伝えることが出来たなら。 モンタージュ ほぼ日課になりつつあるティガーの襲来に、見るも無惨な姿にされた愛する畑を、それでもせっせと手直ししているところへと珍しい客が来たのは数分前。 何でもティガーの所業の謝罪に来たとのことだったが、どうもこの笑顔には裏があるような気がしてならない。 かといって無下にするのも恐ろしい気がして、作業を中断して家へと招いた。 喉が渇いたと喚くルーに、何でオレがと思いつつも、お手製の野菜ジュースが並んだ戸棚から出来の良い物を幾つか選んで、目の前のちびっこに見合った物を捜す。 なにせお得意さんなだけあって、ルーは毎日この野菜ジュースを飲んでいるのだ。 そうそう変なモノを飲ませるわけにはいかない。 健康食品にこだわるルーの母は、この森に引っ越してきてから継続的にラビットの野菜ジュースを注文していた。 母子家庭と言うこともあり、無料で届けるというラビットの申し出を「タダより高価い物はないわ。」と言って頑として受け入れなかったカンガの気丈さを、ラビットは気に入っている。 「野菜ジュースで良いか?」 「えー、家でもそれ飲んでるんだよ?ファンタとかないの?」 「ねぇよ。つか炭酸とか飲ませたらオレ、カンガさんに殺されるだろ。」 「まぁね。骨溶けちゃうらしいしね。やっぱ女手一つで育て中の我が子には健康でいて欲しいんでしょ。良いお母さんだよ。」 「分かってんなら文句言わずに飲め。ほら、新作カボチャジュース。」 とても10才とは思えない弁舌に、自分はこれ位の頃、こんなにもマセていただろうかと頭を抱えながらも、どうにかカボチャジュースを注ぐ。 「ね、ところでさ。」 ジュースを一気に飲み干すと、氷を噛み砕きながらルーが思いだしたかのように言った。 「いつになったらピグレットに言うの?」 ・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・。 「なーんのことかなぁ〜?」 たっぷり5呼吸分は固まってから、わざとらしい笑顔でシラを切ろうとしても通用する筈もなく。 「・・・それでとぼけたつもり?ピグやプーさんならともかく、僕に通用する訳ないじゃん。分かってんでしょ?僕が言いたいことくらい。」 白い目で睨まれ、一蹴されてしまった。 どうにか逃げ切る道はないかと考えを巡らすが、何一つ良い方法は思いつかなかった。 はあ、と切なげに溜息を付いて、7つも年下の子供にこんな事を話さなくてはならない己を恨んだ。 「そうは言ってもなあ、今言ったところで玉砕は確実だろ?」 「んー、まあね。傍から見ればラブ光線出しまくりなのに、どこをどう勘違いしたのかなぁ。ピグってば、すっかり苛められてるって勘違いしてるもんね。」 「・・・お前、楽しんでるだろ、」 見るからに生き生きして核心を突くコドモに、唸りながら文句を言うことくらいしか、傷心のラビットには出来なかった。 すると以外にも真剣な顔をして、ルーが静かにコップをテーブルに置いた。 「楽しくなんてないよ。 僕だってピグのこと好きだもん。」 ナンダッテ、 「おま、え、だってティガーは・・・っ、」 「ふーざーけないでよっ!!そういう意味じゃないしっ!」 かつてないくらいに動揺したラビットの鼻先にストローを突き立てて、ルーが一喝した。 よく考えてみればそれもそうだ。 馬鹿じゃないのか、と思い直す。 「そういう好きじゃなくて、」 と、落ち着いた声でルーが続ける。 「僕はね、ピグのあの馬鹿みたいに真っ直ぐなところとか、周りのことばかり考えていつも損してる癖ににこにこしてるトコとか、そういうちっとも打算的じゃない、僕にないトコがすごく好きで、だから大切にしたいんだよ。」 一気に捲し立てると、「ラビなんかに言いたくなかったんだけど。」と付け足した。 「・・・・・。」 反応のないラビットを、ルーが訝しげに覗き込む。 てっきり「そんな事分かってる」とかなんとか返されることを予想していたのだ。 が、しかし。 「そっか、ありがとな。」 ルーと目が合うとラビットは、嬉しげに微笑んで口許を緩ませていた。 「そうだな。そういう子だよな。」 自分以外の者があの子のそういう良さを理解していたことに、嫉妬よりも寧ろ喜びを感じた。 だからこそ、ルーが自分のピグへの想いにおせっかいを焼きたくなるのも分かる。 他人の色恋沙汰にはものすごく鈍いピグに、今の自分の態度はさっきも話に出たように単なる嫌がらせとしか映らない。 分かってもらうには、もうはっきりと気持ちを伝える他に方法はないのだ。 例えばそれで、今より関係が悪化したとしても、優しい彼女を泣かせてしまっても。 「ラビ・・・」 「言わなきゃな。」 「え?」 物思いに耽り始めたラビットに、ルーが痺れを切らせて話しかけようとした、その時。 思いも寄らない言葉に、ルーは一瞬自分の耳を疑った。 「今、なんて、」 思わず聞き返すと、今まで見たこともないような表情できっぱりと言われた。 「言うよ。好きだって。」 拍子抜けするほどあっさりと腹を据えたラビットに、ルーが怪訝そうな顔をする。 なんとなく、不安に思うことを訊いてみた。 「・・・いつ?」 「取り敢えず、ピグレットが俺のことを怖がらなくなったら!」 快活に言い放つラビットに、ルーの盛大な溜息が返るのは間もないことだった。 |‖言い訳。‖| 何だろう・・・まずはsouちゃんにごめんなさい。 テーマも人選も悪かった気がします。えーん。 すーごい不満なので、時間をおいて、いつか同じテーマで書きたいなと思います。 今は取り敢えずプーコンテンツ少ないので置くだけ置いておきますー・・・。 本当は漫画とかで描きたいです。 いちおコピー本はあるんですけどね。プーも。 どうにも長い時間をかけすぎて書いたので、まとまりが悪いのはそのせいもあるかも。がくり。 戻。 |