アッシュが ご飯を食べなくなった
連絡を受けて
帰宅したときには
アッシュは
ただ じっとしていた
おなかが痛いとも
調子が悪いんだとも
何も言わない
アッシュは
ただ じっとしていた
夜の11時
インターネットの
うさぎと病気に関することが書いてある
ありとあらゆるページを検索して
再度 読み漁る
その傍ら
急患を受け付けてくれる病院を探した
心臓が飛び出そうだ
すまない
すまない
すまない
謝って済むのなら
でもきっと そんなことではすまない
こいつが
元気になってくれるなら
寿命の3年分ぐらい 持っていってくれ
3年が駄目なら10年だっていい
こんなときにしか
しかも取引を持ちかけて
すみません
でも神様なんとか
急患を受け付けてくれそうな病院は
家からは遠いが
電話をして
タクシーに飛び乗れば
きっと大丈夫だ
その病院で
ブラック・ジャックが出てきて
「1千万円いただきます」とか言われても
ローンで対応しよう
というかブラック・ジャック
絶対居てくれ
ここまで考えて
やっと 気が付いた
アッシュは
食欲がなくて
元気が無いけれど
毛並みはいい
ぐったりとはしていない
だからといって
「そんな気がしたから」では
理由にならないかもしれないが
うさぎを飼っている人には
分かっていると思うけれど
「すぐ病院に行かない」という選択肢は
時として
最悪の状況を引き起こすことがある
だから
夜間受付対応の病院を調べておきながら
「朝まで様子を見る」という行為は
大きな賭けだった
徹夜でアッシュをなで続ける
いいこだ
いいこだ
いいこだ
良くなれ
良くなれ
良くなれ
呪文のように
すると
夜明け近く
急にお尻と頭を振り
「お色気ダンス」を踊りだした
ごはんもガツガツと
喰いあさりはじめた
午前5時
ここまできて
やっと気が付いた
アッシュは
撫でて欲しかったんだ
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