貯水タンクの貯水量を表示するアイデアはいろいろあると思われる。しかし、貯水という本来の目的から外れている こともあるのか、 web で調べても、めぼしい事例はほぼ皆無である。 透明チューブと浮き球とか、浮子と紐と滑車などの原始的な小学生レベルのアイデアは、机上のアイデアに過ぎず、数 年間の実用に耐えるとは思えないのだ。たとえば透明チューブの透明度は短期間で内部が汚れるがクリーニングの 手段が見つからない。 浮子と紐と滑車を利用した構造は、浮き球の浮力が非常に小さいため、滑車の軸受けは特に摩擦の低い製品が要求 されるが、街の DIY Shop では入手は不可能だ。浮き球は藻などの発生でスムースさを失うだろう。それらを連結する紐 も絹のようなしなやかさが要求されるが、要求を満たす物は入手が困難だ。さらに、冬期の低温、夏期の高温に耐え得る スタミナを持つ製品の入手はほぼ絶望的だ。 私は、現時点 ( As at 2014年6月 ) で2種類の実用レベルの作品を使用している。実用レベルとは、ノーメンテナ ンスで、少なくとも5年の耐久性、適切なメンテナンスで10年の耐久性を持つことが私のリファレンスなのだ。 ひとつはすでに、4年以上トラブルも無く稼働している作品で、別ページに概要や製作ガイドを記した。⇒⇒ もうひとつのアイデアは、超音波を利用するアイデアで、それなりのメリットとディメリットを持っている。⇒⇒ ![]() これは過去の作品の一例で、裏庭などに設置した貯水タンクの貯水量を書斎などの屋内でモニター可能なモジュール だ。 ![]() これ(↑:プロダクト ID #080 ) は貯水タンク上部にセットだけで、タンクに加工することなく貯水量を離れた (50m のケーブルで三ヶ月間の実証実験で正常動作を確認済み。) 場所に伝送可能なモジュールだ。使用して いるマイクロプロセサーは Microchip 社の PIC16F84A だ。 製作記事 ⇒⇒ _ 私は現在72才だが、[ ぼけ防止 ] の目的も兼ねて、 [ さんばん目の貯水量モニターのアイデア ] を捜している。 ![]() これ(↑)は日本の Sharp 社製の距離センサーモジュールで、秋月電子の通販で数年前に入手した物だ。赤外線を 利用した反射型センサーなので、超音波のように水面で反射可能ならば、貯水量モニターに応用可能なので、試作品の製作 を試みた。 ここでひとつ問題が生じた。GP2YOA は距離に応じたアナログ値を出力するのでマイクロプロセサーで処理するためにディジ タル値に変換する必要がある。A/D コンバート用 IC は各種市販されているが、A/Dコンバート機能を持つマイクロプロセサー も販売されているのだ。A/D コンバート可能なマイクロプロセサーを使用すれば良いのだが、私が現在所有するプログラムラ イターはA/D コンバート可能なマイクロプロセサーの書き込みができないのだ。 要は、プログラムライターなどの新しい開発環境、そして、私の能力の問題、72才を超えた私の頭脳が新しい知識を理解 できるだろうか。 いろいろ考えた結果、ひとまず Microchip 社の PIC16F88 を対象に最低限の開発環境を整えることにした。つまりプロ グラムライターの新規購入はしないで、現有ライターのバージョンアップで対応するのだ。さっそくいつもの秋月電子へ バージョンアップ用ロムを発注。 ![]() PIC16F88 は A/D Convertor ( 10bit ) 機能を持つため、その機能を生かしたテストプログラムを2件作成、Hex ファイル にして、ロムが届けばすぐにテストできるようにしておいた。 2014-07-08 Tue. 届いたロムをライターにセットして Power on 、付属マニュアルでは LED がフラッシュするはずなのだが、 ロムは無反応だ。どうも不良品らしい。念のためPC に新プログラムをロードして PC からテストしても通信できない。 このロムは開発されてから約10年経過している『枯れた製品』なのでバグなどはすべて解消済みだろうとの考えも選択理由 だったのだ。残念ながら最初からつまづいてしまった。 秋月電子カストマーサポートへメールを入れる。すぐにリプライがあり、商品と当方のライター、電源などを返送しろとの指示 が届いた。 不良ロムの返品交換で済むと思ったが、どうも向こうは当方のミス操作を疑っている様だ。言い争っても時間の無駄なので 指定先へ指示された品々を返送した。 2014-07-09 Wed. 『当方の製品の欠陥でした。新しい商品を再送します』との回答が届いた。やれやれ、これで明日 A/D コンバートプログラムのテストランができそうだ。 秋月電子から返って来たライターでテストプログラムを焼き、Sharp 社製の2種類の距離センサーモジュールをブレッドボードに セット。コネクターの差し替えで2種類の距離センサーモジュールの性能比較も可能とした。 ![]() 私の初めての PIC 16F88 のプログラムはすんなりと動いてくれた。 A/D Convertor ( 10bit ) 関係で数回つまづくだろうと予想して いたのだが、少々あっけない感じでもある。 ![]() 実測データから距離と出力の特性カーブを調べた。プロットしたラインはメーカーの資料と大きく異ならなかった。 問題点は、特性カーブが、距離に応じて上昇( or 下降)線ではない事だ。つまり、距離に応じて一旦上昇後、下降して いるため、センサーの出力レベルだけで距離を判断すると、距離によっては( 具体的には 15cm を境に)同じ値が2個所で 導き出されてしまうのだ。 マイクロコンピュータのプログラムに判断が任されるわけだが、アルゴリズムは簡単ではなさそうだ。 ![]() センサー GP2Y0A21YK0F から10cm 先に小箱を置いた。標示された値は、 1Cn 〜 1Dn だ。画像の数値だが2桁目は C と d がめまぐるしく変化しているので8に見え、1桁目も同じ理由で8に見えている。ここでちょっと専門的になるが、リファレ ンス電圧が 5.0 Volt、10ビットの A/D コンバートなので、、、、、、。 1D8 は十進法で 472 ⇒ 測定値は 2.30 Volt となる。 センサー GP2Y0A21YK0F に付属していた仕様書のグラフでも近似の数値が記されている。 小箱を 10 〜 60cm 間で移動して得られた数値を確認。照射対象が水面でも同様の反応であれば、目的の貯水量ディジ タル表示は可能との判断ができるわけだ。 ![]() テストモジュールをセンサーが下を向く様にセットし、まずバケツの水で試みたが、想定外の結果だった。私の仮定は こうだ。『紙などと異なり、水は透明度が高いので、赤外線は水を透過し底で反射するため、水面を判断できないだろう。 底部までの距離に相当する数値を示すのではないだろうか。』 しかし水位や容器を代えて試みても、『実際より大幅に近い距離に水面がある様な』数値が示されるのだ。 ![]() 『それならば水面に反射物を置いて見よう。』と CD盤 を浮かべたのだが、やはり実際とは異なる距離の 値が示されるのだ。 画像に残すことを失念したが、結局正しい水面までの距離の値が示されたのは、水面に発泡スチロールの 板を浮かべた時だった。 現時点の私の結論はこうだ。 水面、CD盤は反射効率が高いので、反射光が多い。反射光を単純に数値変換する Sharp 社製の距離セン サーモジュールは、結果として高い数値=近い距離の電圧値を出力する。発泡スチロールの反射率はほぼ コピー用紙などと同等なので正しい数値が示される。 Sharp 社の資料を調べると Kodak 社のグレイカード R-27 を基準にしていると記されている。反射率 90% の R27に比べれば、水面やCD盤は遙かに高いため、この様な結果になったのだろう。 さて、今後の予定だが、Sharp 社製の距離センサーモジュールを使った貯水量表示は可能だと思われるので 時間があるときにコツコツと作業を進めるつもりだ。基本アイデアは、ガイドポールに沿って上下する発泡 スチロール板で作った反射板をセンサーモジュールで照射し、水位を知る構造になるだろう。 現在、この光センサーを利用したアイデアはペンディング中である。先日水流センサーを入手したのだが、目下 水流センサーを利用した作品につきっきりなのだ。 2014-08-15 Fri. ![]() 多分国内のショップでも扱っていると思われるが、海外のサイトで見つけた水流センサーを5個入手した。 貯水タンクへの送水量や庭の散水時の消費水量などを知るために使うつもりだ。 2016-05-04 Tue. これが屋外の(複数の)貯水タンクの貯水量を屋内で知ることが可能な、私の最新の作品例だ。 ![]() 裏庭の2セットの貯水タンクの貯水量を屋内でリアルタイムに表示している。 ![]() 水位は超音波送受ユニットがモジュールが化された市販品を採用した。コスト面と安定性で、個々のパーツを購入して組み上 げるより優れている。 ![]() 測定データ(貯水量)は無線で屋内モジュールへ送信している。無線通信なので屋内の設置場所は(例えば居間から書斎へ 移動 )任意だ。 無線なので他人の傍受の可能性があるが、ID コードを無線データに組み込むことで対応している。 この作品の製作リポート ⇒⇒
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