ある日〜森の中クマさんに〜出遭った
クマと遭遇したらどうするか
その前に事前対策が肝心だ


 
真ん中下の黒いのがクマ
左が逃げ惑うオイラ


 今年も秋到来となり、冬も視界に入ってきた状態だ。そのためクマ公も冬眠前のためなのか、エサをあさるため里に出没しているようで、テレビでクマに襲われたニュースなども出るようになってきた。
この時期、冬眠前の準備でクマもエサあさりにうろつきまわっているようで、十分に警戒が必要だ。
今年の初夏あたりでのクマとの遭遇について書いてみます。

 5月の休みに友人と西上州の某山に行った。当然道とかないヤブ山であり、岩場で険しい山だ。
 予想以上にヤブは深く、道標などほとんどない。かろうじて主要の2つの頂に山名の書かれた表札のような看板があったのみ。あとは赤テープが、思い出したようにある、という超訳の分からない山だった。
登行中、周囲は巨大が岩峰が乱立してその異様さを見せ付けていた。
 主峰の山名の表札を確認したあと、下山にかかる。その下山方向が核心部なわけで少し下ると、前方はいきなり視界がひらけ、下部は大絶壁というシュチエイションのオンパレード。その度に迂回路を決死の思いで探し出す、という必死の思いを続けた。下る場合も少しずつ下らないと、戻る機会を失ってしまい、進退窮まる可能性大だ。地図と磁石、おまけに、五体の感覚を全て使っての行動は疲れる。
 何度目かの下りは、どう下っても普通にクライムダウン出来ない状態。最終的にザイルによる懸垂下降のみとなった。それで懸垂下降の用意をして少し下りかけたら、樹木の幹にデーフが巻かれていて、そこに「懸垂下降」、と書かれていた。要するに懸垂下降しか下りようがないということで、僕らの判断は正解だった。
 その懸垂下降が最大の山場だったようだ。地図上からも周囲の状況からもそれとうかがえる。
 そんな訳で精神的にも開放されて、のんびりと下り始めた。
 すこし下っていくと、進行方向左になにやら動く気配が。それかなんとなく黒い感じ。その黒いのは最初ゆっくりだったのが、突然動きが早くなり、猛烈な勢いで右に突進し始めた。
 瞬時にそれはクマだとわかった。だいたいの距離は5mくらいだったろうか。丁度犬を一回り大きくしたような感じで、それもなんか筋肉がパンパンになっていて動く筋肉というか。右に突進している様をみて、「ウギャ襲われて食われちゃう」、という感覚が脳裏をよぎる。オレの一生もこれで終わりか、という思いも一緒によぎる。
 その脳裏のよぎりの最中にそのクマ公は右に突進し、そのまま右の谷底に転げ下りていったのだった。助かったと思いきや、もう一匹左から右方向に全力で突進、その詳細を目の当たりにした。
そのクマ公も右の谷底に突進し、視界から消えた。
 その一瞬の出来事のあと、全身から鳥肌がたった。あいつらと格闘したら完璧にやられる大きさだ。野性のクマを至近距離でマジマジと見たのは初めてであり、その俊敏さと肉体の発達度を目の当たりにして、かなう相手ではないと理解した。きゃつらと鉢合わせしたら確実に格闘モードとなっていただろう。
 ふつうこの地域では一般の山の場合登山者に「クマ出没につき注意」という立て札が必ずある。その場合はいつもハンマーとか丸太を手に持ち、木とか岩をガンガン叩きつつ前進するのが恒例だ。
今回は登山者を対象としていない山なのか、そういう看板すらなかった訳で、不意をつかれた形だ。
なにはともあれ、クマ公に食われずに済んだのはよかった。
下山後、麓の民宿のオヤジさんといろいろ話したのだが、オヤジさんもクマに遭遇したのは40年山を巡っていて一度だけだと話していた。だから君らはラッキーだ、と喜んでいいのか悪いのか分からない言葉をもらった。

 クマに遭遇したらやつらが単独の場合は相手は逃げる可能性もある。しかし両方とも出会い頭の場合、クマは防衛本能でこちらに向かってくる場合がある。またよく子連れのクマはかなり危なくて、襲ってくる可能性が高いらしい。
 クマとの格闘の場合、こちらに勝ち目はない。前にカマでクマと格闘した人のことがニュースでされていた。
 カマでクマのクビを何回も切りつけたらしい。クマもその人に手の爪でケガを負わせた。
 こちらがやっつけなければ、相手にやられる。そういった壮絶な格闘だったとのこと。
 こちらに武器がなければ相当に厳しいだろう。
 こんかいのように相手が小熊かその上くらいのクマだったから運がよかったのかもしれない。また出会い頭ではなかったのでクマは先にこちらの物音に気づいてそれで逃げたのかもしれない。

 まづ問題として
○地元でクマの出没があるか確認すること。頻度が高いとうろついている場合があり、遭遇する確立が高い。今回はクマの出没については確認されなかった。
○また出没の確認がある場合、頭数が多い場合もある。

クマとの遭遇を防ぐには
クマに遭遇すること自体を避けるのが最大の防衛策だろう。
○登山者が多い山では、クマの出没はすぐに情報としてもたらされたり、立て看板が出たりとかで安全性が高い。
 人通りの多い山では登山道などクマも怯えて出てくることが少ないだろう。

ガイドブックか地元の情報でクマが多い地域だとわかったら、かならずクマ避けの鈴が必要となる。あの始終鳴る鈴は、野生のクマとしては鋭敏に聞き取り、クマの方から遠ざかっていくと思われる。

西上州の山々では、登山口にはクマに注意などの看板を良くみかける。そういう山に登っていると下の沢筋からガサゴソと音が聞こえたりするときがある。その場合、木とか石にハンマーなどを打ちつけて、大きな音を出すと、そのガサゴソがザザザとかという音となって沢の下の方に移動していくのがわかる。
基本的に本州のクマは人にたいしては警戒心が高いようだ。
今回の地元の人の話によると、クマはタバコの煙を極端に嫌うらしい。沢筋の入口でタバコを吸うとその沢筋にはガサゴソ言う音がしなくなるとのこと。このへんは科学的な実証はされていないのでなんともいえないけれど。

 要するにできるなら人に出会いたくないとクマも思っているということになるだろう。

山に行く場合、インターネットで、クマの有無を調べよう。
万一クマの確認がされているようなら、鈴の携行は必須となる