で、なんでそーなっちゃうわけ? 「痴呆年齢」がいくつ? これが大きなモンダイ。当人が「自分は何歳(くらい)だ」と認識している年齢のことです。人間である限り、プライドだってあるわけです。彼らなりの、「ふざけんじゃないヨ!」だって…。


もしかして、こんなリクツがサクソウしてるかもしれない、じーちゃんのココロ…。
さくらさん  じーちゃん(痴呆年齢38才くらい)
おじーちゃん、おうちはココよ。 どこへ行くっていうの? 「いやあ、すっかりおじゃまして。暗くなってきたから、そろそろ帰ることにするで…」
「ダメ」 「家はココでしょ」 は通用しないわけです。じーちゃんにとって「自分は38才の自分である」という事実は考えるまでもない厳然たる事実ですから。なにげに話題をそらしてごまかすか、ちょっと外でも歩いて帰ってくるか…。ムズカシイところですねー。 じーちゃんは今38才です。ばりばりの働き盛りで、まだ子供も学校へ行っている頃。いくらか若めの奥さんも、夕飯作って待っているでしょう。いつまでもこんなところで(なんでココにいるのかは不明だが)アブラを売ってるわけにはいきません。家族のところへ帰って果たすべき父親の役割があるわけです。早くカエラナキャ。
夜中です。じーちゃんと並んで寝ているばーちゃんです。   ZZZZZ…。 ある夜中、ふとトイレに起きたじーちゃん。 起き上がって驚いた。 「おや、自分はどうしてこんなところで寝てるんだ?」となりを見ると、自分の母親ほどの老婆が寝ているし。どういうことだかさっぱりわからない…:。 オレの、もっと若い奥さんはどこだ?
あん、なんだかせま苦しいわねェ…。でも、ZZZZZ…。 じーちゃん、向こうの部屋のドアをあけて、38才の自分につりあった女性 (すなわち妻のはずの、実は息子のヨメ)を発見。ここだ、ここだ。オレの寝場所。 じーちゃんは寒くてあわてて隣にもぐりこんだ。 ZZZZZ…。
コケコッコー!  あら、おじいさんがいないわぁ? ZZZZZ…。
キャーッ!!!!! んん、んぁーん…へ???
介護する人は、相手の方の痴呆年齢(当人がそうと認識している自分の年齢)を理解すると、気持が少しは楽になれるかもしれませんねー。

息子が誰だかわからないといった場合も、痴呆年齢から認識する息子の年齢と目の前のおじさんの容貌が、大きくくいちがっているためかもしれませんね。 自分の息子はせいぜい14才のはずだったりして…。
世の中には、その気で手を出す困ったじーちゃんもいます。 でも、じーちゃんなりの当然の筋を通したつもりの、こんなじーちゃんもいたりします。 なにしろ、彼は38才なのですから。この年齢で自分の母親と寝てるんじゃ、マザコンですもの。 (実は奥さんなんですケド)
     
こんな気持の中で、鏡を見たらどうなるでしょう。
髪まだふさふさ、お肌ツヤツヤの自分がうつるはずの鏡に、しわくちゃのウラシマタロウが…? パニックして叩き割るかもしれませんよねぇ。 オバケぇ!…とか。 ガラスも、ネ。