想像妊娠
高まる期待
 1995年8月20日、レイは家族の期待を受けながらも順調に成長してきました。ピンシャーとの仲もすこぶるよく、自然にその望みが膨らんでいきました。でも、それは2回目の発情からと考えておりました。だが、恋仲は飼い主でもコントロールはできないもののようです。
 翌春の1996年3月14日,レイは初潮を迎えました。ピンシャーは匂いをかぐだけで素振りを見せませんでしたので安心しておりました。ですが、3月15日突然の交尾。早すぎるという心配の反面、家族の中に「もしや」の期待があったのかもしれません。

 時間の経過とともに、レイのおっぱいがはれてきました。交尾後40日くらいで、お腹が目立ち始めました。これは絶対に間違いない、との確信のようなものがこの頃芽生えました。

 だいたい60日前後で出産を迎えます。家族で準備しなければならないものをリストアップしました。産室になるダンボール、細かく裂いた新聞紙、毛布、暖房器具、消毒した鋏などをノートにメモりました。容易は万端です。

 何匹生まれるか、それも楽しみの一つでした。私は何匹かわからないので、名前はドイツ語で第1子がアイン、第2子がツバイ、第3子がドゥライ・・・、と提案。夢は部屋中ピンシャー。これは私だけでなく家族全員が期待も持ったから勝手なものです。あの部屋をピンシャー一家の部屋にしようとまで。

裏切り
 40日過ぎてからはレイの散歩の量を少なくしました。交尾後52日目で、検診を受けておこうと獣医さん宅へ。レイを見て「大きな腹になったなぁ。妊娠しとるわ」と言いながら、お腹に聴診器を。「あれっ、心音が聞こえんぞ!。こりゃ、想像妊娠だわ」と。

 この言葉にがっくり。わずか2分ほどの距離なのに、自宅まで何と遠く感じられたことか。あの準備は、あの期待は・・・。

 その夜、家族全員が「レイのデブ!」「レイの食いしん坊!」と悪態を。そんな言葉に、レイは我関せずの様子で安眠しているのです。

 その後、シーズン毎に交尾をしていました。「今度は」、「今回は」と、それは望みをかけました。だが、いつも想像妊娠ばかりなのです。止む無く、レイの排卵状況を検査してもらったら「無排卵」とのこと。残念ながら、レイは妊娠できない体であることが分かりました。

 左下は、レイの出産を控え家族全員が勉強した本です。愛犬の友編「ミニチュア・ピンシャー」。誠文堂新光社発行。
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