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バスに揺られて思い出した
小学6年生の時
卒業アルバムに書いた「将来の夢」
周りは有望株揃い
サッカー選手
漫画家
野球選手
料理人
お嫁さん
スチュワーデス
花屋
大工
ケーキ屋
医者
弁護士
大金持ち
私には
将来の自分が
思いつかなかった
両親が
子供に抱いてもらって喜ぶような夢さえ
嘘でも語れなかった
今よりずっと
自分に絶望していた
あの頃。
困った挙句に
とりあえず
「日本中を旅してみたい」と書いた。
将来の夢
間違ってもいない
疑われもしない
能天気でチープなものを
卒業式の帰り道
卒業アルバムは破いて捨てた
こんな思いをするのなら
早く大人になりたかった
今よりずっと
大人が大人に見えた
あの頃。
しかしどうしたことだろう。
あれから十数年経ち
今の私は
北は北海道から
南は沖縄まで
出張だなんだで飛び回っている
希望の崖っ淵に
いつも自ら望んで立っていた私が
「案外うまくやってるじゃないか」とか
バスに揺られながら
そう
その崖から飛び降りてでも
守りたいものが
今はある。
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