COCOが亡くなった日、勇くんは泣きました。

いつまでも、いつまでも一緒にいれると信じていたのに、COCOは夏を迎える7月のある日

突然小さな命を終わらせたのでした。



勇くんは悲しくって、悲しくって一晩中泣きました。目が真っ赤に腫れて何も食べたくなくなって

とても気分が悪くなりました。

「神様、どうかCOCOちゃんにもう一度合わせてください」 勇くんは涙でグチュグチュになった顔を

枕に押し付けながら心で思いました。

COCOが死んでから、勇くんは幼稚園にも行かないでずーっと家で泣いて暮らしました。



おとうさんとおかぁさんは心配になってCOCOちゃんと同じ色のフェレットを飼うことを決めました。

COCOちゃんが死んでから五日目にセーブルの女の仔のフェレットが勇くんのお家にやってきました。

勇くんはそのフェレットにCOCOちゃんと名前をつけて少しだけ笑顔を取り戻しました。

新しいCOCOちゃんはまだ人に慣れていなかったので勇くんを噛んでしまいました。

勇くんの右の指から血が流れ出ました。 前のCOCOちゃんは勇くんを噛んだことはありませんでした。

びっくりした勇くんは抱き上げたCOCOちゃんを腕から落としてしまいました。


 

その晩勇くんは夢を見ました。

夢の中で勇くんはCOCOに抱かれながらいっぱいお話しました。

「なんでCOCO、いなくなったの?」

どうしてかなぁ?COCOも勇くんともっともっと一緒に居たかったよ。

「もう戻ってこないの?」

どうかなぁ?わかんないよ。。。

「ねぇ、一緒に帰ろうよ!」

そうしたいけど、、キット今は無理だわ。

「どうして?ねぇ、どうして無理なの?」

勇くん、COCOは死んだのよ。もうCOCOは勇くんが居る世界には居ないの。

「死んでないもん!だって生きてるじゃない!」

今日は特別神様にお願いして勇くんとこうして会っているけど、COCOは今 神様の元で

暮らしているの。分かってね?

「じゃぁ神様に頼んで、元に戻してもらおうよ!それならいいでしょ?」

COCOは少し困った顔をして、ゆっくり立ち上がりました。COCOの胸に抱かれていた

勇くんは、ズルズル落ちていきました。



朝、勇くんが目を覚ますとおとうさんとおかぁさんが「COCO」を籠に入れて話していました。

お店で見たときは大人しかったのに、これじゃ勇くんが大怪我しちゃうかもしれないわ。

やはり返して来ようか?

そうねぇ。。。。

勇くんはギューッと目をつぶってCOCOに話し掛けました。

「COCOがいなくなっちゃうよ、ねぇ助けて!」

勇くん、あの仔はCOCOじゃないわ。COCOはもう死んだのよ。名前はCOCOでもいいけど

私の代わりではないのよ。勇くん、あの仔を救って。

 

その日勇くんは一生懸命おとうさんとおかぁさんにお願いしました。

COCOちゃんに教わったことも話しました。この仔はCOCOちゃんじゃない、でも僕が

可愛がるから、噛まれないように可愛がるからどこにも連れて行かないで。

勇くんはお願いしながら涙が溢れてきて、でも拳を握り締めながら一生懸命お願いしました。

 

あれから半年が過ぎ、季節は寒い冬です。

家には灯りがともり暖かいお部屋に勇くんとセーブルのフェレットが仲良く寝ています。

勇くんに抱かれるようにして寝てるフェレットが寝返りをうちながら目を開けて、勇くんの存在を確かめて

安心してまた丸まって寝ました。

幸せな時間がゆっくりと過ぎていきます。COCOは時々勇くんに合いに来ますがCOCOの姿は

勇くんにも見えません。それでもCOCOは勇くんの匂いを感じて幸せな気分になれるのでした。

勇くんは夢の中でCOCOとお話が出来ました。いつもCOCOが夢の中に現れてくれるわけではないのですが

それでも合いたいなぁと思って寝ると、COCOはヒョッコリ夢に出てくれたりしました。

夢の中のCOCOは勇くんよりも大きくて、勇くんはいつでもCOCOの懐に抱かれていました。

時にはCOCOの背中に乗ってお散歩も楽しみました。そんな時、勇くんは思うのでした。

「COCOちゃんが死んじゃった時は悲しかったけど、今はとっても楽しいよ、COCOちゃん!」

 

夢から覚めると勇くんは、自分の懐で寝ているナッツに向かって必ず言うのでした。

「ナッツ、急に死んだらいやだからね。いつまでも僕と一緒に居てね。でも、いかなくっちゃならなくなったら

COCOちゃんの所に行くんだよ。そうしたら皆で仲良くまた遊べるからね」

ナッツと呼ばれた小さいセーブルフェレットは、無邪気に舌を少し出して幸せそうに眠っていました。

COCOはそんな勇くんとナッツを離れた所で見つめながら、何故自分は生まれてきて、何故勇くんの所に

来て何故死ななければならなかったのか少しだけ分かった気がしました。

COCOは背中に風を感じました。ゆっくり振り返ると大勢の友達が空の上から手を振って

微笑んでいました。

勇くん、ナッツちゃん、また来るからね。

COCOは勇くんの周りをゆっくり飛び回って、お空に向かって上っていきました。

COCOは思いました。一時のお別れは辛いけど、また絶対に好きな人には会えるんだと。

虹を渡ったその先には皆の笑顔がCOCOを待っているのです。

 

                      HOMEへ帰る