Geoffrey の独り言

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 ぼくがお父しゃんとお母しゃんに出会ったのは、1993年6月のことだった。5月に生まれた兄弟と3匹でママと暮らした場所から知らない場所につれてこられた。
 どうやらそこは千葉県にあるデパートのペットショップだったらしい。3匹ともかごから出されてツルツルする床を「テケテケ」と歩いたんだ。ほかの2匹は結構ビビッてたみたいだけど、目の前に噛み心地のよさそうな布がヒラヒラしていたのにぼくは気が付いた。そして嬉しくなってカプッてくわえて引っ張ってみた。後で聞いたらそれはお母しゃんのGパンだった。お母しゃんは「ぼくを連れてって〜」と言われたのよ、なんていってたけど、ぼくはただ遊んでいただけなのさ。
 そういう訳でその日からぼくはお父しゃんとお母しゃんのおうちで暮らすことになった。犬を飼うのが初めてだった2人は、ぼくを可愛がるあまり、すごく甘やかして育ててしまった。だからぼくは2歳になる頃にはすごいわがままな犬になっちゃって、困り果てたお父しゃんとお母しゃんは犬の訓練所というところに相談した。「とりあえず、6ヶ月間訓練してみましょう」と言うことになったらしく、ぼくは埼玉県のとある訓練所に連れて行かれた。
 訓練所での生活は、今までと違ってわがままが通用しないから結構大変だった。最初の1ヶ月はお父しゃんにもお母しゃんにも会うことができなくて、ちょっと寂しかったけど、訓練士の先生たちはみんな優しくて、たくさん遊んでくれたからちょっと安心した。
 2ヶ月目になると訓練所生活もだいぶ慣れてきて、お父しゃん達も毎週会いに来てくれた。すわれ、待て、触れ、立って待て、あとへ・・・いろいろと覚えることが多くなったけど、ぼくはすごく頑張った。アジリティの練習はとっても楽しかったなぁ〜。特に好きだったのは「ハイジャンプ!」スーパーマンのように足を伸ばしてかっこよく飛ぶんだよ!
 お母しゃんと一緒の訓練が始まったとき、最初は「何で先生じゃなくてコイツが指示を出すのかな?」って不思議だったから全然言うことを聞かなかったのだ!でもすぐに指示の意味がわかってたのでお母しゃんの横について歩いたり、座ったり伏せたりできるようになった。
 6ヶ月で卒業する前にぼくは「家庭犬訓練競技会」に出ることになった。ハンドらーは先生だったから、ぼくは一生懸命頑張って、CD-2の証明書をもらった。(エッヘン!)そして卒業のとき、今までの成果を全部通しで披露したんだ。お母しゃんはぼくの颯爽とした姿を見て涙ぐんでた。(あのわがままジェフリーが、よくもここまでできるようになったものだわ・・・)
 それからアジリティの大会にも出たんだよ。富士山のそばの朝霧高原というひろーいところにいろいろな犬達が集まって「運動会」みたいだったよ。ぼくは小型犬でエントリーしだけど、ほかの小型犬たちはぼくの足くらいの身長しかない。・・・だからハードルがぼくのひざくらいの高さ!なんだか拍子抜けしちゃってやる気が失せてきたとき、目の前にすごく飛びやすいハードルを発見!それっ!とばかりかっこよくジャンプしたんだけど、それは会場を仕切る柵だった。(チャンチャン)
 ぼくは3回も同じ失敗をしたために残念ながら失格。でもなぜか大きいトロフィをもらった。それには「ガッツ賞」と書いてあって、お父しゃんとお母しゃんは大爆笑!
 そんなこんなで、ぼくはすごくおりこうになって、おうちに帰ってきたのだ。

 無事、おりこうさんになって帰ってきたぼくは、毎日の散歩のときに、きちんとお母しゃんの左について「すたたた・・・」とかっこよく歩けるようになった。いたずらをしようとしても「いけない!」の一言でやめるし、お父しゃんとお母しゃんがご飯のときでも、自分のじゃない限り「よし!」と言われるまで座って待てるようになった。お母しゃんはとても楽になったわと言っていた。
 そこでお母しゃんは雑誌に載っていた「WAN WAN パーティー」って言うイベントに申し込んだ。近くの河川敷にいっぱいワンコたちが集まって,いろいろな遊びをするらしい。ぼくはまたこの前の運動会みたいに先生が来てくれるのかと思っていたけど、そういうのとは違うみたいだった。
 たしかにそこには大きいのや小さいのやすごい数のワンコが集まっていた。ぼくと同じ形でぼくより数倍デカくて黒い奴がいたので、ケンカ売ったらお母しゃんに怒られた!
 よーい、ドン!でお母しゃんのところからお父しゃんのところへ走るゲームがあったけど、リードを話すのが不安だったお母しゃんはぼくと一緒にドタドタと走った。結果は着外。つまり入賞もしなかった。一人で走ったら絶対1等賞取る自信はあったのにぃ!
 次はハイジャンプ。これはぼくの得意種目!何しろ自己最高記録は1mだもんね!自信満々で参加した。20センチくらいの高さから始まってゴールデンレトリーバーやポメラニアン等いろんな種類のワンコがチャレンジ。大きいワンコでも目の前のバーが怖くて飛べなヤツもいた中で、ぼくは果敢にアタック!決勝戦でシェパードに負けちゃったけど、80センチをクリアしたのさ!特別賞で Dog Dept の白いキャップをもらった。(それはもちろんお父しゃんが持っていった・・・)
 次にやったのがしっぽ振りコンテスト。声をかけても触っても何でもいいから、たくさんしっぽを振ったワンコの勝ち!と言うゲーム。見ている人たちの拍手の多さで勝敗が決まるんだって。一緒に来て応援してくれた可愛い従姉妹(人間だよ)にかっこいいところを見せたかったぼくは、目いっぱい自分をアピールして、観客の目をくぎ付けにしようと張り切っていたんだけど、予選を見るとみんな激しくしっぽを振っている。うぅ〜ん、自信ない・・・
 するとお母しゃんが良いことを思いついた。ぼくの食い意地に着目!先ずぼくを座らせて「待て」の指示で手のひらをぼくに見せた。その手のひらには、何とぼくの大好物の「煮干し」がはさんであった。ほかの人には見えないけれどぼくにはハッキリと見えた。やったぜ!お母しゃんの頭脳プレー!司会のお兄さんは「このワンちゃんはマテが好きなんですね〜」なんて言ってたけど、誰がマテなんか好きなもんか!煮干しをくれるまでしっぽを振り続けるだけさ。そしてぼくのまっすぐなしっぽは「最速のメトロノーム」状態でピピピピッとリズムを刻んだ。ほかのワンコたちはゆさ・ゆさと大振りしていたので、明らかに目立ったぼくのしっぽは、観客の目を釘付けにして予選を通過。そして何とぼくが優勝したのさ!
 賞品はぼくのご飯8キロ袋が1つと清里のペンションの無料宿泊券2枚と1頭分。すごいでしょ?
その後も「早食い競争」とか「だるまさんがころんだ」とかにチャレンジしたけど、あまりイケてる種目じゃなかったので、今ひとつ気分が乗らなかった。早食い競争のとき、ほかのワンコたちは無心でバクバク食べてたけど、ぼくはいつものご飯と違う味だったのでゆっくり味わって食べた。「たまには違う味も良いもんだなぁ〜」と思いながらね。
 そしてぼくたちは、優勝賞品や、必ずもらえる参加賞をたくさん車に積んで、おうちに帰った。
 さぁ、次はいよいよぼくがゲットした清里への旅行のお話しだよ

ぼく達は清里のペンションにいくことになった。それがどこなのかよく分からなかったけど、とりあえずどこかに遊びに行くんだということは分かった。お出かけするときのぼくが入る箱(お母しゃんはそれをカプセルホテルと呼ぶ)に入るように言われたぼくは、お出かけ用品一式が入ったバッグやいろいろな荷物をしたくしているお父しゃんとお母しゃんを、ワクワクしながら見ていた。折りたたみ式のケージも車に積んで、いよいよ出発。
 高速道路はそれほど混んでなかったようで、途中サービスエリアで何度か「シッコタイム」を取ってから、清里の町へ着いた。清里駅の前で記念写真を撮って町を散策してみた。お父しゃんとお母しゃんが昔来た頃の清里は若い人たちがたくさんいて、とても活気が合ったらしいけど、今は当時と様子が違って、人影もまばらでなんだか寂しげな町になっていた。9月の平日だったから無理も無いね、とお父しゃんがつぶやく。
 駅の周辺で少し遊んで、清泉寮へ行った。お母しゃんはここのアイスクリームが大好きで、清里へ着たら必ず寄って、どんなに寒い日でも必ず食べるんだって。そこで今回もお母しゃんのリクエストでソフトクリームを食べに来たという訳。ひろーい原っぱがあって人も結構いたけど、とても静かな場所だった。お目当てのソフトクリームをゲットしてお母しゃんは嬉しそうだったけど、お父しゃんはそれほど感動してはいなかったみたい。お父しゃんはぼくの鼻先にソフトクリームを差し出したのでペロリとなめてみた。ヒヤッとしてちょっとびっくりしたけど、甘くてとてもおいしかったから、ぼくはもっと欲しくなってお父しゃんに「もっと、もっと」と頼んだ。するとお父しゃんは自分が一口食べるごとにぼくにもなめさせてくれた。はぁ〜、こんなに美味しいものが世の中にあったなんて、知らなかった!幸せのソフトクリームを食べた後、ペンションに向かうことにした。
 そこは「銀の道」という、小さいけれどとても素敵なペンションだった。お風呂以外はワンコOKだったので部屋の中でも自由に歩き回ることができて、ぼくは生まれて初めてベッドというものに乗った。ふわふわでなんだか変な気分、歩こうとしても足がふらふらしちゃう。でもゴロンとするとすごく楽なのだ。お父しゃんのベッドからお母しゃんのベッドへ、ぴょんぴょんと跳ねて飛び移るのが楽しくて、ずっとやっていたらお母しゃんに「だめっ!」と怒られた。
 ご飯は食堂で食べることになっていて、本当はぼくも一緒にいても良かったんだけど、ほかにもう一組ワンコ連れの家族がいて、ガウガウに鳴門困ると思って、ぼくはお部屋のケージの中でお留守番することになった。オーナーさんの作るフランス料理はとても上品な味で、ワインも美味しかったとお母しゃん入っていたけど、お父しゃんはもう少し量があったほうがいい・・・と思っていたらしい。ぼくに似て食いしん坊なのだ。
 夕食の後、部屋に戻って3人で遊んでいた。テレビをつけると事故でなくなった外国のお姫様だった人のお葬式の様子が映っていた。お母しゃんはじっと見ていたけれどお父しゃんはあまり興味が無いらしく、ぼくといっぱい遊んでくれた。
 またベッド飛び移りごっこをやったけど、お母しゃんは今度は「だめっ!」といわなかった。ちょっと疲れたぼくはベッドでゴロンとして、いつの間にか寝てしまったけど、お父しゃんとお母しゃんはしたの食堂にいってオーナーの奥さんが作ったケーキとハーブティーをみんなで食べながらお話しをしていたらしい。
 何でぼくを起こしてくれなかったんだろう。ぼくもケーキ食べたかったのに。その夜ぼくはケージの中で寝ることになった。ベッドだと転げ落ちる心配があるからだって。ベッドでもよかったのになぁ。
 次の朝早く、ぼくとお父しゃんとお母しゃんは朝もやの中を散歩に出かけた。ほんのりと湿った土の香りがして、深呼吸すると気持ちいい空気が身体いっぱいに入ってきた。朝ごはんの後、ぼく達はオーナーのトウモロコシ畑でトウモロコシ狩りをした。(といってもぼくは見ているだけ)お父しゃんとお母しゃんが一生懸命もいだトウモロコシをお土産にもらって,ぼく達はペンション「銀の道」をあとにした。
 以上、ぼくがゲットしたペンション旅行のお話しでした。お母しゃんは思い出すのが大変で、もしかしたら忘れていることもあるかもしれないなぁ〜といっていた。