〜Happy Birthday〜

2月29日。
それは4年に1度しか来ない。
2003年は来なかった。
だから今日祝おう。2月28日に。
誰よりも早く。

♪〜♪〜
早朝午前5時30分、不二の携帯がなる。
寝たのが朝の2時ごろだったため、まだ眠りから覚めていない頭に呼び出し音が響く。
それにしてもこんな朝早くからだ。
不二は携帯の電源を切る。
眠りを妨げないで欲しい。それだけのことだった。

「・・・ん〜〜」
寝返りをうって。また重いまぶたを閉じる。
うとうとと甘い眠りが不二を誘惑する。
そんな時。
ゴンッッ
窓からなんらかの衝撃音が聞こえる。
とにかく寝ていたい不二はカラスがタックルしていると思い込む事にして布団に潜りこむ。

そのころ、そのタックルしているカラスの正体ともいえる菊丸英二は不二家の前にしゃがみこんでいた。
時々自分の後ろを通る人々に「おはようございます」と声を掛けてみたりもする。
「チクショー電源切りやがったし。」
菊丸は姉から勝手に奪ってきた携帯を使って、不二に電話をかけていた。
不二の部屋の窓へむけて石を投げていた。
「ちぇっ・・・せっかくプレゼントあげようと思ったのに。」
・・・ブツブツ独り言を言う。しかも人の家の前でしゃがみこんで。
この状況を見た人は不審に思っただろう。
しかし菊丸の後ろを通ると、彼がにっこりと笑み明るい声で挨拶をしてくるので、そんなことはどうでもよくなる。
「さてと、どうしたことか・・・。」
・・・・・数分の間、菊丸は考え込んだ。
そして苦悩の結果でた答えは「帰ろう。」ということだった。
菊丸はひとり、帰路へつく。

そしてその日の朝のHR前の休み時間
「おっはよーさん♪」
菊丸はスキップをしながら遅れてきた不二を迎える。
「ん。」
不二の顔をみると目のしたに隈がある。
「不二寝不足??」
「まぁね・・・。今日の朝『誰か』から電話が掛かってきてさーそれで目が覚めちゃって、
 やっと寝れるからと思ったら窓になんか『カラスがタックル』してきたわけ。
 それで目が冴えちゃって冴えちゃって。もう気分最悪。」
トゲトゲとした言葉を不二は菊丸へ送る。
・・・・・・・ヤベ。そう菊丸は思った。
それはもしかして自分ではないのか。でも自分はカラスではない。
・・・・・・。
「もしかしてそれって俺?」
菊丸が言う。
「さぁ?知らないけどー。」
・・・・・・。
怖い。
ダークなオーラが不二からは発されている。
ここはとにかく・・・謝るしかない。
「俺だったらごめんなさい!!」
大きな声で頭を深々とさげ、菊丸は謝った。
その所為でにぎやかだった休み時間の団欒も一気に静まり返り、視線を菊丸と不二に合わせる。
「俺の所為です!ごめんなさい!!」
さらに大きな声を出す。
さすがにここまでされると不二も周りからの視線に耐えていられなくなる。
「いや、別に英二の所為ってわけじゃないし・・・。」
「でもごめんなさい!!」
菊丸はとにかく謝った。
何に対してか分からなくなりそうだったが謝った。
「だから良いってば!!許すから!!」
その一言に菊丸は目を輝かせ
「ホント!?絶対??」
と不二に詰め寄る。
「本当です!」
不二は半ばヤケクソに答えた。
「・・・やっぱ怒ってるんだ・・・。」
「全然。」
だんだん周囲の視線は2人から離れ、またそれぞれの会話へ戻ってゆく。
「怒ってるじゃん。」
「別に。」
「・・・・そんな不二にはあげたくないなー。なんか喜んでくれないと気分悪いし。」
・・・?不二は菊丸の言っている事が良く分からなかった。
「なにが?」
不二は問う。
「知ーらーなーいー。もう先生来るから席もどんないと〜。」
菊丸はそう言い、席へと帰っていった。

放課後。
今日は職員会議のため部活はない。
掃除当番ではない菊丸は、「おやつー!!」と叫んでさっさと帰っていった。
そんな菊丸を掃除当番な不二は追いかけようと隣に居た佐藤にホウキを渡し、
「今日、僕誕生日なんだ。んで、僕へのプレゼントってことで、掃除当番ヨロシクね」
と笑みをかけ、急いで菊丸を追う。
「あっ俺!!」
何かを言いかけた佐藤。
そんな佐藤に不二は一瞬睨み、そして微笑み背を向け走り去る。
「・・・そんなぁ・・・。」
被害者Sはしょうがなく掃除を始めるのだった。

「待って!英二!!」
不二は校庭をゆっくりと歩いている菊丸へむかって走った。
「待ってってば!!」
菊丸は気づかないふりをしてゆっくり歩く。
そんな菊丸に追いついた不二は菊丸の肩に手をのせ、自分のほうへひっぱる。
「英二、聞こえてるんでしょ??止まってくれたっていいじゃん!」
息を切らせている不二にやっと目を向けた菊丸はにっこりと笑み
「やっぱり追いかけてくれたー!英二感動☆」
とワザとぶりっ子を演じる。
「・・・何、馬鹿にしてんの?」
不二は息を整え、英二に問う。
「違う。ちょっと嬉しくって照れてるの!!」
「あ、そう。」
その不二の返答に
「そんなあっさり言わなくっていいじゃん!あ、そうって何さ!!」と少し怒る。
「だってそれぐらいのことなんだもん。」と不二は言う。
「んで、今日の朝のはなんだったの??」
少し間をおいて、菊丸は答えた。
「誕生日・・・一番に祝おうと思ってさ・・・。」
「だって、今日は僕の誕生日じゃないよ?」
「今年は閏年ないから、祝うんだったら今日しかないって思ったんだよ。」
ゆっくり歩きながら喋っていたので、やっと学校の外へと出た。
「ハイ、ありがとう。」
そういって不二は菊丸に笑みをあげる。
「どういたしまして。」
菊丸も笑みを不二に返す。
そして菊丸はカバンの中に手をつっこみ、
「プレゼント・・・気に入ってくれるかわかんないけど・・・。」
と言いながらかばんからブツをだす。
「ハイ、ハッピバースデー不二。オメデト。」
2人の前には夕焼けの空が広がる。真っ赤な夕焼けだ。
その夕焼けの光に頬を染めた不二の頭に何かがかぶさる。
「これは・・・帽子?」
頭にのっているものに手をのばし、それを取る。
そしてそれを見てから菊丸の目を見る。
「これからもヨロシクね。」
菊丸は微笑みながら、少し照れながら言う。
「こちらこそ。」
満天の笑みを浮かべ、菊丸からのプレゼントを胸に抱き不二は答えた。

ハッピバースデー。その言葉が不二の心を満たしてゆく。

Fin...



はぁ・・・何を言いたかったのが意味分かりませんね。気にしないで下さい。
でもどうしても不二クンの誕生日を祝いたかったのです!
本当にオメデトウ御座います。

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