稲本選手論(その3)
現代サッカーにおいては、プレーのスピードと強さが、以前よりもまして要求されます。この点で日本のサッカーは、まだまだ韓国よりも劣っている部分が多く、韓国に勝負で負けているのが現実である。
スピードでは、個人の肉体的プレースピードとチームの戦術的スピード、ともに必要とされる。勿論、岡野型足の早さスピードも一つの要素ではあるが、トラップ、キックの早さや、ボール展開の早さも必要である。
ただ、いつもワンパターンの速攻だとスピードに変化がないため、相手は慣れてきてスピードがスピードでなくなってしまう。スピードとは、相対的なもので、いつも前線放り込みやスルーパスであれば、相手の守備体制が単純な速攻対策モードとなる。
相手の守備体制が整わない時、又は守備体制が崩れた時に、得点チャンスがうまれる。緩急を,
相手の虚をつくことが、肝要である。
”強さ”は、肉体的、技術的、精神的要素にわけられる。今の日本サッカーの傾向として、1対1の局面で勝負せず、2対2のパスで展開しようとしている。1対1で勝負して、勝つ場面があってこそ、2対2のパスの優位性、意外性がうまれる。
外国人監督プレーヤーから、よく日本の印象として、経験不足が指摘される。経験ってなんでしょうか? それは、精神的においつめられている修羅場局面で、落ち着いて余裕をもってプレー出来る能力である。
国内リーグや友好国際親善試合から、修羅場の経験は生まれません。ときどき、大事な試合で日本選手のモチベーションが低いと解説者が云う事があります。勿論選手は一生懸命試合に臨んでいるので、モチベーションの観点で精神力があるのないのは、
物事の真実から目をそらせている。よく、地域的に日本は南米ヨーロッパから遠いから、経験を積みにくいとの弁解も聞こえてくる。それは間違っている。今の日本が修羅場の練習をする最も良い相手は韓国である。せっかくの相手がすぐ近くにいる。過去の歴史も相手のモチベーションを高めるであろうから、日本にとって最高の経験相手である。小中学生でも出来るかんたんなセンターリングがちゃんと上げられない、信じられないイージーミス、これらが生じるのは、この修羅場での経験が不足して余裕がないからでもある。
日本代表もクラブチームもユースも、もっと日韓対抗試合をふやすべきである。
しかし、修羅場を経験するだけでは、ただの経験者であって、修羅場をしのげはしない。修羅場をしのぐことによって、はじめて経験が自信となり余裕が生まれる。それでは”しのぐ”のはどうしたら出来るか。過去に修羅場をしのいだことがあったとしたら、それは偶然しのげたのではない。しのげるだけの必然性があったからである。精神的においつめられても、サッカーのことが好きで好きで、朝起きてから食事の時も遊んでる時も寝るまで、寝てる時もサッカーの事ばっかり考えてしまう。”あの場面では、こうする。するとこうなるから、こうする”と脳内シミュレーションを何度でもくりかえす。そうすると、試合で体が自然と、思いどおりなめらかに動いて、修羅場局面でもしのげるようになるものである。
次回は、稲本選手の魅力について書きます。おたのしみに!
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