1.ラベルの品種名は正しいか?
この研究は、3つの業者から購入した株の分析をしています。正しい品種名で売られていたでしょうか?ラベルの名前が異なれば別品種のはずですが・・・はたして?
下の図を見て下さい。

図1 SSR分析による購入株の系統関係*
図の品種名の前の垂直線は、分析結果の完全一致を示します。つまり別の業者から購入した株が遺伝的に同一であることを示します。
品種名が同じで遺伝的にも同じだった苗は ’Oregon Pride’ ’Blaumeise’ ’Nikko Blue**’
’Endless Summer’ ’Veitchii’ ’Preziosa’ ’Pink Beauty’ の7つでした。これらはそれぞれ同一品と考えられます。
現在アジサイでは、品種ごとのデーターが登録されていないので、この結果から品種名が正しいとは言えませんが。。
’Preziosa プレジオサ’ と ’Pink Beauty’は別品種として売られているそうですが遺伝的には同一でした。品種名を統一する必要があるのでしょう。
このことは大変重要な意味を持ちます。SSRの分析結果(遺伝的フィンガープリント)を品種登録の時に、同時に登録しておけば品種の混乱が防げるばかりでなく、品種に対する権利の主張もしやすくなります。
アジサイは栽培条件の差で、花の色や葉の形が大きく変わりますが、SSRの分析結果(遺伝的フィンガープリント)は変わりません。また小さな苗でも分析でき、変わることはありません。
ピンクに咲かせて「城ヶ崎」、ブルーに咲かせて「城ヶ崎の雨」という品種がありますが、この場合もSSRの分析結果(遺伝的フィンガープリント)は同一になります。
品種名をわざと替える業者がいる!
’Libelle’ と ’Libelle White’ もSSRの分析結果(遺伝的フィンガープリント)は同一です。この論文の研究者は花の白さを強調するために業者が
’White 白’ を品種名に加えたと考えています。悪気はなくても混乱の元になりそうです。
’Charm’ と’Glory Blue’も遺伝的には同一ですが事情はやや複雑なようです。 この論文は、’Glory
Blue’の品種名をやめるよう主張する人がいることを紹介しています。
日本でも「藍姫」と「七変化」、「マイコ」と「サクマテマリ」、「クレナイ」と「乙姫」などいくつかの品種で、同一品ではないかという話が出ては消え、出ては消えしています。
日本でもSSRの分析が出来れば解決は早まるし、消費者は安心して買えることになるのですが。