DVD化祈願!TVシリーズレビュー(1987年)


アニメ版「きまぐれオレンジ★ロード」は、1987年4月から翌88年3月まで、日本テレビ系列にて全48話が放映されました。
TVシリーズは原作と異なり、中学生編の1年間のみで話が完結しています。
つまり、高校生編のストーリーが大幅にカットされ、準レギュラーである春日あかね、原田真一、杉ひろみ、広瀬さゆり、といった面々が登場していません。
また、恭介とひかるとの関係も曖昧なまま最終回を迎えましたが、これはTVシリーズ終了後、1988年10月に全国東宝系で公開された劇場版「あの日にかえりたい」によって、もう一つの結末を描く事となりました。
原作より短いTVシリーズですが、その分アニメーションしかできない演出方法で、原作にはない魅力を十分に出しています。
特に劇中に流れる効果的なBGM、主題歌を歌った和田加奈子の一連の曲は、聞くだけも価値があるでしょう。
1年で3バージョン作られたオープニングとエンディングも、当時としてはかなり斬新的で、15年以上経った現在でも、それは何ら見劣りしません。
ただ今でも好きというファンがいる一方、かなり設定を変えられてしまったこのTVシリーズに作者側は不満を持っており、TVシリーズと原作は「別作品」といっています。
原作版レビューへ行く
TOPページへ戻る

TVシリーズレビュー

第1話「転校生! 恥ずかしながら初恋します」〜第4話「ひかるちゃん!? お騒がせのC体験」

第5話「2人の秘密、とまどいアルバイト」〜第8話「君は笑顔! 渚のシャッターチャンス」


TVシリーズ制作に至って
「オレンジロード」の連載が終了する87年、日本テレビ系列で約1年間のTVシリーズが放映された。
当時のジャンプ作品は人気があれば即アニメ化という凄い時代であり、今ではすっかりゴールデンタイムから撤退してしまったアニメ番組も、当時はほぼ毎日どの民放局も流しており、なかでもジャンプ作品は高い数字が取れる、局側にしても「おいしい番組」だった訳である。
そんな中で「オレンジロード」がアニメ化されたのは当然だったといえるだろう。
お色気ネタは抜きにしても、設定、人物、ストーリー展開、アニメ化はしやすかったからだ。

こうして制作されることになった「オレンジロード」だが、実際に完成した作品は原作と違うものとなった。

1キャラクターデザイン、2ストーリー展開、3人物設定、4終わり方etc・・・・。

・・・とまあ、かなりいじられた(笑)TVシリーズ。
対象をジャンプ読者よりさらに下げた視聴者相手を狙ったらしく、どうにも原作の洗練されたポップさというのが消えてしまった。
特に人物設定が大幅に違っており、恭介の「というワケであり・・・」モノローグ、ひかるの性格がなぜか妙なハイテンションになっていたりと、原作とは違った雰囲気の世界観が誕生した。
従って原作が好きな人ほどあまり評価は高くなく、逆にTVシリーズで初めて作品を知ったいう人の方が当然ながら評価は高い。
作者のまつもと泉はやはりこのアニメ化が気に入らなかったらしく、原作とアニメを同じ作品として比べるなといっている。
それでもTVシリーズはまだ無難作りだったといえるだろう。
この後、88年に制作された劇場版「あの日にかえりたい」に比べれば・・・・。

なおTVシリーズはVHS、LDとメディアが発売されているが、LDは全て廃盤。
ビデオは現在でも入手できるが一本四千円近くする。
スカパーのCS放送でも度々放映するため、加入しているならこちらの方がいいだろう。
高田明美
「オレンジロード」のアニメシリーズは劇場版二作目「新きまぐれオレンジロード」を除き、全て高田明美がキャラクターデザインを担当した。
アニメでのキャラクターは全体的に頭部、目元が大きいのが特徴的。
特に原作初期でまつもと泉が描いたものとは全く違う。(まあそれでも原作も後半になると、ややラインが丸くなりアニメ仕様に似てくるのだが)
オレンジロード関連商品のイラストのほとんどはこの人によるもの。
数年前まで青山にあるギャラリー「GOFA」で不定期に個展を開催し、そこでオレンジロードの原画を見ることができた。
2001年には一連のイラストをまとめた「MADOKA」を発売。
ある意味TVシリーズの描き手の親といったところの高田明美だが、なぜか作者まつもと泉とは面識が一切ない。
それどころか、まつもと泉は高田明美の名前すら長い間知らなかったという(!)。
その背景には、アニメ制作にまつもと泉が本当に何も関わらなかった事実が分かる。
それにしても・・・・不思議な業界である。
寺田憲史
アニメ版の全作品の脚本、後のノベルス版の作者。
TVシリーズの全体的な構成は彼が担当したことで、原作とは違う世界観となる。
全体的に原作よりも子供向きで、なぜかやたらと小松・八田の二人が登場しては恭介に絡んでくるという話が多い。
もっと自然にキャラクターを動かせばよかったと思うのだが、恭介のモノローグ連発、ひかるのリアクションの大きさといい、何だかクセのあるキャラになってしまった。
ノベルス版で一緒に仕事をしたまつもと泉であるが、実は彼の書いた劇場版「あの日にかえりたい」は大嫌い、だそうである(苦笑)。
そのためアニメ版のほとんどを原作オレンジロードとは別作品という程、一連の作品は気に入っていなかった。
原作付きの作品を無難に作ってほしかったというのが本音だったのだろう。
寺田は後に作られたノベルス版でも全作を担当したが、中身はTVシリーズの雰囲気のまま。
TVシリーズが嫌いなら読んでも面白くないだろう。
面白いか、つまらないか?
これはもう完全に見る人の「見方」による。
原作オレンジロードと対比させれば、ファンを満足させるまでには至っておらず、ボロを見つけようと思えばいくらでもあげられる。
ストーリーは中学生編で終わりとなるし、作画のレベルは中盤になると低下がかなり見られる。
いい時と悪い時の差が激しく、まどかや恭介が全く今までと別人になってしまったという回も度々見られ、総合的なクオリティは決して高い水準とはいえない。
特にTVシリージのオリジナルの回の半分以上はつまらなく、ストーリー展開は明らかに原作の方が面白い。
決定的なのがTVシリーズは高校生編が一切カットされたあげく、ラストの終わり方が原作とは違う点であろう。
この作品を放映するならやはり2シーズンは必要だったろうが、そこを48話に短縮したことで原作の良さが出し切れないで終わってしまったという感がある。
しかしながらこのTVシリーズをパラレルワールドとし、独立したアニメ作品として見た場合、そこそこ健闘した作品といえるだろう。
このTVシリーズはまどかのイメージを重視して作られており、アニメ版なりに彼女の大人びた雰囲気をうまく表現できた所が、作品の質をあげた要因の一つでもある。
音楽に関しても及第点といえる出来。
コアなアニメファンはともかく、大衆的にはまず受け入れられる作品ではないだろうか?
ただし小、中学生向き(笑)。
Night of Summer Side
上記にも書いているが、TVシリーズのオープニングとエンディングは3バージョン作られている。
第一期が「Night of Summer Side」「夏のミラージュ」、第二期が「オレンジ・ミステリー」「悲しいハートは燃えている」、そして第三期が「鏡の中のアクトレス」「ダンス・イン・ザ・メモリーズ」。
オープニングはどれも力作揃いだが、なかでも第一期オープニング「Night of Summer Side」が一番良く出来ている。
テーマ曲のテンポとシンクロして、本編一話目などのダイジェストカット、描き下ろしの恭介、まどか、ひかるのカット、それとスタッフのクレジットカットが繰り返し小気味良く挿入されて行き、最後にタイトルがバーンと表示されるという当時としてはカッコイイOPであった。
なにより「Night of Summer Side」のやや哀愁を感じさせる曲調が、初期の孤独感を漂わせるまどかに合っていた。
ちなみにTVシリーズの「Night of Summer Side」「夏のミラージュ」は、TVシリーズだけに制作された特別バージョンでCDには未収録。
TVシリーズの「夏のミラージュ」の方が好きだったりする。