日本の住宅事情から考えれば、犬好きの家族にとって、多くの犬に囲まれて生活できればと、考えるのは夢のようなことかも知れない。最大の問題は住環境。次いで、家族の協力問題、犬同士の問題、経済問題などががネックになろう。その点恵まれ、3匹の犬を飼った時期があった。
飼ってみる前までは、犬種が違うが仲良く生活ができるだろうか。食事の違いは? 散歩は? 様々な面で悩みもした。近所で生まれた子犬をジョン二世の傍に連れてきてみた。さほど心配なさそうである。でも、愛情の与え方で反乱がと、心配はつきない。そんな悩みを吹き飛ばしてくれたのが、庭で生活する故ジョン二世(柴犬・雄)。室内生活を始めたピンシャー(ミニピン・雄)を、庭に出してみた。何と用を足したピンシャーのお尻を舐めたやっている。特段の心配は無用のようであった。同じ雄同士で争いの不安は隠せなかった。でも、余りにも小さいミニピンにジョン二世は細やかな愛情を注いでくれた。当初の心配が全く無用であることを知った。
ピンシャーの子供が欲しいとの願望から雌を飼ってはとの意見が家族から出た。雄2匹に雌では争いが起こりうるのではという心配はあった。やはり、家族の間では願望が強かった。3匹目の犬レイ(ミニピン・雌)を迎えた。この心配事もまったく無用に終わった。ジョン2世が高齢であったかも知れない。
その後、ジョン2世が他界した。数ヶ月後、ジョン三世(柴犬・雄)を迎えた。2匹のミニピンは何の問題もなくジョン三世を受け入れた。再び、楽しい3匹の犬との生活を楽しむことができた。
昨年の年賀に使用
左から レイ・ピンシャー・
ジョン3世
最も注意した点は、犬たちの順位であった。これは家族が厳格に守った点である。この順位付けがよかったかの判断は明確には言い切れない。でも、何のトラブルもなく多頭飼いを楽しむことができたのは事実である。この時点までは、「多頭飼い」は大変楽であると判断していた。
この判断が大きな誤りであることに気付いたのはピンシャーが夢の架け橋を渡ってしまってからのことである。レイはピンシャーを部屋中探し回り、泣くのである。数ヶ月後、この行動は少しずつ収まってきた。
次いで、風呂場に張り付き離れない行動が現れた。残念ながら、この行動は今も続いている。
さらに、11月末、「こたつ」を出してからのことである。ドッグ・フードをくわえてこたつの脇にあるソファーにドッグ・フードをおいて、泣くことである。「ピンシャー出て来て!」と言っているようである。このレイの行動は、レイが幼い頃、ピンシャーがレイに対して行っていた行動と全く同じである。
今では、レイだけ部屋に残すと「キャン、キャン」と吠えまくる。不安症が出ている。レイの顔は最近めっきり老け、随分白くなった。
在りし日のピンシャー
これらのことは、飼い主の甘やかし過ぎと映るかも知れない。この要素は多分にあると認めよう。それならば、飼い主に寄り添う行動ばかりが出るはずである。なぜ風呂場に張り付くのか。なぜ、ドッグ・フードをこたつの傍らまでくわえてきて、泣くのであろうか。甘やかし過ぎだけでは、説明が付かないような気がしてならない。
ピンシャーとレイとの生活は8年。長すぎた夫婦生活だったかも知れない。だが、このようなところに「多頭飼い」の落とし穴があるとは想像だにしなかった。多頭飼いは事実楽しく、楽である。だが、いつか来る「別れ」も考えねばならないと、私は思うのであるが・・・。
注:我が家の多頭飼いで、注意したことが1点ある。同年代の犬ではなかったので、食事に注意したこと。育ち盛りの子犬と老犬では食事の質と量が異なる点である。