800m峰におけるビバーク
199X年8/15-17 メンバーA氏
 予定の沢登りをなんとか終了し、817mの峰で休んだあと、下山にかかることにしました。この山は案内書にも載っていなくて下山道が判然とせず、2万5千図と磁石を出して慎重に下る。
 (以前この山に来たときにやはり下山路がわからず、最後は沢に降りてしまい大変な思いで下ったことがあったから。)
 時々見える境界の杭などがあったり赤いテープなどもあって心強く思っていたが、突如テープも境界杭も見つからなくなってしまった。この時点から数回にわたり、もと来た道に戻って下りなおしたが最後はこの場所に戻ることになって時間を大幅にロスしてしまった。
 頂を出たのが14時ころで、現在は16時とずいぶんな時間となっている。このまま強引に下って沢に出て、そこからザイルをガンガン使って降りると言う方法もあるわけだ。しかし以前このような状態で強引に沢を降りたところ、途中で60mの滝に出会い進退極まったことがあった。その時は滝の上の落口でビバークとなった。その事はいずれ書きたいですが。
 と言うことで無理な行動は最近やらないことにしていて、要するに山ではこう言うとき身体をいたわりつつ、最小限の損害で事を終わらせるのが一番良いとしみじみ実感しているわけです。
 道が消滅している所にてしばし思案し、友人と相談の上817m峰まで戻ってビバークするのが正解と判断した。
 この時はかなり疲れていたし本当はこのままズルズルと下りたかった。ザイルも45mを二本持っていたしなんとかなりそうなのだだし、高々800mの山で普通に下れば1時間もかからないと思う。
 しかし、下ったことのない沢にて暗い中45m以上の滝が出てきたらどおするのか。今より不安定な場所でビバークするのは精神的に追い込まれる、など疲れた頭で考えて結局セオリーどおりに高い所へ逃げることにした。
 817mの頂に着いたのは17時過ぎで、杉の木の下に寄りかかり、とりあえず登攀装備をかたずける。今回のその他の装備は食い物と雨具だけ。一応スピード優先にしての行動だったので正解だったが。
 水分は500ml紅茶パックに50ml残っているだけ。午前中に飲んだ水分は500mlくらいだろう。だから喉が乾くのは当たり前か。
 夜の食物はバターピーナツとアンパン。水がないので喉を落ちていかない。しかしあまり悲壮観はなくて友人と楽しくしゃべり夜は過ぎていった。
 就寝方法はハッパを適当にかき集めて、その上にザックを乗せ、ザイルを枕にドタリンコンと横になるのみ。夏場なので問答無用に、ただ横になればよろしい。しかし喉の渇は、ちょっとつらいものがありましたが。
 この就寝方法は特に問題はないのですが、しいてあげますと、虫に刺されやすいと言うことです。
 明くる朝、身体のあちこちブヨらしき虫にさされていました。でもここいらあたりを縄張りにしている虫君たちに栄養のプレゼントをしたと思えば腹もたたないと言うものです。
 虫刺されがいやなら夏場は虫よけのクスリでも所持するのがよいかと考えます。
 日の出を待たず、明白な道を戻って地図上で確認した下降しやすい場所から下山する予定でいた。しかし薄明かりの中の行動で、確認した場所までたどりつけず隣の沢に降りて、そこから下山することになった。昼間であり地図上でもその沢の位置もはっきり掴めたのでそのまま下降し、ザイルの懸垂下降などもしつつ車の置いてある出合までなんとか戻ることができました。

 今回の計画において教訓などは特にないですが、とにかく迷ったら上へ逃げて平らな所で眠るのが最上の方法だと考えます。ちゃんと睡眠をとれば翌朝は頭もスッキリして良い判断も生まれると考えます。
 強引に下った場合はたして平らなところがあるかどうかわかりません。また暗い中での行動は足元がおぼつかない分危険極まりないです。
 ただ今回は次の日も会社が休みだったので安心でしたが、もし休みでなかったらどうだったでしょうか。みなさんはどう考えますか。
 この場合は人によって難しいかもしれません。僕の場合はやはりビバークするでしょう。それでなんとか下に着けたら、その時点で自宅と会社に即電話して事情を説明すると考えます。
そのへんのところはみなさんが責任を持って判断して下さい。


以上