野鳥物語1

中学生の頃に体験した、野鳥に関するお話・・・

セキレイの夫婦:

ある日、いつものように家でゲームをしていると、
「ガツンッ!!」と、ガラス戸に何かがあたった音がしました。

なんだろう?
と、外に出てみるとセキレイという、
きれいな色の野鳥が地面に伏せていました。

脳震盪でも起こしたのでしょうか?
3メートルくらい近寄ってもピクリとも動きません。

もしかして・・・最悪の事態・・・ではないよね?

様子を見ようと近寄ると、
ビュンッと目の前を何かが通り過ぎます。

びっくりして、その「何か」が飛んでいった方向を見てみると
他の、色の異なるセキレイが庭木の枝の上にいました。

目の前を通った「何か」は、そのセキレイだったようです。

この2匹のセキレイの色を見比べてみてわかったのですが、
地面に伏しているきれいな色のセキレイはオスで、
目の前をかすめたセキレイはメスです。

そう、このセキレイは夫婦、つまり「つがい」なのです。

そして、どうやらメスのセキレイは
夫を守ろうと、僕の目の前をかすめていったと思われます。

・・・大人の野鳥ですので、
人間になつくことはなく、そのため、扱いが難しい。
よって、救助することはできません。
メスの方にも迷惑をかけることになります。

しかし、近所には猫がたくさんおり、
人間がいなければこの地面に伏したオスは簡単に餌食になってしまいます。

よって、だまって、じっとして
オスの回復を待つことにしました。

で、数分待ってみたのですが・・・オス・・・なかなか動きません。
もう、首の骨がダメになったのではないか・・・とすら思いました。

また、しばらくして変化がおこりました。

なんと、枝の上にいたメスがオスのところに下りてきたのです。

メスが地面に降り立つと同時に、オスは首を動かします。
どうやら完全にダメになったわけではないようです。

そしてメスは、ちょっと、オスの様子を近くで観察し、またすぐに枝に戻ります。

オスが飛べるようになったのか?
と、思ったのですが、オスはまだ飛べません。
歩くことすらできません。

更に待ちます。

メスはしきりに枝の上で動き回ります。
僕は、オスとメスを交互に観察します。

・・・人間と比べると頭は非常に小さく、
脳みそが入っているかもどうかあやしいサイズ。
そんな彼らにも、パートナーをいたわる気持ちが入っています。

弱者と共にいることは、
己の命も危険になるという自然の世界。

それでも、自分の命が危険であろうとも、
傷ついたパートナーを思う気持ち・・・

とても感動しました。

・・・・・

オスが体を起こします。

そして、ゆらゆらと1メートルほど歩きます。

メスがまた、下りてきました。

そして、次の瞬間・・・

この2羽は飛び立ち、すぐそばにある梅の木にとまったのです。

2羽は互いの無事を確認し、そして喜び合うように
互いに体を寄せ、つつき合い、元気に梅の木で遊び出しました。

それも、つかの間・・・2羽はどこかに飛び去っていきました。

以上

 

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