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お局様・・・
この言葉から想像される人物像は
・ある程度歳をとった女性
・高貴な方である
・俗世にはあまり関心がない、世俗とは無関係
といったものである(僕の勝手な偏見ですよ、もちろん)。
この人物像にあてはまる存在が我が家には一人・・・
いや、一頭いる・・・そう、その者の名はまり・・・
我が家の犬の中で最も歳をとっており、
大河ドラマでありがちな『高貴な家の出の人はワガママ』を
そのまま実現しており、さらには俗世のものにはあまり関心がない。
今回は、そんなまりのお局的行動にスポットを当ててみます。
お局的行動その1:「ちこうよれ」
お局様はお歳のために
お足が弱くなっていらっしゃるためでしょうか・・・
我々人間(以下俗人と略す)が外に出てきても
ご自分からお近づきになることは滅多にありません。
他の4匹(以下俗犬と略す)はよってくるのですが、
お局様はそんな俗犬と同じことはなされません。
じっと我々を見て、待っておいでです。
また、犬が檻に入っている時間帯に
我々が犬に会いに出てくると、
俗犬たちはよろこんで庭の部分(←「おこもり」の図を参照)に
出てくるのですが、お局様は
我々俗人が檻の入り口手前にくるまで
御寝所(俗にいう犬小屋)で我々の様子を
御寝所の入り口にお顎をのせて、ごらんになっています。
そう、お局様は我々俗人に「ちこうよれ」とおっしゃっているのです。
そして我々が近づき、お局様のお顔に我々の顔を近づけると
お局様はお鼻を近づけ、我々の口の辺りを臭われます。
このとき、俗犬たちは我々を何度も舐めるのですが、
お局様は高貴なお方・・・俗犬と同じことをなさることはほとんどありません。
臭い、ペロペロと2、3度舌をお出しになった後、
我々を臭う際に吸い込まれた空気をブシュッという
荒々しいお鼻息と、その勢いにのったお鼻水を我々俗人に
吹きかけてくださいます。
まさにその御様子は
「ふんっ、下衆めっ!!」
とでもおっしゃっているようなのです。
さらに、「しっぽ」で書いたように
その際に御尻尾を一切振られません。
我々はそのようなお局様の御行動を拝見、体験するたびに
「怒りの四つ角」が何個も何個も額に出る感覚を覚えます。

図.怒りの四つ角
お局的行動その2:「無礼者」
お局様は俗物がお体に触れることをとてもお嫌いであらせられます。
例えば、俗犬たちがじゃれあい中、
相手に押されたり、身を翻したり、走るなどして
不本意にもお体に触れる(タックルすることになることもたびたび)ことが
あるのですが、そのときは「オウ」とお怒りのお声をおあげになります。
更に、近くで俗犬と目があってしまわれた場合も
たびたび「オウ」とお声をおあげになります。
また、我々俗人にはそのようなことはないのですが、
やや嫌がられておいでです。
そんな折、我々がお局様の
・お顔を掴んで我々の顔を近づける
・お足を掴む
・お腰に手をあてる
・御尻尾を掴む
などのことをすると、「オウ」とご叱責されます。
まさに「触れるでない、無礼者がっ」と我々俗物をご叱責されているのです。
そんなお局様・・・
雨の日、お体が濡れていたため
僕の母がタオルでグイグイ拭いていたら「オウ」と
ご叱責され、僕の母に「可愛げのない犬だ」といわれていらっしゃいました。
ある日の僕の姉との会話・・・
姉「まりちゃ〜ん、怒って〜」
グイッ(お局様のお顔を持って自分の顔を近づける)
お局様「オウ」
姉「あはは、怒った怒った♪」
お局的行動その3:「たそ」
注 たそ〜古語。現代語では「だれか(おらぬか?)」
お局様は、物がお体に触れることもお好きではありません。
また、ご自分の手をわずらわすようなことはされません。
檻の戸やガラス戸が半開き・半あきになっており、
その間隔が、お局様のお体の幅と同じくらいのとき、
お局様は一度お顔を通されるのですが、
お肩、もしくはお肩の毛がふれると
通していらっしゃったお首を戻されます。
そして、お前足をジタジタさせ、
「アーオン、ハァ〜フン、オーン、キャン、ヒーンヒーン」
(訳:「たそ、たそっ!!わらわを助けてたもれっ!!!」)
とお鳴きになります。
そんなときは我々が
「ちぃ、通るときにちょっと体が触れるだけだろっ!
そんなこと気にするなよ〜(怒)」
といいつつ、お助けして差し上げます。
するとお局様、我々俗人を見向きされることなく
歩いてどこかに行ってしまわれます。
どうやら、我々俗人は高貴な方々につくすのが当たり前だと
お思いの御様子です。また「怒りの四つ角」が出現しそうです。

図.怒りの四つ角
ちなみに、他の俗犬たちは
ガラス戸が少しでも開いていると、
そこに鼻を入れてこじ開けます。
また、さちは、有事に限るのですが、
檻に入れられている状態でも、
檻の戸のかけ金を咥えて外し、木の閂を鼻で押し上げてとり、
戸を前足で押して出てきます。
どうやら僕達が檻の戸を開ける手順を覚えて
自分なりにやっているようです。賢すぎ、さち・・・♪
お局的行動その4:「我、俗世に関与せず」
俗犬たちは、他の動物にとても興味を示します。
例えば、猫とか鳥といったものです。
(たまに、羽をむしられたすずめの遺体を見ることがあります)
しかし、お局様は本能を抑え、
そのようなものも全て「俗世のもの」として見ていらっしゃいます。
その証拠に、
お食事中、俗犬がお膳に顔をつっこもうとすると「オウ」と
ご叱責されるのですが、すずめがお膳の側の
お局様が食い散らかされたご飯つぶを拾いにきても
何事もなかったようにしていらっしゃいます。
そう、御空腹時であるのにです。
これはなかなかおもしろいもので、
すずめ達は犬を区別します。
他の犬たちには近づくことはないのですが、
お局様には、平気で近づきます。
また、春になると我が家には親鳥たちが
犬の毛を巣の材料にするために飛んでくるのですが、
上記のように、一番お局様の毛が採取されています。
中にはまったく遠慮を知らぬすずめがおり、
お局様が御睡眠されている御寝所に入ってとっていくものもいます。
このように、本能を超越し、俗世とのかかわりを絶っていらっしゃるのです。
ちなみに、我が家ではこの崇高な行為を
「悟り」、もしくは「悟りを開いた」といい、
最近、どうやらさちがこの域に達したようです。
どうでしょうか?
まだまだお局的行為はあるのですが、
これだけでもまりを「お局様」と呼べるような気がしませんか?
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