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それまでその堤防は僕1人だったが、自転車に乗ったおじさんが現れた。やはり「釣れるかね?」と声を掛けられる。
しかし、僕のバケツの中はニシキベラ2尾とクサフグ3尾(他は既にリリース)。
「こんなのどうするん?」ほらきた!しかしこういう展開は慣れている。
「飼います!」
おじさんは「ヘえー」と言い残して僕の隣で用意を始めた。おじさんもサビキで狙うようだ。
少しコマセを撒いた後、おじさんも仕掛けを投入した。
入れたか入れないかで、おじさんは竿を上げる。それを横目でちらっと見る僕。
おじさんのサビキには、早速ネンブツが3尾ぶらさがっていた。
「今日は赤いのばっかりやなあ。」
「今日は」なのであろうか?ネンブツが少ない日などあるのだろうか?
その事をおじさんに尋ねてみると、夕方にはアジがよく釣れるとの事であった。
その後はおじさんも僕も、暫くまたネンブツ地獄に陥っていたが、いきなりおじさんの竿がグンとしなった。
25cmくらいの銀色のが釣れてきた。おじさんは嬉しそうだ。その魚はおじさんの本命、高級魚シマアジだった。
ちょっと羨ましくなる僕。だが、雑魚釣り師を目指す者としては、大物狙いなど許されない。
僕の方の次の獲物は、20cmくらいのムツの子だった。深いところの魚のようだが、幼魚のうちは浅場にもいるようだ。
今度はおじさんが、「ホンムツやなー。味噌汁にするとうまいでー」といって興味ありそうだったので、差し上げた。
「なんや、兄ちゃんは熱帯魚専門か?」
すっかり熱帯魚釣り師にされてしまった。ニシキベラもカゴカキダイも温帯魚なんですけど・・・。
その後お互いに何尾か釣り上げ、僕がホシササノハベラを釣ったところで9時になったので納竿とした。
 ムツ
 ホシササノハベラ
気がつくと、9時だというのに、日差しは厳しくかなり暑い。今日は暑くなりそうだ。
発表はまだだが、絶対梅雨はもう明けているに違いない。
おじさんに「そろそろ帰ります。」と告げると、「これ食べてみな。うまいから。」といって一番でっかいシマアジをくれた。
ちっこいムツ3尾がシマアジに化けてしまった。まるで藁しべ長者である。
おじさんに礼を言って僕は家路についた。
 赤福氷。中にアンコとモチが入っている。
 今や明野駐屯地名物となった、新型観測ヘリOH−1。
帰る途中、伊勢神宮に立ち寄ったが、お参りもせずに行ったのは赤福。暑いので、夏の定番「赤福氷」をいただく。
アンコがやたらと甘いが、暑さでばてている時には最高にうまい。
伊勢市を過ぎて明野駐屯地の横を通ると、陸自のヘリが何機も飛んでいるのが見えた。
つい最近桑名市で民間機が訓練中に事故を起こしたばかりだし、くれぐれも気をつけて欲しいものだ。
それにしても、ニシキベラは釣れたものの、今日釣ったネンブツは多分100尾を越えただろう。何とかならないものだろうか、帰りの車の中ではそんな事ばかり考えていた。
おしまい
(※今年一番の暑さとなったこの日、三重県南部に今年初めての赤潮が観測された。
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