エピソード of くろNo.2
〜 我が家の家族 〜

くろ・・・

我が家のペットのなかで、最もお気に入りの犬・・・

我が家のペットのなかで、最も素直な犬・・・

我が家のペットのなかで、最も実力を持っている犬・・・

このテキストは、そんなくろとの思い出を綴ったものです。

では・・・

エピソード of くろ No.2
〜 我が家の家族 〜

「じゃあ、この仔犬に綱をつけてご対面させよう。」

我が家につき、車の中で綱をつけます。
いよいよ、家族とのご対面です。

この時間、まだ人間は帰ってきていません。

つまりこの時点では、家族というのは犬達です。

我が家の犬は、帰ってきたこの時間は
まだ檻にはいっています。また、
檻の配置は手前からまりゆきさちとなっています。

仔犬と走って犬の檻に向かいます。

すると、さっきまで「我が家の車が帰ってきたぁ♪」と
ワンワンキャンキャン喜んでいた犬達がシンッと静かになります。

そして・・・

(手前から)

まり
いつものように大きなリアクションもなく、仔犬をじっと見ています。

ゆき
威嚇の声で吠えます。

さち
こっちにこい、こっちにこいと檻に飛びつきながらヒンヒン鼻を鳴らします。

う〜ん、やっぱりゆきはだめか・・・
あと、まりの反応がわかんないなぁ・・・

しかし、彼らは檻に入っているため、
仔犬を噛むようなことはできません。
また、仔犬の自由も僕が綱で制限できます。

というわけで、手前から順にご対面していきます。

まり、新しい子供だよ〜」
まりさん、とりあえず鼻を近づけ、子犬を臭います。
すると、仔犬は大きな犬を怖がらず、
しっぽを振り、しかもペロッとまりの鼻を舐めます。

ああ、ダメだよ、仔犬ちゃん・・・
まりは他の犬に舐められるのが嫌いなの・・・

案の定、まりさん「おう」と怒ります。
・・・微妙な反応。まりさん判断がつけづらいです。

また、あとの2匹が非常にうるさい。
ゆきは相変わらず威嚇の声で吠えており、
さちは鼻鳴らしから、「アオ-ン、ハオーン、アーゥン」と鳴く
超おねだりモードにスイッチしてます。

よって、まりさんは保留、ゆきに・・・無理です・・・
ゆき、完全にこの仔犬を敵と認識してます。
もう、背中の毛が立っています。

まさか、僕と父の予想が的中してしまうなんて・・・

かなりショックでした。
しかし、ゆきとは逆のリアクションの犬がいます。
とりあえず、そちらとご対面です。

仔犬がしっぽを振り、顔を近づけるや否や、
さちがものすごい勢いで仔犬の顔を舐めます。
仔犬はさちの檻に飛びつき、最高の喜びの状態、しっぽ回転になります。

よかった・・・犬の群れの2トップの一角、さちに気にいってもらえたよ・・・

さて、もう一方の群れのトップは・・・座って首をかいてます・・・ああ、まり・・・
なんでお前はわからないリアクションばっかりするの?(泣)

ここで、まりが何を考えているのか、
この仔犬を歓迎しているのかということを確かめたいのはやまやまだが、
僕には明日、テストが待っています。あまり時間がないのです。

しかたないので、犬の庭を2つに分ける
母屋と物置に挟まれた一室(ガラス戸が出入り口となり、2つの庭をつないでいる)に、
この仔犬にはいてもらいます。

もともと、僕は徹夜あけで、帰ったらすぐに寝るつもりでしたが、
この件で興奮してしまい、体が睡眠を欲していません。
よって、明日のテストの勉強を始めました。

カリカリカリ・・・ふむふむ・・・(勉強中)

う〜ん・・・この時代に・・・(歴史勉強中)

この人は・・・この位について・・・(歴史勉強中)

キャン、ヒー、ヒーン

あああああ、仔犬が、麻呂まゆげの仔犬が鳴いてる・・・

でもね、僕は明日テストだし、それにね、
いつでも人間がいてくれるとは限らないんだよ。
さみしくても我慢しないといけないんだ。
だから、君をかまうわけにはいかない・・・

と、

その仔犬をかまいながら言い聞かせます・・・

だめじゃん・・・

そしてこの後、これを5、6回繰り返します。
もう、この仔犬のとりこですね。

ちなみに、僕とこの仔犬を家まで送ってくれた父は、
僕達をおろしてすぐに会社に戻ってます。

しばらくすると、仔犬は静かになりました。
どうやら寝たようです。ようやく集中して勉強が・・・でき・・・る・・・

ぱたん

ようやく興奮がさめ、睡魔が襲ってきたので、僕は寝ました。

2時間くらいたった後、玄関で物音がします。
母が帰ってきたのです。

母はテスト期間のいつものセリフ
「今日はどうだった?できたの?」
を投げかけてきます。

僕は目を覚まし、いつものように
「書いたとこが全部あってたら100点だよ。」
を返します。つまり、全部解答欄をうめただけってこと・・・

そして母、いつものように落胆します。
そんなことを聞いてるんじゃないという感じで・・・

そこで僕は、
「まあ、今日は外(犬の庭)がおもしろいことになってるから見てごらん」
母は、それに従い、ドアを開けて前述の一室にでます。

そして母と仔犬の目が合い・・・

あら!?(ビックリ、やや声は低め)

あら!!(ちょっと喜んで、声は高くなる)

あら〜〜〜♪(大ハシャギ、声は更に高くなる)

そして、家の中に持って入ります。

母、完全にノックダウンです。

どうやら母もこの仔犬の外見が気に入ったようで、
しきりに麻呂まゆげのことを口にします。
また、ほのかに香るシャンプーの匂いも気に入ったようです。

とりあえず、僕はこの犬が何故いるか、そしてどういう血統なのかを教えます。

すると、母、
「あら、くろちゃんは良家のご子息であらせられましたか〜〜♪」
と、仔犬に対して言います。

ああ、この人、また勝手に名前つけちゃったよ・・・
でも、それくらいしかつけれないよね、その外見じゃぁ・・・

もう僕と母、この仔犬、くろの虜になり、家の中でかわいがります。

しばらくして、近所の方が我が家にやってきました。

「は〜い」といい、母は玄関に行きます。
くろを抱いたまま・・・

もちろん近所の方もかわいいかわいいと言ってくろをかわいがります。

この近所の方、母とはかなり仲がよく、
よく、遅くまで母としゃべったりします。

そのせいか、母は近所の方にくろの血統の話をし、
母:「千代麻呂君にあらせられるぞぉ〜〜〜」
近所の方:「ははぁー」

あんたらアホだろ・・・

それに何?その千代麻呂君って・・・

この日とそして次の日はこのような感じで終わりました。
まず新しい家に慣れてもらうことにし、
大人の犬とは遊ばせませんでした。

そして祭日・・・
僕と父と母・・・人間が全員そろう日です。
(姉はこのころ県外の大学にいってました。ざまぁみろっ)

大人の犬との完全なご対面です。
いままでのような、檻ごしからのご対面ではなく、
奴等が檻から出てきます。

大人の犬には、一旦檻に入ってもらい、
危険度の少ない犬から出てきてもらいます。
そして、ガラス戸を開け、向こう側にいるくろとご対面してもらいます。

しかし、ここでトラブル発生。
くろがガラス戸から出てきてしまいました。

まず、一番近いまりのところに走っていきます。

すると、まり、急にゲロし始めます。

犬がゲロをするとき、これは人間でもそうですが、体調が悪いときです。
他のテキストでも書きましたが、このときの犬はとても機嫌が悪い。

そんなのおかまいなしで、くろがその小さい体で檻の目を通り、
檻の中に入ってしまいました。

これはマズイ。
人間が檻の中に入るには戸を開けないといけません。
大人の犬が本気で怒ったら、その間に噛み殺してしまいます。

しかし、まりくろのお尻や体を臭うだけ・・・
くろはまりが吐いたものを食べています。

檻の戸を開け、くろを引っ張り出してまりの嘔吐物をみてみると、
なんとそれは、消化しきれていない朝ご飯でした。
しかも、かなりの量です。おそらく全部出したのでしょう。

この嘔吐物、実は何度も見ています。
これは母犬が幼い仔犬にやわらかい餌を与えるために
わざと未消化のものを吐き出したものなのです。

そう・・・まりくろを我が子として認めているのです・・・
母が言うには
「いつこんな子産んだっけ?」
と思っているのではないか?とのことです(笑)

順番が狂いましたが、まず、まりと遊ばせます。
くろは、まりが歩くのに走ってついてまわります。

そして、次は超おねだりモードにスイッチしてうるさいさちです。

さちは檻の戸を開けるや否や、一気にTOPスピードで走りだし、
そして、くろの前で急停止し、くろの顔を舐め、今度はゆっくりと走り出します。

するとくろは一生懸命さちについて走り、その後をまりが追います。

・・・今度はゆきです。

ゆきは相変わらずくろに対して威嚇の声をあげ、毛を逆立てます。
よって、ゆきは抱いた状態でくろとご対面させます。

さて、ご対面です。
まりさちに遊んでもらっているくろゆきに気づきます。

ここで、僕達人間は大きな過ちを犯します。

くろと目があったゆきが突然暴れだしたため、
ゆきを抱いていた手が緩んでしまったのです。

もちろん、ゆきはその隙を見逃すはずはありません。
体をくねらせ、束縛から逃れ、くろに向かって勢いよく走り出します。

くろが殺される・・・!!

僕らの脳裏にはその言葉だけが浮かんできます。

ゆきをつかまえようと走り出しますが、相手は犬・・・速さが違います。
それに、もともとくろとの距離は5、6メートルくらいしかありません。

 

ゆきくろにとびかかりますっ!!

 

きゃんっ!

 

まさに刹那でした。

ゆきの開いた口がくろの体にふれる寸前、
横からものすごいスピードの茶色い弾丸がゴッという音と共に
我が家でまりと1、2を争う巨体のゆきを2メートルほど吹き飛ばしたのです。

そう、上のきゃんっ!と鳴いたのはゆき・・・

そして茶色い弾丸というのは、ゆきよりも体が一回りも小さいさちです。

さちくろゆきの間に入り、
まさに仁王立ちと表現するにふさわしい風体で
前足を開いて胸をはり、ドシッと構えて起き上がろうとするゆきを上から見下ろします。

起き上がったゆきを捕まえ、さちのその様を正面から見たのですが、
さちゆきよりも一回り大きくなっている・・・とありえない感覚に襲われました。

そして父が言います・・・

ゆきを抱き上げろ、さちが噛み付くかもしれないぞっ!!

僕もそう思っていたので、すぐにゆきを抱き上げます。

それでもさちゆきから目を離しません。

・・・この件からゆきくろに対する態度が変わりました。

威嚇はしますが、背中の毛を逆立てたりはしません。
また、庭に放すとついてまわりますが、噛もうとしません、
いや、噛めなかったのかもしれません・・・
くろについて歩くと、常に間にさちが割り込んできているのです。
そして、くろに近づこうとうするとさちが体当たりをしてくるのです。

僕達は、さちに感謝しました。
彼女のおかげで、徐々にゆきくろに打ち解けていき、
1週間後には、2匹でじゃれあいをするようにもなりました。
僕達人間だけでは、こうも早く2匹が仲良くなることはなかったでしょう・・・

 

しかし、ここまでがさち流子育ての序章・・・

 

今回は妹のゆきのときとは違い、完全にくろを自分の子として育てる・・・

 

ここから、さちの楽しく苦しい

そして、もれなく制裁のついてくる教育が始まるのです・・・

 

つづく

 

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