Page 24
再び季節はめぐり秋の冷え込みが次第に厳しくなってきていた11月下旬。次の猫がやってきた。学校から帰ると古いバスタオルが敷いてあるダンボール箱が置いてあり、中は少し汚れていた。家にはペペしかいなかったが、新しい猫が拾われてきたらしいことは察しがついた。ペペに「誰が来たの?」と聞いても、少々硬い表情で「????」という顔をしているばかりで何も分からなかったが、そのまま待っているとダンボールハウスの主が帰ってきた。
今度は尻尾の短い三毛の子猫。これが後にペペとおしどり夫婦になる舞である。
なんでも母が都内に出かけたときに、人通りの絶えない駅前でじっと動かない、具合の悪そうな子猫がいたそうだ。そのときは用事もあったので、帰りにいなくなってたらあきらめようと思って気にしながらも通り過ぎたが、帰りにもやはり同じ場所から一歩も動かず居眠りしているのを見て連れ帰ることにした。猫を拾うつもりで出かけてるわけではないので紙袋しか持ってなかったが、グッタリして動く力もなくなっている子猫には充分なキャリーバッグになった。電車の中でも元気がないままで、駅で停車するたびに薄目は開けてみるものの、少し安心したのかずっと眠っていた。最寄の駅が近くなった頃に、更に安心したのか紙袋の中でおしっこまでしてしまった。袋の底が抜けると困るので、仕方なくハンカチで吸いとって何とか家にたどり着く。
タオルにくるまれた舞は顔が小さく、脱水で縮んだ鼻から鼻ちょうちんを出していた。抱っこされていままでの緊張が解けたのか、眠ったまま起きなくなり、病院に行っても薄目を開ける程度。舞を一目見た獣医は、「この子も厳しいかも知れないけど、、、」と言ったものの、タオルを取ってみると体が思ったより大きかったので、「これはがんばれるかな?」と言ってくれた。体の大きさからするとだいたい生後4ヶ月くらいらしかった。幸いウイルス性の風邪ではなく、脱水と栄養失調で衰弱が激しいだけだということだった。
再び家に帰ってきた舞は水を口にした後、おしめを当てた上からバスタオルをぐるぐる巻きにして、それが脱げてしまわないように紐で固定した哀れな姿で一晩を越した。一晩中泣くこともなく、暴れることもなく、ひたすら懇々と眠りつづけて翌朝、かなり疲れも取れてきたのか、紐を解いてやると少し自分で歩いた。縮んでいた鼻も元の大きさに戻っていた。
舞には体の大きさのわりに結構体力があって、その後はよく食べよく眠り、みるみるうちに元気になっていった。
最初のうちは警戒していたペペも次第に舞いに近づくようになり、すぐに仲良くなった。
面倒見のいいペペは舞を可愛がりました。