蜜 月 2




カカシ先生とイルカ先生は、いつも一緒に仕事へ出かけます。
ちょっぴり寝ぼすけなカカシ先生を起して、朝ご飯を食べさせている間に、
イルカ先生は二人分の洗濯、部屋の掃除機かけを手際よく終わらせます。

「イルカ先生〜何か手伝いましょうか〜?」
歯ブラシを咥えたまま、カカシ先生が眠そうに目を擦りながら、
イルカ先生に言いました。
そんなカカシ先生の姿に目を細めて、イルカ先生は笑って首を横にふりました。
イルカ先生はちょうど、二人の寝室に掃除機をかけているところでした。
ガーガー言っていた掃除機のスイッチを止めてから、
イルカ先生がカカシ先生に言います。
「いいえ。いいですよ。もう終わりましたから」
イルカ先生のその台詞に、カカシ先生が「あちゃ〜」と呟きながら、
自分の額をピシャリと叩きました。
「あ〜。すみません。いつも手伝おうとは思ってるんですが」
これじゃーただの言い訳だなぁと思いながら、カカシ先生が頭を下げます。
「あは。じゃーゴミ出しをしてもらっちゃおうかな?」
クスリと笑いながら、イルカ先生がカカシ先生の横をすり抜けて台所へ。
「了解!では俺はゴミ出し係りというわけで」
イルカ先生の背中に敬礼をして、カカシ先生が背筋を伸ばします。
「はい。では、はたけカカシ上忍をゴミ出し係りに任命しますっ!」
じゃーん!とイルカ先生が大きなゴミ袋を持って、カカシ先生へと振り向きました。
「任務、全うされることをお祈り致します!」
ピシッとイルカ先生も敬礼。
「ハッ!」
カカシ先生、再び敬礼。






「ぷっ」
「あははは」
見つめ合って、暫くしてから、二人のお腹の中で笑いの虫が動き出します。
「ゴミ出し係りかぁ〜。結構大変な任務ですかね?」
ゴミのたんまり溜まった袋を受け取りながら、カカシ先生が笑います。
「ええ。それはもう。重大な任務です」
イルカ先生が笑いを唇の端に引っ掛けたまま、それでも真剣なふりをして言いました。
「我が家をゴミに占拠されないための、私達にできる最大の攻撃ですから」
「ほほう」
「いや、防御かな?」
どっちでしょうね〜と、カカシ先生がイルカ先生の真剣な顔に笑いかけます。
カカシ先生の笑顔に、イルカ先生もふにゃりと顔を緩めます。
「どっちでしょうね?」
と結局、答えは他所に置いて。

「えーと、それでこの任務の報酬ですが」
コホンとカカシ先生が咳を一つして、場を改めました。
「報酬?」
首を傾げるイルカ先生。
「ええ。報酬。・・・そうですねぇ〜」
これでいいです。
そう言って、カカシ先生は素早くイルカ先生の唇を攫いました。
「あっ」
掠めていったものの腕を、イルカ先生が掴もうと思った時には、
すでにその一陣の風は台所から逃げ去っていました。
「もう!」
イルカ先生は真っ赤になって、そっと自分の唇に触れました。
「もう〜!!」
何故だかとても気恥ずかしくて、どうしていいのかわからない。
イルカ先生は、
「ちくしょー好きだー」
と小さく、小さく呟きました。
聞こえないように、本当に小さな声で。


玄関で、「そろそろ出ないと、仕事間に合いませんよ〜」
なんてのんびりした声が聞こえます。
ああ、仕事行かなくちゃ!
イルカ先生はそう思って、急いで出勤の準備を始めました。













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蜜月 3