離れるな

 

潜伏中

 

 


みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

台風が通り過ぎるのを
会社で眺めた。

夕方には すっかり晴れた、東京。

残業も無い 帰り道
包丁でぱっくりと切ったときの
魚の腹のような形の
雲の向こうから
夕日が覗く。

スーツを着て
東京の街の中で
こうやって生きている事も
生まれてきた事も 全て
自分が望んだ事だと、思っている。
そんれなのに
運命が どこからか降り注いで
私を
ここに立たせているという
感じがするのは どうしてだろう。

全てを天に任せて
全てから逃げ出したい
このまま地面にねそべりたくなる。
それでいて
全てに立ち向かいたくて
傘をぶら下げて
歩き続ける。

思い出した。
今の気分は
小さい頃
いっぺんに
沢山の事を 思いついて
内容を
他人にうまく話せない時と
似ていて
心が重いような
めんどくさいうような
それでいて
何かワクワクするような
感じと似ている。

ものすごく
古い友人を
思い出した気分だ。

ある人は、自分の意思で
ある人は、運命で
ある人は、その他の諸事情により
みんな、自分の人生を歩いている。
傘をぶら下げても
道を外れても
出会っても、別れても。

古い自分。現在進行形の自分。
お前だけは、離れるな。

 

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