観察1 蛹化と羽化の連続写真

この観察日記は、過程を見るために、日付の古い順から書かれています。

2001.4.15(日) 設定完了
シワシワ幼虫にも協力していただき、「変態」というものをこれから見ていきたいと思います。
「蛹→成虫」編 「幼虫→蛹」編
蛹くん
スタンバイ
時々、腹(しっぽ部)をクルリと動かして、寝返りします。
幼虫くん
スタンバイ
皮膚もすっかり黄色くなり、シワシワになっています。
背伸び運動はしますが、触角や脚や口はまったく動きません。
2001.4.18(水) 透けて見える!
蛹、幼虫共に、皮膚の下で次の体が形成されている様子が、透けて見えるようになりました。
「蛹→成虫」編 「幼虫→蛹」編

これは、角の部分です。
体の中で、角本体が形成され始めてるのが、わかりますか?

黄色というよりは、茶色になってきました。
動き方も、ピクンピクンと蛹に似てきました。

蛹の背にある黒い筋が見えてきました。
太いのが2本、その下にも何本か薄く見えます。
これが見えてくると、間もなく蛹になります。
その瞬間をカメラに収めたい純は、眠りが浅くなって死にそうです。(笑)
2001.4.19(木) 蛹化、ご覧あれ!
「幼虫→蛹」編

背中と頭部に亀裂が入り、真っ白な蛹が出てきました。
5秒から10秒ぐらいに1回腹部をクネクネさせて、皮をずり下げるようにして出てきます。

必死にがんばる新・蛹くん。なんとなく、♀のような・・・・・。

♀でした。悲しんではいけません。(笑)この子が卵を生んでくれるんです。
短い角のようなものがありますが、♀の場合、突起状にしかなりません。地面を掘り進むのに一役かいます。
♂は遺伝子的に、この部分が角になります。このへんは、人間と同じですね。(謎)
頭部は、Vの字に亀裂が入るんですね。新発見でした。それにしても、まさに怪獣映画そのものです。

茶色い細長いものが見えますか?幼虫の口と蛹の口が、まだ管でつながれている世紀の瞬間です。食料を摂る幼虫と摂らない蛹の口がつながっているんです。まさに、変態の醍醐味です。
白い細長いものは、幼虫の気門から伸びているものです。いずれも、2体をつなぐもので、まるでへその緒を連想させます。
まさに、この瞬間が変態なのです。

口どうしをつないでいた茶色い管が、蛹側から外れているのがわかりますか?よく見ると、まだ下に見えています。
白い管は、まだまだ出てきます。皮も、さっきより脱げてきました。

体全体を横にしながら、必死に脱ぎます。まだ白いうちは、蛹の皮もやわらかいので、暴れすぎて傷つかないかと心配になってきます。そのためにも、天然の蛹室の内壁はあんなに滑らかなんでしょう。まるで、機械が加工したみたいにつるつるなんですよ。写真は撮ったんですが、つるつる度をうまく画像に出せませんでした。偽カメラマン失格です。(笑)

幼虫時代の皮を、下へ下へどんどん脱ぎます。
ふと、無重力状態での生き物の孵化のことを思い出しました。
蛹化の場合、どうなんでしょう。幼虫の皮の表面に生えている毛(剛毛です)が、蛹室に引っかかるから大丈夫なんでしょうか?
こればかりは、宇宙飛行士でないとわかりません。

ほぼ、脱ぎ終わりました。腹部や肩のあたりが、すでに黄色くなっています。蛹は、じっとしています。硬化の真っ最中なんです。

上の写真から、ほぼ30分後です。どんどん茶色くなってきます。硬化が進んでいるんです。

もう、すっかり茶色になり、蛹らしくなりました。ここまでくると、蛹の皮膚もかなり硬くなっています。

蛹化直前に透けて見えていた模様が、蛹のどの部分だったか、こうやって並べてみるとわかります。
これは、一説には、蛹のささやかな武器と言われています。普段は、開いているのですが、腹部をクネクネさせると、この部分が蛇腹効果で閉じます。
外敵をここで挟んで威嚇、もしくは殺傷するんですね。色が濃いのは、その分硬いということなんです。
蛹は、蛹化してからどんどん硬くなっていくんですが、幼虫の頃に、硬い部分が体内で作られているということは、よっぽど大切なものなんでしょう。
そう考えれば、武器説というのもわかるような気がします。

2001.5.4(金) 蛹が黒くなってきた。
さて、主役交替です。♂の蛹くんです。
「蛹→成虫」編
蛹は、約3週間で羽化します。
写真では少しわかりにくいですが、頭部や脚部がかなり黒くなってきました。
蛹の皮の中で、成虫の黒い体ができているんです。
もうすぐ、念願の成虫が誕生します。
2001.5.6(日) 羽化、ご覧あれ!
変態の最終段階です。感動の瞬間です。
「蛹→成虫」編

ここ数日の間に、急速に黒くなっていった蛹は、いつのまにかシワ蛹になっていました。
成虫が、皮膜を被ってる錯覚に陥ります。
蛹の中の羊水のような水分が、どんどん少なくなってきているんです。

羽化の始まりです。チャット中だった純は、チャットの相手に実況生中継をするハメになります。(笑)
体をくねらせると、皮がバリバリ破れていきます。脚も頭も動いています。バリバリ音もしています。純は興奮中です。臭いも、かなり強烈です。(笑)

くねるくねる。まさに、もがいています。地底怪獣が100万年の眠りから目覚めているようです。
脚も、わりと活発に動かしながらバリバリ破っていきます。

腹部の皮も、脱げてきたようです。
ある程度脱げると、脚を伸ばして上に上ろうとします。

前足を使って、頭&角部の皮をなんとか脱ごうとしますが、かなりむずかしいようです。
それでもすこしずつ引っ掛けるようにしながら脱ごうとします。
この姿は、まるでネコのようで、かなり愛嬌があります。

ここから、羽根の乾燥に入ります。
後ろ脚をピンと伸ばし、体を持ち上げて腹を丸めます。
そして、濡れて折りたたまれている羽根に、体液を注入しながらゆっくりと伸ばしていきます。

カブくん、向きを変えてくれました。
まだこんなに白いんですよ。よく見ると、半透明なんです。がんばって上ろうとしますが、なんだかうまくいきません。
羽根の乾燥は非常に大切で、うまく折りたためないと体力を消耗して長生きしません。ここも、ヤマのうちのひとつなんです。

ペットボトルを横にして、助けることにしました。乾燥スペースも広くなり、羽根を伸ばしきって乾燥中です。
頭部の裏側が、まだ白いのが確認できます。

上の写真から約1時間後です。どんどん色がついてきます。早くも羽根が乾燥したのか、折りたたみにかかっています。
腹をぐるんぐるん回すと、何故か羽根がどんどん折りたたまれていきます。

羽根は、片方ずつ折りたたまれます。結構、器用なのかもしれません。

羽根の乾燥を完了したカブくんは、じっと動かず、さらにどんどん色がついていきました。
それにしても、角の皮が取れん!(笑)

 
自然界では、このまま約10日間、飲まず食わずで地中で過ごします。
そして、ある夏の日の夕方、蛹室を壊して地上を目指します。
地上に着く頃は、そこはもう夜を迎える比較的涼しい世界。
樹液の出ている木を探しに飛び立ちます。
見つけた餌場でお腹いっぱいに食べ、縄張り争いを繰り返し、やがて交尾の相手と巡り会います。

観察トップへ