室内犬を探せ
P1
1993年、87歳は高齢です。夏までかくしゃくとしていた父が最近急に気力が衰えてきた感がするのです。母が入退院を繰り返しているせいかも知れません。子供たちと相談したところ「室内犬」をプレゼントしよう、ということに決まりました。
室内で犬を飼うことなど考えもしませんでした。どちらかと言えば、汚らしいという先入観がありました。そこで、老人でも散歩に連れて歩くことができる大きさであること。容易に抱ける体重であること。換毛が目立たないこと。動きが俊敏であること。これらのことを兼ね備える条件で探すことに決まりました。でも、誰も犬種について全く知識がありません。
まず、犬の図鑑を買い求めました。大宮巨摩男著「ドッグ・カタログ」です。チワワ、パピヨン、ヨークシャテリアなどを候補にあげました。飼ってみえる方からいろいろ情報をいただきました。
そんな折り、姪から「ミニチュア・ピンシャーがいいよ」との連絡がありました。図鑑で見ると、ドーベルマンによく似た品粗な犬です。でも、短毛、体重、いたずら好き。条件に合うではないですか。
犬種を選ぶ
巡り会い
ミニピンを飼おうと決めたまではいいのですが、ペットショップにそれらしき犬はなかなかいません。親切に「取り寄せますよ」とは、言ってくれるものの、実物を見てからでないとなんとなく不安です。
随分時間がかかったたものの、やはり姪っ子から「いるよ!」と電話。
早速パートナーを連れて車で1時間強走りました。その店には、子供たちが数人犬を探しているようでした。「どの犬ですか?」と店員に聞くと、
小さな小さな体の犬を出して見せてくれました。
パートナーが抱いた瞬間「これ下さい!」。あまりの即断即決に呆気に取られました。注意事項をしっかり聞いて、小さなかごに乗せてやりました。すぐに車で自宅まで直行。脳裏には「いいなぁ、いいなぁ」と言ってついてきた子供たちに、申し訳ないという悔いが・・・。