このキーちゃん、よく見るとなかなかの美人である。
二重窓のすき間に入り込んで寝そべっているところをのぞきにいったらアンニュイな感じで視線を向けてくる。
最初はちょっと近づきにくい感じだったが、関心はもってくれているようで、見に行くたび気づいて見つめてくれた。
けれども情けないことに、「美人」だと思っていたこのネコが実はオスだったことをやがて知ることになる。
この頃はオスとメスの区別すらつかなかったのだ。
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はじまりは1匹のネコでした。
土曜の昼下がり、迷い込んできたネコ。
マンションの8階、どうやってこんなところまで来たのか?
少しの物音にもビックリし、しばらくは落ち着かない様子だった。
初めは警戒していたこのネコ、まずは空腹を満たしてやり、なるべく無関心なふりをしてそっとしておいた。
ぐっすり眠って安心したのか丸1日たつと、すぐに元気よく遊ぶ。
少し仲良くなれたこの子にキーちゃんという名前を付けた。
ちょっと安心したようで、ベランダに出てきて腹を出して見せたりする。
「ここでしばらく世話になります」なんていうあいさつ代わりだったのかもしれない。
仮の宿はまあまあ居心地がよかったようで、こうやってだんだん警戒心を解いて近づいてくるようになった。