カカシ先生とイルカ先生は、いつも一緒に仕事へ出かけます。 ちょっぴり寝ぼすけなカカシ先生を起して、朝ご飯を食べさせている間に、 イルカ先生は二人分の洗濯、部屋の掃除機かけを手際よく終わらせます。 「イルカ先生〜何か手伝いましょうか〜?」 歯ブラシを咥えたまま、カカシ先生が眠そうに目を擦りながら、 イルカ先生に言いました。 そんなカカシ先生の姿に目を細めて、イルカ先生は笑って首を横にふりました。 イルカ先生はちょうど、二人の寝室に掃除機をかけているところでした。 ガーガー言っていた掃除機のスイッチを止めてから、 イルカ先生がカカシ先生に言います。 「いいえ。いいですよ。もう終わりましたから」 イルカ先生のその台詞に、カカシ先生が「あちゃ〜」と呟きながら、 自分の額をピシャリと叩きました。 「あ〜。すみません。いつも手伝おうとは思ってるんですが」 これじゃーただの言い訳だなぁと思いながら、カカシ先生が頭を下げます。 「あは。じゃーゴミ出しをしてもらっちゃおうかな?」 クスリと笑いながら、イルカ先生がカカシ先生の横をすり抜けて台所へ。 「了解!では俺はゴミ出し係りというわけで」 イルカ先生の背中に敬礼をして、カカシ先生が背筋を伸ばします。 「はい。では、はたけカカシ上忍をゴミ出し係りに任命しますっ!」 じゃーん!とイルカ先生が大きなゴミ袋を持って、カカシ先生へと振り向きました。 「任務、全うされることをお祈り致します!」 ピシッとイルカ先生も敬礼。 「ハッ!」 カカシ先生、再び敬礼。 「ぷっ」 「あははは」 見つめ合って、暫くしてから、二人のお腹の中で笑いの虫が動き出します。 「ゴミ出し係りかぁ〜。結構大変な任務ですかね?」 ゴミのたんまり溜まった袋を受け取りながら、カカシ先生が笑います。 「ええ。それはもう。重大な任務です」 イルカ先生が笑いを唇の端に引っ掛けたまま、それでも真剣なふりをして言いました。 「我が家をゴミに占拠されないための、私達にできる最大の攻撃ですから」 「ほほう」 「いや、防御かな?」 どっちでしょうね〜と、カカシ先生がイルカ先生の真剣な顔に笑いかけます。 カカシ先生の笑顔に、イルカ先生もふにゃりと顔を緩めます。 「どっちでしょうね?」 と結局、答えは他所に置いて。 「えーと、それでこの任務の報酬ですが」 コホンとカカシ先生が咳を一つして、場を改めました。 「報酬?」 首を傾げるイルカ先生。 「ええ。報酬。・・・そうですねぇ〜」 これでいいです。 そう言って、カカシ先生は素早くイルカ先生の唇を攫いました。 「あっ」 掠めていったものの腕を、イルカ先生が掴もうと思った時には、 すでにその一陣の風は台所から逃げ去っていました。 「もう!」 イルカ先生は真っ赤になって、そっと自分の唇に触れました。 「もう〜!!」 何故だかとても気恥ずかしくて、どうしていいのかわからない。 イルカ先生は、 「ちくしょー好きだー」 と小さく、小さく呟きました。 聞こえないように、本当に小さな声で。 玄関で、「そろそろ出ないと、仕事間に合いませんよ〜」 なんてのんびりした声が聞こえます。 ああ、仕事行かなくちゃ! イルカ先生はそう思って、急いで出勤の準備を始めました。 index 蜜月 3