ニホンカモシカは特別天然記念物でありながら、食害のために害獣駆除されている。
山から下り、里の近くで杉や檜の苗木、農作物を食害するようになった深山の獣は、
政府により、年間1000頭近くが駆除され、 その死体を調査研究機関がカモシカ
の現状を知るための調査に使う。



害獣駆除として殺されたカモシカは、頭骨と生殖器以外は仕留めた猟師の物になる。
ただし、売買は禁止されている。この大人の♀は、皮膚病にかかっていたらしく、
猟師が気持ち悪がって丸ごと送りつけたもの。頭と生殖器は送るよう義務付けられている。


でかいのが胃である。さすがに4つも胃を持っているだけあってやたら大きい。
この個体は妊娠の有無の確認のために子宮を取り出された。妊娠はしていなかった。


ここではカモシカの頭部を2年間ほど常温保存し、腐らせてから頭骨をとる。
もう、臭いっていうかアンモニア臭くてなんか空気が苦い。 だけど、やたらと
簡単に肉を落とせた。(肉って言うかドロドロの物体)

これは、肉を落とした後に、ブラシ等で丹念に磨いているところ。



これができあがった頭骨標本。乾かし中。



御存知だろうが、カモシカは鹿の仲間ではない。ウシ科の動物である。
だから、角は直接頭骨から生えている。というか、角の骨がある。
この上に、角質でできた角(爪みたいな物)がかぶさっている。 鹿の
場合は頭骨に乗っかる形で角が生えている。



ちょっと見えにくいが、これはカモシカの角を抜いたものである。 カモシカは
角に年輪のような跡ができ、それである程度の年齢がわかる。
そのため、一度
研究者達が年齢を調べるために頭部ごと回収するが、
猟師がトロフィーとして
とっておきたがるので(角酒でも飲むのか?)希望者には後日返される。



こんにちは赤ちゃん状態。カモシカの♀は妊娠の有無を調べらるために、子宮を
調べられる。
やってみると意外なほど妊娠率が高い。おとなの♀の約6〜7割が
妊娠していた。
まあ、産まれたからといってその多くが冬を越せないのだが、
里山に下りてきて
年中ある食料を発見し、その上積雪も少なくなっている近年。
こりゃ害獣駆除されるほど増えるわけだ。
ちなみに、このベビーは妊娠5ヶ月か
そこら。体長15Cmというところ。





はい、出ました。ビックサイズベビー。妊娠7〜8ヶ月はいっているだろうか。
もう、しっかりカモシカしちゃって、頭にもちょっぴり角らしきものがあります。




このベビー(ちなみに女の子)が入っていた子宮。妊娠していない時の10倍近くに
なっているだろうか。
それでも、出産の時はもっと大きくなるのだから、お母さん大変だ。