これはあたしの、できれば一っっ生!思い出したくない話である.
今思い出すだけでも、もぉ〜恥ずかしぃぃいっ・・・・/////



そう。あれはあたしとガウリイがラミレの街へ行った時のことだったわ。








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――――素直に言えないから。―――― *前編*








ここは海沿いにあるラミレの街。
いつも沢山の旅行者で賑わっている、いわば有名な観光地。
特にこの近海でしかとれない珍しい魚を使った料理が、いっぺん食べたら絶対に忘れられないほど美味らしいvv
も〜こ〜なったら食べないわけにはいかないでしょっ!!



っていうことで。あたしとガウリイはその名物の魚料理を求めてこの街へ訪れたのだった。



「なぁ〜その店ってどこにあるんだ?」

確かこの街でいっちばんおいしいと評判のお店はこの通りをまっすぐ行ったトコのハズ。

「たぶんもうすぐ着くわよ。」



しっかしホント広い街よね〜。
これじゃあ迷っちゃいそうだわ。




「あ、ちょっと、そこのお嬢ちゃん。」




さっきからずっと歩いてるけど・・・なかなか見つからないわね。
おかしいなぁ。方向はあってるはずなんだけど。
ん〜・・・もしかして本当に迷った・・・??




「なぁ、リナ、呼ばれてるぞ。」



「んへ?あたし?」


ガウリイの指差す方を見ると、店の前で見ず知らずのおばちゃんが、あたしに手招きをしている。
どうやらこの服屋のおばちゃんらしいんだけど。
何だろう?



「そう、あんただよ。ちょっとこっちきてごらんな。」



「へ???ちょ、ちょっとっ!?」



何だか訳の分からぬままおばちゃんに手を引かれて、店の奥へと進む。
なんなの??このおばちゃん・・・??



――案内された部屋には沢山の綺麗なドレスが並べられていた。
こんなたくさんの数のドレスはみたことない!
どれもこれも高そ〜うなのばっか。




「あんたにぴったりなドレスがあるのよ。ほら、これよ。」



何やらおばちゃんが興奮した様子で、ドレスを持ってきた。
あたしの前に差し出されたのは真紅の上品なドレス。

少し胸元が大胆に開いてて、すごくセクシーな感じ。

かなりの値がはるモンだと思う。
・・・すごく綺麗。




「あんたを一目見て、絶対これがよく似合うと思ったのよ。ちょっと試着してごらん。」

[え、あ、はい??」

ドレスを渡され、強引に試着室へと案内される。

ちょ、ちょっとあたしがこれを着ろって!?

そりゃ・・・すごい素敵なドレスだけど・・
あたしにはオトナっぽすぎて。こういうのは合わないと思う・・・




・・・でも試着してみるだけ、いいかな。



「ガウリイ、あんたのぞくんじゃないわよ。」

「え〜、なんでだよ」

「なんでじゃないでしょ〜がっ!!当たり前でしょ!!」

「はははvv冗談だってv」

「まったく!あんたが言うと冗談に聞こえないのよ!」

勢いよく試着室のカーテンをしめる。


ふ〜ん・・・本当に高そうなドレスね・・・
一体いくらぐらいするのかしら。
・・・あれ?しかもこれ値札ついてないじゃない。
ん〜ますます気になるわね。




あたしはぶつぶつ独り言を言いながら、とりあえず試着してみた。











――着るものが違うだけで、こんなにも変わってしまうものなのだろうか。
ー正直、鏡に写る自分の姿に驚いてしまった。
自分で言うのもなんだけど、おばちゃんの言ったとおり、自分にぴったりだった。
このドレスの色がすごく自分にマッチしてると思う。




なんだか・・あたしじゃないみたい。



「お嬢ちゃん、着れたかい?」

「ええ。」

「ちょっと見せてもらっていいかね?」

おばちゃんがカーテンを少しだけ開けて、顔をのぞかせた。

「あら!!本当によく似合うじゃないの!見違えちゃうわ!お嬢ちゃん、こんなにべっぴんさんだねぇ。
やっぱりあなたにぴったりだったわ!」

「やーね〜おばちゃん、興奮しすぎだってば。」

「リナぁ〜!オレにも見せてくれよ」

「え"ぇっ!いやだっ」

だ、だってこんなに胸元も開いてるし背中も・・・
普段のイメージと違いすぎてなんだか恥ずかしいもん・・・
なんか変って言われたら嫌だし・・・



なんか急に焦ってきた。



「お嬢ちゃん、大丈夫!よく似合ってるから!みせてやりなよホラv」

「きゃう!」

おばちゃんに無理やり手を引っ張られ、試着室から出てしまった。


ひぃ〜〜〜恥ずかしいぃぃ〜〜〜!!







「・・・・・リナ・・・?」



あ、ガウリイが硬直してる。
やっぱダメ・・・あたしにはこういうの似合わないよね・・。



「リナ・・・・すっげ〜・・・・綺麗・・・・・」







すぱ〜ん!



「いてぇ〜っ!!何で殴るんだよ!!」

「照れるとすぐに殴る癖やめろよな。お前、顔真っ赤。せっかくのそれが台無しだぜ」

「フン!」



自分だって顔が赤くなってるのがよく分かる
それが自分にも分かると余計に恥ずかしい。
だって・・・そんなストレートに”綺麗”なんていわれたら・・・・
なんでいつもそんなストレートなのよっ!!



「まあまあ、お嬢ちゃんたら、かわいいわねv」

「やめてよ、おばちゃんまで〜」

「兄ちゃん、こんなべっぴんさんのお嫁さんもらったら幸せモンだよ。今のうちにしっかり捕まえときなさいな。」

「ご心配なくvvもうリナはオレのお嫁さんになるって決まってますからvv」

「お?兄ちゃん、今さりげなくプロポーズしたかね?」

おばちゃんがにんまりとこちらを見て、ウインクする。

こ、こいつらわ・・・・っ

「くぉぉぉ〜らぁぁぁ〜〜!!どこの、だれがおヨメさんになるですってぇ!!??」

「まぁまぁ、オレたちらぶらぶだし、いいじゃないかvv隠すこともないだろ?」

「・・・・・あんたね・・・!さぁぁっきからさりげなく何言ってんのよ!」

「嬢ちゃん、照れるのはわかるけど、そういう時は素直に喜んどきなさいな。
じゃないと愛想尽かされちゃうよ。しかしいいねぇv美男美女の夫婦じゃないのvv」

やけに盛り上がっているこのおばちゃん。
この年になると人の恋愛を冷やかしたくってしょーがなくなるのか。



ああもう嫌・・・(泣)



「そうだ、他にもよかったらみていくかい?色々取り揃えてあるよ。」



「いや・・・でも・・・」
もともと買うつもりでココに来たわけじゃないしな。
買っても着る機会ってないと思うし。
でもこのドレス、結構気に入っちゃったけど・・・




「あんたやっぱりそれが一番似合うと思うわ。」

おばちゃんが再度深く頷いて納得している。
確かにいいなーとは思うんだけどさ。
めっちゃ高そうだしね〜。
一応値段でも聞いておくかvv
「これかなり値が張るんじゃない?いくらするの?」

「実はねぇ、そのドレス、とおりすがりの人からいただいたモンなのよね。」

「え?」

「店に来ていきなり『これを御譲りします。』って言ってきてねぇ。魔道士っぽい格好をした人だったんだけど・・・
『絶対に似合う人が現れますよ』なんていって置いていったの。かなり質の良いドレスだし、
買い取るよっていったんだけど、金はいらないってそのまま去って行っちゃって。
一体何だったのか今でも分からないわ。かなり変わった人もいるもんよねぇ〜。
でもまあすごく良いモノだし、こちらとて有難いことね。よかったらそれタダでお嬢ちゃんにやるよ。」


「え?タダでくれるの!?」

「いいともさ。私だってその人からタダでもらったものだからね。
お嬢ちゃんのような似合う人に譲ってあげるのが良いってモンさ。」

こんな質の良いものをタダいいのかおばちゃん!
あたしならウン十万と高い値段で突きつけるけどね・・・・
本当にこのおばちゃんも人が良いんだな。
ラッキーvv


タダものにはあたしは目がないんだからvv
こりゃもらわなきゃ損よね!!
このドレスをいつ、何処で着るのかっていうのは、後で考えればいいこと!




「じゃあ遠慮なく、いただくわ。」

「いいよ、持っていきなさいな。」



おばちゃんは丹念にドレスを包んで、渡してくれた。
ふふふvvやったぁvv



「おばちゃんありがとね!また来るわ」

「ああ、待ってるよ〜。お二人さんお幸せにね!」

「さんきゅ〜!おばちゃん!またな〜」

「をひ・・・・(泣)・・・」


ん〜vvこんないいドレスがタダで入ったしvv
この街って最高だわvv
でもなんでこのドレスを譲った人は、こんな良いモノをタダで渡したんだろう・・?
ま、いっかぁvv





このときあたしはまだ知らなかった。
このドレスのおかげで、今夜、あたしが悲惨な目に会うことを。





*******つづく**********