Michael Forever


セラフィムが来て1週間が経った。セラフィムを予防接種に連れて行かなくてはいけない。
それにしてもミカエルは日に日に元気はなくなるし・・・背骨がやたらゴツゴツしておかしい・・・
ついでだから一緒に連れていってみるか・・・
そんな何気ない気持ちでミカエルを病院に連れていくことになった。
まさか、それが『哀』の幕開けになろうとは・・・・・・・

↓病院へ行く前日。だいたい毎日こうしてうずくまっていた。


2月15日 土曜日 晴れ
 
 初めて行く病院だった。セラフィムを迎える時に教えてもらった病院だ。
ネコの事を良く研究している病院だと言われて、今まで通っていた病院よりも近かったので
行ってみることにした。
セラフィムはわりとスムーズに治療が終わった。
 
 ミカエルを診察台に乗せた。
「最近元気がなくて食欲もないし、やたら背骨が目立ってきたんです」
ミカエルの様子をカルテに書き込む先生。しばらくして、先生に「お腹は前からこんなにふっくらしてましたか?」
と聞かれ、そう言われてみればちょっと膨れているかもしれないな・・・毎日一緒にいて全然気づかなかった。
先生の顔色が少し曇った。
ナゼ・・・?
お腹をエコーで診て、水が溜まっている事が分かった。
「お腹に水が溜まる病気で伝染性の怖い病気もありますから、少し水を抜いて検査してみましょう」
正直、そんな怖い病気になるわけないと思って先生の話もあまり真剣に聞いていなかった。
待合室で30分くらい待った、名前を呼ばれてミカエルと診察室に入る。
診察室の空気が心なしか重い気がした。さっきの先生と違う・・・
「今、腹水を調べました。お腹の水というのは・・・・・・」まわりクドイ説明。
イッタイナニガイイタイノ?
「・・・・・・この子の場合、腹水は黄色い。しかも粘り気があるんです。つまりこの子の腹水は内臓で炎症が起きいて
細胞から出ているものなんです。ここまで条件が揃うと・・・この子まだ若いですよね。11ヶ月ですか・・・
可哀想ですがFIPで間違いないと思います。まだ血液検査をしなくては決定づける事はできません。
結果が出るのに一週間かかります。結果を待って何もしないより仮診断として治療を進めた方が
この子の為になると思います。・・・」FIP・・・?私には何の事だかピンとこなかった。
頭の中で嫌な予感を断ち切ろうと「治るんでしょ?」と思った。否、思いたかった。
だってFIPは猫科の動物からしか移らないって・・・さっき先生言ってた。
だってミカエルは外に出たこともないし他のネコってセラフィムとしか接触してないし、
だって・・・ミカエルの具合が悪くなったのって去勢手術後だよ・・・。
センセイ、ナニイッテルノ?
本を差し出された。『猫伝染性腹膜炎』(FIP)
私の目に飛び込んできた文字 《発病したら死亡率は極めて高く・・・》それとほぼ同時に先生の声
「残念ながら、この病気に治療法はありません。室内飼いでこの病気が発症したとなるとホントに運が悪かった・・・」
顔から血の気が引くのが分かった。全身から力が抜ける。『この子は助からない。待つのは死。』
頭でソレを認識するのと涙があふれ出るのと、どっちが先だったろう?
ミカエル、ミカエル、ミカエル・・・
何も知らずに、診察台が嫌でママによじ登ってくるミカエル。涙が止まらない。先生の声が聞こえない。
「すみません・・・」精一杯出た言葉だった。
先生「いいですよ、先に採血しましょう。それと、腹水を抜いてちょっとでも楽にしてやりましょう」
ミカエルは首から採血して奥の処置室へと連れられて行った。
先生との会話は続く。
「まず、こういった病気になったら何をしてあげれるか考えましょう。人間のように温泉にいったり
余命を楽しむ事は出来ないから、美味しいものをたくさん食べて、大好きな飼主さんとできるだけ一緒に
いられる事があの子の幸せな事だと思います。多少塩分が多いと思うものでも良いですよ。
何でも好きなもの食べさせてあげてください。これから3日間毎日注射に通って、その後は一週間置きに
来てください。後、突然厳しい事を言われてなかなか理解出来なかったかもしれませんが何か質問があったら
電話でも良いんで聞いてきてくださいね。」
一つ・・・ひっかかる事があった。「後、どれくらい・・・?」
イッショニイラレルンデスカ?
「率直に申し上げます。一ヶ月もたないと思います。」
涙は止まる事を知らず、ミカエルの治療が終わるのを待合室で待った。
奥からミカエルのイヤがる声が聞こえる・・・。
FIP・・・コロナウィルスがFIPウィルスに変わるのはストレス等が引き金になる事もある。
・・・神経質なミカエル。多分、去勢手術の時のストレスで発病してしまったのだろう。
長い時間が過ぎた。ミカエルが治療室から出てきた。
先生「腹水は250cc出ました。でも、決して多い量ではありません。・・・自分の誤診であってほしいです」
センセイニソンナコトイワセナイデ・・・カミサマ

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