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ゆき・・・
我が家のペットのなかで、最も内弁慶な犬・・・
我が家のペットのなかで、最もこわがりな犬・・・
我が家のペットのなかで、最も穴掘りが上手い犬・・・
このテキストは、そんなゆきとの思い出を綴ったものです。
では・・・
エピソード of ゆきNo.1
〜 次女、ゆき誕生 〜
あれは中学1年生か、2年生のとき・・・たしか土曜日だったと思います。
授業は3限しかないのですが、それでも我慢ができません。
はやく家に帰りたくて、やきもきしていた気がします。
何故って、まりが朝、小屋から出てこなかったのです。
病気ではありません。
そう、2度目の出産なのです。
もう、楽しみで楽しみで・・・
あのころは純粋無垢な少年だったので、
学校をサボろうと考えはしましたが、やりはしませんでした。
(今なら躊躇することなくやりますがねっ)
前回の経験から、
出産までには間に合うと予測してました。
家についたころに、始まるくらいかなぁ、と・・・
そう思い、はやる気持ちを抑えていた気がします。
でも、さすがはまりさん。
1回目でもう慣れちゃったのでしょうか?
家に着いたら、父に
「おう、今回も4匹だったぞ。」
って言われちゃいました・・・
ちっ、まりの裏切り者めっ!!<なんて自分勝手な・・・
出産は1時間程度で終わったそうです。
しかも、今回は人間の手を一切借りず、ポンポン産んだそうな・・・
で、子供達なんですが、雄と雌の比は前回と逆の3:1。
女の子、紅一点となっちゃいました。
小屋を覗いて見ると、4匹がお乳を一生懸命すってます。
ここでちょっと雑談・・・
まりの場合、産まれたばかりの子供を見せてくれました。
また、ムツゴロウさんのところでも
出産シーンはそうですね。親犬は子供を見せてくれます。
しかし、どの犬もそうとは限りません。
中には怒る犬もいますし、飛びかかってくるようなケースもあるそうです。
出産させる場合は気をつけてください。
さて・・・
僕ら人間は、まりと新しい子供達にもうくぎ付け・・・
そんな中、犬が悲しいときに鳴らすヒンヒンという鼻の音が聞こえます。
・・・ごめん、さち。マジでお前の存在を忘れてたよ・・・
このまま檻に入れておくのはかわいそうなので出してあげます。
まりを連れて帰ったときは、
他の犬が仔犬であるまりを噛んだりしないように
かなり警戒したのですが(『エピソード of まり No.1』参照)、
このときは何も心配してなかったですね。
さちは非常に賢く(このときには、母であるまりに匹敵する賢さだった)、
まりを敬愛しており、また、人間に対してすごく忠実だったので、
まりが嫌がったり、人間に注意されればわかるだろうと
さちに対して絶対の信頼をおいてました。
で、さちがまりの檻に近寄ります。
すると、まりが「ヴー」と唸って威嚇し始めました。
一緒に暮らしている、
しかも我が子であるさちに対して
それはひどいんじゃない?と、
思われる方もいらっしゃるでしょうが、
これが普通なんです。
上の雑談でもいいましたが、
飼い主に対して怒る犬もいるのです。
弱い子供達を、お産のために弱った体で守らなければいけないのですからね。
これはどうしようもありません。
「さち、ダメだって・・・」
と、まりが威嚇するのを檻の外でじっと見ているさちに頭をなでてやりながら教えてあげます。
すると、まりと僕らの気持ちが伝わったのでしょう。
さちは檻から離れ、距離をおき、そこからまりの小屋をじっと見ています。
ホント、賢い素直な犬です。
思いっきり誉めてあげましたよ。
しかし、さち が我慢するのはほんの4、5日でしたね。まりが怒らなくなりました。
子供達をさちにみせると、
さちは母親さながらに、顔を舐めたり、
陰部を舐めて便をとったりします。
動物を飼っていて、一番感動するときというのは
このような「愛」を見せられたときですね。
人間の作った映画やドラマもそうですが、
何かこう、心に染み入るものがありますよね。
さてさて、なんかまりとさちの話になってしまいましたが・・・
子供達は、やがて目が開き、小屋から出るようになりました。
こうなると母親は大変です。
仔犬が何をするか、わかったもんじゃありません。
何でも拾い食いしますし、狭いところにもぐったりもしますし、
自分でトイレにいくようになりますし、遊んでくれとせがんでもきます。
また、小さいので、何に狙われるかわかりません。
とにかく目が離せないのです。
そのため、前回、まりはすごく苦労していました。
しかし、今回は違います。強力な助っ人、さちがいます。
子供達が庭のあちこちに行くのを、2匹で監視していました。
また、雑談・・・
仔犬達の目が開いたばかりのころのことです。
仔犬達の様子を外に見に行くと、茶色い犬が庭の散策をしています。
ああ、さちが遊んでる・・・
でも、いつもは人が出てくれば喜んで走ってくるのに変だなぁ
と、思いつつ、まりの小屋を覗きます。
「まりちゃん、どぉ?子供の世話してる?」
仔犬を包むように丸くなって寝ている犬が顔をあげます。
「・・・さち、お前何してんの?」
そう、外でぷらぷら遊んでいたのがまりだったのです。
まりのちょっとした勝手さとさちの面倒見のよさに、
家族で笑ったこともありました。
それでこの子供達、母と姉に見守られ、すくすくと育ちます。
いや、すくすくなんてもんじゃなかったですね。グングンという感じでした。
なんせ、前回に比べて離乳がはやく、
しかも、ご飯を食べるときがすさまじかった・・・
だいたい、このころは「食っちゃ寝」なので、基本的に寝てます。
よって、ご飯を食器に入れた後に起こすのですが、これがすごい。
「ご飯ですよー」と、ご飯を入れてきた鍋をたたくと、
どどどどどっという音とともに勢いよく小屋から出てきて
そのまま食器の中にダイブ。
食器に片足を入れた状態で食べるのは当たり前。
中には両足、さらには後ろ足までいれてるやつもいました。
さらに、お昼はお遊戯。じゃれあいです。
じゃれあい・・・といえば、ひどい母、まりの楽しいスパルタ教育の時間です。
(『エピソード of さち No.1』参照)
しかし、今回は前のようなことにはなりませんでした。
なんと、さちがまりの100億倍は上手く子供達の相手をするのです。
自分が寝転んで首の辺りをかませたり、一緒に庭を走ったり、
ボールを鼻で転がしてやったりするのです。
中でも一番おもしろかったのは、軍手の引っ張り合いでしたね。
軍手の手首のところをさちが噛んで引っ張り、
子供達はそれぞれ親指以外の指を噛んで引っ張るんです。
まさに綱引き。もう、腹かかえて笑いました。
昼の運動、朝・昼・晩にもりもり食べるご飯・・・
子供達は健康的なたくましい体になっていきました。
うれしいことですが、悲しいことでもあります。
彼らとの別れの時も徐々に近づいてきているのです。
もともと、まりの子供、特に雄は
まりの母犬を飼っている、四国の方に差し上げることになっていました。
しかし、前回は、雌がほとんどだったので、
父の知り合いの四国犬を飼っている方々にお譲りしました。
今回は雄がほとんどです。
よって、前回の分もあわせて、雄はすべて四国の方に送ります。
そして、紅一点の雌が残りました。
貰い手はいくらでもあったのですが、
家で生まれた子だから、家で飼おう
と、いうことにし、名前に幼名のゆきをそのままつけ、
この雌だけ家で飼うことにしました。
1匹だけになったゆき・・・
でも、寂しいと思ったことはほとんどないでしょう。
この家には僕達がいるし、
何よりも自分の母、そして姉がいるのです。
毎日、まりには顔や耳を舐めてもらい、さちには遊んでもらう・・・
人間の家族と犬の家族から、
かわいがってもらえ、守ってもらえるのです。
ゆきにとっては最高の環境だったと思います。
しかし、この環境が、逆にゆきを弱い犬へと変えていきました・・・
つづく
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