チロ日記84

わたしは生まれて二年八ヶ月になります。これまで本当に恐いもの知らずに生きてきました。ところが先日ついに重大事故を起こしてしまったのです。すべてわたしの不注意から起きた事なのです。夜の散歩のことでした。大分遅い時刻で、あたりが暗くなっていたのもわたしにとって巡りあわせが悪かったと思っています。わたしは手綱を放してもらい、一人でのんびり公園の近くの歩道を歩いていました。そのとき道路を挟んで反対側にいた家人が手を上げてわたしを止める合図をしたのです。ところがわたしはあたりが暗いため家人が手招きをしたと勘違いしたのです。道路を渡って間もなく左前方からライトをつけた大きな乗用車が急にわたしを跳ね飛ばしたのです。わたしは一瞬気を失いましたが、すぐにわれに帰り何事もなく家人の近くに歩いて行きました。家人の話によると車に1メートル程跳ね飛ばされたとの事です。わたしはその場ではあまり痛みは感じませんでした。ところが歩き初めてすぐに体全体に痛みを感じ始めたのです。家まで五十メートルほどでしたので、なんとか一人で歩いてきました。明くる朝奥さんが主人に事の顛末を電話で知らせました。主人はびっくり仰天大至急お医者さんに診てもらうよう電話の向こうで大声で叫んだそうです。病院でレントゲン写真を撮ってもらった結果、心臓が少し肥大している事がわかりました。ニ三日あまり過激な運動をしないように奥さんは医者に言われたそうです。それにしてもたいした怪我もなく済んだのは奇跡に近いとお医者さんは言っていたそうです。今回は事故の後わたしが神妙にしているところをお見せしましょう。