ビバークの決断は何時するか、の問題
先日岩登りの最中に雨が降りだし、相当慎重に登ったもんだから稜線に着いたのが19:00過ぎていた。それで下山中にビバークすることになった。原因と言えば下山路を途中で見失った、と言うことになる。見失った時点でなんどもその周辺を探しまわったが、暗くて見当がつかなかった。それと現在時間も21時を過ぎていて、やや疲労もありビバークを決断しました。
ここで、ちょっと確認しておきたいのですが、みなさまは
「ビーバークについて現実に考えたことがありますか」
と言うことです。
僕だってビバークなどはやりたくないです。しかし現実にこうやってビバークをしているわけで、誰にもまったく起こらないとは言いきれないです。
その前に、ビバークを決断すると言うことについてみなさんはどうお考えですか。
ビバークする以前のいろいろな障害
1 ビバークなどやったことがないのですごく不安。だからやりたくない。
2 万一ビバークして下山が遅れた場合、家族が心配する。
3 下山がおくれた場合、会社の仕事が心配だし、無断欠勤したくない。
しかしですね。山登りと言うのは本来危険なことなんですヨネ。前にも言ったように人間なんて10mの高さから落ちればただじゃすまないし、致命傷を負ってしまう高さですよネ。普通山といったら一般的に100m以上ある場所なわけです。だから何時かなんらかのかたちで、自分にアクシデントが起こる可能性はないとは言えないです。だから一応ありうる、と自分に言い聞かせて納得しておいたほうが良いわけです。
最初に山の危険性について自分で納得し、それに対する対処方を具体的に挙げて自分に出来る範囲内で予行演習することですネ。
次に、家族や会社に対して自分が山登りをやっていて、具体的にどんなことをやっているか日頃から話しておくことです。そして、危険度の説明も分かりやすくやんわりと説明しておくこと。万一危ないと予想される時は、山中で予定外露営いわゆるビバークもありうること。そのためには1日くらいは遅れる場合がある。そしてビバークとはどう言うものであるか、またビバークの妥当性についても。
そういった事をやんわりと分かりやすく説明しておくことですネ。
このような日頃の説明によって、不時のビバークに対する障害は減ることでしょう。また決断もしやすくなります。
誰だってビバークなんかやりたくはないです。寒いし、腹は減るは、喉は乾くは、暗いし、怖いし、夜は長いし。
ビバークの決断をどのような状態の時したほうが良いか考えてみましょう。
具体的な例
1 道に迷っていて夜になった。そして道を発見できない
2 登山中、非常に疲れて歩くのも大変
3 登山中、怪我をして動くのがつらい
4 天候の激変で道が崩れた
5 豪雨が続いて、動くと危険だ
はっきり言って、このように単純に書けるような状況ではないかもしれません。普通はこの一つ一つ状況がいくつも重なりあっている訳です。
複雑に書きすぎるとよけいわからなくなるので分かりやすく単純に書きます。
1 道に迷っていて夜になった。そして道を発見できない
一種ののめり込み状態なので、どこかでそれを断ち切らないとだめ。ちょっと休憩をとり、ダメもとで自分に「ビバークしたらどうだろうか」と相談してみる。道が分からないで、歩き回れば回るほど体力も精神的にも消耗します。それよりは早めに中止して露営態勢に入り、体力を温存して翌日にそなえた方が得策です。決断の潮時が難しいですが、僕の経験からすると早ければ早いほど良い、と言うことになります。夏でも午前1時過ぎてくると寒くなります。その前に早めに露営して睡眠を取れるだけ取るのが良いです。
実例で行きますと、あと30分で林道に出られたと言う経験もありますが、しかしそれは結果論であって、実際にその時僕は露営して、元気に下山できた訳で失敗とは言えず、怪我もなく大変貴重な体験及び、経験を積めました。
中略(すいません追加更新は今後します)
決断後の対処
ビバーク時の過ごし方
@寒くても我慢する
だいたい冬以外は気のみ気のまま状態でも午前0時まではなんとか眠れます。だから、早めに露営態勢に入って食い物を食って、大至急睡眠を取ること。そして寒くて寒くて寝られなくなったら、あとは我慢の世界です。普通は夏、初夏、初秋などは暖かいのでかなりの時間眠れます。しかし早春、晩秋などは寒いです。もう、胴震い一歩手前ですネ。だから一生懸命胴震いして暖をとりましょう。はっきりいって、寒いからと言うことでいたたまれなくなって動き回らないこと。その方がもっと寒いし辛くなる。
なんと言ってもこう言う時、夜は長い無理に眼をつぶって、ウツラウツラでも寝たほうが時間を短く感じられます。
ブタンガスコンロ、ローソクなど所持している場合は、チョロチョロ炎でねばるのも一方。
下山したら
@家族に電話する
心配していようが、いまいが一報は必ずすることですネ。どんな状況であれ、いつも一報を入れる習慣をしていれば、家族もあなたをすごく理解してくれます。それにそう言ったあなたの山での冷静沈着な態度に対して、山登りについて反対はしなくなるし、信頼してくれるようになります。
A会社に電話する
予定がある仕事なら、前もって手帳に緊急連絡先を書いておき、そこに電話して最善の判断を得る。早朝なら上司の家に電話して判断を仰ぐ。
また、時間があるなら、一旦家に帰り、遅刻の状態ではありますが、会社に行くのも良いかもしれません。それについては仕事の内容にもよります。遅刻してでも仕事を続行した方が良い場合もあるわけですから。
B自宅に帰ったらとりあえず、詳細に説明してビバークの妥当性を説明しておいた方がよい。「あの状態で無理してたらもっと危なかったかもしれない」。
会社においても、上司に詳細に説明しするべきですネ。
詳細を話すことによって、その冷静沈着さを評価される場合もある。「年中山ばかり行ってるからそんな目にあうんだ」などと言う上司は見る目がないかも。僕としては人生においての貴重な体験だと考えますヨ。
その後、遭難騒ぎがあった時、周囲から新聞をもってこられて、「この遭難騒ぎについてどう思う」などと聞かれる場合が多い。そう言う場合は大袈裟なことは禁物で、自分の分かる範囲内で話せば、一目置かれるかもネ。
それで、「あいつは仕事はマアマアだけど山に関してはナカナカじゃないの」などと思われる場合もある。
ハッキリ言ってビバークは辛いものがあります。出来るなら、一生そんなことしたくないのが本音です。しかし万一そうなった場合マイナス指向はしないで、プラス指向になりましょう。
貴重な体験と経験を積めたこと。
山に対する真摯な気持がいやが上にも高まる
山の大きさ、凄さ、偉大さが分かる
一種の自然と同化しているような感じになる
そんな訳で今後も楽しい山登りを行ってください。