そのことに気づくのF
桜井と鈴木は、柳沢達がいる母屋へ
進んでいた。
再び、ヤクザのパトロール部隊と遭遇
する。次の相手は腕に黒の腕章をつけて
いた。 樺山一誠が率いる山誠会の
連中だ。
またもや潅木の茂みに身を隠した
二人は、ヤクザが通りすぎるのを待つ。
アホ二人が猥談しながら通りすぎたのを
見計らって、鈴木がそっと立ちあがった。
手に持ったガーバー・マークTのナイフが
一人の男の延髄を抉る。そして、
完全に即死させるために、ナイフをグリッと
突き刺しながら回した。L6アロイの
工具用特殊鋼を鍛造したマークTの刃は
非常に粘りがあるので、刃がかけるような
ことはなかった。
脊椎動物の最大の弱点である延髄を
壊された男は無論、即死する。見事な
死に様だ。感動する。
一方、桜井のほうは、もう一人の相手の
首を、革で作った投げ縄で締付けていた。
鍛錬を重ねた筋肉がフルに活用される。
相手の男はM1カービンを地面に落とし、
必死に投げ縄を外そうともがくが、桜井の
筋力が相手ではどうにもならなかった。
ずるずると桜井達のほうへと引きづら
れてくる。首をしめられているので、呼吸は
おろか、声をあげることすらできなかった。
男の目は眼窩から飛び出そうになり、
舌が膨れ上がってくる。そして、苦し紛れに
脱糞する。
桜井自身も男に近寄り、ポケットから
スリーブナイフを取り出す。右手で
持った。
全長11センチで双刃の刃渡り7インチ
の凶器は、第二次世界大戦中に英軍
特別攻撃隊の刺殺用正式ナイフであった
サイクス・フェアベーンのコマンドウナイフ
で、刃は黒色メッキ処理されていた。
桜井は、ナイフで男の両肘と両手首の
腱を切断した。
そして鈴木が桜井が締付けていた男の
両膝と両足首の腱をガーバー・マークTで
切断する。
桜井は投げ縄を緩め、外す。
鈴木と桜井は、男達を近くの潅木の蔭に
かくした。
「くっくっく・・・・。」
と、桜井は笑った。鈴木のほうを見る。
鈴木も、同じように笑った。
二人は、さっきまで投げ縄で締付けられて
いた男の両眼をナイフで突き刺した。抉る。
桜井が左で、鈴木が右だ。
二人はたっぷりと血を吸ったナイフを
男の目から抜き、そいつの服でぬぐった。
男は気絶する。トドメを刺さないのは、
後で、その男に本当の恐怖とは何である
のかを、山誠会のメンバー達に知らせて
もらう狙いがあるからだ。
桜井は男の服をナイフで裂いて猿轡を
つくり、男に噛ませる。男が意識を取り戻し
ても両手の腱を切断されているから
猿轡を外すことは不可能だ。そして、両足
の腱も切断されているので逃げることも
できない。
桜井と鈴木は、柳沢の母屋へ向けて
歩き始めた。