花と狼の帝國 〜アジサイ〜









アジサイの咲くをみる時。

カカシ先生はイルカ先生を思うのです。






雨の中、しっとり、ひっそりと咲く、アジサイ。

その堪らない健気な姿が、イルカ先生の静かな姿を思い出させるのです。

くっきりとした緑色の、しっかりと大きな葉を雨に濡れさせて、

そうして雨を静かに受けて、静かに、静かに咲くのです。





我慢強い花だなぁと、カカシ先生は雨の中、アジサイに近寄って思いました。






この花は、なんて我慢強いのだろう。

雨の中、その冷たさに怯むこともなく、ただじっと。

でも、少しだけ、泣きながら待っているようにも見えました。







そうして、唐突に。

もしかして、任務に出ている自分を待っている、イルカ先生の姿はこんな感じかな?

・・・・と思いました。

強い自分を必死で演じている、本当はすごく寂しがりやのイルカ先生。

もしかしたら、自分のいない夜は泣いているのかも知れない。

一晩中。ずぅっと。

この、雨の中の、アジサイのように。












ごめんなさい。

いつも寂しい思いばかりさせているね。

カカシ先生は目の前のアジサイに、そっと手を差し伸べました。

アジサイが小さくふるんと震えて、雫を一つ、落としました。











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