夜中の山で道に迷い、その後下山した件


2014/12/19
このところ山での経験値を稼いでいるお陰か昔よりレベルアップした感がある。
なので事故とか事故未遂とか遭難未遂とかがめっきり減った
過去においては若い時の経験不足や知識不足で危ないことをやらかして冷や汗とか
もかいたけど。今はかなりな平穏無事な山行を行っている。
そんなわけで事故とか事故未遂の記録なども書く必要もなく今に至っていた。

先日、いろいろな事が重なって起こり、夜に道に迷って彷徨った挙句に下山した。
そのことを報告したいと思う。
自分としてはこういったことは、いままででも良くあることで
不意のビバークも数多くしているので.とりたてて珍しいことではない。
ただ山に行かれる方々の何かの一助などになればと思い報告いたします。

今回の教訓
迷ったらまず大休止
そして元来た道に戻る
予備電池は必須 忘れずに
GPSは道迷いには大助かり

先日山に行った
今回は山行途中でいろいろとあって稜線の登山道に出たのが夕方になった。
そこから下山方向の分岐にたどり着くまでに午後6時となってしまった。
分岐までの途中で暗くなったがとりあえず分岐に着き、あとは1時間30分の下り道で林道に降りることができる。
 早く降りてなんとか温泉に入って帰京したいと思った。
 しかしこの下山道は昼間でも迷いやすい登山道だ。過去に下った時も途中で不明になり何度か行き来して下りた記憶があった。
 今はもうヘッドランプなしには行動できない状況の中での下山だ。
 今回は2人行動だったのでトップが道が分からなくなると手分けしてなんとか途中まで降りてきた。
しかし沢が横切るあたりでトップと少し距離があいた。それで自分が沢に下りている時点でトップのライトが遠ざかっていくのがチラと見えた。沢に降りて登りになったとき.かなりな荒れた斜面で道を見失ってしまった。帰りの時間の焦りもあったので、何となく踏み跡らしき所を強引に歩き続けた。
 いづれ登山道と合流するだろうとやや下方向に歩いたのだが踏み跡らしきものはなくなり樹林の間に入ってしまった。下方向に下ってみたがなかなか道とは交差しない。これは下りすぎたと思い上方向に登れば道と交差すると考え、150m程直登りしてみた。すると前方に岩壁が現れた。これは多分上に行き過ぎた証拠と判断した。
 それで今度は直下降することにした。下りは早い。どんどん下っていきそろそろ下りすぎかなと思うころに今度は崖に出てしまった。
 と言葉的には理路整然と書いてはいるが、実態はかなり激しくあちこち動き回ってしたのだけれど。
 ここで、完全に道に迷った、ヤバイと思った。
 今度はその崖を右から迂回しようとして強引に下り始めた。岩場に隙間がありそこから下に降りられそうだ。ここを強引に降りればさらに下に行かれると思った。しかしここでここを強引に下った場合万一その下がさらに急な崖だったら、強引に下ったルートを戻れるかと下りながら考えた。
 さらに急な斜面を降りて登り返せなくなったら万事休すになるかも。そう判断して降りるのを止め登り返すことにした。しかし急な斜面の登りというのは下るのは簡単だけど、登るとなると一苦労だ。
 ザックの重さでヘタリそうな身体をずり上げてなんとか大木の根本まで上がって来た。頭に血が上っているのでさらに衝動的に行動を続行しようと頭の意識とは関係なく身体があちこち向いたり、足が勝手に動きだしたりしている。
 しかし冷静な判断をしないとマズイと思い始め行動したい欲求を抑えて大休止することにした。こう言ったある意味パニック状態時に座って休むという行為はなかなか出来ないものなんだなと今更思ってしまう。
 大木の根本に寄りかかってザックからやや震える手で水と行動食を取り出し、残っていた食料を時間をかけて食べた。頭に上った血は食事によってなのか次第に収まり冷静になってきた。
冷静に考え始めると、
「大変だ道間違えた〜、何が何でも降りないと〜」と念仏のように頭の中でグルグル回っていた言葉が次第に消えていく。
そして平常時考えるあたりまえのことが浮かんでくる
 まずここまでケガもなくさらに行動できるということに感謝。
 次に上か下に進み続けても枯葉の積もった登山道を確認できるかは確率的に低い。
 さらに前進したとしても登山道と並行していたら大幅に時間を食ってしまう。
と、ごくあたりまえの判断が出来た。
(パニクったら当たり前の判断すら出来ないんだなと思った。)

 となるとあとは戻るのが最大の正解ということになる。
 山行する場合自分はいつもGPSを所持している。ただそのGPSは腕時計型で地図の描画はない。しかし自分の行動軌跡は記録されている。
でもこの、記録軌跡のお陰で真っ暗の山中でいままでの歩いた状態が確認できる。もしGPSがなかったら限りなくビバークだったろう。ビバークは何度かしたことはあるが、寒い11月はつらいものがある。
 そのGPSの軌跡を見ると凄い上下振れの心電図のような形になっていた。
 ということで迷う前の規則的に続くなだらかな軌跡に向かって戻ることにした。上下振れの軌跡をかいくぐり.真っ暗でも目標の地点にほぼ迷うことなく進めるというのはあり難いことだ。途中にルンゼとか急斜面もあったが.そこは相当慎重に進んだ。
 ようやく沢らしき場所に到着。軌跡の乱れる直前のあたりの場所でライトを照らし慎重に行きつ戻りつしていたら登山道にあるテープを確認することができた。
 ここでドッと肩の緊張感が取れた。しかしまだ油断は禁物だ。途中で再度道から外れるかもしれない。
 そこからはライトで照らして確認しつつ慎重に下り始めた。
 ここで分かったことがあった。
昼間だとまったく気づきもしないことであるのだが。
 登山道の地面はかなり固いということだ。登山靴で歩いているとその固さがある意味安心感になる。しかし万一間違えて踏み跡に入り込んでみると足裏の地面かかなり柔らかいのだ。
 視界が制限されているからこそ他の感覚が敏感になっている証拠といえる。
 固い地面からいきなり柔らかい地面の感触を感じるとこの方向は違う、と瞬時に分かってくる。
 ほとんどライトの照らす間近の視界であり、それが樹林の中の枯葉の積もった地帯は視力は殆ど役に立たない世界だ。しかし足裏は登山道とそうでない所の判別を明確にしてくれた。
 ということで進みは遅いが確実に進むことができる。涸れ沢の横断でも対岸の上がった所で足裏で当りをつけつつウロウロするとなんとか道らしき所の感覚をつかめる。そこでさらにライトで確認して確実にして進んだ。
 そんな状況で進み、よやうく林道にたどりつくことができた。下に着いたのは午後10時だった。
分岐を出発したのが6時なので都合4時間の彷徨ということになる。
友達はといえば7時半に下に着いて、心配になって戻ろうとしたのだがライトの灯りが電池切れモードになったので仕方なく戻ったとのこと。
自分の場合はライトには必ず予備電池を携行している。今回もヘッドランプが消え掛かったので予備電池を使用して事なきを得た。

自分の場合はGPSは単にログの軌跡を記録して帰宅後にカシミールの地図のルート上にデジカメ写真を載せるための用具としていた。
地図の描画できる大きなGPSの地図は自分としてはあまり信用していないので、軽い超小型のGPSで記録を残すと割り切っていた。しかし今回軌跡だけでも紙の地図と照らし合わせると方向がかなり正確に確認できると分かった。小さいGPSでも実践的利用度としては必須のレベルと感じた。
GPSの電池は8時間くらいが限度で過去に電池切れで記録が取れなかったことがあったので予備電池は出発前に確認している。

ヘッドライトの電池もLEDライトなのだが全灯モードだと4時間くらいで灯りが消え掛かったことがあったので、必ず予備電池は出発前に確認するのは習慣にしている。

便利な機器も電池切れだとここぞというときに使えない場合は最悪だ。なので習慣付けている予備電池のチェックは役に立った。

過去に何度も道迷いでビバークしたことがあった。今回は道からそれほど外れなかったので落ち着けば道を発見できると判断した。

まずは道に迷った時に、いかにして血迷った気持を落ち着かせるかが第一
血迷ってあちこち歩き回ると転落とか滑落の可能性大だ。
迷ったと思ったら、彷徨という傷口が大きくなる前に、とりあえず休憩が良い策と思った。

 
 所持している時計型ガーミンGPS
地図描画はないが軌跡と
軌跡の先端は常に現在位置を示す
ので紙の地図と併用して使えた