思いっきり噛んだ。 そして、、、

 

おいらは気分が優れなかった。なにが原因なのかはよく分からないけどとにかく楽しくない。

人がやってきておいらを抱っこするけど、なんかちっとも楽しくない。黒い仔がやって来た日

誰かがいなくなっている。きっと黒い仔といっしょに人間の所に連れていかれたに違いない。

おいらの親しいイタチ兄さん達はまだここにいるから、あんまり顔しらない仔が連れていかれ

たんだろうな。フン。。。。

毎日毎日ただ寝そべって暮らしていた。。。。。。つまんない。 はぁ。

 

ある日抱っこが随分下手な人間がやってきた。 その日も気分はすぐれなかったので

抱っこされて適当にかまってあげていたらシツコイ位に触ってくる。

「可愛いわねぇ、ブーちゃんって言うの?」

「噛まないのかなぁ?ねぇ君ぃ、噛まないの?」

お望みならば噛んじゃるか?いいのか?噛んでも??

「ブーちゃんはあんまり噛み癖もないし、トイレもほとんど完璧な仔なんですよ」と店の人。

「へぇー、いい仔なんだねぇブーちゃんは」

ほとんど噛まないけど、今日は思いっきり噛んであげようか?

「ちょっと臭うなぁ、ブーちゃん」

顔を近づけて来た時に思いっきり鼻に噛みついてやった。 「がぶぅー!」

「ギャッ!!」

声にならない叫び声をあげて必死においらを離そうとする人間。ざまーみろっ!

コラーッ! ブーちゃん駄目でしょう!!」

慌ててお店の人がおいらの首をつまんで離そうとした。

「離すもんかぁ。がぶぅっ!」

「大丈夫ですか? あっ、、、血が。。。。」

「。。。っっっっ 思いっきり噛まれちゃったよぉ」

へへん!おいらを臭いなんて言うからだぁ。嗚呼、でも怒られるなぁ。

「ブーちゃん。なんで噛んだの?駄目でしょ?ちょっとこっちにおいで」

「あ、いやぁ。僕が悪いんです。いきなり顔を近づけたから。怒らないであげてください」

ビシッ! 鼻ピンされて怒られた。おいらが悪くないのに、いつも怒られるのはおいら達だ。

近くにおっきな知らない顔が現れたら噛むしかないじゃん!それも、おいらの事臭いといったんだ

から、噛んで当然だよ。それなのになんだよ。。。やぱり人間なんて勝手なんだよな。

 

「はははは、見事にがっぷりと噛まれちゃったなぁ。ちゃんと自分の意思持ってるんだね、

あんなにちっこいのに。ブーちゃんって生後何ヶ月でしたっけ?」

「本当にごめんなさいね、いつもは大人しい仔なんですけど。ブーちゃんはもうすぐ3ヶ月に

なるんですよ。まだちょっと子供ですね」

「お迎えは決まっていないんですか?」

「はい、まだなんですよ。一緒に来た仔はだいぶお迎えされたんですがブーちゃんは何回か

お迎えのお話があったんですがまだ決まってないんですよ。可愛い仔なんですがどうしてです

かねぇ」

「そうですか。噛まれたのもなんかの縁かなぁ」

「ふふふ、そう言ってくれるとホッとします。も一度抱っこしてみますか?ブーちゃんの事。」

「そうですね、怒られたみたいだしちょっと可愛そうなことしちゃったからも一度抱っこして

謝っておこうかな?」

 

なんだよぉー!また怒られるのかよー。 離せーっ!(ジタバタジタバタ)

「ブーちゃん、さっきはごめんね。ビックリしちゃったんだよね。だから噛んだんだんだよねぇ」

ゲッ!さきの人間だ。おまえまでおいらを殴るのかよぉー。離せぇー

「あらら、嫌われちゃったかなぁ? ねぇブーちゃん、うちの仔になってくれる?」

はぁ?なに言ってんだこいつ。騙すつもりなんだろぅ?も一度噛んでやるかぁ?

「うはははは、随分元気がいいねぇ。ね、この仔にしようよ。なんか運命感じちゃったよ」

「あらあら、まぁあなたがいいならそれでいいんだけど。でもちょっぴり恐いわね。だって

噛むんだもん」

シャーッ!!

「はははは、シャーシャー言ってるよ。よっぽど嬉しいんだね。」

。。。。。。こいつなんにも解っちゃいないな。。。。。

「あのぉ、シャーってのは喜んでるんですか?」

「いやぁ、、、ちょっと恐かったり嫌な時の声なんですよ、、、、ブーちゃんどうしたの?」

「ねぇあなた、ブーちゃん嫌がってるみたいよ。どうするの?」

「嫌われたのかなぁ。 ブーちゃん、そんなに俺のこと嫌いなの?仲良くしようよ」

。。。。。こいつ、なんなんだよ。おいらがシャーシャー言ってるんだから気がつけよなぁ。

騙されないからな、おいらは人間には騙されないからな!あんなにいっぱい噛んだんだもん

仲良くなんて出来るハズないだろ。優しそうな事いって、ぶつんだろう?決まってるよ。

「さっき鼻ピンしちゃったからちょっと興奮してるのかもしれませんね。少し大人しくなるまで待ちましょうか?」

 

おいらは考えた。おいらは悪くない。あいつが悪いんだ。おいらは悪くない、悪くないんだ。

絶対に騙されないぞ。油断してたら絶対にぶたれる。人間なんてみんなぶつ生き物なんだ。

おいらは何処にも行かない。人間なんて信じない。あいつの所なんかには絶対行かない。

 

「じゃぁブーちゃんに決めていいんですか?」

「はい、お願いします。噛まれちゃったけどなんだかとっても気になるんですよぉブーちゃんの事。」

「そうね、よく見ると可愛い顔してるしもうふやかしFoodじゃないってのも助かるわね。決めましょうか?」

「うん。ブーちゃんに決定だね!」

「よかったねーブーちゃん。幸せになるんだよぉ」

 

「やだぁー!!おいらはここにいるんだぁー!人間となんか一緒に

 暮らしたくないよぉー。」

 

「じゃぁ、来週までにお迎えの準備を終えておきますのでそれまでブーちゃんの事、お願いしますね」