<その24>
名人「アーキーラー!何処に行ってしまったんだー!!」
緒方「アキラくーん、アキラくーん。」
名人「お、お、緒方くん!アキラが誘拐された!!」
緒方「先生、そんなわけがないでしょう・・・少し目を離した隙に迷子になっただけですよ。」
名人「迷子になっただと!?あ、あ、アキラー!!!」
緒方「先生!周りの客にジロジロ見られるからそんなに大きな声で泣き叫ばないで下さいよ!
ほら・・・このハンカチで涙を拭いてください。これから案内所に行って迷子の呼び出しをしてもらいますから。」
名人「ウ、ウウ・・・★緒方くん頼むよ・・・ああ、ウチのアキラに何かあったら私はどうすれば・・・・。」
緒方「大丈夫ですよ、アキラくんはあれでしっかり屋さんですから。」
受付「迷子のお子様は塔矢アキラちゃん、5歳ですね。お洋服は白のブラウスに紺色の半ズボンですね。」
緒方「ハイ。たった今はぐれたばかりだからすぐに見つかると思うんだが・・・。」
名人「キミ!ウ、ウチのアキラは本当にすぐに見つかるのかね!?」
受付「!!ポッvvvvv・・・大丈夫ですよ。ニッコリvvvvv」
〜ピンポンパンポーン〜
『迷子のお知らせです。東京都M区からお越しの塔矢アキラちゃん、お父さんとお兄さんが1階東案内所で
お待ちです。アキラちゃんをお見掛けになりました方はお近くの係員にご連絡下さい。アキラちゃんの特徴は
白いブラウスに紺色の半ズボン姿で年齢は5歳です。とても可愛らしいおかっぱ頭で手に碁石を持っています。』
緒方「先生アナウンスもされましたし、すぐに見つかりますよ。」
名人「ア、アキラーーー。久しぶりに家族で仲良く百貨店でお買い物をしようと緒方くんの車でやってきたというのに、さっきのおもちゃ売場でアキラが欲しいと言ったおもちゃを買ってやらなかったのがいけなかったのか!?」
緒方「センセイ、そんなにご自分を責めないで下さいよ。」
名人「ハ!それともおもちゃ売場の後に立ち寄ったレストランでアキラがプリンが食べたいと言ったのに
品切れで注文が出来なかったのが気に障ったのかもしれん!」
緒方「変わりにホットケーキを食べていたでしょう・・・。」
名人「解かったぞ!キミの買い物に付き合って屋上のペットショップ売場に立ち寄った時に、アキラが子猫が
飼いたいと言ったのにキミが”猫はおサカナを食うから嫌いだ”と言ったから、アキラは傷ついて今ごろ
どこかで泣いているんだ!!」
緒方「先生、ちょっと落ちついて下さいよ!あのガキ・・・ゴ、ゴホゴホ・・・アキラくんがそんな事で泣くわけ
ないでしょう。アキラくんは頭のよい子だし、きっと今ごろはアナウンスを聞いて自分から近くにいる
大人に”ボクが塔矢アキラです”って言っていますよ。」
名人「!!★!!それはイカン、アキラが危険だ!!!」
緒方「ハイ?」
名人「考えてもみろ緒方くん!たまたまそこら辺を歩いていた大人があんなにカワイイ、アキラに話しかけられたら・・・
つい魔がさして自分の家に連れて帰ってしまうかもしれんぞ!!★!!」
緒方「そんなわけないでしょう・・・ハア・・・まあ、本当にそうなったら連れ帰ったヤツがすぐに返しに来ますよ。」
名人「そ、そうか!?」
緒方「そうですよ。だいたいあの扱いにくいガキを家に連れて帰ったらギャースカ泣いて大変」
名人「ナンか言ったかね?緒方くん。」
緒方「!!★!!イ、イイエ!今のは独り言ですよ。嫌ですねえハハハハ★・・・・・・ハア・・・・・あのガキ
どこに行きやがったんだ!?」
=場所は変わっておもちゃ売場=
どこかの子供「バーン!バーン!」
アキラ「ブツ・・ブツブツ・・・。」
子供「やっぱカッコイイぜ!男はやっぱり鉄砲だよな!あかりが好きなぬいぐるみなんかダセーよ!・・・アレ?」
アキラ「ほらお食べ。おいしいよ。」
子供「なあ、お前ナニやってんの?」
アキラ「・・・・・・・・・ルナちゃんにご飯をあげているの。」
子供「ププッ☆ご飯って、ソレ石じゃんか。それにぬいぐるみがご飯食うわけないじゃん。ヘンなヤツ。」
アキラ「・・・・・・食べるよ。おいしいおいしいって言っているもん。」
子供「お、おい、そんなにグイグイ口に手を突っ込んだらその猫のぬいぐるみやぶけちゃうって!」
ビリッ★
子供「あああ〜やぶけちゃった。どーすんだよー。」
お母さん「ヒカルー何処にいるのー?」
ヒカル「あ、ヤベ。・・え?」
アキラ「コレあげる。死んじゃったから。」
ヒカル「え、え!?いらねーよ!って待てよ!」
お母さん「コラ、ヒカル!!・・・って、アンタ手に何を持っているの・・・マア!この子ったら売り物を壊して!!」
ヒカル「ち、違うよ!オレじゃないってば!」
お母さん「嘘おっしゃい!」
ヒカル「アイツが壊したんだってば!・・・アレ?」
お母さん「誰もいないじゃないの。」
ヒカル「おかしいなー。今までいたんだよ!女みたいな顔したヘンなヤツが。」
=場所が変わってレストラン=
小学生の子供「フンフンフーン♪今日はオレの誕生日だ。家族で仲良くレストランで食事だーい♪
ナニ頼もうかなー?ショーケースにこんなに並んでいると迷っちゃうよな。よし!オムライスにしよう。
あとデザートは・・・プリンにキメ!」
アキラ「プリンはダメだよ。」
子供「え?」
アキラ「ボクね、プリンが食べたかったのに今日はないですって言われちゃったの。」
子供「ふ、ふ−ん、そうなんだ。(この子ドコの子だろう・・・?)」
アキラ「ボクね、とってもとってもプリンが好きなの。」
子供「ふーん、オレも好きだよ。」
アキラ「あのね、緒方さんがお出かけする時に”今日はプリンをたくさん食べてもイイよ”って言ったの。
でもプリン食べられなかったの。」
子供「??ふーん。」
アキラ「緒方さん嘘つき。」
子供「そ、そうだね・・・。」
アキラ「お兄ちゃんもプリンは我慢しようね。」
子供「え、えーっと・・・。」
お父さん「コラ、慎一郎。いつまで入り口のショーケースを眺めているんだ?お母さんとみゆきはもう注文すんでいる
んだぞ。」
慎一郎「あ、お父さん。」
お父さん「お前ナニが食べたいんだ?」
慎一郎「え、えーと・・・オムライスと・・・プ、プ、」
アキラ「ジ-------------------。」
慎一郎「(頼むからそんなに見ないでくれよ〜。これじゃあプリンが頼めないよお。)」
お父さん「ナンだ?デザートはいいのか?みゆきはプリンを頼んだぞ。」
アキラ「プリンあるんだ・・・・どうしてボクが来た時は食べられなかったのかなあ・・・?」
慎一郎「き、気まずい・・・・・。」
お父さん「慎一郎?どうしたんだ、お前ココのプリンはおいしくていつもすぐに売れきれちゃうから今日は
絶対に食べたいって言っていただろう。お父さん、わざわざ電話でお前の分も予約しておいたんだぞ。」
慎一郎「ヒイーーー!!★!!お父さん余計な事言わないで!」
アキラ「お兄ちゃんが食べるからボクの分はないですって言われちゃったの?」
慎一郎「ヒ、ヒイーーー!ご、ゴメン!!!」
アキラ「ジ-----------------------。」
慎一郎「(こ、コワイ!この子座敷わらしみたいでコワイよ!頼むからそんなに見ないで!)」
お父さん「慎一郎?・・・・・・・そうか・・・・・・・・プリンは嫌か・・・・それじゃあお前の分は妹のみゆきにあげよう。」
慎一郎「えええ!!★あ、待って!お父さん!お父さーん!・・・ウ、ウウウー★」
=場所は変わってペットショップ=
子供「くそー。母ちゃんてば兄貴の勉強机みるのにジャマだからってー。こんな所に置いていくなってのーアレ?」
アキラ「ワーイ★ワーイ」
子供「コラ!お前ナニやってんだよー!サカナが入ってんのにケース揺らしたらヤベーだろ!」
アキラ「??」
子供「お前オレと同じ年くらいなのに、そんな事もしらねーの?」
アキラ「・・・・・・・・・・・・・遊んでいたの。」
子供「ハア!?オレには虐めていたように見えたぜ。」
アキラ「違うもん・・・。あ、ルナちゃん!」
子供「あ、待てよ!」
アキラ「この子ルナちゃんって言うの。」
子供「ルナちゃん?ああ、黒い猫だからかー。おもしろいよなーあのマンガ!」
アキラ「ルナちゃんお話するの。」
猫「ニャ〜。」
アキラ「お話するの!」
猫「ブギャーー!!!」
子供「お、おい!ケース揺らすなって!!猫が怖がるだろ!!★!」
アキラ「ルナちゃんテレビでお話しているモン。」
子供「あれはマンガだからだろー。本当の猫はしゃべんないぜ。」
アキラ「やーーー!!!」
ガッチャーーーーーン!!!!!
子供「ウワーーー!!★!!」
猫「ブギャーブギャー!!!!!ガリガリガリ!!!」
子供「イテー!!!!ひ、引っかかれたー!!・・・・・・・う、う、ウワーン!」
店員「きゃー!猫の籠が倒れて子供が引っかかれたわ!!た、大変!!」
子供「ウワーン。あいつのせいだー嫌いだー!」
店員「な、泣かないでボク。すぐに手当てしてあげるから。・・・お母さんは?」
子供「グスグス。あ、兄貴と一緒。6階にいる・・・。ウ、ウウウー痛い・・・。」
店員「す、すぐに手当てするね!えっと、お母さんにも連絡しないと・・・ボクのお名前教えてくれる?」
子供「和谷・・・和谷義高。」
〜ピンポンパンポーン〜
『迷子のお知らせです。東京都H市にお住まいの和谷義高ちゃんのお母様、義高ちゃんが9階ペットショップ売場隣の
救護室におりますので至急お越し下さい。』
緒方「また迷子のアナウンスですよ。今日は多いんですかねえ?」
名人「ヌオオー!ちっともアキラは見つからないじゃないか!アーキーラー!」
緒方「チッ・・・・・・・・・・・・煩せ・・・・・・・・・・・・・・。」
アキラ「お父さん煩いの?」
緒方「ウワア!★ア、アキラくん!?いつの間にオレの後ろにいたんだ!!?」
名人「ア、ア、アアアーキーラーーー!!!ガバッ★」
アキラ「お父さーん。」
名人「よかった・・・見つかってくれてよかった・・・アキラーーー!お父さん心配したんだぞー!
一人で心細かっただろう?」
アキラ「うん、お父さん。」
名人「そうかーもう大丈夫だよ。お父さん、もうアキラを離さないからなー。」
アキラ「ウン。あのね、お父さん。」
名人「ナンだい、アキラ?」
アキラ「緒方さんがね、お父さんのこと煩いって言ってたよ。」
緒方「ビクリ!!!」
名人「緒方くん・・・・・・そういえばキミは先程からアキラを探すでもなく煙草ばかりふかしていたな・・・緒方くん!!!」
緒方「ヒ、ヒイーーー!!★!!い、イイじゃありませんか先生っ、アキラくんも見つかった事ですし!」
アキラ「ボクね、一人で色んな所に行ったの。それでね、飽きちゃったからエスカレーターをどんどん降りていたの。
そしたらお父さん達を見つけたんだよ。」
名人「クウッ!アキラッ何てお利口なんだ。お父さんが先にアキラを見つけられなくてスマン!」
緒方「・・・・・・・・バカ親・・・・・・・・・・・・・・・。」
名人「クワッ!!!!!緒方くん!!今ナンと言ったのかね!?バカ親と聞こえたが気のせいかねッ!!??」
緒方「ヒ、ヒイーーーー先生、地獄耳ーーーーーーーーーーー!!!!」
アキラ「クスクスクス★」
<終わり>気の向くままに百貨店をウロウロしていたら思いつきました。ガキ連れの人は大変デス。
<その23>
オレ伊角慎一郎。今年の夏こそは和谷との仲を進展させたいと思っている、ごく普通の高校生だ。
夏といえばやっぱり小旅行だよな。和谷と二人っきりで軽井沢とか箱根とか、熱海に行って・・・・そして・・・・・。
その為にもまずは資金稼ぎだ!・・・というわけで今日からオレは三日間の短期アルバイトをする。
プロ試験の合間に出来て、しかも日給がイイ所はなかなかナイだろうなって思っていたのにフロムエーを買ったら
物凄く大きなスペースでこんな募集があったから飛び付いたんだ。
<男子アルバイター求む!8月11,12,13日の三日間/場所・お台場ビックサイト/昼食支給・交通費全額支給/
職種・宅配便配達補助/日給20000円>
コレを見たオレはあまりの待遇の良さにすぐに履歴書を持って面接に行ったんだ。ああ、これは運命のバイトだ!
神様が、オレと和谷をこの夏の旅行に行かせる為に用意してくれたに違いない。お台場か・・・オレまだ行った事ないんだけど
大きな観覧車とかあってオシャレなデートスポットだって雑誌にも書いてあったから、いい下見になるかもなー。それに場所は
ビックサイトかー。室内だから日に焼ける事もないし、宅配補助の仕事だから楽だろうなー。お昼も出るし
交通費までもらえて3日間で60000円!おいしいよ★
=西館=
伊角「今日からバイトに入る伊角です。ヨロシクお願いします。」
先輩「ヨロシク。」
伊角「あの・・・来る途中で会場の前に人がいっぱい並んでいましたけど、アレ何の行列ですか?」
先輩「アハハ・・・オレ達には関係ないよ・・・というか知らないほうがイイ事も沢山あるんだよ伊角くん。」
伊角「ハア?」
先輩「仕事内容は面接と事前の説明会で教えておいたから覚えていると思うけど、伊角くんの仕事は午前中は
受付に取りに来たお客さんの荷物を、スペースまで運んであげる仕事だよ。」
伊角「ハイ。若い女の子が自分の本を取りに来るんですよね?でもナンで本をわざわざ送ってくるんですか?
こんな所で読書するなんて、今日はよっぽど読書好きな人が多い集まりなんですね。」
先輩「アハハハ・・・・まあ、間違っていないかな・・・・あ、コレ会場内の見取り図ね。無くしたら迷うから気をつけて。」
伊角「ハイ。(迷っても案内板を見ればすぐに帰って来れると思うけどな・・・)」
お客「スイマセーン。犬のお兄さーん、荷物を取りに来たんだけどー。」
先輩「ハーイ!・・・伊角くん、あそこにあるから持っていって。」
伊角「ハイ。・・・えっと・・・どれだ?」
お客「お兄さん、コレだよ。この大きい箱10箱!」
伊角「え・・・・?ええええ!!!」
お客「ホラ!早く運んでよ!!ウチ大手なんだから早くスペースで開封処理しないといけないの!」
伊角「ア、ハイ・・・い、今こちらの大型台車に積みますからお待ち下さい・・・お、重い・・・!」
お客「まったく要領が悪いなあ!大手の搬入くらい予測できるでしょ。こっちが来る前に台車に積んどいてよ!」
伊角「ス、スイマセン!・・・・・・・・お、終わりました!ハア、ハア・・・。」
お客「じゃあスペースに行くから着いてきて!」
伊角「ハイ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、重い・・・・・・・・・ノロノロ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
お客「おっそい!さっさと運んでよー。ナンの為の人台車よ!若いんだからソレくらいパッパと運んでよ!!」
伊角「ウ、ウウウ・・・・和谷ぁ〜〜〜!!!」
オレは心の中で和谷の笑顔を思い浮かべながら、この重い荷物を運んだ。い、一体ナニを入れたらこんなに
重くなるんだ??
お客「まったく、犬っていつも要領が悪すぎ!」
伊角「ハ、ハア。・・・・あの・・・コレ何処まで運ぶんですか?もう大分歩いているんですけど。」
お客「東3Aの壁!!!」
伊角「そうですかー・・・・・・って、ええええ!!??」
オレは持っていた見取り図を見て思わず叫んでしまった。
伊角「東A3の壁って・・・・・会場の端じゃナイですか!?」
お客「そうよ!だっからさっきからイライラしてんでしょう!何でウチの荷物が西にあるのよ!おかげでこっちは
会場の端から端まで往復よ!!」
伊角「ヒ、ヒエー!お客さん落ち着いてください!!あ、ほらアソコでしょう??」
お客さんのスペースにはすでに人が一杯並んでいた。この列はナンだろう・・・・?
売り子「あー○●先生!おかえりなさいませ!!」
お客「まったく!申し込んだ本人しか荷物の受け渡しが出来ないって言われて最悪!あとは売り子のアンタ達が
やってよね!」
そう言ってお客さんはスペースのイスに座って飲み物を飲みながら化粧を直し始めた。
伊角「あ、あの・・・この荷物・・・。」
売り子2「あ、スイマセーン。ここに置いてください。」
オレが荷物をスペース内に置いていると、すぐに”売り子”と言われていた人達が中を開封した。中にはキレイな
イラストが描いてある本が入っていた。
伊角「キレイな本ですね。」
売り子3「ありがとうございます。ウフフ。」
伊角「めずらしい大きさの本ですね、凄く大きい。それにナンでこんなにたくさん同じ本があるんですか?」
売り子3「えっとーコレはA4サイズの本だから大きいんですー。」
伊角「この<楊×太>ってナンですか?バツ???」
売り子3「え!!??み、見ちゃダメです!!!」
お客「ちょっと!そこナニやってんのよ!早く並べちゃってよ!開会前にナイショで販売したいんだから!」
売り子達「ハ、ハーイ・・・・。」
伊角「あ!いっけね。もう戻らないと・・・。」
オレは慌てて引き返した。
=お昼休み=
伊角「ハア、ハア、ハア、ハア・・・・まさか10往復するとは思わなかったよ・・・疲れた・・・。」
先輩「おつかれー。お弁当は東で支給しているからね。」
伊角「ハ、ハイ・・・。」
オレはヨロヨロとしながら弁当を貰いに行った-----------。
伊角「ウワーーーー!!!!!★!!!!!ナンだココは!!!!!」
人混みにつられて歩いていたら、目の前に異様な服を着た人達とカメラを持った男ばかりの広場らしきところに
来てしまった。
伊角「ナンだよココー!!!!!へ、ヘンな服を着た人が一杯いる!!!」
カメラ小僧「ちょっと!そこの犬の人!撮影の邪魔だからどいてよ!でじこちゃんが撮れないですよ!」
伊角「え?え?」
でじこ「ちょっとジャマにょ!どくにょ!」
伊角「あ、スイマセン!」
オレがどいたとたん辺り一面フラッシュが炸裂した。
伊角「撮影会!?な・・・なんだよコレ・・・・・?」
「ああああーーー!犬だあ!」
伊角「え?う、ウワ★」
いきなり甲高い声と共に後ろから抱きつかれた。な、ナンだよ!!??
女の子「うわーうわーうさだ感激ですうー犬のお兄さん、一緒に写真を撮りましょう!」
伊角「ハイ?う、ウワーどこにつれて行くんですか!!」
気がつくとオレはヘンな服を着た集団に囲まれていた。ヒ、ヒエーー★
ぷちこ「こいつ怯えているにゅ。もっと怯えろにゅ。」
でじこ2「お兄さんなかなかイケメンにょー!ケイタイの番号教えてにょー!」
うさだ「感激ですう。他のコスプレイヤーよりも犬のお兄さんの制服の方がイケていますう。」
まろん「素敵に無敵ってカンジ!」
サクラ「素敵です!」
スミレ「オホホホ、少尉と同じ位イケメンですわ!」
アイリス「お兄ちゃんカッコイイ〜。」
伊角「え?え?そうかなーイケてるかなーオレ?アハアハ。」
カメラ小僧2「ハイ、ポーズ!」
伊角「ニコッ★」
=午後=
先輩「午後は発送の受付を頼むよ、大きさに合わせて値段が決まっているから。」
伊角「ハイ・・・・・・・・って、なんだかもう凄い行列ですけど・・・・・。」
先輩「アハハハ・・・・・・これからもっと増えるんだよ・・・・・・・・・・・。」
伊角「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
お客2「コレ大阪まで。」
伊角「はい・・・・・・えっと5箱ですね・・・・・。」
お客2「明日の午前指定にしてね。」
伊角「無理です。」
お客2「ナンで!!?私、明日の朝家に帰るから帰ったらすぐに読みたいのに!なんとかしてよ!」
伊角「ヒ、ヒエ・・・そう言われましても・・・・。」
お客2「犬って態度デカイよね!鳥に乗換えようかな。」
伊角「ヒ、ヒエエー★それだけはご勘弁を〜。バイトの説明会で”鳥に客をもっていかれたら日給減らす”って
言われているんです!」
お客2「だったらナンとか間に合わせてよ!」
伊角「ヒ、ヒエー★ヒエー★」
オレの叫び声は閉会まで続いた----------------。
=後日=
和谷「伊角さん・・・写真みたよ・・・伊角さんってああいう趣味があったんだ・・・・。」
伊角「え?写真ってナンだ?」
プロ試験の会場控え室で、朝から和谷に話しかけられてついつい顔が緩んでしまう。よし、今誘っちゃおうかなvv
バイト代も入ったことだしな!
伊角「和谷、あのさ」
その時、和谷が一冊の本をオレの目の前に差し出した。
和谷「兄貴が買ってきた本に”お前の知り合いが載っているぜ”って言われてさ。・・・・オレ・・・個人の趣味に口を出す気はナイから・・・・でもちょっと・・・ショックだったぜ・・・・それじゃ!」
伊角「アアッ!和谷!?」
和谷はそう言うと外に駆け出して行ってしまった。な、ナンだ一体?
オレは和谷が持ってきた本を見た。
伊角「ゲ、ゲエエ!!★★!!」
その本は「コスプレマニア」という本だった。巻頭特集は<夏コミコスプレ・コスプレチーム&犬のお兄さん>だった・・・・。
表紙にはニッコリと笑いながらコスプレをしている女の子に囲まれてピースサインをしているオレが載っていた-------------------。
その日以来、和谷はオレを避けるようになり、対局が終わると進藤と二人でさっさと帰ってしまうようになった。
オレはバイト代の60000円を握り締めながら男泣きに泣いた---------------------。
<終わり。>伊角さんって宅配系の制服(宅配便・ピザデリバリー)が異様に似合うと思うんですよ。こんなお兄さんがバイトをしていて、しかもお客さんに虐められていたりしたらかなり萌えます!
ビックサイトには行った事がないのでパンフを片手に想像を張り巡らせてみました。テヘ★
<その22>
院生師範「それじゃあ、お弁当の申し込みは全員済みましたね。」
受験生達「ハーイ。」
院生師範「では、もう時間なので対局室に集まって下さい。」
今日はプロ試験初日だ。去年の夏、ボクにライバル宣言をした進藤ヒカルは今回の試験を受ける。
進藤はこのボクを追いかけているつもりらしいが、はっきり言って愉快を通り越して不愉快だよ。
進藤程度の実力でこのボクのライバルになれると思われるなんて。ああ、進藤は今頃どんな顔をして
試験を受けているんだろう。院生で一組といっても、プロ試験には実力のある外来も多く来るんだ。
進藤の事だから大人相手ではきっと苦戦をするだろう。
塔矢「今日から臨時バイトで入りました塔矢アキラです。よろしくお願いします。」
店長「よろしく。初日からで大変だけど今日からしばらく大口の注文が入るから頑張ってくれよ。」
塔矢「ハイ。大口って日本棋院のプロ試験ですね。」
店長「そうだよ。ナンで知っているの?」
塔矢「ハハハ★トモダチがプロ試験を受けているんです。」
店長「そうか!じゃあキミも応援しているだろう。それじゃあ塔矢くんも配達に一緒に行くかい?」
塔矢「ハイ!」
店長「それじゃあ早速お弁当を配りに行こう。これが注文リストだ。」
店長はそう言うと一枚のFAXをボクに渡した。
店長「そのリストに書いてある名前とお弁当を間違えない様にする為に、お弁当を包んでいる紙に
名前を書くのが塔矢くんの仕事だよ。」
塔矢「ハイ。」
店長「それじゃあオレはその間に次の配達先の準備をしてくるから後は頼んだよ。」
塔矢「ハイ、任せて下さい。」
店長が厨房を出て行った後、ボクは今貰ったリストのチェックを始めた。
塔矢「しんどう、しんどう・・・・あった!」
進藤はどうやら一番安いのり弁当を注文したようだ。ダメじゃないか進藤、こんな栄養の偏るものを頼んじゃ。
きっといつもお母さんから買い弁当代で貰っている1000円を少しでも浮かせて自分のお小遣いにするつもりなんだね。
まったくキミって人は浅知恵ばかり働くんだから・・・フフフ★でも大切なプロ試験なんだからちゃんと
栄養をつけないと午後の対局に影響したら大変だよ。
ボクは他の受験生のチェックもした。
塔矢「わや、わや・・・・あった!」
どうやら和谷はからあげ弁当を頼んだようだ。
ボクはからあげ弁当を開け、進藤が頼んだのり弁当の中にからあげを一個入れた。
本当は全部入れてあげたいけど、和谷は食い意地がはっていそうだから自分のお弁当にからあげが
一個も入っていなかったら、きっと進藤のからあげを奪ってしまうだろうからね・・・。まったく、ナンで
進藤は和谷と仲良くしてあげているんだろう?ああ解かったよ。和谷がキミにまとわりついているんだよね。
キミは八方美人の所があるから、まとわりつく和谷を疎ましく思いながらも仲良くしてあげているんだろ?
塔矢「さて次は・・・いすみ、いすみ・・・・あった!」
伊角という人は幕の内弁当の特上だ。たしかコレは申し込みチラシに<大切な日には特上の幕の内でキメ!>
と、あおり文句が書いてあったんだ。カレはどうやらそうとう今回のプロ試験に賭けているようだね。
塔矢「それじゃあ早速いただきま〜す★」
ボクは幕の内弁当に入っている鮭の切り身とコロッケとサトイモの煮物と花形に切ったにんじんとサツマイモの
天ぷらを進藤ののり弁当の中に入れた。伊角という人のお弁当はスカスカになってしまったから変わりに
電気釜からご飯をよそって上に梅干をのせて詰めておいた。
塔矢「さあ、次はいいじま、いいじま・・・・・・あった!」
飯島という人はカルビ丼か。以外だな、あの人こういうこってり系が好きなんだ。でも好都合だったよ。
進藤もこってり系が大好きだから。
ボクはカルビを進藤のご飯の上にのせた。
塔矢「さあ、次はつばき、つばき・・・・・あった!」
椿という人は外来で受験をしている人で予選の時にボクの進藤にさんざんプレッシャーをかけてくれたんだ。
塔矢「この人には遠慮はいらないか・・・。」
ボクは椿が頼んだ冷やし中華からナルトとミカンとサクランボを取った。ミカンとサクランボは進藤の
デザートにしよう。
店長「塔矢くーん、そろそろ配達の時間だけどもう出来たか?」
塔矢「ハイ。ちょうど今終わったところです★」
店長「そうかい、じゃあ行くぞ。」
進藤「ウワ〜イ、おっ昼だ♪おっ昼だ♪・・・ウワ〜!オレののり弁当メチャクチャ豪華じゃん!」
佐為「本当ですね、ヒカル。申し込みの写真と大違いの豪華さですねえ。」
進藤「コレで330円なんてラッキー★次回もコレにしようぜ!いっただっきまーす★」
和谷「へー、進藤の弁当凄え豪華じゃん。オレも食うぞ・・・あれ?なんかからあげが少ない気がする・・・
ま、気のせいかな?いっただっきまーす★」
伊角「あれ?オレがトイレに行っている間に和谷達、先に食っているよ・・・近くの席はもう空いていないか・・・。」
本田「伊角さん、こっち空いているぜ。」
伊角「サンキュー。・・・・・何!!★??」
本田「ナンか伊角さんが頼んだ幕の内、ご飯が多くない?」
伊角「っていうかご飯ばかりだよ!それになんだよ、この梅干の数は!?ご飯の上にびっしりとのせて
あるよ!コレの何処が特上だよ?騙されたッ!!!」
本田「伊角さん、落ちついてッ!★!!」
飯島「?ナンだ?伊角さんが珍しく騒いでいる。・・・人の事より自分の事!さあ、しっかり食うぞ!
・・・・・!!!★に、肉がナイ!ん?包み紙にナンか書いてある・・・。」
<本日はお肉の数が足りなかった為、変わりにふりかけをかけておきました。ふりかけ丼も美味しいですよ>
飯島「コレ書いたヤツ、バッカじゃねーの!!」
椿「オ〜レはつばき〜♪花の〜椿って〜♪読むんだぜ〜カッコイイ〜♪」
他の外来「ちょっと椿さん、歌なんか歌わなくてイイから食事のときくらい静かに食べてくださいよ!」
椿「チ!煩せえなあ・・・さあ食うか!・・・・!!?な、ナイ!!!!!!!!!!」
外来「だから煩いって言っているでしょう!」
椿「煩え!オレのナルトとミカンとサクランボを食ったのはお前か!!??」
外来「ハア?アンタ何言ってんです?」
椿「クソー!ナルトの入っていない冷やし中華なんざ、冷やし中華じゃねえ!ウウウウ・・・・・
ミカンとサクランボも最後に食べようと楽しみにしていたんだッ!とっとと吐き出しやがれッ!」
外来「い、痛い!口に手を入れないで下さいよ!オレは知りません!だ、誰か助けて!!!」
進藤「ナンだよ、さっきからアッチコッチで煩いな〜、落ちついて食べられないよ!」
和谷「ホントだ。伊角さんもナンか喚いているぜ。」
伊角「大切な日はコレでキメ!って書いてあったから頼んだのにー!オレなんか、きっと今年も落ちるんだ!」
本田「伊角さんお、落ちついてッ★」
和谷「伊角さん元気だなー。」
進藤「アハハ★伊角さんを見ているとナンだかこっちまで元気になっちゃうよ。」
和谷「ホントホント★あれ?飯島さん、また一人でメシ食っているぜ。なんか暗いよな・・・。」
飯島「プロ試験初日だから、肉食って精をつけようと思っていたんだぜ!それがナンでふりかけなんだよッ!!」
進藤「この肉美味え〜★」
和谷「進藤、本当に美味そうに食うな。」
進藤「ウン!全部オレの好物ばかり入っているんだもん。それにデザートまであるよ。ミカンとサクランボ
大好きなんだオレ★」
そう言うと進藤は最高の笑顔をボクに向けたんだ。ボクは入り口のドアの影からそっと微笑み返したかったけれど
自分から進藤にはもう会わないと決めた手前、ボクに投げかけたカレの笑顔を無視して、そっと会場を
後にした。進藤はそんなボクを悲しそうに見つめている。そんな顔をしないで、進藤・・・・・ボクは毎回お弁当を
届に来るから。
<終わり>サブイですか?私はサブクないデス!!!
<その21>
わたし白川ゆきよ。日本棋院アンケートで<若手トップで一番応援している棋士ナンバー1>の
あの白川七段のニ・イ・ヅ・マvなのよ★彼ってば実はホモだったんだけどホモスキーで趣味が
ホモ系同人誌を読む事のわたしと意気投合をしてプロポーズをしてくれたの★キャハッ★
白川「あのさ、ボク明日から森下先生のお供で急に関西棋院に泊まりで行く事になったから。」
帰宅後、夕食を食べながらダーリンは申し訳なさそうに話し出した。
ゆ「え〜そうなの〜?ゆきよサビシー★夜、一人なんて・・・グッスン★強盗にでも入られたら大変〜。」
白川「ゴメンネ。仕事だからどうしても断れないんだ。そうだ、一人だと危ないから緒方くんに
泊まりに来てもらうよ。」
ゆ「キャハッ★ダーリンありがとう!緒方さんが泊まりに来てくれれば安心だわ★ウフフフフ。」
白川「アハハハハ。」
ゆ「ウフフフフ★」
ピンポーンピンポーン
ゆ「ハ〜イ、緒方さんいらっしゃいませ★」
緒方「どうも・・・おじゃまします。」
ゆ「どうぞお上がりになって下さい。今冷たいビールでもお出ししますから。」
緒方「いいえ、お酒は結構です。今晩は白川に・・・旦那さんに頼まれて奥さんのボディガードに
来たので。オレが酔っ払ってしまったら来た意味がない。」
ゆ「あらん、マジメな緒方さん★じゃあご飯の準備が出来ているから一緒に食べましょう♪」
今日のメニューはおサカナの姿煮とおサカナのから揚げ、炊き込み御飯も具はもちろんおサカナよ★
他にもおサカナづくしにしたの★
ゆ「緒方さん、さあ召し上がってvvv」
緒方「お、奥さん・・・・。」
あらん?緒方さんったら真っ青な顔をしてうずくまっているわ。気分でも悪いのかしら?
ゆ「緒方さん気分でも悪いんですか?」
緒方「イ、イイエ・・・ちょっと・・・。」
ゆ「あ!解かった〜、緒方さんたら夏バテでもしているんでしょう。ダメダメン★こういう時はご飯を
しっかり食べてスタミナをつけなくっちゃ。ハイ、ア〜ン★」
わたしはかいがいしくお箸でおサカナの姿煮のおっきいのを取り、緒方さんの口元に持っていってあげたの。
緒方「お、奥さん・・・このおサカナ・・・そのまま煮ましたね・・・。」
ゆ「あら、だって姿煮ですもの★おサカナはやっぱり形を残した方が食欲が沸きますから★」
緒方「お、鬼嫁・・・。」
ゆ「ハイ?ナニかおっしゃいました緒方さん?」
緒方「イイエ別に。」
ゆ「ウフフフ、じゃあ食べてください★」
緒方「ハ、ハア・・・。」
ゆ「・・・!もしかして、わたしの作った物なんて食べられないって事ですか?・・・ヒ、ヒドイ・・・・
緒方さんの為に一生懸命に作ったのに。グスングスン★」
緒方「お、奥さん!?」
ゆ「緒方さん・・・わたしがダーリンの奥さんだからってイビルおつもりですか?ヒ、ヒドイ・・・
シクシク★」
緒方「イ、イイエ!そんなつもりはありませんよ!」
ゆ「じゃあ食べてください。ニッコリ★」
緒方「ウ、ウエ・・・。」
ゆ「ナニか?」
緒方「イ、イイエ・・・頂きます・・・。」
こうして緒方さんとわたしは二人で楽しく夕食をとったのよ。キャハッ★
ゆ「緒方さん、お風呂が沸きましたよ。お先にどうぞ★」
緒方「スイマセン。お言葉に甘えて先に頂きます。」
ゆ「どーぞどーぞ。ニッコリ★」
緒方さんはいつも泊まりに来ているから慣れたものでさっさとお風呂場に行ってしまった。
ゆ「さて、じゃあわたしも・・・。」
緒方「フウー。さっきの食事はまいったぜ・・・。姿煮に素揚げしたからあげ・・・嫌がらせかと思ったぜ。」
ゆ「緒方さ〜ん、入りますよ〜★ガチャ。」
緒方「ゲ!ゲエ!★!お、奥さん!!??」
ゆ「ウフフ★お背中を洗いに来ました。」
緒方「あ、アナタ何を考えているんです!!」
ゆ「あらん、緒方さんの背中をちゃんと洗ってあげるようにってダーリンから言われていますから★」
緒方「ダ!・・・し、白川のヤツ何を考えていやがる!」
ゆ「ウフフフ★緒方さんって意外と逞しい体だったんですね。」
緒方「ウ、ウワ!★!お、奥さんいつの間に人の背中を洗っているんですか!!」
ゆ「ああんダメダメ〜ンvv動いたらきちんと洗えませんわ★」
緒方「クウ・・・白川め・・・。」
ゆ「さあ、次は前ですよ〜★」
緒方「ハイ???★★」
ゆ「ウフフフ★前もきちんと洗って差し上げますわ★」
緒方「け、結構です!!!」
ゆ「!そ、そんな・・・!いつもはダーリンにゴシゴシシュポシュポと洗ってもらっているのに
わたしではダメだっておっしゃるんですか!?」
緒方「あ、洗ってなんかもらっていませんよ!」
嘘ばっかり★いつもはバスルームで全身泡だらけにされているって知っているのよ★キャハッ★
ゆ「わたしじゃダーリンのようにきれいに洗えないとおっしゃるのね!ヒ、ヒドイ〜★屈辱ダワア〜★
ダーリンに報告しちゃうんだからあ〜★」
緒方「ビクリ!お、奥さん!・・・・・ク、クウ★・・・・・・・お、お願いします・・・・・・・・・。」
ゆ「ハ〜イ★」
わたしは前のほうもきれいに洗ってあげたの。
ゆ「あら?緒方さん泣いているんですか?」
緒方「グ、グスッ・・・・イ、イイエ・・・気にしないで下さい・・・・・・。」
ウフフフ★緒方さんったら受けホモだから、こうやって女の人にアソコを洗ってもらう事もないから
感激して泣いちゃっているのね★清純だわあ!
緒方「セ、セクハラだぜ・・・。」
ゆ「さあさあ、もう遅いから寝ちゃいましょう★」
緒方「そうですね・・・奥さん、念の為に聞きますけど客間の布団は一つですね!?」
ゆ「当たり前です。」
緒方「ホッ。それなら安心だぜ・・・。」
ガラッ。
緒方「お、奥さん!!!!!なんですかコレは!!!!!」
ゆ「ハイ?お布団に決まっていますわ★ニッコリ★」
緒方「布団って・・・・・ダブルサイズが一つ敷いてあるだけですよ!!!★!!!?」
ゆ「当たり前です。一緒に寝るんですから★」
緒方「ゲ!」
ゆ「だって、その為に来ていただいたんですもの。夜一人で別の部屋に寝ていて痴漢でも入ってきたら
緒方さんに助けを求められないでしょう?」
緒方「心配しなくても痴漢なんてされませんよ。」
ゆ「!!!ヒ、ヒド〜イ★緒方さんはわたしが危険な目に合ってもイイっておっしゃるのね!?クスンクスン・・・
緒方さんってイジワル。こんな人がダーリンの親友だなんて!妻として認められなくなりそう・・・。」
緒方「!!お、奥さん・・・ク、クソッ!・・・ハハハ何を言われるんですか?オレと一緒に寝ましょう。」
ゆ「ハ〜イ★緒方さん★」
緒方「ハア・・・悪妻だぜ!・・・」
ゆ「ねえ緒方さん★」
緒方「ナニか?」
ゆ「眠れないからナニかお話をして下さい★」
緒方「ハア!?」
ゆ「わたしがスヤスヤと眠るまで、楽しいお話をしてくださいね★」
緒方「奥さんアナタいくつですか?」
ゆ「!!それってババアって意味ですか!?ヒ、ヒド〜イ★わたしこれでも緒方さんやダーリンよりも
年下なのにい〜。緒方さんにババア扱いされたってダーリンに報告しちゃうんだからあ〜★シクシク。」
緒方「し、絞め殺したろか・・・!・・・・・・・・・ハハハハ。昔昔あるところにおじいさんとおばあさんが・・・・」
こうしてわたしがすやすやと安らかな寝息をたてるまで緒方さんはとっても楽しい昔話を一杯してくれたの★
白川「ただいまー今帰ったよ。」
ゆ「アア〜ンvvダーリンお帰りなさい★」
白川「緒方くん留守番頼んじゃってゴメンネ。」
緒方「・・・・・・・・・・・・別にかまわねーよ・・・・・・・ケッ!」
白川「??緒方くんとは仲良くしていたかい?」
ゆ「ええ!夕べはとっても楽しかったわ★もう毎日でも泊まって頂きたいくらい★」
緒方「ゲエ!★!」
白川「アハハハそれは良かったよ。実は明日から又、出張なんだ。今度は中部総本部で特別講師に招かれちゃって・・・緒方くん、そういうわけだからあと1週間ほど泊まっていってよ。」
緒方「断る。」
ゆ「ヒ、ヒド〜イ★緒方さんったら夕べはあんなに優しかったのに〜わたしの事、嫌いなんだわ〜アア〜ン
ダーリーン★」
白川「緒方くん・・・そうなのかい?折角ボク達3人上手くやっていけると思ったのに・・・残念だよ。」
緒方「白川!・・・・・・・・・・ク、クウ★・・・・・・・・ハハハ嫌ですよ奥さん、安心してください。」
ゆ「じゃあ泊まってくれるんですか?ニッコリ★」
緒方「ええ、喜んで。」
ゆ「キャハッ★ゆきよ嬉しい〜★」
白川「ありがとう緒方くん。」
緒方「・・・・・・・・・・・・この毒婦め・・・・・・・・・・・・・。」
ゆ「ウフフフフ★キャハハハハ★」
<終わり>緒方さんにはセクハラをされるよりもかましたいです。
<その20>
オレは緒方九段。日本棋院を代表する若手トップ棋士だ。若手トップだからな、はっきり言ってモテモテだ。
このオレの様にイイ男はそうはいないぜ。なんだよ?もっと詳しくイイ男っぷりを言ってほしいのか?
仕方がないぜ・・・いいか、よく聞けよ。ほらもっと顔を近づけて・・・いいか、このオレの顔を
良く見ろよ・・・この切れ長で色素の薄い瞳、吸い込まれそうだぜ・・・。形の良い細い眉もオシャレだぜ・・・
毎日ちゃんとお手入れをしているからな。すっととおった鼻筋も美形を物語るぜ・・・外人並みだぜ。
この木目細かい肌・・・お前の肌よりキレイだぜ。それにこの声・・・低くてよく通るだろ。この声で何人の女を
ピロートークプレイでイカせた事か・・・お前も今カンジているんだろ?オレの首に噛り付いたってイイんだぜ?
このガッチリと逞しいオレの首筋にな!そしてこのオレのサラサラで柔らかい淡い栗色の髪の毛を悶えながら
触ってもイイぜ。オレはお前のはちきれそうな厭らしい胸に顔を埋めながらこの形のよい艶やかな唇で
お前の固くなった蕾をつまんでヒーヒー言わせてやるぜ・・・。
白川「緒方くん、さっきからナニを一人でブツブツ言っているんだい?」
緒方「ウワア★し、白川!?おどかすんじゃねえ!」
白川「おどかすなって・・・何度も話しかけたんだよボク。」
緒方「ああ、そうかよ。クソッ!」
オレは、いいところでジャマしやがって・・と心の中でこの気の利かない男を毒づいた。
緒方「まったく・・・なんでよりにもよって白川なんかと一緒に囲碁教室の講師なんかやらないといけないんだ?
仮にもオレは九段だぞ!?」
白川「アハハ緒方くん、この仕事に段位は関係ないよ。むしろボク達の様に指導碁の経験が豊富な棋士の方が
素人レベルの人にも解かり易く教えることが出来るでしょう。」
緒方「フン。素人のジジイ・ババアが今更囲碁を覚えて上達するかよ。」
白川「いいんだよ。生徒さん達は趣味として習いに来るんだから。ボク達はそういう人達に囲碁の楽しさを
教えるのが役目なんだから。」
緒方「クックック・・・白川、お前相変わらずイイ事を言うぜ。本当にそう思っているのか?」
白川「ウン。」
ケッ!この真面目男はいけ好かないぜ!オレの同期かなんか知らんがプロになった時からナニかというと
比べられてきたんだぜ。まあ、このオレの方が段位も上だし指導碁の客も金持ちが多いからな、年収だって絶対に
オレの方が上だぜ!もちろん同じ独身男としてもこのオレの方が魅力的だぜ!
緒方「ハッハッハッハッハー★」
白川「緒方くん、そろそろ生徒さん達が来るからもう少し静かにお願いするよ。」
その時、囲碁教室のドアが開いた。
「キャー!★!白川先生こんにちわーvvv」
緒方「え?」
ドアから入ってきたのは若い女共の集団だった。
女1「おはようございま〜す★白川セ・ン・セ・イ♪」
白川「ハイ、おはようございます。」
女2「キャーン★私達ィ、白川先生に早く会いたくてェ先週の囲碁教室からずっと寂しかったんですゥ〜★」
白川「そうなんですか、そんなに楽しみにしてもらえてボク嬉しいです。」
女共「キャアー!白川先生カワイイーvvvvv」
白川「カワイイって・・・困っちゃうなボク。」
緒方「おい!なんだ白川この女共は!!」
オレは照れる白川の腕を掴んで詰め寄った。
緒方「囲碁教室と言えばジジイ・ババアだろうが!?」
白川「そうかなあ?ボクが担当をする地区だと、いつのまにか若い人で一杯だよ。」
女3「なんかーあの男ムカツカない?私達の白川先生に近づきすぎ!」
女4「そんなカンジー、チョーウザイ★」
グ、グウ・・・女共め。このオレが日本棋院を代表する若手トップの緒方九段だと知っているのか!?
こいつら全員ヒーヒー言わせてやる!もちろんベットの上でな!
白川「えっと・・・皆さんに紹介します。今日からボクと一緒に囲碁教室の講師を務める緒方九段です。
緒方くんはボクと同期で仲も良いんですよ。ね、緒方くん?」
緒方「まあ、そう言う事にしておくぜ。」
はっきり言ってお前程度の棋士と仲良しにされたくはナイがな。まあ有名なこのオレと仲良しに
なりたがる棋士はごまんといるからな。これも社交辞令ってヤツだぜ。間に受けて馴れ馴れしくするんじゃないぜ。
白川「それじゃあ今日は二手に分かれて打ちましょう。」
白川は手際良く生徒を二つのグループに分け、オレ達は早速レッスンに入った。
女5「緒方先生はどうしてこの教室の講師をしに来たんですか?」
レッスンの最中、一人の女が話しかけてきた。フウッ、早速逆ナンか?場所をわきまえろよ・・・。
緒方「オレみたいにいつも都議やら会社社長を相手に指導碁をしているとね、たまには一般人を相手に
教えたくなるんだよ。」
本当は・・・本因坊を取れずに帰ってきたら師匠である名人に”桑原先生に大口を叩いただろう、おかげで
ウチの門下の日本棋院での評判が悪くなったぞ!仕方がないのでキミも反省をしていて自分から囲碁教室の
講師からやり直したいと言っていたと言ってしまったので、明日から白川七段のお手伝いをする様に。”と
言われたから、仕方なく講師に来たんだぜ。まったくあのオヤジはいつもオレの意見も聞かずに事を決めやがる!
女6「緒方先生にシツモ〜ン★」
なんだよ早速質問と称してオレに彼女がいるかを聞き出そうっていうのか?なんならお前達も加えて
やってもイイぜ。
女6「白川先生って彼女いるの?」
女7「私もそれチョー聞きたい。白川先生クチでは”いません”って言うけど、あんなにステキなんだモン。
絶対に棋院の女がちょっかいかけていそうだよね?」
女8「そうそう!どうなの緒方先生?」
知るか!!白川がステキだとう!?もっとステキな男がお前達の目の前にいるだろうが!
緒方「白川に女がいるかは知らないがオレは今フリーだぜ?」
女9「緒方先生には聞いてないです。」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン★
女10「ハア・・・白川先生に初めてお会いした時から私、もう夢中になっちゃったんです。」
女11「私も・・・囲碁教室に通っていたウチのおばあちゃんに”とってもステキな先生がいるのよvvv”って
紹介された時に運命を感じちゃったvvv」
女12「アアン私も〜★」
女13「私なんか、白川先生の事を考えると切なくって夜も眠れないのよ。」
黙れ黙れ!!!この淫乱オンナ共め!切なくて夜も眠れないだとう!?それは体が男を欲しがっているだけ
だぜ!オレが慰めてやるからオレのベットでおねだりをしろ!!!白川なんかよりすっとイイ思いを
させてやるぜ!
緒方「切ないならオレが慰めてやるぜ?」
女13「嫌です。」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−--ン★
女14「緒方先生ってなんかセクハラくさくない?」
女6「なんかー目つきも厭らしいしー。」
女7「オレはフリーだぜとか、オレが慰めてやるぜとか、はっきり言って黙れってカンジだよね。」
女8「やーん私、白川先生のグループの方がイイ〜★」
女9「私だってそうだよ。でも白川先生がせっかくグループを考えてくれたんだし我慢しよう?」
女10「私達、白川先生の為ならナンだって我慢できちゃうモンね。」
女11「そうよvv白川先生となら、たとえ貧乏でも私、我慢できる!」
女12「あれ知らなかった?白川先生って年収3000万円なのよ。」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン★
緒方「何だって!?白川が年収3000万だとう!!オレより多いじゃねーか!★!」
白川「緒方くん、レッスン中はもう少し静かにお願いするよ。」
緒方「煩せえ!コレが静かにしていられるか!おい、白川お前オレより年収がイイとはどういう事だ?
七段のお前が九段のこのオレよりも多く稼ぐだとう!?」
女1「キャー!緒方先生が白川先生に絡んでいるわ!!」
女2「緒方はなれろ!」
緒方「煩せえ!おい、白川お前ナンか悪い仕事でも受けているんじゃナイのか?」
白川「そんなの受けていないよ。だいたい悪い仕事ってナンだい?」
緒方「そんなの決まっているぜ。会員制の怪しい碁会所で碁石の持ち方から密着指導碁だろ、
ふれあい囲碁祭りで都議の接待碁と称して若い女棋士のあっせんをして小遣い稼ぎだろ・・・。」
白川「緒方くん・・・そんな事をしていたんだね。だから今年はふれあい囲碁祭りの講師から外されたんだね・・・。」
緒方「ナンだ!その哀れむような目は!!」
白川「緒方くん・・・ダメだよ。そんな事ばかりしてちゃ。」
緒方「う、煩せえーーー!!★!!黙れ、この偽善者棋士め!お前には昔からムカツクぜ!」
女3「ムカツクのはアンタよ!緒方!!」
女4「そーよ!アンタなんかお呼びじゃないんだから帰れ!」
女5「白川先生のような性格の良い人を偽善者呼ばわりして許せない!棋院にチクッてやるわ!」
緒方「なんだと!!?そんな事をしやがったらお前ら全員にブチ込んでやるぜ!ハッ★そうかお前ら
自分から誘うのは恥ずかしいからオレから抱く様にしむけているんだな?クック・・・そういう事か・・・。
安心しろ、オレは場所も人数も気にしないからな!来い!!!!!」
女6「イッヤーー!★!ワイセツーーー!!!」
女7「助けて白川先生、犯されちゃうー!!」
白川「緒方くん!生徒さんになんて事を言うんだ!」
女8「緒方サイテイ!」
女9「なんかイカ臭ーい★気持ちが悪ーい★」
緒方「コレがオレのフェロモンだぜ!どーだ!!!」
名人「白川くん、今回はウチの緒方くんが迷惑をかけてしまって本当に申し訳ない。」
白川「イ、イイエ。囲碁教室の生徒さん達は今も変わらずに通ってくれていますから・・・でも、
緒方先生はもう呼ばないで下さいねって言われちゃいましたアハハ・・・。」
名人「ク、クウッ!すまん!緒方くんにはこの責任は取ってもらったから、日本棋院にはどうか・・・。」
白川「ハイ。ボクも緒方くんの将来を考えたらこんな事を棋院に報告は出来なくて・・・。いくらなんでも
棋士免状を剥奪されちゃいますから。」
名人「ありがとう白川くん・・・流石は人格者だ。」
アキラ「失礼します、お茶をお持ちしました。」
白川「ありがとう。えっと・・・アキラくんだったよね?」
アキラ「ハイ。」
名人「なんだアキラ、顔が赤いぞ。照れているのかい?」
アキラ「お、お父さんったら・・・。憧れの白川七段にお会いしたら若手棋士なら誰だってこうなりますよ。
ボク以前から白川七段に憧れていたんですよ。ニコッ★」
白川「そんな照れるなあ、でもそう言って貰えて嬉しいよ。でもアキラくんの兄弟子の緒方くんも憧れの対象
だろう?」
アキラ「ああ、緒方さんですか・・・あの人は・・・」
白川「?緒方くんは?」
アキラ「イイエ・・・ナンでもないですよ。ウフフ★」
名人「アキラ、緒方くんは今頃は何処にいるのかい?」
アキラ「ハイ。お母さんから聞きましたけど今は桑原先生の所にお世話になっているそうです。なんでも住みこみで
やり直させるそうですよ。逃げる事は許しません!とお母さんが言っていましたから。」
名人「ワハハ★緒方くんもお母さんには弱いからなあ。」
アキラ「そうですねウフフフフ。」
名人「ワハハハハ。」
白川「??アハハハハ??」
<終わり>こんな人だけど本当に緒方さんとエッチをしたら、あの人本気でお付き合いしますよ。そして結婚を申し込んできます。根はマジメなんです・・・ただのバカチンとも言いますが。
<その19>
ボクは冴木光二19歳。プロになって数年の若手棋士なんだ。まだ経験不足だから、囲碁で稼いだお金
だけで生活をするのは大変なのでこっそりバイトもやっている。早く囲碁だけで食えるようになりたいんだけどね!
そんなボクがバイトをしているのはメンズノンノで大人気の某ブランドショップなんだ。面接に行ったとたんに気に入られて、シフトは囲碁のスケジュールに会わせるからココでバイトをしてくれって頼まれちゃったんだ。お店の人はみんなイイ人ばかりだけど囲碁棋士よりも
ショップ店員の方がビジュアルがピッタリだって言われるのがちょっと困っちゃうかな。
冴木「いらっしゃいませ。ナニかお探しですか?」
お客「ドッキーン★ハ、ハイッ!え、えっとー洋服を探しに。」
ココは洋服屋なんだから当たり前だよ、とツッコミを入れたいけれどバイトだからボクはニッコリとスマイルで対応をした。
冴木「そうですか。お洋服はどんなカンジがお好きですか?カジュアルからスポーツテイスト、大人っぽいスーツ系
とか・・・キミだったらナンでもイケちゃうと思うけど。クスッ★」
お客「そ、そうかなー。イケちゃいますか?」
冴木「イケル、イケル♪キミきれいな顔をしているし女の子にもモテるでしょ?こんなカンジの服なんてどう?」
ボクは壁に掛けてあるジップアップのシャツを取って、お客さんの体にあててあげた。
冴木「ウン!思った通りだ。カッコイイですよ、ホラ横の鏡を見てみて。」
お客「うわー。カッコイイかな、オレ?」
冴木「ウン!ボクが保証しちゃうよ!キミ、色が白くて髪の毛が黒いから白いジャツが映えるよね。」
お客「そーか・・・オレには白が似合うんだ。て、店員さんコレ下さい!」
冴木「ウフフ。ありがとうございます。良かったらコレと組み合わせて着れる服もコーディネートするけど。」
お客「お、お願いします!」
ボクはこのお客さんに色々と着こなしのアドバイスをしてあげながら軽く世間話を始めた。
冴木「ウチの店に来てくれたのは初めてなんだよね?雑誌とか見たの?」
お客「ハイ。メンズノンノで大人気だから・・・・。」
冴木「ウン、人気あるよねー。キミみたいに若い・・高校生だよね?」
お客「ハイ。今3年生です。」
冴木「フーン。ボクと一つ違いかあ。」
お客「え!?店員さん1ッコ上なんですか?大人っぽい・・・・・・。」
冴木「ウフフ。ありがとう。キミもカッコイイよ!でも3年生だと今年は受験勉強で大変なんじゃないのかい?」
お客「ハ、ハイ・・・。今も試験の真っ最中で・・・・。」
冴木「?今、試験?ああ・・・夏期講習とか?」
お客「イイエ。オレ、院生・・・プロの囲碁棋士を目指しているんですけど、それのプロ試験が今行われているんです。」
冴木「ええ!そうなんだ。」
ビックリした・・・なんて偶然なんだ。ボクと同じ囲碁を目指すお客さんが来るなんて。
ボクは自分もプロだということを言いたかったけれど、日本棋院に所属している手前こういうアルバイトは本当は厳禁なのでだまっていた。ウーン、バレないようにしないとなあ。でも囲碁をやっているコ達って結構オシャレに
無頓着なコが多いからココの店に来る事はナイと思って選んだんだけど・・・・。もしかして同じ院生の和谷や進藤くんの影響かな?あの二人は院生の中でずば抜けてイケてるモンな。
冴木「フーン、そうなんだ。で、調子はどう?」
お客「ハイ、今は全勝しています。でもプロになれるのは上位成績者3人だけなんです。今のところオレを入れて
4人全勝しているんで・・・・ダレが一敗するかで明暗が分かれるんですよ。」
そういえば昨日の研究会で和谷と進藤くんも全勝をしているって言っていたな・・・。そうか、このお客さんが
和谷がいつも話している伊角くんか。
冴木「キミだったら合格するよ。」
伊角「そ、そうですか?出来るといいんですけど・・・で、でも・・・。」
冴木「ハイ?」
伊角「い、いいえ・・・ナンでもナイです・・・ポvvvvv」
どうしたんだろう?伊角くんは突然、真っ赤になって下を向いてしまった。うーん、これはナニか隠しているな。
ちょっと聞き出してみようかな?クスッ★
冴木「なんだよ気になるなあ・・・・あ、解かった!誰か一緒に合格したいコでもいるんだろ?青春だね、クスッ★」
伊角「!!!な、ナンで解かるんですか?」
アレ?あてずっぽうで言ったのに当たったみたいだ。・・・面白いから相手を聞き出しておくか。クスッ★
冴木「こういう仕事をしているとね・・・・恋をしているコはすぐに解かるんだよ。みんなキミみたいにオシャレに
気を使う様になってきれいになるからね。」
伊角「恋をすると・・・・変わりますよね・・・・オレもまさか和谷の為に自分がイケメンになる努力をする様になる
とは思ってなかったもんなー。」
冴木「ハイ!?和谷??」
今ナンて言った?和谷?和谷って・・・・・・・・・・・和谷アアア!!!!!
冴木「わ、和谷って・・・・・。」
伊角「ウワア★店員さん聞こえていたんですか!?照れちゃうなあ★ウハハー片思いなんですけど、凄く
カワイイコなんですよー★」
そ、そりゃー和谷はカワイイけど・・・・・。
伊角「和谷とは付き合いが長いんですけど、全然あきないっていうか・・・オレ達きっと相性がイイのかな?」
相性って・・・・恋の相性っていう意味!?
伊角「和谷って凄く素直なコで・・・とにかくイイコなんですよ!!!」
知っているよ・・・・和谷が素直なイイコだって事は。でもまさか和谷がいつも話している院生のお兄さん的存在の
優しい伊角くんが、和谷の事をそんな目で見ていたなんて・・・。
伊角「オレ今年の夏は和谷と二人で合格をしたいんです!そうしたら同期だし・・・vvv」
冴木「そ、そう・・・一緒に合格出来るとイイよね・・・。」
伊角「そうなんです!その為には越智か進藤に落ちてもらわないと・・・・・アアアアー!!オレってばナンて事を
考えているんだよッ!!!」
ボクにはキミが和谷に対して邪な気持ちを考えている事の方が問題あると思うけどな・・・・。
伊角「ハア・・・和谷・・・・切ない・・・。」
冴木「・・・・。」
伊角くんは男のボクから見ても切なそうな表情をしていた。それは恋に悩む男の顔だった。そうだよ、例え相手が
同性でもイイじゃナイか。人を想う気持ちはこんなにも切なくて人をきれいにさせるんだから!
伊角「ハア・・・和谷とひと夏の体験もお互いプロになるまではおあずけかなー?」
ハイ?????
伊角「オレ今年もアレなのかなー?せめて・・・せめてキスだけでも・・・・ウワア★オレのバカ!!」
こ、こいつ・・・・・・!ボクのカワイイ弟弟子を相手に邪な事を考えているよ!こんなのに感動したボクがバカだったよ!
伊角「アレ?店員さんナンだかとっても怖い顔をしていますよ?」
冴木「そーですか?気のせいですよ。・・・・じゃあコレ全部お買い上げでイイですか?」
伊角「あ、ハイ!」
冴木「全部で税込みで71400円になります。」
伊角「支払いはこのニコスカードでお願いします!名義は父です!」
冴木「家族カードのご利用ですね。」
伊角「ハイ!6回払いでお願いします!」
冴木「毎度ありがとうございましたー。」
=森下門下研究会=
和谷「冴木さん話ってナンですか?」
冴木「ワルイね、早めに来てもらっちゃって。」
和谷「イイッスよー☆」
冴木「あのさ・・・唐突な質問だけど和谷って伊角くんの事をどう思っているの?」
和谷「伊角さん?トモダチだよ。年上のトモダチ!」
冴木「そうか・・・ホッ。じゃあさ、もしも伊角さんがキミの事を・・・好きだって言ったらどうする?」
和谷「伊角さんならいつも言っているよ。アハハハ☆」
冴木「ナンだって!!★!!」
ア、アイツ・・・!!
冴木「わ、和谷・・・・笑っている場合じゃナイだろ。」
和谷「ナンで?」
冴木「ナンでって・・・・。」
和谷「伊角さんってホント、心がきれいなんだよね。いつも大声で”和谷〜和谷〜好きだあー★”って叫んでいるけど、友情をあんな風に言葉で現せるって凄えよなー。尊敬しちゃうよホント。」
冴木「和谷・・・・・・キミって意外と天然なんだね・・・・・。」
和谷「そー?あ、もう時間だぜ。そろそろ部屋に行かないと師匠に怒られちゃうよ!」
冴木「アハハそうだね。そうだ和谷、今日は早く来てくれたお礼に研究会の後でハンバーガーを奢ってあげるよ。
進藤くんも誘おうか?」
和谷「本当!?やったー♪冴木さんサンキュー☆」
冴木「どういたしまして。」
和谷は奢ってもらえると知ったとたんに弾けそうな笑顔でガッツポーズをした。和谷は確かにカワイイよ・・・
だから・・・だから絶対にあの伊角には近づけさせないからな。カワイイ弟弟子を変な道に引きずり込まれてたまるかよ!
冴木「伊角くんがプロになったら・・・クスッ★」
オレはカワイイ弟弟子を守る為にも、伊角くんを撃退する方法を考え始めた。
<終わり>私はある日突然「冴木さんが好きぃーーーー!!!」とサエキスキーに目覚めました。まるでナンかワルイ電波にでもヤられたのかと思う位の激しさでした。そんな冴木さんは<寝てみたい棋士ナンバー1>です!!!恥ずかしいー★!!!
冴木さんを敵に廻した伊角さん・・・・ますますひと夏のメモリーから遠ざかってしまいました。
<その18>
今日から海王中学の全学年一斉の家庭訪問週間に入る。私の受け持ちは2年Aクラスだ。
ユン「塔矢それじゃあ、今日の三時にお前の家を訪問するからご両親と一緒に必ず家にいるんだぞ。」
塔矢「ハイわかりました、ユン先生。」
塔矢は可愛らしい笑顔で爽やかに答えると一礼をして教室を出ていった。
ユン「ハアー。」
ああ、気が重い・・・初日から塔矢の家か。まあ問題児ほどさっさとやっておくに限ると言うし頑張ろう。
ピンポーン。
ユン「すいません海王から来ました担任のユンです。」
塔矢「ユン先生いらっしゃいませ。お父さんはもう客間の方にいますからどうぞ。」
塔矢はにこやかに私に笑いかけながらスリッパを出してくれた。
ユン「ありがとう、塔矢キミは客慣れしているなあ。」
塔矢「そうですか、いつも自宅で研究会があるからでしょうか?」
ユン「研究会・・・そうか。塔矢の家はお父さんもプロだから門下生の出入りも激しいだろうな。」
塔矢「そうですね・・・毎週必ず研究会で門下生の方は全員見えますし、特に研究会がない日でも
来る方もいますから。」
ユン「そうなのか。」
塔矢「ハイ。あ、こちらの部屋です。お父さん、担任のユン先生がお見えになりました。」
お父様「入りなさい。」
塔矢「失礼します。」
部屋に入った時、私は正直言ってかなり緊張した。私も囲碁を志した人間だ。今、目の前に、囲碁界の
トップ棋士・塔矢名人が座っているかと思うと塔矢の面談などほっぽりだして一局手合わせをしてほしいくらいだった。
そう・・・できれば塔矢の学校生活の事は、ご両親のショックを思えば伝えたくない。
お父様「はじめまして、アキラの父です。」
ユン「は、はじめまして、担任のユンです。」
その時、廊下で小さい物音がした。
塔矢「あ、お母さんがお茶を持ってきてくれたようですね。」
塔矢はそう言うと障子をほんの少しだけ開けた。と、同時に隙間からお盆に載ったお茶と茶菓子が差し出された。
ユン「?」
塔矢はそれを受け取ると障子を素早く閉め、こちらを振り返りながらこう言った。
塔矢「先生、今のが母です。」
ユン「え?お母さん?」
塔矢「ハイ。母が先生のお口に会うとよろしいのですが・・・って言っていました。どうぞ。」
ユン「あ、ありがとう・・・。」
お父様「ハハハ、家内はとても恥ずかしがり屋でして。人前には滅多に顔を見せないんですよ。」
ユン「そ、そうですか。」
今思えば、この時にナニかおかしな家庭だとは思ったんだ。ああ、この時に用事を思い出したとか
なんとか言ってとっとと逃げればよかったんだ・・・・。
お父様「ウチはアキラが小さい頃から大人の出入りが激しいもので・・・・どうですか?アキラの学生生活は。」
きた!!!グ、グウ・・・・これも仕事だ。言わねばなるまい。
ユン「ハ、ハア・・・・塔矢くんは・・・・・クラスでも成績優秀ですし女子とも仲がよいですね・・・。」
お父様「ハハハそうですか。」
塔矢「ウフフ。」
これから話す内容を考えて、せめて先に誉めておこうと思ったんだが、なんだか予想以上の塔矢の父親の
喜び様に、とても言い出せる雰囲気ではなかった。
お父様「この子は昔から女の子に人気があるんですよ。なあ、アキラ。」
塔矢「ハイお父さん。ウフフ。」
お父様「イヤ〜父親似ですかな?ワハハハ★」
塔矢「お父さんったら、ウフフ。」
ユン「・・・・・・・・・・・・・実は!」
私は意を決して切り出した。私も仮にも学年主任だ。下手な同情心で塔矢の素行を見逃すわけにはいかない!
ユン「お宅の息子さんですが・・・・。」
その時、庭の方から微かに叫び声が聞こえてきた。
ユン「?今の声は?」
お父様「気のせいでしょう、先生が気にされるような事ではありませんよ。」
塔矢「たいした事じゃありませんよ先生。ちょっとこの間のタイトル戦で負けた棋士をしごいているだけですから。」
ユン「ハイッ!?」
私の聞き違いか?今、塔矢はサラリと凄い事を言った気がする・・・・・私は、もう一度声がしたほうに
耳をそばだてた。
謎の声「ヒイ〜・・・・・・・・・・・・ヒイ〜・・・・・・・・・・・・・オクサン!」
ユン「!!!???や、やっぱり気になります!一体どんなしごきなんですか?い、いや!
それ以前にタイトル戦で負けたからといってしごくなんて・・・!」
お父様「驚かれるのも無理がありませんな。しかしプロたるもの大口を叩いておいて負けた責任は重いんですよ、
先生。」
ユン「ハ、ハア・・・・し、しかし・・・・。」
そう言っている間にも謎の声・・・ほとんど悲鳴に近いが・・・・・はどんどん大きくなった。
謎の声「ヒイ〜ヒイ〜!お、奥さん申し訳ありません〜!!大口を叩いた事はちゃんと反省していますからっ!
だからもう許してくださーい!!!・・・・・・・・・アアア!!!」
塔矢「緒方さんったら・・・・少し煩いですねえ。今日は家庭訪問があるから辛くても大声は出さないで下さいって
お願いしておいたのに・・・。」
お父様「ウム。緒方くんの堪え性のなさにも困ったもんだ。」
塔矢「ボク、もう少し声を控える様にお母さんにお願いしてきます。」
ユン「え?ええ?」
塔矢はそう言うと一人で部屋を出て行ってしまった。
お父様「・・・・・先生。」
ユン「ハ、ハイッ!★!」
お父様「先ほど、ナニか言いかけませんでしたか?」
ユン「あ、ハア・・・・じ、実は言いにくいのですがお宅の息子さん」
その時、今度は押し入れからドスン!という音が聞こえてきた。
ユン「ヒ、ヒイッ★な、ナンですか今度は!?」
お父様「芦原くん・・・・・今、大事なお客様が見えているから暴れない様に。」
ユン「あ、芦原って・・・中に人がいるんですか!?」
お父様「ハハハ。彼も少し悪さがすぎましてね。まったく最近の若い者ときたら少し上の目がないだけで
すぐに調子に乗るもので、ワハハハハ。」
塔矢名人の笑い声と、押入れから聞こえるドスンドスンという物音は、はっきりいって異様だった。
ユン「あ、あの、押入れに閉じ込められている芦原さん・・・でしたっけ?一体ナニをしたんですか?」
お父様「先生の気にされるような事ではありませんが・・・・彼はどうも上下関係がまだよく解からない若者でして。
”立場の違い”を身体に教えるためにも、もう暫くこのままにしておくようにと家内も言っているもので。」
ユン「お、奥さんがですか・・・?」
先ほど見た(?)塔矢の母親・・・・・いくら恥ずかしいといっても普通は挨拶くらいはするはずだ。
い、いやしかし、あまり家庭内の事に教師が口を挟むのも・・・・。
塔矢「失礼します。」
お父さん「ああ、アキラ。緒方くんの様子はどうだったね?」
塔矢「ハイ。今は眠っちゃって静かになりましたよ。やっぱりお母さんの一発は凄いですね。」
お父様「ワハハ★あれをくらったら暫くは動けんぞ〜。」
ユン「一発?くらう??」
塔矢「あれ?押し入れの方も煩いですね。イヤだなあ、芦原さんったら人が来るとすぐに騒ぐんだから。」
そ、それって助けを呼んでいるんじゃないのか!???
塔矢はそのまま押入れの方に歩くとふすまに顔を近づけて恐ろしくニコヤカな声でこう言った。
塔矢「ダメですよー芦原さん。あんまり煩いとお母さんにまた来てもらいますよ。」
そのとたん、押入れからの物音はピタリと止んだ。
お父さん「それでは静かになったところで先ほどの続きを聞かせてもらえませんか、先生。」
ユン「ハ、ハイッ!!」
はっきり言ってこっちはもうそれどころじゃナイ。この異様な出来事の中、塔矢の学校での問題行動の
数々など、とても言い出せない。
ユン「あ、あの・・・塔矢くんは日頃から教師にも好かれていて・・・・・先日も校長先生に指導碁をしてくれたんですよ。」
お父様「そうですか、ワッハッハ★」
それからの事はよく覚えていないが、私はなんとかしてこの家族の機嫌を損ねない様に塔矢を誉めまくった。
ユン「そ、それではもう遅いので私はこの辺で失礼します。」
そう言って立ちあがろうとした時、廊下からまた小さい物音がした。
ユン「ヒ、ヒイッ!★!!」
塔矢「お母さん?」
塔矢はさっきの様に障子をほんの少しだけ開けなにやら話している。
塔矢「ユン先生、母が折角ですから夕食を召し上がって行って下さいと言っています。」
塔矢の顔は笑顔ではちきれそうだった。しかし、今の私にはその笑顔ですら恐怖の対象でしかなかった。
ユン「い、いや!せ、先生の家でも妻が夕食を用意しているはずだから帰るよ!」
と言った時、障子の隙間から着物姿の腕が見えた。その腕は、私が断ろうとしたときに一瞬だけだが
ギュッと力が入った。こ、コワイ!!★!!!★!!
ユン「あ、でもやっぱりご馳走になって行こうかなァ〜?」
お父様「どうぞそうして下さい。家内も喜んでいますから。」
様矢「え、お母さん何ですか?・・・・・・・先生、今夜はモツ鍋だそうです。ウフフ。」
モツ鍋・・・・・・このクソ暑い日にか・・・・・・・・・・・・・・・。モツ・・・・・・・・!ま、まさかな・・・・・・・・???
私は今、一瞬自分がした想像を頭から追い払うので精一杯だった。
<終わり>私は、ジャンプでお母様のお声が聞けただけで満足なんですが、「お母様ってどんな方じゃろ〜グヘヘヘ♪」
と妄想をしたらこんな事になってしまいました。ちなみに緒方さんは庭の木に括り付けられております。芦原も息子さんに対する
態度の件でしごきの真っ最中です。
<その17>
進藤「うん、うん。・・・・・わかったって。・・・・うん!じゃあ夕方6時にTUTAYAの前で待ち合わせな!」
オレは電話を切ると台所にいるお母さんに話しかけた。
進藤「お母さんオレ今晩、和谷の家に泊まりに行くから夕食はいらない。」
お母さん「和谷くんって院生の子?いきなり泊まりに行くなんて迷惑じゃないの?」
進藤「大丈夫だよ。和谷の家昨日から親が旅行でいないんだってさ。ヒマだから
遊びに来いだって。」
お母さん「まあ、一人じゃ寂しいわね。それならウチに来てもらいなさいよ。」
進藤「え〜〜〜!!折角これから和谷の家に泊まりに行く約束をしたのに!」
お母さん「子供だけで泊まるなんて危ないからダメよ!ほら、和谷くんの家に電話して。」
進藤「ヤだよ!」
お母さん「今晩は焼肉よ。ヒカルの好きなカルビの特上なのに残念ねえ。」
進藤「和谷に電話してくる!」
=夕方6時TUTAYAの前=
和谷「おせーぞ進藤!」
進藤「ワリイワリイ。和谷なんか荷物多くない?」
和谷「そうか?泊まりに行くんならコレくらいいるだろ?パジャマだろ、洗顔フォームにヘアワックスに
明日の着替えだろ、あと・・・・。」
進藤「顔を洗うヤツなんてウチのを使えばイイのに。」
和谷「オレはココのメーカーがイイの!男のこだわりだぜ!」
進藤「ふーん、ま、いっか。TUTAYAでビデオ借りていこう。オレ、スターウォーズがイイな!」
和谷「イイじゃん!あとなんかオモシロソウなのがあったら借りていこうぜ。」
オレと和谷は二人でTUTAYAのビデオコーナーでビデオを選んだ。
進藤「なんだよ、スターウォーズ全部貸し出し中じゃん!」
和谷「夏休みだからなァ。しょーがねえよ。・・・?進藤ナンか視線感じねえ?」
進藤「?別に感じないよ。」
和谷「そっか?なんか、こう・・・後ろの方から・・・。」
そう言った和谷につられるように、オレも後ろを見たけど人が一杯いるだけで特にナニも感じなかった。
進藤「誰も見ていないじゃん。」
和谷「おっかしーな。確かに視線を感じたんだけどな。」
進藤「あ、もしかしてアレじゃない?」
オレは壁にでっかく貼ってあるホラービデオのポスターを指差した。
和谷「あー!そうかもな。こっちを見ている感じだし。へー新作ビデオかァ。なになに・・・”東京に住む若い
男の一人暮し。平凡な日々はあるとき一人のストーカーによって恐怖の日々に変わっていった・・・・”
だってー。おもしろそうじゃん!進藤コレ借りていこうぜ!」
進藤「えーヤだよ、ストーカーなんて気味悪いじゃん!」
和谷「なんだよ進藤コワイのか?ププッ☆」
進藤「ムカ!こ、コワクねえよ!見てやろうじゃん!!」
オレは棚に並べてあるビデオを奪う様に取ってレジに持って行った。ホントはこういうサイコモノって
苦手なんだけど和谷の手前、今更取り消す事も出来ない。
店員「一泊二日ですね。新作ですから420円です。・・・・・・・・おつり80円です。・・・・・・・・・・・」
オレが店員さんからおつりを貰おうとしたとき気のせいか店員さんがオレの事を気の毒そうにジーと見た。
進藤「?」
店員「あ、あの・・・・。」
進藤「ハイ?」
店員「あ、やっぱりイイです・・・・・・・・あ!でも・・・・・・・・。」
進藤「??ナニ?」
店員「イ、イエ・・・・・・・・・大変だと思うけど気を落とさずに負けないで下さい!」
進藤「ハイ??????」
和谷「おい進藤、まだ会計終わんねえのかよ?なんだもう済んでんじゃん。さっさと行くぞ!」
進藤「あ、うん!」
和谷が、レンタルしたビデオを持って一人で出口に行ってしまったので店員さんの言葉の意味が気になりつつも
オレも後を追って店を出た。
店員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
店員2「どうしたの?」
店員「ウ、ウン・・・・あのさァオレさっきから店の防犯ビデオを見ていたんだけどナンか変な客がいたんだよ。
そいつさァ、棚の影から若い男の子をジーと見ているんだよ。初めは気のせいかと思ったんだけど、
その男の子が手にしたビデオを片っ端からレンタルカゴの中に入れるんだよ。」
店員2「ヤダ!コワ〜イ!」
店員「だろ!?」
店員2「それって流行りのストーカー?どんなヤツよ!まだ店にいるの??」
お客「スイマセン。これ全部レンタルします。」
店員「ビクリ!!!!!!!!!!!」
店員2「ハァイvvvvまあ、お一人でこんなにご覧になるんですか?」
お客「ええ、まあ。・・・・・あ、会員証コレです。」
店員2「アラ?お客様、結構お家が遠いんですね。あ、解かった。友達の家でコレを見るんでしょう!?」
お客「ええ・・・・まあ、そんなところです。」
店員2「毎度有難うございました〜vvvv・・・・・・・・・・・・・・今の子、カワイかったわァvvv・・・・・ちょっと
ナニ震えているのよ?」
店員「い、今の子だよ・・・・・さっき話した変な客って。」
店員2「エエエエエ!!★!!!!」
進藤「ただいま〜。」
和谷「おじゃましま〜す。おばさんお世話になります。」
お母さん「いらっしゃい、自分の家だと思って寛いでね。ヒカル、もう夕飯出来ているから和谷くんの
荷物を置いてきたらご飯食べちゃいなさい。」
進藤「ハーイ。和谷、オレの部屋こっち。」
オレは和谷と一緒に二階に上がった。
和谷「ヘ〜おまえの部屋ってイイじゃん。お、プレステ2あるじゃん!」
進藤「そう?コレくらい普通じゃない?」
和谷「オレの部屋なんか未だにクーラーついてないぜ!兄貴の部屋にはついているのによう!」
進藤「へー和谷って兄貴がいるんだ。」
和谷「ああ、今年は大学受験だからって親が張り切っちゃってさァ、勉強に集中できる様にって
兄貴の部屋だけクーラーつけんの!ムカツクだろ!」
進藤「アハハ。和谷も今年、高校受験じゃん!」
和谷「オレはいいの!プロになるんだから!」
進藤「じゃあ和谷の家、今兄貴だけなんだ。」
和谷「うん。」
お母さん「ヒカルー!早く降りていらっしゃい!ご飯が冷めちゃうわよー。」
進藤「ハーイ!」
オレ達は慌てて1階に降りていった。
和谷「ごちそうさまでした。すげー美味かったです。」
お母さん「ウフフ有難う。あ、いいのよ。後片付けはやるから和谷くんはヒカルとお風呂に入っちゃってね。
この子ったらいつもカラスの行水でちゃんと身体を洗っていないのよ。」
進藤「お母さん!ナニ言ってんだよッもう!ちゃんと洗っているよ!」
お母さん「アンタいつも10分で出ちゃうじゃないの。」
進藤「だって暑いんだもん!窓開けて入ってもナンか暑苦しいし!」
和谷「お前、窓開けて入ってんのかよ?危なくない?」
進藤「ナニが?」
和谷「覗きとかだよ。・・・・・・・・まァ進藤、男だしそんなワケねえか!まあいいや、さっさと入ろうぜ。」
和谷「進藤の家って風呂場もデカイじゃん。」
進藤「そう?少し前にリフォームしたからじゃない?」
和谷「男二人でも狭くないぜ。コラ!進藤ちゃんと背中も洗えよ!」
進藤「湯船に入っちゃえば一緒だよ。」
和谷「ダメだ!ほら背中洗ってやるからこっち向け。・・・・ってナニ窓開けているんだよ!」
進藤「だって換気扇つけても暑いんだもん・・・・・・・・・・ウワ★和谷くすぐったいよ!」
和谷「暴れるなっての!」
進藤「人に背中を洗ってもらうのって殿様気分っていうの?苦しゅうない苦しゅうないぞーアハハ★」
和谷「オレは小姓か!!?ほら、もう湯船に入っていいぞ。」
ザッパ−−−−−−−−−−−−ン★
進藤「なんかこういうのって楽しいよなー。エヘヘ。」
和谷「そ、そうだな・・・・。」
進藤「?和谷どうかした?」
和谷「なァ進藤、やっぱ窓閉めようぜ?なーんか落ち着かないっていうか・・・・。」
進藤「??」
和谷「気のせいだと思うんだけど暑苦しいっていうか・・・・視線みたいなのを感じる・・・・。」
進藤「えー誰もいないじゃん。」
オレは窓の外を見たけど庭には誰もいないし道路も・・・暗くてよく見えなかったけど人影は感じなかった。
和谷「そ、そーか?き、気のせいだよな。ま、いっか・・・。」
和谷「さあ〜て見るぞ!!!」
進藤「お、おう!」
和谷「なんだよ進藤やっぱコワイのか?声が震えているぜ?」
進藤「む、武者震いだよっ!!・・・・・あ、始まった。」
俺達は部屋の真中で寄り添う様にビデオを見た。
ストーリーはどんどん進んで主人公の家をいつも顔が出ない誰かが覗いているんだ。そして主人公が
夜中に一人で寝ていると・・・・・。
進藤「ヒャアッ!★!」
和谷「ウワ★なんだよ進藤、急に大声出すなよ。」
進藤「ワ、ワリイ。」
和谷はすっかりストーリーにハマッっていてオレがギュッと抱き着いても気がつかない。
よかった・・・・気がつかれたら絶対にからかわれるもんな。
和谷「コレ、マジでおもしろかったな!」
進藤「そ、そう?オレこういう事をするヤツの神経がワカンネエ。」
ビデオを見終わった後、和谷は興奮した調子で話しっぱなしだった。
和谷「オレだってワカンネエよ。でもさ、主人公が借りたビデオを片っ端から借りていくのが笑っちゃうよなァ。
すげー暗いヤツ。あとさァ、主人公もニブイよなー。風呂にカメラ仕掛けられているのに気がつかないの。
でもさァ、結構簡単に風呂場に忍び込めるんだな。」
進藤「ああ昼間、換気の為に窓を開けている時に忍びこまれちゃうシーンね。」
和谷「そうそう!ハハハ案外、進藤の家にも仕掛けられていたりして!?」
進藤「まっさかーアハハ。」
和谷「あと、あとさ、主人公の親友に嫉妬したストーカーが親友の家に嫌がらせの電話を夜中中かけるシーン
コワカッたなー。親友の家族がノイローゼで受験に失敗しちゃうの!」
進藤「和谷の家アブナイんじゃない?アハハ★」
和谷「だーれーがーそんな事するんだよ。本当にされたらウチの兄貴なんか一発で凹んじゃうよ。」
お母さん「ヒカルーもう寝なさいよー。」
和谷「あ、ヤベ★」
進藤「もう、お母さんってば・・・。」
和谷「進藤もう寝ようぜ。・・・・・・・・・おやすみー。」
進藤「おやすみ和谷。」
=次の日=
和谷「おばさん、どうもお世話になりました。」
お母さん「いいえ又来てね。」
和谷「ハイ。じゃあな進藤。」
進藤「うん。今度は棋院でな!」
和谷が家に帰ってから一時間ほどたった頃、和谷から電話がかかってきた。
進藤「なんだよ和谷?」
和谷「あ、し、進藤・・・・・・・・・。」
和谷の声はいつもと違っていてなんだかとても震えていた。
進藤「どうしたんだよ?家でナンかあったのか!?」
和谷「あ、ああ・・・・・。兄貴がさ・・・・。」
進藤「?どうかしたの?」
和谷「ああ・・・。家に帰ったらさ、電話線が外れていて受話器も上がっていたから兄貴の仕業かと思って
文句を言いにいったんだよ。そしたら兄貴のヤツ、ベットの隅で震えていてさ。」
進藤「え・・・?」
和谷「事情を聞いたら昨日オレが出かけてから・・・・6時過ぎ頃から引っ切り無しにイタズラ電話がかかってきた
らしいんだ。それも内容が強烈らしいんだよ。留守電にもテープ全部使い切るまで入れられているし。」
進藤「マジかよ!?」
和谷「オレこんな事をされる心当たりないし・・・・もしかして進藤の家は大丈夫かなって思って電話したんだけど・・・。」
進藤「ウチはいつも通りだよ。」
和谷「そっか・・・ゴメンな。変な電話して。」
進藤「そ、そんなことねえって!それより兄貴は大丈夫なのかよ?」
和谷「それがさ・・・・夕べよっぽどコワイめに会ったのか錯乱気味なんだよ・・・もうすぐ親も帰ってくるから
そしたら病院に行こうかなって思ってる。」
進藤「た、大変だな・・・・お、お大事に。」
和谷「ああ、あ・・・・・・また兄貴が錯乱しだしたから切るな!」
そう言って、和谷からの電話は切れた。でも切れる前に和谷の兄貴の取り乱した声が聞こえてきたんだ。
<モウヤメテクレ!!!ナカヨクオフロッテナンダヨ!!!???ヤキニクハオイシカッタデスカッテナンダヨ?
オレノユウメシハカップラーメンダッテナンドイワセルンダ!!!ヨリソッテナンカイネーヨ!!!!!>
なんかナニを言っているのかよく解かんなかったけど和谷もストーカーの被害に会うなんて大変だよなあ・・・・。
進藤「ウチも気をつけなくっちゃな!でもオレが狙われるわけねっかーアハハ★★」
<終わり>今週のジャンプを読んで書かずにはいられませんでした。私おかっぱストーカーモノがダイスッキーです★
和谷の兄貴・・・・けっこう兄弟いそうな・・・・・和谷の兄貴なばっかりに不幸を全部かぶります!とか?ダメかー?
<その16>
ここは新宿伊勢丹百貨店の化粧品売り場。私はここのクリニークで働いています。担当場所はメンズコーナーです。
まだまだ男性専用の化粧品を出すメーカーは少ないので毎日とっても混んでいます。
特に平日の夕方は学生さんやサラリーマンの人が多いです。
す「いらっしゃいませ。」
若い男の子がカウンターに置いてある見本を珍しそうに見ているので早速、声をかけました。
学生「ビクリ!!!」
す「こちらのビギナーズセットに興味がありそうに見えましたけど、よろしければ2種類あるので
お肌のカウンセリングを致しましょうか?」
学生「え、あ!・・・えーと、こ、これって種類があるんですか?」
す「ハイ。オイリー肌とノーマル〜乾燥肌用に分かれております。失礼ですが今はどのようなお手入れを
されていますか?」
学生「オレ、今まで顔の手入れってした事なくって・・・最近はクラスのヤツとか皆手入れしているって言うから
ここに来たんです。」
す「まあ、ありがとうございます。ウチは特にお客様のように若い男性の方がよくみえるんですよ。」
学生「そうなんですか・・・そういえば隣の売場には大人の男のお客さんが多いですね。」
す「ハイ。お隣のアラミスさんはスキンケアやフレグランスなどでしっかりオシャレされている方が多いメーカーさん
なんですよ。でも学生さんの肌はまだ若いからウチの基本ケアをしっかりされていればバッチリですよ。」
学生「そうですか!バッチリか・・・・こ、コレ下さい!」
す「ありがとうございます。じゃあ肌タイプをお選び致しますのでこちらの用紙にご記入下さい。」
学生「ハイ!」
学生さんのお名前は伊角慎一郎さん、年齢は18歳、都内の私立高校(アホで有名)の三年生との事。
す「それでは今からお肌の確認を致します・・・・普段は日に焼ける機会は多いですか?」
伊角「いいえ。オレ、スポーツとかやんなくて・・・・で、でもやっぱ、スポーツマンの方がモテるっていうし、
今年の冬はスキーに挑戦しようかと思っているんです。今まではスキーは縁起が悪いから避けていたんだけど。」
す「縁起が悪いんですか?」
伊角「”すべる”のが・・・あ、オレ囲碁の院生なんです。」
す「???囲碁???そ、そーですか。大変ですね。・・・質問の続きしますね。睡眠は充分にとっていますか?」
伊角「・・・イイエ。夜は色々とやる事が多いもので・・・・・ポッvvvvv」
す「???あ、ああ!三年生ですから受験勉強ですね、頑張って下さい。」
伊角「受験・・・・・そ、そうだよな・・・・オレ今年はダブルで受験生なんだ!プロ試験に落ちたら親は大学進学を
しろって言うし・・・アアアア!和谷ァ!!」
す「お、お客様???つ、続きよろしいですか・・・・・?」
ナンだかこのお客さん変な子です・・・アホ高校の生徒はやっぱりアホなんでしょうか??
伊角「ハッ★スイマセン。」
す「・・・お肌に対して気になる部分はありますか?」
伊角「・・・・・・・・・・・・あ、あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
す「ハイ?」
伊角「あ、あの恥かしいんですけどオレ・・・・・!オレ、カッコヨクなりたいんです!!!」
す「ウフフ、恥かしくなんかないですよ。皆さんカッコヨクなる為にお手入れするんですから。」
伊角「お、お姉さん・・・!そ、そうですか・・・よかった・・・・オレだけじゃないんだ。お、オレ自分だけが
普段からイケてない様に思えて・・・・。」
す「伊角さまはイケ・・・・・・・・・・・・・・・イケていますよ。ウフフ★」
伊角「そ、そうですか!?そっかー・・・・オレってイケてるんだ・・・・そっかー。」
す「コレでお手入れされたら更にイケますよ。イケメンですよ!」
伊角「い、イケメン!?オレが!!!?」
す「ハイ!!!」
伊角「お、オレ・・・・コレ買います!こんな小さいヤツじゃなくってもっと大きいので!」
す「ありがとうございます。商品サイズですね。伊角さまの場合ノーマル肌なので必要なお手入れは
基本ケアのクレンジングバー・・・あ、初めはケースつきで宜しいですね?・・・それに化粧水と・・・あ、コットンで
つけるのでコットンもお揃えしていいですね?あと乳液ですね。伊角さまは先程スキーのご予定もあると
おっしゃっていましたからコレにプラスして日焼け止めもお揃えしておきますね。」
伊角「まだ春ですけど・・・?」
す「あら!春だからこそ今から必要なんですよ。紫外線は今がピークですから!伊角さま、日焼けのお手入れは
今までされていませんよね?」
伊角「ハ、ハイ。」
す「伊角さまも、もう18歳ですから今しっかりお手入れされないと二十歳過ぎてからソバカスが出ますよ。・・・
今まで特にお手入れされていないという事なので十代のウチにお肌の中に大分メラニンが溜まっていますね・・・・
ホワイトニングケアもプラスしておきましょう。こちらのホワイトニング美容液を乳液の前に朝晩プラスして下さい。」
伊角「ハ、ハア。」
す「ちょっと失礼します・・・・伊角さまの頬のお肌・・・・失礼ですが少しざらつきがおありですね。」
伊角「そ、そうですか!!??」
す「ハイ。毎日の洗顔だけでは落とせない古い角質が溜まっているので角質を落とすパックもして下さい。
こちらのパックは週に1〜2回、夜の洗顔後にお顔につけます。10分程おいたらそのまま洗い流して下さい。
これでお肌はツルツルですよ、ウフフ。」
伊角「ツルツルかァ〜、和谷の肌みたいだ〜ウヘヘヘ・・・・。」
す「????・・・・伊角さまは日中はお部屋の中が多いんですよね、空調が良い所ですか?」
伊角「ハイ、バッチリ。」
す「じゃあ水分補給にこちらのスプレーも使ってください。一時間おきにお顔にこうやってスプレーすると乾燥した空気で
乾いたお肌の表面を素早く潤わせみずみずしく保ちます。」
伊角「ハ、ハイ。」
す「お手入れ方法はこちらのパンフレットにも詳しく書いてありますけど、定期的にお肌は変化するので今回
購入された化粧品がなくなる前にかならずカウンセリングをお受け下さい。こちらが伊角さまのメンバーカードです。
このカードを次回お持ち頂くと伊角さまが”大切な会員様”だという事がどの販売員が担当しても判る様に
なっております。」
伊角「大切な会員様・・・照れちゃうなァ。」
す「ウフフ★常連さんになって下さいねvvお会計は全部で税込み50400円になります。」
伊角「ごま・・・!クウッ、カッコヨクなる為・・・カッコヨクなって和谷を振り向かせるぞ!」
す「???伊角さま???」
伊角「ア、ハイ!こ、この伊勢丹カードでお願いします!名義は父です!」
す「家族カードのご利用ですね。」
伊角「リボ払いでお願いします!!」
す「ありがとうございますvvvvv」
こうして伊角さまは山のような化粧品を抱えてお帰りになりました。やっぱりアホ高校の生徒さんだけあるなァと思います。
美容部員「杉本リーダー流石です!ビギナーズセットのお客様にフルセット買わせちゃうなんて!」
す「ウフフ★ちょろいですよ。」
美容部員「あ!杉本リーダー!隣の売場にまた例の人来ていますよ!嫌だ!!!」
す「あら本当。」
隣のアラミスさんには変わったお客さまもよく見えるんですが、いつもこの時間になるとやって来る白いスーツの人は
この百貨店で有名人です。(もちろんワルイ意味でです)
美容部員「あー嫌だわ!あのシロ!!」
す「プッ(笑)そんなあだ名をつけたらいけませんよ。」
美容部員「だって他のメーカーの人も言ってますよ!ウチでは”シロ”って呼んでいるけど”白スーツ”とか”ホスト”
”ヤクザ” ”お魚” ”寿司屋” ”とかもう色々!!」
す「まあ・・・凄い。」
美容部員「あー嫌嫌。」
す「ウチの売場に来たら面白そうですねえ・・・ウフフフ★」
美容部員「その時は杉本リーダーお得意のフルセット買いさせちゃえ!キャッハッハ★」
す「ウフフフフ★」
美容部員「キャッハッハッハ★」
<終わり>ほとんど実話です。
<その15>
オレ伊角慎一郎。”つつしみ”と書いて慎と読むんだ。みんなからは「いかにも伊角さんらしいね。」とよく言われるかな。
そんなオレの夢は囲碁のプロ棋士になる事なんだ。できれば一人じゃなくって・・・・。
伊角「和谷と一緒に合格できたら最高だなあ〜!そしたら同期だぜ、同期!お、オレ・・・どうしよう嬉すぎちゃうなあ。
同期といえばプロの免状式も一緒だし若獅子戦でも当たり前の様に一緒のわけで・・・あああ!ダメだ!オレ今年で18じゃん!あと2年しか出られないよ!どうしよー和谷〜和谷〜。」
進藤「伊角さん、さっきから何を叫んでるの?和谷なら、そこのコンビニに飲み物買いに行ってるよ。」
伊角「ワア★進藤!い、今の聞いていたか?」
進藤「うん。和谷と一緒に合格できたら最高だ〜同期だぜ!とか言ってたよ。」
伊角「進藤・・・お前たしか今日ラーメンが食いたいって言ってたよな、奢ってやるよ。」
進藤「わ〜い!ラーメンラーメン★」
伊角「だから今の内緒だぞ。」
進藤「うん!」
和谷「おまたせー伊角さん待った?」
伊角」「いいや!ぜんぜん!これっぽっちも!」
進藤「伊角さんケナゲ〜。」
和谷「?なーんか、そこまで言われると返って嫌味だぜ伊角さん。」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!!!
伊角「い、嫌味じゃないよ和谷!オレたち今まで仲良くおしゃべりをしていたし!な、進藤!」
進藤「え?あ、うん。」
和谷「ふーん.。ま、いっけど。」
ホッ・・・・なんとか和谷のご機嫌を損ねないですんだよ。怒った顔の和谷もカワイイけど、やっぱりいつもの
笑顔が一番だからな。和谷の笑顔は100マンボルトさ・・・。
伊角「エヘエヘ・・・・。」
進藤「伊角さん!顔、顔崩れてるよ!」
伊角「ハッ!さ、サンキュー進藤。わ、和谷に見られないでよかった・・・・。」
和谷はオレと進藤のやり取りに気づく風もなく今コンビニで買ってきたウーロン茶のペットボトルを開けようとしていた。
和谷「ふう〜今日も暑いな〜ゴクゴク。あ〜うめえ!!!あ、進藤も飲むか?」
進藤「うん!ゴクゴク。うめえ〜!」
伊角「和谷、オレには?」
進藤「あ、ゴメン。今ので全部飲んじゃった。」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!!!!!
伊角「進藤!ク、クウ・・・今度から大きいサイズを買ってこいよ・・・・。」
進藤「伊角さん今日はどこの碁会所に行く?」
伊角「そうだなーあらかた廻ったからなァ。」
和谷「今日スゲー暑いからさあ、誰かのウチで打たない?」
進藤「ここからだと誰ん家が近い?」
和谷「ここからだと伊角さん家かなあー伊角さんイイ?」
伊角「もちろんだよ!さあ今すぐに行こうか!」
和谷「伊角さんなんでそんなに喜ぶの?」
進藤「ちょっと待ってよー置いてくなよな!!」
進藤「へー伊角さんの家って共働きで昼間は誰もいないんだ。」
伊角「ああ。飲み物持ってくるから好きにしていていいよ。」
和谷「はーい。・・・伊角さんさ、いっつも”オレん家で打とう”って誘ってくるんだぜ。よっぽど人を招くのが好き
なんだな。」
進藤「そーなんだ。そういえば部屋もキレイだよな。」
和谷「おい進藤、ベットの上ではしゃぐなよ!」
進藤「だって伊角さんのベット大きいんだもん!トランポリンできるぜ!」
和谷「まったく・・・オレ、トイレ借りてくるから大人しくしてろよ!」
ポーンポーン。
進藤「あれ?何かこのベットこの部分だけ弾みが悪いな。何か下にあるのかな?」
ゴソゴソ。
進藤「なんだ本かよ・・・えええ!!!さ、佐為!」
佐為「何ですかヒカル。」
進藤「この本、男の裸ばかり載ってるよ!何だよコレー!!!」
佐為「まあ・・・カレはどうやら男色家の様ですね。ヒカル、そんなに珍しい事ではありませんよ。私が生きていた
頃にもよくききましたから。でもヒカルは気をつけないとダメですよ!」
進藤「そーいう問題じゃねーよ!い、伊角さんって・・・伊角さんって・・・ヘンタイだったんだ・・・・ハッ!和谷が!!!」
佐為「ヒカル?どこに行くんですか?」
=その頃の伊角さん=
伊角「フンッフンッフンフウウ〜〜〜ン♪おいしいお茶には愛情をひとさじ入れるのさ〜〜〜♪
この日の為にお茶の入れ方勉強していて良かったァ〜〜〜♪」
ああ今日はイイ日だなァ。いつもいつも和谷に断り続けられていたのに今日は和谷の方からオレの家で打ちたい
だなんて・・・・進藤がちょっと邪魔だけどこの際どうでもイイや。ああ、和谷、和谷、和谷。
伊角「愛しているよ!和」
和谷「伊角さーん。」
ドッキュ〜〜〜〜〜〜ン!!!!★!!!
伊角「和、和谷!!!な、何か用か!!??」
和谷「うん。トイレ借りたついでにお茶を入れるの手伝おうかと思って。」
伊角「そ、そうか。アハハハ・・・。」
拙い、今の聞かれたかなァ?
和谷「伊角さん、これもう注いでイイ?」
伊角「ああ頼むよ。」
和谷「あ!熱い!」
伊角「和谷!?」
和谷「エヘヘ、ちょっと火傷しちゃったみたい。」
伊角「エヘヘじゃない!早く冷やさないと!ホラ手を貸せ、水道の水で冷やすから。」
和谷「伊角さん・・・・・ありがとう。」
伊角「和谷・・・・・・。」
和谷「慣れない事したせいで返って伊角さんの迷惑になっちゃったぜ。ゴメン。」
ズック−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!!!!!!
アア!和谷はなんてカワイイんだ!!ちょっと困った様にオレに誤る和谷の顔も最高だ!そんな顔されたら
オレ、オレ・・・・・。
伊角「和谷・・・・。」
和谷「伊角さん?」
進藤「ちょっと待ったあああーーー!!!!和谷、離れろ!!!!」
伊角「え?進藤?」
進藤はイキナリ現われたかと思うとオレと和谷の間に割り込む様に入ってきた。
進藤「伊角さんはヘンタイだからそばに寄っちゃダメだ!」
和谷「?何言ってんだ進藤?」
進藤「だって伊角さんのベットの下に・・・」
ドッキ−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!!★!!
伊角「進藤!ちょっと来い!」
進藤「ムグググ!」
和谷「?」
伊角「オレ進藤と先に部屋に行っているから!和谷はもう少し手を冷やしているんだ!」
和谷「あ、ああ・・・?」
進藤「ムッグッググ!!!・・・・ハアー、苦しかったー。」
伊角「進藤!お前勝手に人の本を見たな!」
進藤「伊角さんのヘンタイ!」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!!!!!!
伊角「ヘ、ヘンタイ・・・・!!」
進藤「この本、子供の裸ばっかじゃんかよ!全部、男だし!それになんだかイカ臭いよ!」
拙い、ナンとか誤魔化さないと。和谷にチクラレたら大変だよ。
伊角「進藤、それは男じゃないよ。」
進藤「え?」
伊角「それは女の子なんだよ。まだ子供だから胸がナイだけなんだ。」
進藤「嘘だよ!だってついてるじゃんか!チンチン。」
伊角「クッ!・・・・・・・・・!それは違うぞ。進藤は知らないのか?」
進藤「何が?」
伊角「女の子は皆、小さい頃はついているんだぞ。そして年頃になるとれて、かわりに女の体型になるんだよ。」
進藤「えええ!?マジ?だってそんなの保健の時間で習わなかったぜ!?」
伊角「当たり前さ。これは女の子だけの秘密なんだよ。」
進藤「マジかよ知らなかった・・・。」
伊角「だからオレはヘンタイじゃナイ。わかったな?」
進藤「うん。」
ホッ。なんとか上手く誤魔化せたみたいだ。進藤がバカで良かった・・・・。
和谷「お待たせ。お茶もついでに持ってきたぜ。」
進藤「ワーイ★」
伊角「あ、悪いな和谷。もう火傷したところ大丈夫か?」
和谷「へーきへーき!伊角さんって優しいのな!」
伊角さんって優しい、伊角さんって優しい、伊角さんって優しい、伊角さんって優しい・・・・・・・・・
進藤「伊角さん!顔、顔また崩れてるよ!」
伊角「ハアッ!さ、サンキュー進藤。」
進藤「いいって、いいってー★」
和谷「そろそろ打とうぜー。伊角さーん。」
伊角「ああ、そうだな。もうすぐプロ試験本選だから気合入れないとな!」
和谷「そうだぜ!進藤、今日はボッコボコにしてやるぜ〜?」
進藤「なんだとう!こっちなんかコテンパンにしてやるよ!」
和谷「いったなー!負けたら奢れよ!」
進藤「ラーメン奢らせてやるよ!」
伊角「コラコラ。」
ああ折角、和谷が家に来たっていうのにいつのまにかいつものノリになっているよ・・・。
オレと和谷の<ひと夏のメモリー〜オレん家で初体験〜>は当分無理みたいだ・・・。
<終わり>もっと悶々とした伊角さんを妄想していたんですが初めてはコレくらいでカンベンしておきます。
イカが染み込むほど使いこむ伊角さんは、あの本で一体何発キメたんでしょうか?
<その14>
名人「それじゃあ緒方くんよろしく頼む。」
緒方「ハイ。アキラくんのお世話は責任持ってやりますよ。」
アキラ「お父さーん。」
名人「クウッ!アキラッ。」
アキラ「お父さーん。」
緒方「先生!早く行かないとまた飛行機に乗り遅れますよ!」
名人「アキラ、お父さんとっとと王座のタイトルを取って帰ってくるからな。緒方くんの言う事をよく聞いて
良い子にしているんだぞ。」
アキラ「うん、お父さん。」
名人「アキラ・・・アキラー!お父さん本当はお前を置いて行きたくないんだよ!」
緒方「先生!とっとと行って下さい。先生が遅刻するたびに飛行機の予約を取る時に嫌みを言われるんですよ!」.
名人「んー、スチュワーデスのお姉さんはみんな優しいぞー?」
アキラ「お父さんスチュワーデスさん大好きなんだよ緒方さん。」
名人「ワッハッハ★アキラも大きくなったらスチュワーデスさんが大好きになるぞー。」
緒方「スチュワーデスでも看護婦でも婦人警官でもなんでもイイからとっとと行って下さいっ!!」
オレはいつもの様に半ば追い出すように先生を送り出した。
名人「アーキーラー!!!」
アキラ「お父さーん。」
緒方「フウ・・・親バカめ。」
アキラ「ウ、ウウ・・・ウエエエ〜ン。」
緒方「!!アキラくん泣かないで。そうだ!おやつを食べよう。今日はアキラくんの大好きなシュークリームだよ。」
アキラ「うん。グスグス。」
フウ・・・毎度の事ながらこのガキの面倒を見ないといけないと思うと気が重いぜ。前回の本因坊戦では
アキラくんの幼稚園にお迎えに行って誘拐犯に間違われ、もう少しで警察に捕まりそうになったんだぜ。
まあ今回は幼稚園にも連絡を入れてあるし問題はないはずだ。
緒方「頑張れ、オレ!」
アキラ「緒方さん、このハンバーグ凄く美味しい。」
緒方「ハハハそうかい、心をこめて作ったからね。」
そうだ、心をこめて作ってやったんだから残すなよ。
アキラ「緒方さん、おかわり!」
緒方「ハイハイ。」
ああ、ガキ・・しかも男相手に甲斐甲斐しくご飯をよそってやるなんて、なんだか凄くむなしいぜ。でも我慢だぜ。
ここで恩を売っておけば塔矢門下生としてのオレの地位は安泰だからな。
緒方「ハッハッハッハッー★」
アキラ「緒方さんおもしろいの?」
緒方「アア!オレのこれからの人生はサイコーだからな、笑いが止まらないぜー。」
オレの高らかな笑い声はいつまでも塔矢家の食卓にこだました。
緒方「アキラくんお迎えに来たよ。」
アキラ「緒方さーん。」
アキラくんはオレの姿を見つけるとカルガモの様にピョコピョコと寄って来た。
ガキ「おい、塔矢のヤツ知らないおじさんについて行くぞ。」
ガキ2「あのおじさん知ってるよ。けーさつかんの人が来て怒られていたもん。」
ガキ3「あのおじさん塔矢のウチの使用人なんだぜ。」
ガキ「なんだー使用人かよー。」
ガキ2「あーいうの<パシリ>って言うんだって。テレビで言ってたもん。」
ガキ3「塔矢スゲー、パシリ持ってるんだー。」
緒方「お家についたらおやつにしようね。今日はホットケーキだよ。」
アキラ「うん!」
よしよし、今回はスムーズな展開だぜ。
オレが上機嫌で運転しているとアキラくんが急に泣き出した。
アキラ「ウ・・ウワワア〜ン、ごめんなさ〜い。」
緒方「ア、アキラくん?・・!なんだこの臭いは!?」
車の中は異臭に包まれた。こ、このガキもらしやがった!!
アキラ「ウウワワアア〜ン。」
緒方「アキラくん!なんでもっと早くトイレに行きたいって言わないんだ!だいたいお帰りの前に用を済ませて
おかないからこういう事になるんだぜ!ちゃんと躾とけ!」
オレは幼稚園の躾に対して文句を言ったつもりだったがアキラくんは自分が怒られていると思ったのか
更に激しく泣き出した。
アキラ「緒方さーんごめんなさーい!アアーンアアーン。」
緒方「アキラくん、もういいから・・・。」
オレが汚れた座席をタオルで拭こうとしたその時コンコンと車の窓を叩かれた。
緒方「ハイ?」
警察官「君、何をやっているんだね!!近所の人から”さっきから不信な車が家の前で路上駐車している。
子供の異様な泣き声と男の怒鳴り声がするから様子を見て欲しい。”と通報があったんだぞ!」
緒方「通報って・・・誤解ですよ!」
アキラ「ウワワアア〜ン!」
警察官「じゃあ、その子はなんでそんなに泣いているだ・・・!君、その手に持っているタオルはなんだね!?
まさかそのタオルでその子の口を塞ごうとしていたんじゃないのか!?」
緒方「違いますよ!これは・・・」
アキラ「躾ができていなくてごめんなさーい!ウエエーン。」
警察官「!!なんて親だ、子供の躾が出来ていないからと言ってこんなに泣かせるとは!」
緒方「ハイ?親?」
警察官「幼児虐待をする親は必ず躾と称して暴力を振るったり怒鳴り散らして怯えさせたりしているんだ。
君!ちょっと署まで来なさいっ!!」
緒方「ち、ちょっと待ってください。誤解ですよ!アキラくん何とか言ってやってくれ!」
アキラ「もうしません、許してぇ・・・ヒックヒック。」
警察官「可哀相にこんなに泣いて・・・。」
緒方「N〜〜〜〜〜O〜〜〜〜〜〜〜!!!!★!!!」
=数日後=
名人「ただいまーアキラー今、帰ったぞ〜vvv」
アキラ「お父さーん。」
緒方「お帰りなさい、先生。」
名人「緒方くん今回もごくろうだったね。君には感謝をしているよ。そういえば車庫に君の車がなかったが
どうかしたのかね?」
緒方「ハハハ・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと念入りに洗車に出しているんですよ。新車なのに臭いがとれなくて・・・。」
名人「さては緒方くん若い女の子を車に連れ込んだな?やるじゃないか!ワッハッハ★」
勝手に誤解した先生はオレの肩をバシバシと叩きながら大笑いした。
名人「さすが色男だ。車に臭いが染み込むほどヌレヌレにさせるとは!さすがは塔矢門下生だ。」
クッ!これじゃあ本当の事を言えないじゃないか!洗車代を請求するつもりだったのに・・・。
緒方「ハハハ★当然ですよー。」
アキラ「お父さん抱っこ。」
名人「抱っこか〜★ほら高い高〜い。」
アキラ「キャーお父さんもっともっとー。」
名人「アキラ、幼稚園の方は変わりないかい?お友達とは仲良くしているかい?」
アキラ「うん。でもね、あのね。」
名人「何だい、アキラ?」
アキラ「皆がね、ボクの事”パシリ持っていて凄い。”っていうの。お父さんパシリってなあに?」
名人「ん〜使いっぱしりっていう意味だよ。簡単に言えば子分かな?でもアキラはそんな汚い言葉は
使っちゃいけないよ。」
アキラ「はいお父さん。でも緒方さんはパシリなんですね。」
緒方「何ぃ!?!」
名人「緒方くん、そんな大声を出したらアキラが驚くじゃないか。」
緒方「アキラくんオレがパシリとはどういう意味だ!」
アキラ「ウ、ウエエ〜ン。」
名人「緒方くん!!アキラを泣かせるとはどういうつもりだ!」
緒方「し、しまった・・・!スイマセン先生!!」
アキラ「ごめんなさーい緒方さん、もう言いませんから怒らないで〜。」
名人「おお、よしよし。」
アキラ「ヒックヒック・・・緒方さんにボクの躾がなっていないって怒られたの。だからボク、良い子にするの。」
名人「!!!緒方くんっ!!!」
緒方「ヒ、ヒイッ!!先生なんだかとても怖いですっ!」
名人「ウチのアキラの躾がなっていないとはどういう意味かね!?父親の私にきちんと説明してもらえないかね!!」
緒方「ヒイーーー!!★ヒイーーー!!!!」
この日オレは先生に躾のなんたるかについて延々と説教された。
オレ、マジで門下先を変えたいぜ・・・。
<終わり>どんな世界でも色々と大変なんですね。緒方さんの今の姿もこういう下積み生活があったからこそだと
思います。
<その13>
金子「じゃあ明日の10時に駅前の時計塔の下で待ち合わせね。バックレるんじゃナイわよ!」
進藤「わかったってー!じゃーな!」
はあー、まいったなあ。折角の夏休みだっていうのに明日オレは夏休みの宿題でクラスメイトの金子と区の博物館に
行くハメになった。これというのも先生から<クラスメイトとの親睦を図るために>なんてくっだらない理由で
4〜5人の班でグループ研究をする様に言われたからなんだ。班のヤツラも「効率よくやってさっさと終わらせよう。」と
言って2手に別れて調べる事に決めたんだよな。
進藤「金子のヤツ怖いからな、仕方ねーや明日はお勉強しますかー。」
=次の日=
進藤「もうすぐ10時か。金子はやく来いよなー。」
その時後ろから肩をポンッと叩かれた。
「お待たせ。」
進藤「おっせーよ・・・ゲ!★塔矢!?」
塔矢「お待たせ進藤v」
進藤「お待たせって・・・何言ってんだ?」
塔矢「ヤだなあ、約束していたでしょう。今日は二人で仲良く夏休みの宿題をするって。さ、行こう。」
進藤「行こうって、ちょっと待て!オレが約束しているのは金子だぞ!」
塔矢「そうだよボク、金子v」
そう言うと塔矢は思いっきりニッコリとオレに笑いかけた。
進藤「からかってんのか!?お前のどこが金子なんだよ!!」
塔矢「ヤだなあ、おかっぱなんてソックリじゃないかアハハ。ボクは金子だけど進藤がどうしても塔矢って
呼びたければそう呼べばイイよ。」
進藤「お前ナニ考えてんの?」
はあー・・・なんでコイツがココにいるのかも判らないけど肝心の金子はどうしたんだ?
進藤「おい塔矢!」
塔矢「なんだい進藤。」
進藤「金子は何処にいるんだよ?なんでこねーんだ?」
塔矢「だからボクが金子だって言ってるだろう。そういえば同じ名前の女の子が宿題代わってくれるなら
今日は行かないとか言っていたっけ。」
進藤「?お前さ・・・なんでオレと金子が待ち合わせしてる事知ってんの?昨日、急に明日会おうって決まった
んだぞ!」
塔矢「アハハ★ボクは金子だから知っていて当然だろう。進藤ったらーアハハ。」
そう言いながら塔矢はオレの手をグイグイと引っ張って行く。こいつって訳わからねーよな。なんか笑い方も
乾いているっぽいし。
塔矢「進藤、ボクがついているから宿題は大船に乗ったつもりでいていいよ。」
進藤「え!本当!?」
塔矢「うん。博物館に行ったらその後どこかでお昼ご飯も食べようか。たしか近くにおいしいお寿司屋さんが
あったから。進藤、お寿司好き?」
進藤「うん!だーい好きさ!」
塔矢「進藤はお寿司が大好き・・・と。」
進藤「塔矢、何書いてるの?」
塔矢「あ、気にしないで。記録つけているだけだからさ。そうだ進藤、お寿司のネタは何が好き?」
進藤「う〜んマグロとイカかなー。」
塔矢「マグロとイカ・・・と。」
進藤「あ!でもオレ金持ってきてねーよ。塔矢、そこって高い?」
塔矢「大丈夫だよ心配しなくて。そこのお寿司屋さん、緒方さんの行きつけのお店だから緒方さんのツケにしとくよ。」
進藤「ラッキー!」
塔矢「いっぱい食べていいよ進藤。」
進藤「うん!じゃ早いとこ博物館に行っちまおうぜ。」
博物館でオレは塔矢に根掘り葉掘りと質問された。
進藤「なんだよ塔矢さっきからオレの事ばっかきいてさ。」
塔矢「進藤、これは今日の宿題のレポートにとても必要な事なんだ。ボクが進藤の担当分も全部書くんだから
ちゃんと進藤が書いたように先生に思わせなくっちゃいけないだろう?」
進藤「うん。」
塔矢「その為には進藤の事は全て知っておかなくちゃ、ね?」
進藤「そーかー。」
塔矢「そう言う事vじゃあ進藤、好きな飲み物教えてよ。」
進藤「CCレモン!」
塔矢「CCレモン・・・と。ウーロン茶とか飲まないの?」
進藤「オレ、ウーロン嫌いなんだ。なんか味しねーじゃん、買うのもったいねーよ。」
塔矢「ボクは好きだけどな。あ!進藤あんなところに自動販売機が置いてあるよ!ちょっと飲んでいこうか?」
進藤「うん!えっとー何にしようかな。やっぱCCレモ・・・あ!」
塔矢「ハイ進藤。CCレモンだよv」
進藤「・・・サンキュー。」
塔矢「あ、お金ならいいよ。ボクの奢りだから。」
進藤「え、いいの!」
塔矢「うん。」
進藤「じゃ、いっただっきまーす★ゴクゴク。フー美味しいぜ。」
オレが一気に半分くらい飲むと塔矢がオレをじっと見ていた。
進藤「塔矢は買わないの?」
塔矢「うん、一本飲むほど喉乾いていないんだ。でも一口くらいなら飲みたいなあ。」
進藤「え、それじゃあ・・・飲む?」
塔矢「いいのかい?それじゃあ貰おうかなあ。」
塔矢に奢ってもらった手前、無視するわけにもいかないからオレは塔矢にCCレモンをわけてやった。
塔矢は美味しい美味しいといって結局3回も廻し飲みしたんだ。
進藤「なあ、ココってテレビで良く見る超高級寿司屋じゃん・・・。」
塔矢「そうなの?ボクお寿司屋さんってココしか来ないから。さ、入ろう。」
凄えや、塔矢のヤツいかにも来慣れているって感じでカウンターに座って板前さんと話しをしている。
塔矢「進藤、今日は築地から大トロのいいのが入ったんだって。食べようか。」
進藤「うん!!あと他にも頼んでいい?」
塔矢「アハハどうぞどうぞ。」
進藤「やったー★」
オレ達は死ぬほど寿司を食べたんだ。最高だーこの間伊角さんに奢ってもらった寿司と全然ちがうや!
進藤「オレもー食えない・・・。」
塔矢「進藤、帰りのタクシーも手配してもらったから安心していいよ。」
進藤「え!タクシーなんて使ったら一万円以上かかっちゃうよ!」
塔矢「アハハ大丈夫だよ。ボク、タクシーチケット持っているから。お父さんがくれるんだ。」
進藤「お前ってお坊ちゃまだよな・・・。」
塔矢「進藤、レポートは明日の朝届けに行くよ。明日も空けておいてね。」
進藤「え、オレ明日は和谷たちと碁会所巡りするんだけど・・・。」
塔矢「・・・ふーん。どこの碁会所?」
進藤「えーと・・・なんだっけ?たしか伊角さんがアヤシイおじさんから紹介されたとか言ってたような・・・
そうだ!たしか池袋の辺りとか言ってたっけ。」
塔矢「ふーん・・・たしかあの辺りはユン先生が住んでいたなあ・・・。」
進藤「なんか言った塔矢?」
塔矢「ううん何でもない。ちょっとパシリの計画を立てていただけだから。」
進藤「ふーん?ま、いっか。」
=次の日=
ユン「今日はなんて暑い日なんだ!ふう・・・・塔矢のヤツ・・・・・進藤がいる碁会所を見つけないと
また囲碁部に戻るなんて・・・困ったモンだ。思春期なのかなあ?・・暑い・・・。」
池袋の町をさ迷い歩くユン先生だった。
そして-----------------。
緒方「おい!なんだこの請求書は!」
板前「昨日、緒方さんがよくお連れになるおかっぱ頭のお坊ちゃんが友達を連れて食べに来たんですよ。
緒方さんのツケでいいからっていうもので・・・。」
緒方「あんのクソカキ!!」
板前「とにかく払ってくださいよ。」
緒方「オレ今月はピンチなんだが・・・。」
板前「じゃあ変わりに皿洗いでも頼もうかなあ。昨日の分の代金25万円分きっちり働いてもらいますよ。」
緒方「N〜〜〜〜〜〜〜O〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!★!!!」
<終わり>オヤジ苛めが大好きです!
<その12>
す「あーヒマヒマ、ヒマだあ〜。」
ママ「何ヒマヒマ言っているんですか!そんなにヒマなら働くかお嫁に行くなりしなさい。」
す「ブブー、ママおがっちみたいな事言う・・・そうだ、おがっちのとこに遊びに行こう!」
緒方「オレのお魚ちゃ〜ん毎日暑いけど元気に泳いでいるかい?よしよし、元気かあ〜vv」
す「おがっち不気味〜。何、魚類に話しかけているのよ?おがっちサビシーんだ・・・。」
緒方「ウワア!またお前か!?管理人には絶対にカギを貸すなとキツク言っておいたのにどうやって
入ってきやがった!!」
す「今日は正々堂々とこっそり作っておいた合い鍵を使って入ってきたよー★」
緒方「NO〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
す「ねーねー、おがっち今夜ウチの町内会で<ふれあい七夕祭り>をやるのよー、一緒に行こう。」
緒方「へー。絶対に嫌だ。」
す「ブブー!なんでえ。」
緒方「去年も一昨年も行っただろう。今年はオレは遠慮しとくよ。」
す「いーやーだ!絶対に行くの〜★私みたいなカワイコちゃんが夜一人でお祭りなんて行ったら
帰り道で襲われちゃうよー。」
緒方「勝手に襲われろ、オレは構わん。」
す「ウギャー!おがっちが助けてくれないーー!!ヒドーイ!!!」
緒方「煩い!大声で喚くな他所に聞こえるだろう!」
ピンポーン、ピンポーン。
緒方「誰だ!?」
す「ウワーン、ウワアーン!!」
緒方「いつまで泣いているんだ、オレは知らないぜ!・・・ハーイ、今出ます・・・!」
近所のババア「ちょっと緒方さん!アナタ玄関のドア開けっぱなしで何痴話喧嘩しているんです!?
はっきり言って迷惑ザマス!」
緒方「ス、スイマセン。(ドアが開いていただとう!杉本のヤツ・・・!)」
す「ウンギャー!!!痛いよー!!!」
緒方「!!!?」
ババア「な、何ザマス!?」
す「緒方さんがぶったー!いっぱいぶたれたー!!」
緒方「!ち、違・・・」
ババア「緒方さん!!アナタ一体何をしたんザマズか!!ぶたれたってどういう事ザマス!」
す「緒方さんが”お前なんか夜道で犯されろ、オレは知らん”って言った〜★ウエエエーン!」
緒方「!!!」
ババア「緒方さん!!!アナタ女性に対して犯されろですって!最低ザマス今度の会合で問題にするザマス!」
緒方「ちょっと待ってください誤解ですよ。・・・杉本!」
す「ウワ〜ン、またぶたれるんだあ〜怖いよ〜シクシクシク・・・。」
緒方「ハハハ何を言っているんだ、これからオレ達仲良くお出かけだろう。(クソッ・・・クッソー・・・あのアマ・・・)」
す「どこに行くの?」
緒方「<ふれあい七夕祭り>さ。なんでも好きな物を買ってやるぜ。」
す「ウワ〜イ★嬉しいな〜嬉しいなあ〜。」
緒方「ババ・・・奥さんそう言うわけですから。失礼。」
ババア「・・・・・・今回は見逃すザマス。」
ピーヒャラピーヒャラドンドン、ピーヒャラピーヒャラドンドン。
す「ウワーイ祭りだ祭りだあー★おがっち、りんご飴買って。」
緒方「・・・りんご飴一本くれ。」
オヤジ「まいどありー。」
す「おいしいな、おいしいな〜。」
緒方「ハア・・・。」
す「おがっち何ため息ついているのよーノリノリのクセして。」
緒方「ノリノリじゃねえよ!」
す「ブッブー!しっかり浴衣来てるクセにー。」
緒方「煩い!オレはTPOを気にする男なんだぜ、祭りにはコレだろうが!」
す「まあ白スーツじゃ浮いちゃうもんねーキャハハ★あ!金魚すくいだ!」
緒方「何ぃ!」
す「おじさーん金魚すくい2人分ね。お金はおがっちから貰って下さい。」
オヤジ「あっれーアンタ達去年も来たよね。おじさん覚えているよー。」
す「凄ーい私達、有名人じゃーん。エヘヘヘ・・・。」
緒方「きんぎょ・・・・。」
オヤジ「アンタ達、仲がイイねえ。今年もデートかい?」
す「うん!」
緒方「赤いきんぎょ、黒いきんぎょ・・・。」
す「おがっちとは子供の頃から仲がイイんだよー。さあ!すくうぞ〜★」
緒方「待て!杉本はすくうな!」
す「ブブブー!!」
緒方「可哀相に・・・こんなに明るい照明に晒されて、こんなにヒドイ女にすくわれそうになって・・・。」
オヤジ「お兄さーん今年もヤルのかーい?」
緒方「こんなにまだ小さいのに見世物にされて可哀相に・・・オヤジ!この金魚はオレが救う!!!」
オヤジ「だから早くすくいなって、次の人つかえてるんだからさ。」
緒方「ヌオオオオオーーーー!!!」
バシャ、ベリッ。
オヤジ「ハイおしまいー。」
す「おがっちダッサー★へたっぴー。」
緒方「ヌ、ヌオオオオーーー!!次だ次!!」
オヤジ「まいどー。」
パシャ、ベリッ。パシャ、ベリッ。
す「一匹もすくえないじゃーん、相変わらずだなあ。」
緒方「ウルセー!!この子達はオレが救うんだからお前は手を出すなよ!他の客もだあ!」
す「おじさーん今年も貸し切りね。お金はおがっちが払います。」
オヤジ「いや〜ありがたいねえ。このお兄さん名物だよ〜。」
緒方「煩せえっつってんだろうが!集中できないぜ!」
す「おがっちが煩いんでしょー、ホラ早くすくいなさいよ。」
緒方「あ、う、ウン。」
オヤジ「毎年、結局一匹もすくえないのに懲りないよねえ。」
す「おがっちサカナバカだからーアハハハー★」
パシャ、ベリッ。パシャ、ベリッ。パシャ、ベリッ。
<終わり>この間縁日に行きました。金魚すくいで一匹しかすくえなかったのに終わりがけの為か
いらんちゅーのに10匹もくれました。ちなみにウチには猫ちゃんが2匹います。(だから?)
<その11>
緒方「ハッピバースデートゥーユーハッピバースデートゥーユー♪パッピバースデーディアオ〜レ〜♪
ハッピバースデートゥーユー♪」
オレ、緒方九段。今日はオレの記念すべき30回目の誕生日だ。そのせいか今日はいつもより2時間も早い
午前5時に目が醒めてしまった。誕生日なんか嬉しくもない年だが、まあオレの誕生日を祝いたいヤツは
ごまんといるから祝ってもらってやってもイイぜ。男は賛美の言葉を、女は身体を捧げろ!
緒方「ハッピバースデートゥーユー♪ハッピバースデートゥーユー♪」
今日の午前中は用事はないが日本棋院に行ってやるか。きっと<週刊碁>宛にこのオレに全国の読者からの
プレゼントが山の様に来ているだろうからな!まあ、あまりに多くて愛車に乗せ切れないと思うが。
緒方「そうしたら往復しないといけないぜ、フッ、忙しいぜ。」
折角早く起きたので念入りに風呂場で身体を洗う。今日は女どもがオレの身体を求めて大変だからな。
一日でこなせないかもしれないぜ。まあ、その場合4Pでも5Pでもオレは構わないぜ。
緒方「オレの本淫棒しっかり洗わないとな。」
ゴシゴシゴシ・・・マンションを出たところで女どもが待ち伏せしていたら棋院に行く前にカーセックスも
悪くないぜ。
緒方「”緒方先生の本淫棒、強くてステキvvアン、アンそんなに力碁で責められたらワタシ負けちゃうわア!!”」
ゴシゴシゴシゴシ・・・・。
緒方「”君も早くまいりましたと言わないといつまでもオレは責めるぜ?””ア!アア!緒方先生の固い・・・!
く、車の中でこ、こんなの・・・ワタシ初めてなんです!アア、アアン!!””車の振動が堪らないだろ?”
”ヒ、ヒイッ!凄い!!もうイッちゃう!”」
ゴシゴシゴシゴシ・・・オレの本淫棒、今日は頑張れよ!!
オレは2時間かけて身支度を整えるとマンションを後にした。
緒方「あれ?」
マンションの前には人っ子一人いない。
緒方「オレのファンの女どもは何処だ?フウ・・さては恥かしがって物陰に隠れているな。」
オレは仕方がないので探してやる事にした。
緒方「フフフ隠れん坊か。見つけたら”ご褒美にワタシを捧げますvv”とか”鬼さんに見つかったら食べられ
ちゃうんですよねvv”とか言うつもりか?そうだろ判っているぜ。」
オレは花壇の後ろ、植え込みの下、電柱の後ろを見たり、非常口の扉を一階ずつ開け確かめた。
緒方「おかしいぜ、いないじゃないか。そうか!日が出ているうちは恥かしいって事か。まったく女ってヤツは
困ったモンだぜ。いいぜ、お望み通り今晩は寝ずに男と女の指導碁をしてやる!!!!!」
ヒゲ編集長「アレ、緒方先生どうしたんですか?」
緒方「やあ。今日は荷物を取りにな。」
ヒゲ「ハイ?荷物ですか?」
緒方「オレ宛に山ほど届いて大変だったろ。」
ヒゲ「いいえ別に何も届いて・・・」
緒方「あるじゃないか、あんなに!」
編集部の一角に山ほど詰まれた包みが置いてある。赤・青・ピンクと綺麗な包装がしてありハートのシールで
封をしてある。どう見ても女が本命の男に渡すプレゼントだぜ。
緒方「フン!こんなに送ってくるとは往復決定だぜ!まったく人の迷惑も考えないでこんなに沢山
送ってきやがって。一体何をオレに貰って欲しいんだ?」
ヒゲ「ああ!!開けたらダメですよ!!緒方先生!!!」
緒方「なんだよヒゲ!?邪魔をするなよ。さてはお前やきもちか。フッ妬くなよ・・・・」
ヒゲ「それは白川先生のだから勝手に開けたらダメですよ。」
緒方「何ぃ!!!??」
ヒゲ「来週、白川先生のお誕生日でしょう。気が早いファンがもうこんなに送ってきたんですよ。まあ、毎年の
事ですけど。」
緒方「これ全部、白川にだとぅ!!?」
オレは包みを取った。包みにはカードが添えられていてこう書いてあった。
<ハッピーバースデー白川先生vvv愛をこめて>
<大好きな白川先生、30歳のお誕生日おめでとうございます。>
<手作りのクッキーです。本当はワタシも食べてほしいわvvvv>
<白川先生に男と女の指導碁をしてほしい・・・vvv>
緒方「なんじゃーこりゃー!!★!!」
ヒゲ「最近の若い女性ファンは熱烈ですねえ。それにしても白川先生って本当にモテますねえーハハハ。あ、私は
忙しいのでこれで失礼しますが緒方先生は何か用でも?」
緒方「いや、もういいぜ・・・。」
オレは棋院を後にした。
緒方「フッ。今日はアキラくん家で研究会があるんだぜ。今頃みんなでお祝いパーティーの準備で忙しいかな?
アキラくん達、早くオレが着くのを待っているんだろうな。やれやれ・・・。」
オレは猛スピードで車を走らせた--------------------。
アキラ「緒方さんいらっしゃいませ。」
緒方「こんにちはアキラくん。」
研究会に着くとすでに他のヤツらは揃っていた。フフン、みんなで早く来てこのオレのパーティーの準備を
していたってわけか。ご苦労な事だぜ。
名人「じゃあ初めようか。」
研究会はいつもとまったく変わらない雰囲気だった。しかしオレは判っているぜ!みんなの気持ちは研究会より
この後のオレの誕生パーティーの事でいっぱいって事をな!
名人「緒方くん何をうっとりしている!!もっと気を引き締めんかっ!!」
緒方「え?」
名人「さっきから一人で何をニヤついているんだね!」
緒方「す、スイマセン!」
フッ、先生に怒られてしまったがみんなの気持ちに免じて素直に怒られてやるぜ。折角オレに内緒で計画
しているんだからな、オレが気がついている事は知らないほうがいいだろ?
名人「今日はこの辺で終わりにしよう。」
アキラ「じゃあお茶を入れてきますね。」
笹木「オレはイイよ。今日は子供の誕生日なんだ。早く帰らないと。」
名人「笹木くん、これを息子さんに渡してくれたまえ。私からの誕生日プレゼントだ。」
芦原「オレも用意してきたんですよー。」
笹木「毎年ありがとうございます。じゃあこれで。」
緒方「何・・・?」
名人「アキラは明日から期末テストだろう、もういいから自分の部屋に行きなさい。」
アキラ「スイマセンお父さん、ボクこれからテスト勉強しますから失礼します。」
名人「ウム。」
芦原「アキラくんファイト!」
緒方「おい・・・!」
名前不明「芦原もう帰るか?駅前でビアガーデンの割引券もらったからヒマなら飲みに行こうぜ。」
芦原「いいね!行こう行こう☆じゃあオレたちも失礼しま〜す。」
緒方「クッ!」
名人「緒方くんはもう帰らないのかね?」
緒方「NO〜〜〜〜〜〜〜〜!!★!★!!」
名人「緒方くん、アキラの勉強の邪魔になるから早く帰りなさい。」
緒方「フッ・・・初めから男に期待はしていないぜ。マンションに帰れば女どもがオレを待っているんだからな!」
オレは猛スピードでマンションの駐車場に車を止めると大声で叫んだ。
緒方「女ども、オレは今夜は家のカギを開けておくからな!勝負パンツはいて来い!!!」
コレくらい大声なら物陰に隠れていてもバッチリ聞こえるぜ。
チュンチュンチュン・・・・・・。気がつくともう朝になっていた。
緒方「今、何時だ・・・午前5時・・・・徹夜だぜ・・・。」
マンションに帰ったオレはベットの上でセクシースタイルでキメながら女どもを待っていたんだが・・・。
緒方「ク、クク・・・ククク・・・・・・・ウ、ウウ・・・。」
なんだか涙が出てきた。
緒方「今年は30才だし、記念っぽい気がしていたのに・・・なんで誰も祝ってくれないんだ?ウ、ウウ〜〜〜。」
今年も誰からも祝いの言葉をかけられなかった。ツライ、辛すぎるぜ・・・。
緒方「ハッピバースディートゥーユーハッピバースデートゥーユー♪ハッピバースデーディアオーレー♪
ハッピバースデーオーレー♪ウ、・・・ウウ・・・ウウウオオオオオオ〜〜〜!!!!!」
<終わり>コレはあまりにも酷すぎの妄想でしょうか?
<その10>
名人「それじゃあ夕食までの間は自由時間にするので各自好きに過ごしなさい。」
塔矢門下生達「ハーイ。」
芦原「ウワ〜☆オレこんな高級旅館に泊まるの初めてなんだよね。アキラくん一緒に探検に行こうよ!」
アキラ「芦原さん子供みたいですねえ、でもいいですよ。一緒に旅館のなかを見に行きましょう。緒方さんも
一緒に行きませんか?」
緒方「いや、オレは遠慮しとくよ。」
アキラ「そうですか。」
芦原「アキラくーん早く行こうよー。」
アキラ「芦原さんったら一人でもうあんなところまで行っちゃって・・・じゃあ緒方さんまたあとで。」
緒方「ああ。」
今日は塔矢門下恒例の一泊旅行に来ている。毎年行うんだがいつもは塔矢家の別荘が使われるが
今年は先生が急に「温泉に行きたいなー。」と言い出した為、急遽変更になった。
緒方「みんな旅館の見学に行っちゃいましたね。先生はどうされるおつもりですか?」
名人「そうだな、とりあえずごろ寝でもするか。」
緒方「じゃあ隣の部屋に布団を敷くようにフロントに連絡をいれますよ。」
名人「ああ、頼むよ。」
オレはフロントに連絡をした。
なんだか先生はご機嫌の様子だが気のせいだろうか?
緒方「すぐに来るそうですよ。」
名人「そうか、緒方君はこれからどうするんだ?」
緒方「そうですね他の奴らが戻る前に温泉につかりに行こうかと。」
名人「そうか!さあ、早速行きなさい!」
緒方「仲居が来るまで一緒にいますよ?」
名人「いいから!ほら早く行きなさい。」
緒方「先生、何をそんなに慌てているんですか?」
名人「慌ててなんかいないぞ!ほら、タオルと浴衣だ。これを持って早く大浴場に行きなさい。」
緒方「はあ。」
名人「いつもの様にゆ〜くり入ってきなさい。最近、君も疲れがたまっているだろうから1時間はしっかり
つかってくるんだ。」
緒方「それじゃあお言葉に甘えてお先にいただいてきます。」
オレは先生の様子に疑問を感じながらも半ば追い出される様に部屋を出た。
緒方「先生、何を慌てていたんだ?」
独り言を言いながら廊下を歩いていると仲居とすれ違った。仲居は軽く会釈をしながら通り過ぎていった。
緒方「ヘー。ココの旅館は美人ぞろいだぜ。」
そういえば先生が「ココに行きたい。」と持ってきたパンフレットにも<美人ぞろいの宿>と大きく書かれていたな。
まったくスケベなジジイだぜ。まあ男やもめが長いんだ。たまには美人を間近に拝みたいんだろう。
緒方「さて・・・アキラくん達もいない事だし今のうちに一風呂浴びるか。」
オレは裸になると浴場に入った。
緒方「ヘー、なかなか趣味がイイじゃないか。」
浴場内は高級旅館らしく純和風のヒノキ風呂だ。ヒノキの良い香りが心地よい空間になっている。
緒方「フー、たまにはこういうのも悪くはないな。」
オレは軽く掛け湯をしてから湯船につかった。こうやっていると日頃の喧騒が嘘の様だ。囲碁の世界は
完全な実力主義の世界だ。日々、お互いのつぶし合いをしていると言っても過言じゃない。
緒方「だからこそ、こういう休養も必要なんだな・・・。」
オレは先生が急に「温泉に行きたい。」と言い出したときは正直言ってまたジジイの我侭が始まりやがったと
舌打ちしていた。普通、旅行の前日になって言うか?しかし先生は本当はオレや他のヤツらの為に
今回ココを選んだんだろう。いつもは我侭ジジイで迷惑をかけられっぱなしだが本当は誰よりも周りに
気を使っているのかもしれない。
緒方「流石オレの先生だぜ。」
オレは先生に感謝しながらゆっくりと温泉につかった。
緒方「イイ湯だったぜー☆アレ?」
オレが部屋の扉を開けようとすると丁度中から仲居が出てきた。仲居はオレの顔を見ると真っ赤になって
逃げる様に行ってしまった。
緒方「?」
今の仲居は確かさっき廊下ですれ違った仲居だ。多分あの時ココに布団を敷きに来たんだろう。
でもまさか一時間もこの部屋にいるわけないよな?
オレは部屋の中で寝ている先生を起こさない様にそうっと部屋に入った。
名人「やあ緒方君おかえり。」
緒方「先生、起きていたんですか?」
名人「ああ、たった今ね。」
緒方「そういえば今、仲居が部屋から出て行きましたが。」
名人「んーそうかい?ちょうどポットのお湯が切れたから入れ替えてもらっていたんだよ。」
緒方「なんだ、そうだったんですか。そういえばオレも風呂上りで喉が乾いていたんですよ。」
そう言ってお茶を入れる為にポットからお湯を出そうとしたが・・・
緒方「あれ、出ないぞ?」
ポットのお湯は空になっていた。そう言えば部屋に入ってすぐにみんなで茶菓子とお茶をいただいたんだが
その時にアキラくんが「もうお湯がないですね、あとで中居さんに入れ替えてもらわないと。」と言っていたんだ。
緒方「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
オレの頭の中で何か嫌な考えが浮かんだ。でもまさかな・・・。
緒方「先生、今まで何をされていたんですか?」
名人「ワシか?寝ていたよ。」
心なしか先生の顔がツヤツヤとしている。
緒方「そうですか。」
名人「緒方君もお菓子たべるかね?」
緒方「いえオレは結構です。先生珍しいですね。普段はあまり甘いものは召し上がらないのに。」
名人「ハハハ、体を使った後には甘いものが欲しくなるんだよ。」
緒方「?」
何かおかしい。さっき先生は「寝ていた。」と言った。しかし今「体を動かした。」と言っている。
俺の頭の中ではさっきよりも嫌な考えが大きくなっていた。しかし・・・・・。
ふと机を見ると今、先生が食べている茶菓子の包み紙が無造作に置かれている。まったくゴミはすぐに
捨てろよ。
オレは先生の出したゴミを捨てるためゴミ箱に手を伸ばした。
緒方「あれ?」
妙にゴミが多い。さっきみんなで食べた茶菓子の包みのほかにテッシュペーパーの塊が何個もある。
なんかこの捨て方は・・・・。俺の中で疑問が確信に変わりつつあった。
先生を見ると座布団を折り曲げて横になりながらテレビを見ている。
名人「ワハハッハハー☆面白いな、この番組。」
まさか・・・いや、でも・・・・・しかし!・・・・・・。オレは先生に直接確かめるべきかどうか悩んだ。
万が一違っていたらオレは確実に塔矢門下から追い出されるだろう。
オレが一人で悶々と悩んでいる間にテレビの番組が終わったらしく、
名人「あーおもしろかったなー。なんか食べすぎたら眠くなってきちゃったよ・・・・・・・・・グオ〜〜〜☆」
と言いながら先生は大いびきをかいてそのまま眠ってしまった。
緒方「先生そんなところで寝たら風邪を引きますよ・・・チッ起きやしねえ。」
仕方がないのでオレは布団を掛けてやる為に隣の部屋の襖を開けた。
緒方「!!!な、なんだ!!!」
隣の部屋には布団が一組しいてあったが物凄い乱れ様だ。枕は吹っ飛んで転がっているし
掛け布団は捲れ上がっている。シーツはグシャグシャになっていて所々握り締めたような跡がついている。
オレはゴクリと唾を飲むと思いきってシーツを触ってみた。
緒方「し、湿っているぜ・・・・。」
シーツは汗でグッチョリと湿っていた。しかも真中だけがそうなっている。どう見てもこれは・・・・。
緒方「先生、先生起きて下さい!何うたた寝なんかしてるんですか!」
名人「んー何だね緒方君・・・。」
緒方「先生オレが温泉につかっている間に何やらかしたんですか!!!」
名人「ん〜アキラ、お父さん疲れちゃって今凄く眠いんだ・・・ムニャムニャ。」
緒方「寝ぼけないで下さい!なんで布団があんなに乱れているんですか!!?」
名人「グオ〜〜〜☆」
緒方「先生起きて下さい!!!アンタ何やらかしたんだっ!!!!!??」
先生はよほど眠いのかオレの声にも反応せず眠ってしまった。
緒方「こ、このジジイ・・・・。」
アキラ「今帰りました。アレお父さん眠っちゃったんですか?しょうがないなあ。」
アキラくんはそう言うと布団を掛けようと思ったのか隣の部屋に行こうとした。
緒方「ア、アキラくん!」
まずい、いくらなんでも子供にあんな乱れた布団を見せるわけにはいかない。アキラくんももうお年頃なんだ
いくらなんでもアレを見たら感づくだろう。
アキラ「ワアなんかお布団グチャグチャですねえ。どうしたんですか?」
芦原「本当だー先生、案外寝相が悪いんだ。」
アキラ「お父さんの寝相は悪くないですよ!緒方さんでしょう。」
芦原「緒方さんかーなんだー。」
クッ!違うぜ!オレじゃねえ!!
オレは思いっきり否定したかったがグッと堪えた。この場を穏便にやり過ごす為にはオレが堪えるしかない・・・。
緒方「ハハハ。夢の中でジャイアント馬場とプロレスしてたんだよ。」
芦原「アハハー、オレもそういう夢よく見ますよー。夢の中でなぜかタイトルを奪い合うんですよー☆」
アキラ「アハハハおもしろいですね、それで緒方さんは勝ったんですか?」
緒方「ご想像にまかせるよ・・・・・。」
ああ、なんか凄く気疲れするぜ・・・・・・・。
女将「塔矢名人、是非またお越し下さいませ。」
名人「ああ、また来るよ。いやー本当にパンフレット通り美人ぞろいの宿だったよ!」
女将「嫌ですわ!オホホホ。」
名人「テレビの特番でこの旅館を見た瞬間に旅行先に決定したんですよ。急な予約だったが
予約が取れてよかったよかった。」
女将「あら当然ですわ。有名な塔矢名人にご利用していただければウチも鼻が高いですわ!」
名人「ワハハハそれじゃあこれからは毎年ココにしないと!」
女将「是非そうしてくださいませ。仲居達も喜びますわ。」
その時隣にいた仲居・・・部屋に布団を敷きにきた仲居だ・・・がポッと頬を赤らめた。
仲居「ハ、ハイ。塔矢名人・・・是非来年もお越し下さい。私、名人がお越しになるのを心からお待ちして
おります・・・・ポッvvvvv」
名人「ああ、絶対に来るよ。君みたいにカワイイ人がいるんだ。その時にはまた布団をしきに来てくれるね?」
仲居「ハ、ハイ!喜んで!!!」
芦原「先生、迎えのバスの準備が出来たそうですよー。」
名人「ああ今行くよ。緒方君それでは行こうか。」
緒方「ハ、ハイ!」
女将達「お気をつけて〜〜〜vvvvv」
アキラ「たまには別荘以外に泊まるのもいいものでしたね。」
芦原「ホントホント!オレなんか夕食食べすぎちゃってなんか太っちゃったかも☆」
アキラ「アハハ芦原さんカニお替わりしてましたからね。」
芦原「ウン、凄くおいしかったモンなー。」
アキラ「お父さんもなんかお顔の色がツヤツヤしていますね。」
芦原「本当だ、温泉に入ったからですかねー?」
名人「ワハハハお父さんは別に所に入ったよ〜。」
緒方「ブッ★!!!」
名人「気持ち良かったぞ〜。」
緒方「ブブブッ!★!!!」
アキラ「判った、お父さん大浴場じゃなくてうち風呂に入ったんですね。アレ緒方さんどうしたんですか?
なんか顔色が冴えませんけど?」
芦原「本当だ、なんか旅行前よりやつれていませんか?」
緒方「ハハハ、ハハ・・・・。」
名人「緒方君、ちゃんとこういう時に日頃のたまったモノを出さないと一流にはなれんぞ!明日から
また君達は荒波に揉まれるんだからな!」
アキラ「ハイ、お父さん!」
芦原「オレも早く三次予選に通過できるように頑張ります!」
名人「ウム。」
ああ勝手にやってろ。いつの間にか帰りのバスの中はイイ感じに盛り上がっている。
「目指せ★全タイトル塔矢門下ゲットだぜえ!」とか大声で叫んでいる。
いつもならオレも「いつかは取るゼ!!8大タイトル!!」と叫ぶところだが今日はそんな気になれなかった------。
<終わり>例のカラー裏の特集記事のセリフは緒方さんが言っていると気づいたときは物悲しい気分に
なりました。その横でヒカルが「オレだって、いつかは取るぜ!!」と言っていたので緒方さんもそのうち
ヒカルに「・・・ありません。」「・・・負けました。」とか言わされちゃうんだなーと、先の展開を考え
更に物悲しくなりました。
お父様の旅館での行いについては特にコメントはいたしません。ポッvvvvv
<その9>
「・・・・・・・・・・・・・ありません・・・・・・・・・・。クッ!」
本因坊戦第7局・ジジイの守りをオレは破ることができなかった-----------。
緒方「クソッタレめ!くそーくそークッソー!!」
タイトル手合いに負けたオレは自分を労わる為の傷心旅行に来ていた。
羊「メ〜メ〜。」
緒方「うるっせえ!あっちに行け!!」
羊「メ〜メ〜メ〜。」
さっきからナンだココは!!?オレが人知れず落ち込もうとしているのにワラワラと羊どもがオレの周りに寄ってくるぜ!
羊「メメ〜メメ〜。」
緒方「うっとおしいんじゃ!この家畜どもめ食っちまうぞ!!」
羊「メー!メー!」
観光客「ヤだわ、あの人カワイイ羊に向かってなんてヒドイ事を言うの!」
観光客2「あの人一人で来ているのかしら、変わった人ね。」
観光客3「あの人なんか妙に羊に好かれてない?」
クッソウ!来る所を間違えた!!手合いの後、荷物をまとめてタクシーに飛び乗り”どこでもいいから広々としていて
思いっきり叫べる所に行ってくれ。”と頼んだのに運転手の野郎・・・。
緒方「ウワ★!服が汚れるだろう、噛むな!!!」
羊「メ〜メ〜ウメエエ〜。」
クッ・・・一体ココは何処なんだ?周りを見渡すと一見牧場の様だがそれにしては観光客が多すぎる。
なんか冴えない銅像が立っているがナンだアレは!?あんなの初めて見たぜ。
添乗員「皆様あちらに見えますのが有名なクラーク博士の像です。”少年よ大志を抱け”の言葉はあまりにも有名ですね。知らない人がいたら見てみたいですね〜。」
観光客達「アッハッハーそうですねー。誰でも知ってますよ!」
ドッキ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!★!★!
ハ、ハハハ。オレだって知っていたさ当たり前だろ。そ、そうかーココが有名なクラ、クラえーとなんだっけ?
緒方「ハ!オレは傷心に浸る為にココに来たんだぜ!!何やってんだオレは!!」
羊「メ------------------。」
緒方「コラついて来るな。オレは一人になれるところを探しに行くんだからな!」
羊「メエエエエ〜〜〜〜〜ン!!!」
!しまった、あんまりうっとおしいので思わず足で蹴っ飛ばしてしまったぜ。
緒方「お、おい大丈夫か!?」
羊「メーメー。」
羊はすっかり怯えてしまい身体を小さくして後ずさりしている。
緒方「そんなに怯えるなよ、悪かったよ。・・・ついイライラしていたんだ。」
羊「メ〜〜〜?」
緒方「お前・・・怪我しているじゃないか!ハッ!!今ので怪我したのかあっ!!?」
羊「メ〜〜〜〜〜?」
緒方「動くな!怪我が酷くなったらどうするんだ!カワイソウにこんなにお腹が腫れて・・・。」
オレが思いっきり蹴飛ばしたせいか羊の腹は腫れあがっていた。ま、拙いぜ、このままだと死・・・・・・・・・・・
緒方「死んじまったらオレが捕まっちまうぜえっ〜〜〜〜!!★!!!!!」
それだけは避けないと。オレは今、人知れずに傷心の旅に来ているんだ。警察なんかに捕まってみろ、すぐに
日本棋院に連絡されてオレの居場所が解かっちまうじゃねーか!”傷心の旅に出ていました。”なんて口が裂けても
言えるか!
羊「メー?」
緒方「心配するな、お前の命はオレが救う!」
オレは羊を持ち上げると大声でこう叫んだ。
緒方「お医者さーん、動物のお医者さんはいませんかーー!!急患でーーーす!!!」
=次の日=
観光客「ふうー、北海道っていいわねー。特にココはのんびりしていて和むわー。」
観光客2「あ、売店があるよ。スイマセーン、とうきび2本下さーい。」
売店の人「ハイよ!すぐに焼けるからねー。お客さん達もう羊とか銅像とか見てきたの?」
観光客「ハイ。おもしろかったー。」
売店の人「おもしろいといえば昨日は最高だったよーハハハ。」
観光客「何かあったんですか?」
売店の人「ハハハ、そこの新聞読んでごらんよ。」
観光客「・・・・・・何コレー!おっかしいー、この見出し見てよ!」
観光客2「”白昼の虐待男・和やかをぶち壊し”何コレ!?白いスーツを着た男が羊を持ち上げているわ!」
観光客「なになに・・・”証言者によるとだいぶ前からブツブツと独り言をいったり、いきなり叫んだりして危ない感じが
したが、急に羊を持ち上げ「医者はいないか」と喚き出した。”」
観光客2「コワーイ、続きは・・・”男は「オレは何もやっていない、ただ通りかかったら羊が苦しそうにしていたんだ。
多分腹を蹴られたんだろう。カワイソウだから獣医を探してやったんだぜ。」と弁解したが目撃者によると男はまとわりつく
羊を思いっきり蹴り飛ばしたとの事。この際羊は5メートルくらい派手に吹っ飛んだと複数の証言を得ている。」
観光客「”男は東京都在住の緒方×××、29歳独身、職業・プロ囲碁棋士九段、この日は前日京王プラザホテルで行われた
本因坊挑戦手合いに負け傷心旅行に来ていたと自供している。日本棋院ではこの件に対して「緒方九段は日頃から
冷静沈着な棋士でこんな事をするなんて信じられません。たぶんタイトルを逃したのが精神的に堪えたんでしょう。」と
コメントをしている。”」
観光客2「カワイソウな羊・・・死んじゃったの?」
売店の人「いーやピンピンしているよー。その男の人、何を勘違いしたのかもうすぐ子供が生まれるメスの羊の腹を見て
自分が蹴飛ばして腫れあがったと思い込んだんだよーハッハッハ。」
観光客「バカじゃーんコイツ。」
観光客2「世の中、変った人が多いから気をつけないとね。あ、おじさんいくら?」
売店の人「800円ですー。まいどありー。」
<終わり>北海道は行ったことありませんが<行きたい土地ベスト1>です。だから”ときめきメモリアル”ではいつも
北海道へ修学旅行に行きました。そして女の子と一緒に「あれが有名なクラーク博士の銅像よ。」とか「うわ〜羊がいっぱい。」
とバーチャル観光に浸っていました。きっと実際と異なる部分があるかと思いますがその時はメールでこっそりと
教えてください。こっそり後で直しますので・・・。緒方さん・・・捕まった緒方さんは何処に行っちゃたんでしょうね?
<その8>
緒方5歳「ウワーン!ボクのクロちゃんが死んじゃったよー!。」
す5歳「おがっち、ゴメン、ゴメン。」
緒方5歳「お母さんに言いつけてやる〜!」
す5歳「うるさい!チクったらおがっちの金魚がもっと死んじゃうわよ!」
緒方5歳「ウギャー!!!杉本のバカー!!!」
す5歳「おがっちのサカナバカ!!あっかんべーだ!!」
久しぶりにガキの頃の夢を見た。できれば記憶から消し去りたい嫌な思い出だ。オレの実家は都心の住宅地にある社宅なんだが
幼い頃はよく同じ社宅に住むガキが遊びに来た。まあ、親同士の井戸端会議にガキがくっついてくると言う方が正しいかな。
オレは子供の頃から賢く大人びていたから同年代のガキが家に来るのがうっとおしくて堪らなかった。特に------------。
緒方「杉本は最悪だ・・・。」
す「呼んだー?」
緒方「ウッワア!!★!なんでお前がオレのマンションにいるんだ!?勝手に入ってくるな!!」
す「管理人さんに”妹ですぅ。かぎ忘れちゃってー”と嘘をついて入ってきたよーハハハ。」
緒方「笑うな!今すぐに出てけ!」
す「ヒドーイ。せっかく私がおがっちの為に友情を込めた朝食を作ったのに。とっとと起きて食べちゃってよ〜。」
緒方「メシ!?お前が?」
・・・・・なんか嫌な予感がする。
緒方「メニューはなんだ?」
す「純和風ですよー、メインはお魚・・・・・あれ、おがっちどこ行くの?」
オレは一目散にリビングに置いてある水槽に走った。
緒方「一匹、二匹、三匹・・・・・。」
す「アンタ何、数を数えているのよ、ヤな感じ〜。あ!お魚にもエサあげないとね〜。」
緒方「バカヤロウ!オレのお魚に近づくな!」
す「ム〜、おがっちのケチ!」
緒方「お前がオレのお魚達にしてきたことを思えば近づけさせたくもなくなるぜ!!!」
す「ヒドーイ、こっちは親切で世話をしてあげたのにー。」
緒方「いいから、もう帰れ。」
す「今日は朝からヒマだから、おがっち何処かに連れていってよー。ねーねーねーねー!」
緒方「聞こえない、聞こえないぜ。オレは今日は急がしいだ。これから棋院に行って進藤ヒカルにちょっかいをかけに行く予定だし
その後はアキラくんの家に行って進藤情報でモンモンとさせる予定だし、とにかく色々と大変なんだぜ!」
す「おがっちクラーイ。そんなことばっかやっているからアンタ未だに彼女もいないのよ。」
ガ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ン!!★!!!
緒方「う、煩い!そんなことはお前には関係ないんだよ!」
す「カワイソウだから今日は幼馴染でカワイコちゃんの私が付き合ってあげようー。さ、これから百貨店に行くぞー★」
気がつくとオレは新宿高島屋に来ていた。
緒方「なんでこうなるんだ?」
す「うわ−、このピアス可愛い〜。おがっち買って!」
緒方「なんでそうなるんだ!」
す「ブブー、おがっち年収2000万の男なんでしょう。ティファニーで20万くらいの買い物なんて、どうって事ないじゃーン。」
緒方「どうって事あるぜ!」
す「ブブブーけちんぼ!」
緒方「ハア・・・・。」
す「私カワイソー、おがっちのけちん坊!同じ坊なら本因坊をとれっつうの!」
緒方「!このアマ、言いやがったな!」
すげえムカツク!!こんな女は今すぐお仕置きだ!
す「イヤ〜ン、ぶったー!ウワ〜ン!!」
緒方「え?」
オレはまだ何もしていないぞ。・・・・は!
気がつくと周囲の客がオレ達を見ている。
アベック女「ヒドイ男!彼女に暴力を振るっているわ!」
アベック男「女に手を出すなんて根性が曲がってやがるぜ!」
ち、違うんだ!こいつが勝手に泣きやがるんだ!・・・・・・・・・・は、はめられた!!
緒方「杉本、こんなところで嘘なきするな!」
す「ウワワ〜ン、ひどいわー。アアアアーン!」
杉本の大声でますます人が集まってきた。
店長「お客様、申し訳有りませんが店内で騒がれると他のお客様のご迷惑になりますので・・・・。」
す「そうですよね・・・ヒック・・・おがっちがこのピアスを買ってくれれば丸く収まるのに・・・。」
店長「お客様いかがですか?ココはひとつステキな彼女に仲直りの印としてプレゼントされませんか。」
す「ワア!仲直り!」
緒方「こいつはオレの彼女じゃない!違うんだ!」
す「ヒドーイ、ウワーン今日だって私の作った朝食をおいしそうに全部食べたくせに〜!」
アベック女「聞いた!あの男弄んでいるのよ!ケダモノ!!」
アベック男「オレが根性を入れ直してやろうか?」
店長「お客様、いかがいたしますか?」
く、クソう・・・・・・クッソー!
緒方「・・・・・買います。」
だからこいつと休みを過ごすのは嫌なんだ!
杉本は綺麗に包装された包みを手にして嬉しそうに鼻歌を歌っている。
す「ワーイ!嬉しいなー嬉しいなー★」
緒方「気がすんだろう。オレはもう帰るぜ。」
す「ダメー、これからお昼を奢ってもらうんだから。寿司屋へレッツ・ゴー!」
緒方「一人で勝手に行け!」
す「ブブー、もうおがっちの名前で赤坂の有名寿司屋に予約入れちゃったもんねー。」
緒方「何だとう!あそこはいつも仕事で使う大事な店なんだぞ!予約の取消なんて出来るか!!」
す「じゃあ早速行きましょー★」
緒方「こ、このアマ・・・!」
オレは赤坂に車を走らせた。
緒方「好きなものは買ってやったし、メシも奢ってやった。もうこれで満足だろう。」
す「うーん、今日はこれで勘弁してやるか〜ハハハ。」
緒方「お前・・・いい年して俺をからかうことしか楽しみはないのか?いつまでも家事手伝いばかりしてないで嫁に行くか
働くなりしろ!」
す「働いてるよー。」
緒方「へえ、どこで?」
す「日本棋院の売店。」
緒方「ブフッ!嫌がらせか!!!」
す「暇つぶしですー。棋院のバイトっておもしろいんだよー。」
緒方「・・・・・・・・・・・・・・。」
す「私が売店で扇子を並べていたらさぁ〜。」
緒方「・・・・・・・・・・・・・・・。」
す「座間先生が扇子を買ってビックリよ〜★」
あの肉団子の座間が扇子を買うことなんか珍しくもないぜ!
す「それがさー、暇だったからこっそり扇子に落書きしたのを買われちゃってさー。」
緒方「・・・・・・・・・・・・・・なんて書いたんだ?」
す「緒方本因坊。」
緒方「す〜ぎ〜も〜と〜!!!★★!!!」
す「ハハハハ、ゴメンゴメン。」
緒方「お前の親に娘の教育をし直せと文句を言ってやる!」
す「親にチクったら、おがっちのお魚が死んじゃうかもね〜ハハハ★」
緒方「!!!お、お前なんかキライだあぁ!!!!!」
す「いや〜私達って本当に昔から変わらないね〜、おがっち、これからもよろしくねー★」
緒方「NO〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
<終わり>私の夢は緒方さんの親友になって「おがっち。」と呼ぶことです。もちろん、たかりまくりマス。
<その7>
ここは日本一有名な欲望の町・新宿歌舞伎町。
す「いらっしゃいませ、緒方さん。」
緒方「よう、久しぶりだな。これお土産。」
そう言って、このお店の常連の緒方さんは私に夕張メロンが入った箱をくれた。
す「お、重い・・・。」
緒方「ハハハ、お前が欲しがったんだろ。ちゃんと持って帰れよ。」
す「ハーイ。本場の北海道直送ですもん。ありがとう緒方さんvv」
そういって緒方さんのほっぺにチュウをしてあげた。緒方さんとはもう10年の付き合いだ。もちろんお客と風俗嬢としての関係だけど。
緒方さんの筆卸しも私が担当したのよね。
す「?緒方さん北海道に行ってなんか痩せた?ほっぺたにお肉がないわよ。」
緒方「そうか?気のせいだろ。それより・・・・」
す「キャ!緒方さんどこ触っているの、もう元気なんだからv」
緒方「たまっているんだよ。」
す「フフフ、じゃあ服を脱いでバスルームで横になってね。そしたら、う〜んとサービスしてあげる。」
緒方さんはいつもの様に手馴れた手つきでバスルームに入っていった。さて、お仕事しますか。
す「ねえ緒方さん、やっぱり痩せたんじゃない?」
身体を洗ってあげながら気になったので聞いてみた。
す「なんか一回りスリムに感じるわよ。」
緒方「そうか?気のせいだよ。」
す「私に嘘は通用しないわよ。緒方さんの体のことは私が一番知っているんだから。あらん、ココもやせちゃった?」
緒方「ば、バカ!サイズを測るような手つきは止めろ!★」
す「ダメよー。しっかり洗わないと、この後のサービスを手抜きしちゃうわよ。」
緒方「おいおい、客に向かって強気な発言だぜ。ナンバー1だからってな・・・ウウ!」
私はこのままプレイに持ちこもうと緒方さんのムスコちゃんを慣れた手つきで洗いながら扱きまくったんだけど・・・。
おっかしいわね勃たないのよ。
す「緒方さん、気持ちイイ?」
緒方「ウ・・ああ。」
緒方さんは快感に顔を歪めている。おかしいわね、いつもならビンビンでカチコチになっているのに。やり方を変えてみるか。
す「ねーえ緒方さん、今度は私を洗ってくれる?」
緒方「ああ、いいぜ。」
緒方さんは待ってましたといわんばかりの勢いで身体を反転させると私の身体に圧し掛かってきた。こういう所はいつもと
変わらない緒方さんのような気がするけど・・・。
す「ア、アア緒方さん、相変わらずエッチな指使いなんだから・・・!」
緒方「ゴットフィンガーと呼んでくれ。」
もう緒方さんったら得意げな顔しちゃって。私がテクニックを仕込んであげたんでしょう。でも折角のテクもあまりプライベートでは
使っていないみたいね。頻繁にウチの店にくるものね・・・。
す「緒方さん、私のほうは準備OKよ。・・・?」
緒方「・・・・・・・・・・。」
あらあら、やっぱり勃たないわ。おかしいわねえ・・・・。
す「緒方さん疲れているの?今日は止めとく?」
緒方「す、スマン・・・・。」
私は下着をつけると緒方さんにタバコを差し出した。
す「男の人ならこういうのは珍しくないわよ。」
緒方「あ、ああ・・・。」
す「なんかストレスでもたまっちゃった?話し聞くわよ。」
そう優しく言うと緒方さんはいきなり泣き出した。
緒方「聞いてくれ〜〜!タイトル取れなかったんだよ〜〜!!」
す「新聞読んで知ってるわよ。いいじゃない、まだまだこれからよ。」
緒方「オレもそう思ったんだけどよー、ジジイの奴、祝賀会でオレにからみまくりやがったんだぜー!」
す「ジジイ・・・ああ、本因坊のおじいちゃんね。」
緒方「クウ〜〜〜、くやしい〜〜〜!!!!!!」
そう叫んで緒方さんは更に大泣きした。
す「ジジイのイジメなんか気にしちゃダメよ。緒方さん若手トップでしょ。」
緒方「う、うん。」
す「若手トップって凄いわア!」
緒方「そ、そうだよなっ!」、
す「そうよー、それにあの有名な塔矢門下生の柱でしょう!皆さんも緒方さんの今後に期待してるでしょ・・・?緒方さん??」
緒方「ウ・・・ウウ・・・ウワワ〜〜〜〜〜★★」
す「ど、どうしたの!いきなり・・・。」
緒方「オレはもうお終いだあ〜!!」
す「なんで?」
緒方「グスングスン・・・・。」
す「ほーら、涙を拭いて。もう緒方さんってば昔から泣き虫なんだからー。」
そう言って緒方さんの涙をハンカチで拭いてあげる。そういえば緒方さん、筆卸しの後もオレは男になったんだーって感激して
泣いちゃったのよね。本当に泣き虫屋さんなんだから。
緒方「聞いてくれよ〜オレが先生の家にいったらオレの席がなくなっているんだぜ〜★!!ウワアア〜〜〜〜!!!!!」
す「まあまあ。」
緒方「しかもオレの席に芦原が座っていたんだぜー!!!NO〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
す「緒方さん大声出しすぎ・・・・芦原さんって確か後輩の人よね。その人囲碁強いの?」
緒方「オレの方が強い!・・・・強いのに〜〜〜!」
す「よしよし。頭撫でてあげるから泣き止みなさい。」
緒方「シクシク・・・。」
す「それで緒方さんどうしたの?」
緒方「う、うん。すぐに芦原をどついて座布団を奪ったんだ。そしたら・・・。」
す「そしたら?」
緒方「アキラくんに”緒方さんは今日からココの席ですよ。”って、一番下の席を指されたんだぜー。ショックだぁ〜!!」
す「アキラくん・・・名人の息子ね。そんな失礼で生意気な子は叱ってあげたら?」
緒方「オレもそうしたぜ!そうしたら・・・。」
す「そうしたら?」
緒方「”だってお父さんがそう言いましたから。”って言われた!あの親子は鬼だあ!!!」
す「まあヒドイ。それで緒方さんどうしたの?」
緒方「グスグス・・・。先生に文句を言いに行ったぜ・・・。」
す「あら、やるじゃない!」
緒方「でも”ウチは弱い棋士には用はないぞ。くやしかったら今度のタイトル戦で漢を見せろ!”と言われた・・・。」
す「厳しい世界なのね。」
緒方「それ以来アキラくんや芦原の態度がデカイんだよう〜!!」
す「緒方さんプライド高いもんねえ。目下にそんな態度とられると嫌なんでしょう。」
緒方「ムカツクー!クヤシイー!!ウウオオオオ〜〜〜〜!!!」
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
す「あら店長・・・・・・・え、緒方さんの声がうるさいって他の部屋から苦情が!?スイマセーン。」
緒方さん「グッスン、グッスン。」
す「ほら緒方さん、そろそろ時間だし泣き止んで。緒方さん繊細なんだから・・・それで勃たなくなっちゃたのね?」
緒方「オレ一生このまま勃たなくなったらどうしよう!?」
す「緒方さん、そんなに思いつめないで。まだ若いんだから大丈夫よ。」
緒方「そんなの判らないぜえー!ウウウ・・・。」
す「もう・・・今夜は緒方さんで最後だからちょっと店の外で待っていなさい。帰りにラーメン奢ってあげるから。」
緒方「う、うん。待ってる。・・・・なあ。」
す「なあに?」
緒方「いつもスマナイな。」
す「アラいいのよ。お客さんの悩みを聞くのもお仕事だから。それに早くストレス解消してもらわないと商売あがったりだもの。」
緒方「オレも早くタイトル取らないと商売あがったりだぜ・・・グッスン。」
す「アラ緒方さん今の落語のオチみたい!おもしろいから座布団10枚!!」
緒方「座布団・・・・・ウウ、ウウワワアア〜〜〜!!!!!」
す「やだ、緒方さんったら・・・ほら、泣かないのー。あ、そうだ。メロンついでだから持っててね、重いからさ。」
緒方さんは泣きながらメロンを持って店から出ていった。
す「フウ・・・お客さんの相手も大変だわ。」
私は呟きながらも今夜はエッチなしでお金もらえたから逆にラッキーかも。なんて緒方さんのストレスを少しだけ喜んだ。
<終わり>やってしまいました風俗ネタ。風俗嬢に泣きつく緒方さんを見たかったんですー。つーか緒方さんって風俗のお世話に
なっていそうだと・・・緒方さんはナンパではヤれないでしょう。(ヒドー!)
緒方さんと私のカラミがキツければテキトーに白川先生やアナタに変換してお読み下さい。
<その6>
プロ棋士になってもう10年。世間からはさぞ贅沢で派手な暮らしをしているんだろうと思われているがオレの暮らしはいたってシンプルだ。
=7時=
緒方「ファアアア。」
もう朝か。夕べはネットのやり過ぎで余り眠れなかったせいかとても眠い。しかし今日は午前中から棋院で指導碁が入っているので
もう起きないといけない。
オレは眠気を覚ますために風呂に入ることにした。
緒方「フフフ、この頃成果が出てきたかな。」
洗面所の鏡に映った自分の裸体に思わず見入ってしまう。この盛り上がった筋肉、きゅっと敷きしまったヒップ、厚い胸板、男らしいのど仏。
緒方「何処をとってもセクシーだぜ。お前。」
そう囁いて鏡の中のオレにウインクをする。
=8時=
朝食はいつもしっかりと採ることにしている。以前は面倒なので採らなかったがテレビで朝飯抜きはバカになると言っていたのを聞いて
考えが変わった。プロ棋士たるもの頭の回転が鈍ったらおしまいだからな。
緒方「アア〜♪オレってプロの鏡だぜえ〜♪」
卵を割ってフライパンで先に焼いておいたベーコンの上に落とす。
緒方「卵は〜半熟〜♪アキラが〜泣くから〜♪」
おっとパンが焼けたな。オレはトースターからパンを取るとバターを薄く塗った。
緒方「今日もオレは〜いい男〜♪日本棋院の〜いい男〜指導碁指名も〜今月トップ〜♪」
コーヒーをカップに注いだら朝食の出来あがりだ。トーストにベーコンエッグ、コーヒーと簡単なものだが朝はこれで充分だぜ。
緒方「いただきます。」
俺は手を合わせ食事の前の挨拶をした。
=10時=
棋院の人「緒方先生おはようございます。」
緒方「グットモーニング。」
棋院の人「今日のスケジュールですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
棋院の職員はそう言うとオレの一日のスケジュールをスケジュールボードを見ながら伝えてきた。まったく人気者は辛いぜ、まるで
マネージャーにスケジュールを伝えられるアイドルの気分だな。
緒方「OK,OK.アイドルはファンの期待を裏切らないぜ。」
棋院の人「はあ?」
緒方「さあ、行こうか。」
棋院の人「何処に行かれるんですか?」
緒方「もちろんオレのステージへさ。」
=指導碁=
一般の人「緒方先生、本日もよろしくお願いします。」
緒方「こちらこそよろしくお願いしますよ。」
オレは特上の営業スマイルで微笑んだ。
一般の人「そういえば先日、仕事で接待碁を受けましたよ。」
緒方「ほう。確か君は都議の秘書をしているんだったな。どこで接待碁なんて受けたんだ?」
秘書「ふれあい囲碁まつりですよ。」
緒方「ああ、日本棋院普及部主催のアレか。で、講師はダレが?」
秘書「塔矢プロですよ。名人のお子さんの。」
緒方「アキラくんか!」
アキラくんが接待碁をしたなんて初耳だ。そうか・・・・あの子ももう接待碁が出来る年になったんだな・・・成長したんだなあ・・・・
ついこの間までは幼稚園に通っていたのに・・・・・・・。
秘書「緒方先生どうかされましたか?」
緒方「いや、何でもアリマセンよ。」
いかん、アキラくんの成長振りに思わずホロリときてしまったぜ。
緒方「塔矢プロなら、さぞ都議も満足されたでしょう?」
なんたってウチのアキラくんがお相手をしたんだからな!!!
秘書「クックック・・・おもしろかったですよ。まさか四面打ちで持碁をするとは思いませんでしたから。」
緒方「何ィ〜〜〜〜〜〜〜!!★」
あんのバカガキ!!!!!大事な接待で持碁だとぅ!?お得意様が減ったらどうするんだ!!!都議といったらアレだぞ。偉いんだぞ!
緒方「なんと言って良いか・・・・申し訳ない・・・。」
秘書「いいえ、おもしろかったからいいんですよ。」
あのバカガキ、今度会ったらお尻ペンペンだぜ。もちろん先生のいない所でだがな。
=5時=
アキラ「緒方さんいらっしゃいませ。」
緒方「おじゃまするよ。おや、芦原はもう来ているのか、早いな。」
アキラ「今お茶をお持ちしますよ。」
緒方「いや、いいよ。それよりアキラくん、ここに座るんだ。」
アキラ「?どうしたんですか緒方さん。」
芦原「緒方さんなんか怖い顔ですよ?」
緒方「うるさい。アキラくん、ふれあい囲碁まつりで都議に持碁をしたそうだね。何を考えているんだ、大事な接待碁に・・・。」
アキラ「・・・・・スイマセン。」
芦原「緒方さん、それは・・・・。」
緒方「君はだまっていろ。アキラくんいいか?プロ棋士ってやつは碁が打てればイイってもんじゃナイ。プロってものは〜」
オレはえんえんとプロのなんたるかをアキラくんとついでに芦原に教えてやった。二人とも神妙に俺の話を聞いて・・・・・。
緒方「寝るな-------------------!!!!!」
アキラ「あ、スイマセン。つい・・・・」
芦原「緒方さんの話って長いんだモンな〜。」
クッ!これだから最近の若いヤツは嫌いなんだ。俺の若い頃はもっと目上の言うことは謙虚に聞いていたぞ。
緒方「口で言っても判らんヤツにはお仕置きだ。アキラくんお尻を出しなさい。」
アキラ「え?緒方さん何を?や、止めてください!」
芦原「緒方さん何をするんですか!!」
緒方「うるさい。芦原お前最近ナマイキだぜ。お前も尻を出せ。」
芦原「ええっ!や、止めてください緒方さんっ。」
アキラ「お、緒方さんイターイ。ゴメンナサーイ。」
芦原「これからはちゃんと話をききますから〜。」
緒方「本当か?」
オレはパーンパーンと叩いていた手を止めた。二人のお尻は何十回もぶたれたためか服の上からでも腫れているのが判る。
緒方「今度、粗相をしたらまたやるからな。」
「はい・・・。」
二人ともよほどキイたのかおとなしくなった。たまにはこれくらいキツイお灸を据えないとこいつらはすぐに調子に乗るからな。
若い弟弟子の面倒を見るのも大変だぜ。
=9時=
オレはいつもの様に車を路上に止めて家の近くのコンビニに立ち寄った。今日の買い物は明日のパンに牛乳に卵・・・あと
トイレットペーパーもそろそろ買っておかないと。あ、あれ?
緒方「売りきれている・・・・。」
オレは急いでレジに行くと店員にこっそりと聞いた。
緒方「おい、トイレットペーパーが売りきれているぞ。在庫はナイのか?」
バイト「あ〜トイレットベーパーですか〜?」
でかい声で聞き返すな!!
バイト「ちょっと見てきますね〜。あれ〜、ないな〜。店長、トイレットペーパーきれていますよ〜〜。」
そう店中に聞こえる大声で叫ぶ店員にオレは殺意を覚えた。クソ、恥をかかせやがって・・・・。
他の客がさっきからオレをジロジロと見ている。なんで今日に限って若い女の客ばかりなんだっ!?
=11時=
風呂から上がりオレはベットルームに行った。これから一日のシメをしないとな。
緒方「さーて、今夜も張り切っていくぞ!」
オレは某運動マシーンにまたがると勢い良く手足を動かした。このマシーンは深夜番組の通信販売で購入したんだぜ。
外人のお兄ちゃんお姉ちゃんが笑いながら運動しているアレだ。一目見てこれは買わなければと決め注文したんだ。
緒方「オレって外人っぽーい。」
ああ、とびちる汗がカッコイイぜ。
緒方「コレ使っていたら自然に彼女が出来たってマイケルもジョージもインタビューで答えていたモンなー。」
オレは体中の汗がきらきらと輝くのを見てうっとりした。
緒方「オレにも彼女いつできるのかなー?」
こんなに身体を鍛えているんだからきっともうすぐ出来るだろう。彼女もオレのボデイにメロメロになるんだぜ!
緒方「さあ、今夜も燃え燃えだぜ!」
オレは更に激しく手足を動かした。
<終わり>緒方さんの日常ってこんなカンジ?かと思ったんですが本当にこんなのだったらかなり幻滅です。
<その5>
ここはカジュアルブランドで有名なGAP。最近のオシャレさんはカジュアルをカッコ良く着こなしているんだよね。おかげでウチの
ショップは大流行だよー。ウヘヘヘヘ♪
す「いらっしゃいませー。」
今日も開店から大忙し。日曜日ともなると若い客がとっても多い。最近は中学生も買いに来るのが当たり前で親からいくら貰うのか
知らないけれど仲間連れで買いに来る。
メッシュの子「和谷ー、オレこれにしようかな?」
和谷「お、いいじゃん。進藤に似合うと思うぜ。」
進藤「エヘヘヘ。やっぱオレって何着ても似合う?みたいなぁ。」
和谷「バーカ、何言ってんだよ!お前なんかそこの女物のTシャツ着てろ!」
進藤「なんだとー!和谷なんかあっちのセール品で充分だっ!」
こんな光景も特別珍しくはないんだけど・・・・・・・・・・・。
私はさっきから売り場の隅で隠れる様にしてこの中学生くらいのお客さん達のやり取り伺っている男の子を見た。
なんかこの男の子は見るからに怪しい。今時珍しいおかっぱ頭で服装もウチの客層とは明らかに違う。服を買いに来たようには見えないけど・・・・?。
進藤「お姉さん、これ頂戴。」
す「あ、ハイ、ありがとうございます。税込みで8295円になります。」
レジを打ちながらも妙におかっぱ頭の子が気になる私。なんかヤだなー。あの子こっちをジーと見ているよ。というか進藤と呼ばれている子を見ている。
す「お客様もしかして、おかっぱ頭のお友達の方がいますか?」
進藤「え!?いないよ。」
そのとたん私達の会話が聞こえているかの様におかっぱ頭の子がビクリと肩を振るわせた。な、なんかヤバイ感じ!
す「そ、そうですか・・・・ハハハ。」
和谷「これ下さい。・・・?どうした?」
進藤「なんかさ、店員さんに”おかっぱ頭の知り合いがいないか”って聞かれちゃってさあ。」
和谷「ゲ!★!最悪。」
そう言うと和谷と呼ばれている子は頬を膨らませた。なんだ、やっぱり知り合いにいるのね。でも仲が悪いのかしら?
す「スイマセン。さっきからお客様たちを売り場の隅で見ている方がいらっしゃったものですから。」
進藤「えっ!?どこ?」
進藤くんが振り返ろうとしたとき、ものすごい勢いでおかっぱ頭の子は<いかにも服を選んでいます>という様に商品を手にしまくっていた。
進藤「あ!塔矢。」
塔矢「やあ進藤じゃないか。偶然だね。」
す「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
和谷「なんでお前がここにいるんだよ!」
塔矢「君には関係ないと思うよ。進藤もう服を買ったの?」
進藤「あ、ああ。」
塔矢「どれ買ったの?」
進藤「あ、あそこにあるTシャツ。」
塔矢「ああ、あれか。かわいいね。」
進藤「カッコイイの!」
塔矢「アハハ、そうだね。」
和谷「ムッカー!進藤、もう行くぞ!!」
進藤「あ、待てよ。じゃあな、塔矢。」
塔矢「さようなら。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・店員さん。」
す「ハッ、ハイッ!!」
塔矢「今の男の子が買った服、全部下さい。」
す「毎度ありー!!!」
塔矢と呼ばれた子は大急ぎで精算するとさっきのお客さんたちが歩いていった方に走っていった。あれはもしかして今、流行の・・・。
す「ストーカー?」
お客「君、ちょっといいかな?」
す「あ、ハイ。」
呼ばれて振り返るとそこには20代後半の男の人がいた。
お客「この服のサイズだが短くないか?」
す「ああ、これはこういう服なんですよ。七分丈のパンツが今年は人気なんです。」
お客「そうか・・・・白はないのか?」
す「申し訳ありませんが白はないんです。」
お客「何故だ?」
す「最近では需要が少なくて・・・・いい色なんですけどね。」
私はこのお客様のご機嫌を損ねない様に答えた。本当は白のパンツなんて誰も欲しがらないから置いてないんだけどね。
お客「そうか。・・・最近はこういう店で買い物をするのが流行りときいたんだが。」
す「そうですね。今時スーツにネクタイで休日でも街を歩いている人は時代遅れですから。ウフフ。」
お客「そ、そうだぜ。は、ハハハ。」
す「お客様は今日はパンツ以外にも何かお探しですか?」
お客「ああ、・・・・・一通りのワードロープを買いなおそうと思ってな。」
す「そうですか、どうぞご自由にご覧下さい。」
お客「あ、君!一緒に選んでくれないか?」
す「?よろしいですよ。お客様はどんなカジュアルスタイルなんですか?」
お客「え!?・・・・・えー、その・・・ご想像に任せるよ。」
うーん、そう言われても・・・・このお客様の外見はメガネにYシャツ・ちょっとセンスの悪いチェックのベスト・光沢のある黒いパンツ。
・・・・・・・・ああそうか、このお客様はカジュアルなれしていないんだ。
す「じゃあ私がお客様をコーデイネートしてもよろしいですか?」
お客「あ、ああ、頼む。」
ウヘヘヘ♪金持ってそうだから高いのを選ぼうっと。
お客「この店、混んでいるんだな。」
す「休日は若い方が見えますから。先程も中学生くらいのお客様が買い物をされたんですよ。」
お客「ほお。オレにもそれくらいの年の知り合いがいるよ。」
す「そうなんですか。どんな子なんですか?」
お客「うーん・・・・おかっぱ?」
す「ブッ!★!」
お客「どうした?」
す「い、いえ・・・・・さっき変わったお客様が見えて・・・・その方も中学生くらいのおかっぱ頭だったので、つい。」
お客「ハハハ、まさかメッシュの頭の子をつけまわしていなかったか?」
す「・・・・・・・・・・・・・・・。」
お客「・・・・・・・・・・・・・・。」
す「お知り合いなんですか?」
お客「いや、他人だよ。」
場所は変わってここは塔矢家の研究会。
芦原「ハー、今日の研究会も厳しかったなあ。研究後のアキラくんが煎れてくれるお茶を飲むとホッとするよ。」
アキラ「いやだなあ、芦原さん。」
緒方「アキラくん、今日は昼間は何をしていたんだい?」
アキラ「今日は買い物に行きましたよ。あとゲームセンターにも。」
芦原「アキラくんがゲーム?めずらしいね。さては友達と行ったな。」
アキラ「ハハハ、まあそんなところです。」
緒方「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
アキラ「緒方さん、何ですか?」
緒方「い、いや。」
芦原「アキラくん、どんな子と遊んだんだい?やっぱ同じ学校の子?」
アキラ「いいえ、別の中学です。」
芦原「へー。じゃあ小学校の時の同級生か。どんな感じの子?」
アキラ「うーん、まあ同級生というか・・・・明るくてとってもカワイイ子ですよ。今日も洋服を一緒に買いに行ったんですけどとっても
カワイイTシャツを買ったんです。僕も同じのを買ってきたんですよ。」
芦原「へー、仲良しなんだね、ペアルックかあ!」
緒方「一緒・・・・?ペアルック・・・・・?」
アキラ「おそろいのTシャツなんて照れちゃうけど”これカッコイイ”っていうから・・・・。」
芦原「アハハハ親友っていいね!」
アキラ「芦原さんったら、親友だなんてそんなにはっきり言わないで下さいよ、照れるなあ。」
緒方「親友・・・・?」
アキラ「緒方さんさっきから何独り言を言っているんですか?」
緒方「い、いや、何でもないよ。」
オレはアキラくんに本当に一緒に服を買ったのか?ゲームセンターで遊んだのかを問い詰める気にはなれなかった。
問い詰めたら何故だか怖い答えが出る気がするからだ。
芦原「アハハハ、アキラくんの友情にカンパーイ。」
アキラ「カンパーイ。」
<終わり>(アキラくんファンとしては書いてはならない妄想を披露してしまいました。)
<その4>
オレ緒方20歳。最近新しい車を買って機嫌がいいんだぜ。どんな車かって?なんだよ、乗りたいのか?
名人「緒方君、それではよろしく頼むよ。」
緒方「はい、任せてください。」
アキラ「お父さーん。」
緒方「アキラくん、これからお父さんは北海道にお仕事をしに行くからお家で良い子にしてお留守番してようね。」
アキラ「お父さーん、ああーん。」
名人「クッ!アキラッ!!」
緒方「先生!何アキラくんを抱きしめているんですか。早くしないと飛行機に乗り遅れますよ!」
名人「ウウ・・・・アキラ、すまない。お父さんさっさと本因坊を獲って帰ってくるからな。緒方君の言うことをよく聞いて
お利口さんにしているんだよ。」
アキラ「うん、お父さん。」
名人「緒方君、くれぐれもアキラの事をよろしく頼むよ。朝の対局はもちろんだがアキラは朝ご飯に半熟の目玉焼きがないと
ご機嫌が悪くなるんだ。それと幼稚園のお弁当にはちゃんとウサギさんの形に切ったりんごを入れてくれ。送り迎えはアキラが
誘拐されないように必ず車で頼むよ。」
緒方「はいはい・・・・。」
朝から何十回も同じ事を言われているので適当に返事をしていると先生がオレの顔をじっと見つめてこう言った。
名人「緒方君、事故るなよ。」
こ、このジジイ・・・・ムカツク・・・・・・。
緒方「ハハハ、嫌ですよ先生。安心してください。さあ、もうさっさと出かけてくださいよ!」
そう言ってオレは先生を追い出す様に送り出した。
名人「アーキーラー!!!」
アキラ「お父さーん!」
緒方「さあアキラくん、おやつにしようね。」
うっとおしいのでオレは先生の叫びを無視してアキラくんと家の中に入った。まったく、いくら門下生といってもガキの世話まで
させるなよ。これからこのガキの世話をしないとならないのかと思うとかったるいぜ。
アキラ「緒方さん、このケーキおいしい。」
緒方「ハハハ、それはよかった。おやつを食べたらオレは夕飯の仕度があるからアキラくんはお利口さんにしてテレビでも見ててくれ。」
アキラ「うん。」
よしよし、この調子でいうことをきけよ。
夕飯の後、オレはアキラくんを風呂に入れることにした。
アキラ「緒方さーん、くすぐったーい。」
緒方「ちゃんと足の裏も洗わないとダメなんだぞ。」
アキラ「キャハハ。」
コラッこのガキは!折角オレがかいがいしく体を洗ってやっているのに、くすっぐたいと言って暴れやがって。くそぅ、オレだって
好きでやっているんじゃねえ!
緒方「大体、同じ洗うなら若いお姉ちゃんの方がいいっちゅーんだ。」
アキラ「お姉ちゃん?緒方さん、お姉ちゃんとお風呂に入るの?」
緒方「ああ、たまにな。・・・・・・!」
しまった、つい口からポロっと出てしまった。・・・まあいいか。ガキには意味なんてわからねえよな。ん?アキラくんどこを
見ているんだ?
アキラ「緒方さんの、お父さんのと違うよー。」
緒方「ギャア!★」
突然アキラくんにオレの大事な大事なムスコを思いっきり引っ張られた。
アキラ「緒方さんの色がキレイ。」
緒方「や、やめ・・・・い、色?」
アキラ「うん!お父さんのはね、真っ黒なの!」
緒方「ブッ!!」
あ、あのジジイ・・・・・使い込んでやがる・・・・・。
アキラ「それでね、いっつもお風呂に入るとこう言うの。”アキラも大きくなったらお父さんみたいにぶっ太くなるぞー。”って。」
緒方「ゴッフンゴッフン!!★」
アキラ「大丈夫、緒方さん?」
あ・・・・あのジジイ・・・・・アキラくんになんてことを言いやがる!!大体、黒くてぶっ太いだとぅ!!クッ・・・・・クソッ・・・・・。
緒方「アキラくん、もう出ようか・・・・。」
アキラ「はーい。」
なんだか、とっても悔しい・・・・・・・・・・・。
翌日、オレがアキラくんと朝食を食べているとアキラくんは突然ぐずりだした。
アキラ「う、ウウワワーン!!!」
緒方「な、なんだアキラくん。何かキライなものでもあったのかい!?」
朝食はガキ好みにオレンジジュース・蜂蜜たっぷりのパン・目玉焼き・ヨーグルトにしたんだ。なのになぜ泣く!!?
アキラ「緒方さんのバカー。ウウワワーン!!」
緒方「馬鹿とはなんだアキラくん!!怒るぞ!」
アキラ「ウギャー!!!!!お父さーん!!!」
クッ、先生の名前を出されると弱い・・・・・・あとでチクられたら面倒だしな。
緒方「ハハハ御免よ。お兄さん少し興奮していたな。アキラくんなんで泣くのか教えてくれないか?」
アキラ「ヒック・・・・・ヒック。目玉焼きがね、柔らかくないの。」
しまった!先生からキツク言われていたぜ。・・・・・・・・・ああ、あのジジイ、息子を甘やかしやがって、目玉焼きなんか硬かろうが
柔らかかろうがどっちも食えるんだよ!!
緒方「アキラくん明日から気をつけるから機嫌を直して。ほら、もう幼稚園の時間だからね?」
アキラ「ヒック・・・・うん。」
オレは泣きじゃくるアキラくんに制服をきせると抱える様にして車に乗せた。
緒方「アキラくーん、お迎えに来たよ。」
アキラ「緒方さーん。」
アキラくんはオレの車を見つけるとヒヨコの様にちょこちょこと寄ってきた。
周りのガキ「おい、塔矢のヤツ、知らないオジさんについて行くぞ!」
周りのガキ2「あいつヤクザだ!オ、オレ、テレビで見たモン!」
周りのガキ3「塔矢のヤツ、車に乗ろうとしているぞ!」
周りのガキ「せんせえーーー!!塔矢くんが変なオジさんに誘拐されてるーーーーー!!!!」
緒方「え?」
幼稚園の先生「キャアー!誰か、誰か警備員を呼んでください!!園児が攫われるウ!!!」
緒方「ち、違う!!」
警備員「君!!ちょっと話がある!!」
緒方「ちょ、ちょっと待ってください!」
警備員「いいから来なさい!」
幼稚園の先生「アキラくーん!よかった、無事でよかったわあ!」
アキラ「せんせー。」
緒方「違うんだ!あ、アキラくん何とか言ってくれ。」
アキラ「バイバーイ」
幼稚園の先生「それにしてもお迎えの人は遅いわねえ・・・・・。」
数日後。
名人「アキラ!今帰ったよ!」
アキラ「お父さーん。」
緒方「お帰りなさい先生。」
名人「おお、緒方君ご苦労だったね。アキラの世話をしてくれて感謝しているよ。」
緒方「感謝だなんて、オレは当然のことをしただけですよ。それに子供は大好きですからハハハ。」
名人「アキラ、緒方君は優しかったかい?」
アキラ「うん!あのね、緒方さんのおやつおいしいの!」
名人「そうかー。」
よしよしアキラくん、もっとオレを誉めろ。
アキラ「それでね、お風呂も一緒に入ったの。」
名人「体ちゃんと洗ってもらったかー?」
アキラ「うん!あのねー緒方さんの小さかったんだよ。」
緒方「ブウッ!★」
名人「小さい?」
アキラ「うん!お父さんの方がおっきいの。」
名人「ハハハハ!!そうかそーか。緒方君これからこれから!」
そう大声で笑いながら先生は俺の肩をバシバシ叩いた。
緒方「・・・・・・ハハハ・・・。」
アキラ「緒方さんね、お姉ちゃんとお風呂に入るんだって。」
言うな!!このマセガキ!!
名人「ほお、緒方君もやるな。ワハハハ」
先生は大笑いしながらそう言うと今度はオレのケツをバシバシと叩いた------------。
アキラ「僕、緒方さんだーい好き。」
名人「そーかー。じゃあ来月の王座戦も緒方君にアキラの世話をおねがいするよ。緒方君よろしく頼むよ。」
ゲ!!図々しいにもほどがありやがる!
緒方「ハッハッハ、いいですよー。」
ああ、オレって門下先を間違えたのかも-----------------。
<終わり>こんなに尽くしたアキラくんに「本因坊を絶対に獲ってくるって言っていたのにガッカリです。」とか
「緒方本因坊!あ・・・スイマセン。負けたんでしたね。」とか言われていたら緒方ファンとして同情します。
<その3>
わたし、白川ゆきよ。そう、日本棋院が誇る「温和でステキな講師してほしい棋士ベストオブイヤー」に毎年選ばれている
あの白川七段のオ・ク・サ・ンなのよキャハツ☆え、どんな汚い手を使ってモノにしたのか?ですって。
別に汚い手なんて使っていないわ。近所の見合いおばさんにワイロを渡してセッテングしてもらっただけよ。でもね、
ビックリよー。彼のプロポーズの言葉がね、
「僕と仮面夫婦になって下さい。」
なんだモン。彼ったら見合いの席で私の趣味が<ホモ雑誌読むこと>と知ったとたんノリノリでお付き合いOKしてきたのよ。ウフ。
そういえば結婚式で白いスーツを着てきた非常識な男がいたのよ。その人ったらね、式の前に新郎の部屋に篭ったまま
出てこないのよ。アレが彼のお相手なのね、とそのとき思ったわ。メガネ同士でいいカップリングだわvvってドキドキしちゃった☆
ダーリン「ただいまー。」
ゆ「お帰りなさい、ア・ナ・タ。お風呂にする?それともご飯が先?それとも・・・・。」
今夜こそはHに持ち込みたい私なのよ。新婚旅行中もなんだかんだと理由をつけられて一度もHできなっかたんだもんっ。
ダーリン「ゴメンネ、連絡するの忘れていたんだけど今日、緒方君を連れてきたんだ。一緒に夕食を食べてもらおうと思って。」
緒方「こんばんわ、緒方といいます。奥さんとお会いするのは2度目ですね。」
あ!この人だわ。白いスーツの人。式が始まったばかり・・・彼がバージンロードを先に歩いたときに大泣きしたので参列者が
ビックリしていたのよね。私、もう笑いをこらえるのに大変だったわ。
ゆ「まあ!緒方さんいらっしゃいませ。是非、夕食を召し上がって下さい。あ、なんなら今夜泊まっていきます?」
ダーリン「わあ、大歓迎だなあ。緒方君、泊まっていきなよ。」
緒方「・・・・じゃあ、お言葉に甘えて。」
彼のハニー・緒方さんは私の顔をキツネにつままれたかのように不思議そうに見た。ウフフ。私がホモ好きって事は彼から
聞いていないのね。
ゆ「じゃあ、先にご飯にしちゃいましょう。」
夕食の後、私はお酒を飲みながら談笑することを提案したの。だって、その方が色々と好都合でしょ?
ゆ「緒方さんって九段なんですか、すっごーい☆」
緒方「ハハハ。でもこの間タイトルを逃してしまいましてね。今は十段戦に挑戦中ですよ。」
ゆ「あら?十段戦って・・・・・?」
ダーリン「今、僕が挑戦しているタイトルだよ。ちょうど5次予選の最中なんだ。もうすぐきっと緒方君と当たるかもね。」
ゆ「イヤ〜ン!じゃあ、二人はライバルになっちゃうの!?そんなの、ゆきよ悲しいィ〜。」
私、愛する二人がライバルになっちゃう路線は好きじゃないのよね。やっぱりラブラブ路線が一番だモン☆
ダーリン「ライバルかぁ。・・・・・緒方君、正々堂々と勝負しようね。」
緒方「あ、ああ・・・・本気でイクぜ。」
ダーリン「緒方君・・・・。」
緒方「白川・・・・。」
あら?二人ともみつめあってるわ。なんかライバル路線もイイかも〜☆それにしても生で男同士がみつめあうのを見ると
興奮してきちゃうわ。ああ、今夜が楽しみ・・・・。
ゆ「そろそろお風呂にしませんか?アナタ、緒方さんとご一緒にどうぞ。」
緒方「お、奥さん!?」
ゆ「あら、だって緒方さんお酒飲んでフラついていらっしゃるんですもの。お風呂一人じゃ危ないですから。」
ダーリン「だってさ。緒方君、一緒に入ろう。」
緒方「い、いいのか?」
ゆ「アナタ、ちゃんと緒方さんの体洗って差し上げてねvv」
ダーリン「もちろんだよ。さあ、緒方君バスルームはこっちだよ。」
緒方「あ、ああ。」
緒方さんは彼に抱えられるようにしてバスルームに入っていった。緒方さんって結構、状況に逆らえないタイプなのね、いいわ〜☆
さてっと、じゃあ私も覗きますか☆一度<でばがめ>っていうのをしてみたかったのよね。ウフ、ドキドキしちゃう〜。
私はそっとバスルームに入り、ドアに耳を押し当てたの。聞こえる聞こえる。
緒方「ワッ!★!白川どこ触っているんだ!」
ダーリン「ダメだよ。ちゃんとキレイにしないと。」
緒方「だからって・・・・アアッ!」
アラアラ、緒方さんったらドコ洗われちゃっているのかしら。
緒方「アッ・・・・ア・・・・ダメ、だ。しら・・・・・か、わ。お、奥さんにバレたら・・・・・・。」
もうとっくにバレているのにカワイイ緒方さんvvvvそれにしてもバスルームが広いマンションを買って正解だったわ。さあ、アナタ
頑張って!!広いからHも出来るわよ!!!
ダーリン「大丈夫。絶対バレないよ。だって・・・・・・・・・フフ、内緒。」
緒方「ア!やめ!・・・・・・アアア!!」
緒方さんが叫んだと思ったとたん中からグチュグチュと厭らしい音が聞こえてきた。あ、本番なのね。
緒方「ウ!ウウ。・・・・・い、嫌。」
ダーリン「嫌なの?」
緒方「い、嫌・・・・・・・やめちゃ、嫌だ・・・・・白川。」
イヤ〜ン、ラブラブだわ☆☆いいわ、アナタその調子で緒方さんの声をもっと私にも聞かせて!
緒方「ハウッ!や・・・・・ヤ・・・・・・・あつ、熱い、白川・・・・・・・・アア、アア、ヤア、ヤア・・・ンン・・・・・ヒッ、そ、そこっ!!」
ああ、これが男同士のHなのね。しかもお風呂でなんて、凄い、凄いわ。ああ、私、白川さんと結婚して良かった・・・・。
ゆ「お二人とも、お風呂上りに麦茶を用意しておきましたわ。」
緒方「す!スイマセン!!」
緒方さんはよっぽどのぼせたのか体中まっかっかだったの。カワイイわあ、この人☆
ダーリン「布団の用意どうしようか?」
ゆ「それならご心配なく。客間の和室に三人分敷いておいたわ。」
緒方「三人分!?」
ゆ「はい。折角ですからみんなで一緒の部屋で寝ましょう。アナタ、いいでしょう?」
ダーリン「もちろんだよ。緒方君もいいよね?」
緒方「お、奥さん、正気ですか!?よ、よりにもよって新婚なのに他の男と一緒の部屋で寝るなんて!?」
ゆ「嫌だわ、緒方さんたら。ウフフフフ。」
ダーリン「アハハハハ。」
緒方「え?・・・・・・・・・・・・・え!?白川?」
ゆ「じゃあアナタ、私もお風呂に入っちゃいますね。あ!真中が緒方さんですよ。」
ダーリン「うん。緒方君、客間こっちだよ。」
緒方「お、奥さん!?・・・・・ちょっと待ってください・・・・お、奥さん!」
緒方さんはお風呂のときのように彼に抱えられる様に客間に入っていったの。あ〜ん、どうせならお姫様抱っこで連れていって
ほしいのにィ。
さあて、私もお風呂に入りましょう。アアン、でもさっきまでアソコでHな事をしていたのよね。どうしよう、湯船に白いものが残って
いたら・・・・・。の、残っていないかしら?探さなくっちゃ☆
ああ、今夜は緒方さんを真中にして眠るのね。きっと夜中にHするわね。ウフ、だからしやすいように緒方さんを真中にしたの☆
それに隣ならバッチリ見れるものね☆☆
緒方「すっかりお邪魔してしまって。奥さん、どうもすいませんでした。」
ゆ「いいえ!なんのお構いもしませんで。緒方さん是非、また遊びに来てくださいね!」
緒方「は、はい・・・・・・。」
ダーリン「じゃあ行ってきます。」
ゆ「いってらっしゃい、ア・ナ・タvvv」
そう言いながら朝のお出かけのチュウを彼のほっぺにする。
ゆ「早く帰ってきてねvvあ、緒方さんもお出かけのチュウしましょうか?」
緒方「!!!★!!!い、いいえ、結構です!」
あ〜ん、残念。まあいいわ。今度来たときにしちゃうから。
私は出勤する二人を見送りながら仮面夫婦の有りがたさを実感したの。サイコーだわ、この生活☆
<終わり>(白川先生の奥さんになることが私の夢です。貴女の夢はなんですか?)
<その2>
本因坊戦 勝者・桑原本因坊
敗者・緒方九段
名人「緒方君、今回は惜しかったな。でも内容自体は悪くはない。君の経験からしたら、だが。」
緒方「恐れ入ります。」
今、オレは先日の本因坊戦の報告の為、師匠の塔矢名人の家に来ている。てっきりどやされるかと覚悟して来たが以外にも
ねぎらいの言葉をかけてもらった。
アキラ「失礼します。お茶をお持ちしました。」
緒方「あ、すまないね、アキラくん。」
アキラ「・・・・・いいえ。」
ん?気のせいかアキラくんの視線が冷たい気がする。・・・・・・・ハハハ、まさかな。気のせいだろう。
名人「そういえばアキラがこの間2段に昇格したよ。プロになって数ヶ月でもう昇格とは我が子ながら驚いているよ。」
緒方「おめでとう、アキラくん。そうだ、北海道みやげを持って来たんだよ。」
そういってカルピスバターの詰め合わせを渡した。これは北海道に行く前にアキラくんが買ってきてほしいとねだった物だ。さすがストーカー
だぜとうんざりする程シツコクねだられたが、うっかり忘れていて空港の売店に慌てて駆込んで買ってきたのだ。
おかげで帰りの飛行機を待たせてしまった。
アキラ「うわー、緒方さんありがとうございます。」
そういってアキラくんは天使の笑顔のごとく、特上の笑顔で微笑んだ。やっぱりさっきの冷たい表情はオレの気のせいだろう。
緒方「じゃあ、オレはこれで失礼します。」
そういって帰ろうと立ち上がったとき、名人が思い出したかの様に話し出した。
名人「緒方君、君には来月からM区にある囲碁教室に言ってもらうことになった。」
!!!★!!なんだ?今なんて言いやがった!?囲碁教室?この九段のオレが囲碁教室だとぅ!?
緒方「先生、今なんと言われましたか?良く聞こえませんでしたが。」
アキラ「囲碁教室ですよ、緒方さん。」
うるせえクソガキ!!オレは先生である名人に聞いているんだ!!・・・・いかん、思わず興奮してしまった。
名人「もう決まったことだからよろしく頼むよ。」
名人はさっらと言うと今オレが渡したみやげを嬉しそうに開けだした。
名人「美味そうだなあ。アキラ、今夜お父さんこのチーズをつまみにして食べてもいいかい?」
アキラ「いいですよ、お父さん。」
緒方「先生!今夜のつまみなんかどうでもいいです!!オレの話はまだ終わっていません!!なんでオレが今更
囲碁教室の講師をやらないといけないんですか!?」
名人「それは君が大口をたたいたからだよ。」
緒方「は?」
名人「有名な話になっているぞ。君が桑原先生に大口をたたきまくって大変に失礼な事をしたのは。」
ギク!北海道なら遠いし名人もいないので多少の事は耳に入らないだろうと思っていたのが失敗だった・・・・・・・・・・。
緒方「そ、それは・・・・・・・・・」
名人「桑原先生に会うたびにお宅の緒方君は礼儀作法は50級だなと嫌みをいわれるし、日本棋院の方たちにも
うちの門下生の印象が悪くなってしまってね。仕方がないので・・・・」
緒方「ないので?」
名人「緒方君も反省していましてね、自分から囲碁教室の講師からやり直したいと言っていたと言ってしまった。」
NO〜〜〜〜〜〜!!なんでアンタはいつもそうなんだ!?そうやっていつも人の意見を聞かずに決めちまう!
緒方「オレは嫌です。」
今更ちんたらとジジイ・ババアの相手なんかやってられるか!!
名人「そこをなんとか。」
アキラ「緒方さん、あんまりお父さんを困らせないで下さい。だいたい緒方さんがいけないんでしょう。」
緒方「何!?」
アキラ「桑原先生にあれだけ大口をたたいておいて負けちゃうんですから。」
名人「アキラ、きついなお前。」
アキラ「お父さんがはっきりと言わないからです。緒方さん、責任とって左遷されて下さいね。」
緒方「アキラくん、君もいうようになったじゃないか?誰に向かって物を言っているんだ?」
まったくこのガキは、誰が小さいときにオムツの世話や幼稚園のお迎えをやってやったと思っているんだ!!
アキラ「文句があるならタイトルを取ってから言ってください。」
グウ・・・・・・・・・それを言われるとキツイ・・・・・・・・・アキラくん、反抗期なのかなぁ?・・・・・・・・・・。
名人「緒方君、囲碁教室もいいぞ!応援しているぞ。・・・・・・・・・・・・・・アキラ、お父さんもう待てないから今から少しだけ
食べちゃってもいいかい?」
アキラ「しょうがないですね、じゃあお茶の間で食べましょう。あ、緒方さん帰るなら今見送りしますよ。」
ああ、アキラくんの言葉使いは丁寧に聞こえるが「お父さんと食べるんだから早く帰れ。」といわれている気がする。
オレ、左遷と反抗期のダブルショックでしばらくダメかも・・・・・・・。
<終わり>(アキラくんの反抗期の矛先は是非、緒方さんに受けとめてほしいです。)
<その1>
ここは熱帯魚屋・マッドマ●○。先ほどから一人のお客が店の中をうろうろとしている。水槽の中を除いては「フーン」とか
「ウーム」とかブツブツと独り言っている。見なれない客なのと、そのそぶりで最近の熱帯魚ブームに躍らせれて来店
してきたビギナーだとすぐにわかる。やれやれ、話し掛けてやるか・・・・・。
す「いらっしゃいませ。どんなお魚が気に入りましたか?」
お客O「ドキ!・・・・・そうだね、この魚なんか、色艶がいい。柄なんかうまく掛け合わせているな。」
ウッワア!!このお客、知ったかぶっちゃて、お客が指差した魚ははっきり言って<駄魚>だよ。柄もイマイチなんだけど・・・。
す「お客さん、見る目有りますねえ。どうです、この魚買っていきません?」
お客O「いや・・・・じつはもう決めてあるんだ。」
そう言ってお客は店の奥を指差した。そこには大型魚のアナロワがいた。
す「お客さん、この魚は熱帯魚の飼育になれている人でも難しいですよ。はじめはグッピーあたりにしたら?」
親切に言ったつもりだったがこのお客のプライドを傷つけたらしく怒られた。
お客O「オレがこれがいいと言っているんだ。大きいのも小さいのもそう飼うのに変わらないだろう?」
す「変わりますよー。」
お客O「オレはこれが気に入った。でっかくてカッコイイじゃないか!」
そういって水槽などワンセット買っていった。あーあ、知らないよ・・・・。
場所が変わってここはオガタマンション。
緒方「やっぱり今は熱帯魚だぜ。みろよ、このオレのハイソでクールな部屋にぴったりだぜ!」
もちろん独り言である。緒方には友達がいないから・・・・。
緒方「さーて、餌をやるか。」
そう言うと本棚にある<素人でもすぐにお魚と仲良しになれる!>と書いてある雑誌を読みだした。ちなみに
今月の特集は大型魚の特集だ。ベタな緒方である。
緒方「よし!さあ、食え!!」
そういって楽しげに水槽に手を近づけた時・・・・・・・・・・・
緒方「ギャア!!!」
いきなり魚が緒方の指に噛み付いた。指はぱっくりと裂けてしまった。
緒方「このクソ魚!大事な商売物になにしやがるッ!!?!」
悪いのは緒方のほうだ。魚は水面においしそうなものが近づいたので食べようとしただけだ。
緒方「飼主の指を噛むなんて、こんな魚は置いておけるか!!お前など今すぐ返品だ!」
す「だから言ったでしょ〜。ビギナーが飼えるモノじゃないんですよ。」
緒方「ウウム・・・・。」
私の説教を素直に聞くあたり、そうとう懲りたらしい。
す「まあ、今回は多めに見ますけど、基本的に返品はきかないんですよ。緒方さんビギナーなんだからミエなんかはらずに
グッピーから飼いなさいよ。ほら、この子まだ売れ残ってるよ。」
そういって、緒方さんが最初に誉めたグッピーを指した。緒方さんもじっとグッピーを見る。グッピーは視線に
気づいたのか緒方さんに近寄ってきた。
緒方「こいつになら噛まれる心配もないか。・・・・・・・・・・・・カワイイしな。」
こうして、緒方さんはグッピーと水槽セット一式を買っていった。
す「グフフフフ・・・・」
緒方「なんだ、急に笑って。」
す「いや、緒方さんがはじめてウチの店に来たことを思い出しちゃってさあー。」
緒方「ああ・・・もう3年も前になるな。」
す「あのときのグッピー元気?」
緒方「ああ!オレの飼育は一流だからな!すっかり繁殖して一家全員、元気だぜ!」
ああ、相変わらずな緒方さんだ。グッピーはほっといても勝手に繁殖しちゃうのよ・・・・。
<終わり>(魚の知識ないので間違ってたらスイマセン)