「ねぇ、聞いた〜?厨房にアレ出たって!」



「聞いた聞いた!もう今日は飯食えねぇ!!」





……………………………………。





「今日ってゆーかこれからしばらく食べたくないよ〜〜」



「スープ掬ったらスプーンにアレが乗ってたとか言ったらもう最悪!」





…………………………………………………。





「え?何?何が出たって?」



「あれ?知らないの?」



「何ってアレだよ!厨房にゴキ……」








「ディセンディウム 降下ーーーーーっ!!!!!!」







「うぐっ!!!」












…………………………………。












……………って、あれ?






ハイ・クレ・ウ−アル






おかしい…………。

俺は確かに目の前にいる男子生徒に向けて呪文を放ったはずなのに……。

(まったく、俺の前でアレの話はするなとあれほど!あれほど言って聞かせたと言うにっ!!)

標的となった男子生徒は、俺の大声に目をパチパチさせて驚いているが(てか君それ可愛すぎ)

…………『埋まって』ない。

おっかしーーぞーーー、今日一日で30余名を『埋めて』きた俺の必殺技が不発?

でもさっき確かにうめき声が聞こえたと思ったんだけど…………。




なんて、考えてたら、下の方からやけに騒がしい声が聞こえてきた。




「大変じゃーーー!!!大変じゃーーーー!!!!ホグワーツの中庭にスネイプ教授が生えておる!!」



「者共出あえー!収穫じゃーーーー!!ってか収穫したくねーーーーー!!!!」



「殿っ!そんな殺生なーーーーーーーっ!!!」



「わはははははっ!!!!」



「わはははははっ!!!!!」




双子おもしろ〜〜い。

つか…………うわぁ………ホントにセブルスが生えてる…………。



窓から見下ろした中庭には、やたらとテンションの高いフレッドとジョージと、

首から上だけのセブルスが居た。

…………………………これは。

ひょっとしてセブルスが埋まっちゃった?俺?俺のせい?

もしや暴発?

セブルスったらなんて間の悪い!!

あははは!お約束すぎ!!

でも困ったなぁ、

今朝も魔法薬学準備室にあった一角獣の角を無断拝借したことがバレて怒られたばかりなのに。

………………ここは誤魔化しとくか?






っ!!!!」





中庭に出た途端、バッチリ目が合ったセブルスが物凄い青筋を立てながら怒鳴る。

あはは、面白〜いセブルス!ほんとに頭が生えてる!

って違った違った。平常心平常心。

何時の間にかいなくなっていた双子にちょっと安堵しつつ、

血走った目でこちらを睨んでくるセブルスに、

俺はさも今気付いたかのように、目を見開いてみせた。





「ああっ!!これはいったいどうしたことだいハニ−!?」



「何がハニ−だっ!どうしたことだい?だっ!!

貴様の呪文を唱える声はしかと我輩の耳に入ってきたぞっ!!!」





ごめんなさい、やっぱり誤魔化すのは無理だったようです。

う〜ん、あんな大声で呪文唱えちゃったしな、普通気付くわな。





「悪かったって、ちょっとした事故だよ。事故。」



「…………悪かったと思うのならさっさとどうにかしろ!」








……………………………………。








「イ・ヤ・v



「!!!!!」





あははは!こんな面白い状況をこのまま終わらすなんて勿体ない!

どうしよう、どうやって遊ぼうかな。

事態がややこしくなるから双子が居なくなってて良かったとか思ったんだけど、

この状況をとことんまで遊び尽くすなら、あの二人が居た方がかえってやりやすい。

何処行ったー?なんて思っていると、後ろからパタパタと駆け寄ってくる足音が二つ。





「「師匠〜〜〜〜〜っ!!!」」





ナイスタイミング!良く戻ってきた双子!!





「やあ、おはよう。フレッド、ジョージ」



「おはようございます師匠!」



「ごきげん麗しゅう師匠って、それどころではないのですっ!!」



「そうです!我らは先程物凄い物を発見してしまったのです!!」



「スネイプ教授殿ですっ!」



「中庭からスネイプ教授殿が生えてきたのですっ!!」







「何が生えてきただっ!!!!」







足下から何やら怒鳴り声が聞こえてきたが気にしない方向で。

俺は双子に朗らかに笑顔を返した。





「それはひょっとしてコレのことかな?」



「まさしくそれです師匠!!」



「新種の植物です!!!」







「誰が植物だっ!!!!!!」







またも足下から声が聞こえてきたが、その声はもはや俺達の耳には入ってこない。





「さっそく収穫ですか師匠!」



「収穫はまだ先かな〜?まだ色つやも悪いし、もう少し育ててからでないと」





言いながら、俺は二人がそれぞれ手にしている、

水色のゾウさんジョウロに意味深な視線を向けた。

なるほど、急に居なくなったのはそれを取りに行ってたってワケか。

双子はその視線に気付いたのか、ニヤリと笑って顔を見合わせると、

中で水がタポタポと揺れるソレを恭しく掲げてみせた。





「「合点承知っ!!」」












「すくすく育てよーモヤシ







「大きく育てよー緑黄色野菜












何が言いたいのかは痛いほど良く分かるが、もやしと緑黄色野菜はイクォ−ルにはならないぞ☆

むしろ緑黄色野菜とネギなんてのはどうだろう。葉ネギの方。





「二人とも〜、植物は話し掛けてやると良く育つからね〜」



「「アイアイサー!!!」」





ゾウさんジョロでチョロチョロと水を掛けられながら、

1本また1本と青筋を増やしていくセブルスの姿に和んでいた俺の頭からは、

例のアレのことなどものの見事に消え去っていた。







ちなみにこの後、セブルスが怒りの余り火事場の馬鹿力を発揮し自力で這い上がり、

般若もかくやという形相で逃げる俺達を追いかけて来たりした。

もちろんもや師のセブルスが全速力で逃げる俺達に追いつけたはずもないのだけれど。

翌日、グリフィンド−ルから100点引かれていたのは言うまでもない。







……………………ごめんなさい小池さま。
うわぁもう!何ていうかもう!ネ、ネタが……ネタが無かったんです……。
良く分からない、五十鈴一人が面白い話ですみません。
ハイ・クレ・ウ−アルというのは、ゲ−ル語で「凄く寒いですね!」という意味。
ギャグが滑った時なんかに活用できて便利です。