FISH-1冬の沖縄本島、亜熱帯雑魚釣り

前編

 

暮れも押し迫った2000年12月28日、僕は初めての沖縄に降り立った。
この日、僕と今回の同行者であるNは、仕事納めもそこそこに、沖縄行きの最終便に乗り込んだ。飛び立ってすぐに、逆風の為沖縄到着は少々遅れるとのアナウンス。結局、那覇国際空港には予定より20分程遅れての到着となった。
いよいよ初めての沖縄である。機内から直接、空港施設への通路が掛けられたが、それでも1歩機外へと足を踏み出すと、むわっとした空気に包まれた。全く寒さを感じない。というかむしろ冬のいでたちの僕には暑いくらいだった。相当湿度は高いようだ。これが亜熱帯なのだ。と思った。
季節が冬という事で、さすがの沖縄でも寒くて釣りなどできないのではないか?と少し心配していたのだが、このむし暑さならば心配はいらなさそうである。これならいけると思った。

空港からその足でレンタカー会社のマイクロに乗りこむ。今回の旅は、レンタカー付きの格安ツアーにしたのだが、現地での移動を考えると、車はやはり必要であると考えての事である。泊まるところ以外、食事も何にも付いていないが、かえってその方が気楽というものだ。
レンタカー会社の出張所に着くと、そそくさと手続きを済ませる。向こうの人は、もともとの契約であるクラスと同じ料金でいいからと、ロードスターを勧めてきたが、即断った。そんな車に用はない。結局、この旅の足はキャパに決定した。

深夜の沖縄自動車道を、北へとひた走る。今夜の宿となる名護のホテルに到着した時には、時計の針は既に1時半を回っていた。明日(今日?)に備えて、この日は死んだように眠った。


12月29日
日の出とともに繰り出すつもりだったが、案の定寝坊した。まぁ昨日の到着時間を考えると当然だろう。結局ホテルを出発したのは10時過ぎとなってしまった。
天気予報では、明日からは雨。天気に左右されるような場所は、何としても今日中に行っておきたい。今回は基本的には観光旅行であるため、釣りは午後からの予定にして、まずはR58を北へと向かった。
途中、下見と称して通りがかった漁港に立ち寄った。本当に魚はいるのか不安だったからだ。
港内だからだろうか、水は意外と濁っている。それでも岸壁から海の中を覗いてみると・・・。ハリセンボンが悠々と泳いでいた。さらにそのそばにはミヤコテングハギが壁を突ついているではないか。僕の心が一気に突沸してしまったのはいうまでもない。
すぐにでも、今ここで釣り始めたい気分だったが、ぐっと我慢してさらに北へと向かった。
北に行くに従って、森が深くなっていく。これがヤンバルなのだ。道路沿いに生えているのはバナナ、クワズイモ、ヒカゲヘゴ・・・、我々本州の人間にとっては、まるで植物園のようだった。
お昼前には最初の目的地である辺戸岬に到着した。とりあえず朝から何も食べていなかったので、ここは定番の沖縄そばを食べることにした。みやげ物屋みたいなところだったが、安い割にすこぶる美味く感じた。もちろん空腹だったせいもあるだろうが、この旅で何度も食べる事になる沖縄そばの中でも、ここが一番美味かったように思う。
この後、岬の先端まで歩いていったのだが、この時僕は、魚の事で頭がいっぱいで、全く上の空だった。困ったものである。

マイマイ

   悪名高きアフリカマイマイ

キリギリス類

    名前のわからないキリギリス類

 

辺戸岬を観光し終わった後は、いよいよ釣り場へと向かった。一路南へと走る。途中良さそうな漁港がいくつもあったので、どこでもよかったのであろうが、一応潮通しの良さそうなところをあらかじめ決めてあったので、そこへと急いだ。
道すがら、今回の旅のもう1つの目的である川でのお魚とりを行った。ここでは詳しくは述べないが、3ヶ所くらい立ち寄り、テンジクカワアナゴやヒナハゼ、ボウズハゼなどのハゼ類の他、フナ類、ボラ類、ナイルテラピア、スミゾメスズメダイなどを確認できた。しかし何と、その1ヶ所の川で、ハリセンボンを網で掬ってしまった。これは釣る予定だったのに・・・。
そうこうするうちに、目的地の港へと到着した。いよいよ釣り開始である。道具を車から降ろし、防波堤までの海沿いの道を歩いていく。ここは透明度はすこぶる良い。しかも今日は波も穏やかで、底まで良く見えている。底はサンゴで覆われているが、なんだか白い。ほとんど死んでいるようだった。これが白化というやつだろうか?そこここに巨大なアオヒトデがいる。また、悪名高きオニヒトデも見ることができた。

大きなアオヒトデ
海の中の様子。透明度は高い。

歩きながらも、例によって浅瀬に目をやる。すると早速、波間に漂う魚を発見。よく見ると3匹いる。ツバメウオの仲間だ。少し先では、Nが何か見つけたようで僕を呼んでいる。見てみると、波間にやたらとでかいカワハギみたいなのがプカプカ浮いている。死体かと思ったが、突然泳ぎ始めた。これはソウシハギに間違い無い。しかし、こんなでかいのが浅瀬まで来ているものなのか!?
僕はいてもたってもいられなくなり、目的の突堤を目の前にしてそこで釣り始めた。Nの方は先に突堤に向かっている。アミエビを餌にして、ソウシハギの目の前に落としてみたが、全く反応なし。5分ほど続けてみたが、全然釣れそうにない感じだった。気がつくと、いつの間にやらツバメウオも竿が届かない範囲に行ってしまっている。仕方がないので、僕も突堤へと急いだ。

ミナミイワガニ
岸壁では、ミナミイワガニがガリガリ歩いていた。






後編へ

TOPに戻る