ううん、わたしじゃ良くわからないから梨子ちゃんに相談しようと思っていたの」
「この件は私から部長に報告しておくから、だれにも話しちゃダメだよ」秘密にしておくように梨美に釘をさす


「厄介な事にならなければ良いけど」一抹の不安が脳裏を過る

しかし、2人がその渦中に巻き込まれる運命であることを梨子は知るよしも無かった・・

「なるほど、確かに興味深い報告ニダ」
「この件に関して他に知るものは?」冷静な口調の中にも鋭さを感じる
「いえ、まずは部長の判断をと思いまして現在の所、私と梨美だけです」
「梨美の方には私から口止めしておきました」

両親のいない梨子達にとって部長は父親のような存在であった、梨美の前でこそ気丈に振舞ってはいたが
梨子も不安で一杯だった、だからこそ真っ先に部長に報告したのだ

「よろしい、この件に関しては私の方で調べるニダ、お前達は通常の職務に戻るニダ」
「くれぐれも勝手な行動は慎むニダよ分かったな」先程までの鋭さは消え諭すようなやさしい口調に変わる、その一言で梨子の不安も軽くなった気がした

「了解しました」

部長の部屋を後にする、そしてドアを閉めた瞬間!


「なぁ〜しこちゃん♪」


いきなり背後から抱きつかれた、そのまま相手の手が梨子の胸に伸びる!

「きゃぁぁ〜〜」不意をつかれ悲鳴をあげながらその手から逃れる
「この変態!色魔!!女の敵!!!」目に涙を浮かべながら叫ぶ

しかし、相手は全く気にする様子も無く笑っている
「もぅ、ちょっとした挨拶じゃない。それに人に触られた方が胸もおっきくなるってものよ♪」全く反省の色は無い・・
「スケベ!変態!!二度と来るな!!!」罵倒しながら逃げ出して行く梨子に対し笑顔で手を振る

「さてと・・」扉をノックし相手の返事も聞かぬ間に部屋に入る

「又やったのか・・」こめかみを押さえている部長
「単なるスキンシップですよ」さらりと受け流す

「それで一体何の用だ?」
「ええ、梨子が報告してきた件についてです。その件は私に一任させてもらえませんか」

「聞いていたのか」部長の目が鋭く光る

「何を企んでいる?」
「別に・・単なる好奇心ですよ」不敵に笑う

「誰に任せるかは私が決める、貴様の指図は受けん」
「そんな事仰ってもよろしいのですか? 貴方が握りつぶしたコピペ砲無断使用の件、上に報告しても構わないのですよ
そうなればあの子達も・・」その目に蛇のような冷たさが宿る

「貴様・・私を脅す気か?・・」先程とは違う殺気が宿る、普通の人間なら立てなくなる程だ

「まさか、私はただこの子を守りたいだけです、それに貴方の大切なあの2人もね・・」
その殺気を平然と受け流し報告書に書かれているハンドルネ−ムを指差しながら答える

「今回の件、おおよその見当はついています。お任せ願えませんか?」

しばしの沈黙の後

「----貴様に一任しよう」静かに答える
「ただし妙な真似はするな。貴様の正体は気づいている、不審な動きがあれば死体となって北京に帰る事になるぞ」

「わかったな、柳原、いや 劉(柳)小麗 」

「---流石、かつてKCIAの『虎』と呼ばれた方ですね」動揺した様子は微塵も見えない
「お任せください」慇懃に頭を下げ静かに部屋を後にした

「動き出してしまった・・」
先程までのポ−カ−フェイスとはうって変わり焦りが浮かぶ

「一刻の猶予もならないわね・・早く奴の居場所をつきとめないと・・」
と、そのとき!

《ぶんっ》---突然、何かが空を切る音がした---
振り返った彼女の目に写ったのは視界一杯の花瓶であった---その花瓶はものすごい勢いで彼女めがけて飛んできたのである---

《がっしゃ〜ん》---避ける間もなく見事に命中し花瓶はこなごなに砕け散る---


「はうっ・・」---そのままぶっ倒れる柳原タン---




廊下の向こう側では、ガッツポ−ズをしている梨子の姿があった・・