碧岩西稜
![]() 道路をひた走ると 山間が開けて忽然と碧岩が現れた 白い雪をまとって凄い緊迫感を受ける このあと朝日があたり朝焼けの 山肌は金色に妖しく輝いた (六車にて) |
パート1 プロローグ
西上州のマッターホルン
過去において二度この山に来たことがある。
一度目は20代の始め、碧岩の存在を知り、はるばる電車を乗り継いでこの地に出かけた。下仁田から勧能行きのバスに乗り、山中の狭い道を進んだ。そして途中の村から雲間に一瞬その姿を垣間見ることができた。その姿は尖峰であり、周囲のなだらかな山々とは違う異次元的な姿に心を奪われた。一瞬後その姿は二度と見ることはできなかった。
バス終点からこの山を目指すも、道は不明であり、かつ雨も強さを増した。何とか稜線らしき尾根に出たころ夕闇が迫り、そこでビバーク。翌日はより一層の雨となり、道も分からずやむなく下山した。その後あの山の存在は記憶の彼方に消えてしまった。
しかしその姿は忘れた訳ではなく、思い出そうとすればありありと浮かび上がってくる。
去年、車を使えば西上州の山が日帰り可能なエリアであると分かった。そして昨年末から、今後の計画について着々とプランを練り始めた。まずはあの碧岩である。資料集めからはじまり、ルートの整理と交通のルートなど。
碧岩には一般ルートである南稜。それ以外にバリエーションとしての西稜と北稜。がある。その他に側壁にもルートがあるらしい。
一般ルートは地元関係の方々により整備されたと書いてあった。また以前から、一般ルートの途中の北面の沢にある三段の滝は冬になると結氷してアイスクライミングの適地となり、練習およびアイスクライミングが出来ることで知られるようになってきた。
資料だけでは、不明な点が多い。慎重派である僕としては碧岩の登路を探るために一度行ってみることにした。
バリエーション的な山登りの場合、以下のようなプロセスを経て計画を実行している。普通は、案内書を見て山行又は、案内書と山行が同時進行というのが多い。しかし楽しみからすると、こういった下記のプロセスを踏むほうがより楽しむことができる。まあ最近ではほとんどの山が道が整備されて、そんなことをする意味も薄れてしまった。手間いらずは、簡単便利である。しかしそこに何かしらの労苦とロマンも剥ぎ取ってしまっているのが悲しい。
@ 資料集め、ルートの確認
A 偵察山行により、ルートの選定と確認
B 本格的な山行
パートU
偵察山行
今年の冬の間、多くの偵察をかねた尾根歩きをしてきた。その山登り自体のみでも楽しいものであった。思い切りいろんな装備や食べ物を持って、のんびり歩くのは、ハードな山にはないノンビリ感と優雅な時間を過ごすことができる。
西上州の各岩峰の一般ルートを巡り、そこに存在する一般ルートではない登路の発見と確認と選定を幾つか行ってきた。中には、岩壁をそのまま登攀できそうなものもあった。その辺の可能性なども今後資料を集め調べてより明確なものにして行きたいと思っている。
2002年3月X日 曇り後晴れ 単独
早朝のためか環七、関越とも空いていて順調に下仁田に着いた。臼田線に入ると二車線の狭い谷沿いの道を行くことになる。六車にて碧岩の雄姿が見えてきた。山間から突如見えるその姿はこちらを一瞬緊張させる。ちょうど朝日があたって赤く燃え、妖しい容貌に変化した。
とうとうやって来た、と言う実感がしみじみと湧いてくる。車を止め、じっと見つづけた。
観能からやや狭い舗装道路を進むと、右手に山小屋風のトイレが見えてきた。駐車場も六台くらい入る。トイレは凍結の為3月下旬まで閉鎖と書かれていた。
支度して出発。道標に導かれて沢に出る。沢沿いのしっかりした道を進む、去年の台風で道が荒れていると書かれていたが、時々木橋が落ちている個所があった。
沢はゴルジュを呈してきて、滝も出てくる。雰囲気は良い。沢を左右に渡りつつ進むと、正面に三段の滝が現れる。立派なものだ。威風堂々といった感じだ。この滝は冬期は凍結してアイスクライミングの適地となる。この滝は右にしっかりした踏み跡があり、そこを登る。部分的に崩れているので注意がいる。途中で「熊の出没注意」の看板があった。緊張してしまう。
滝上に出ると、沢は今までとは違って穏やかになる。しかし両岸はゴルジュの風景が続く。左に碧岩の一端が見える。空の青さに岩峰の緑が胸を打つ。居合沢沿いに踏み跡を行くと左から枝沢が滝をもって入る。
居合沢を少し行くと左に道標があり、斜面を登って、先ほどのミドリ沢に出る。この沢の右の踏み跡を登る。沢はナメが続き、良い眺めだ。水が少なくなってくると、沢の左に渡り、涸れ沢状になる頃、また道標がある。左の涸れた沢を進む。少し行くと右にジグザグに踏み跡がある。これは稜線に出る正規の道だ。涸れ沢をさらに登ると左の急な斜面に碧岩直下に至る道がある。
僕は正規のジグザグ道を登ることにした。道はどんどん急になってくる。そのうえ北斜面のため、道のみに雪が残り、その雪がツルツルの氷と化している。そのため非常に登りずらい。アイゼンを出す程でもないので辛い。まだかまだかと思っているうちになんとか稜線に出た。日が当たって暑いくらいだ。汗がすごく流れる。本当に3月上旬かと疑ってしまう。
一転して楽しい稜線歩きとなる。風景ものんびりした感じだ。少しの登りでジャンクションピークに着いた。ヤブの向うに碧岩が見える。まず碧岩に行くことにする。藪の中にシッカリと道は続いているし、赤のテープもあって迷うことはない。少しのアップダウンで碧岩直下に着く。左から道が上がってきていて、これが涸れ沢からの道だろう。
少し登ってから、登攀具とザイルで支度し、ザックは置いて行くことにする。登りはどんどん急になってきて、4mくらいの3級の登りとなる。ここには古い固定ロープがかかっている。出だしが登りにくい。そこを登ると、急斜面が続く。木と岩をホールドにして進む。
固定ロープが10mほど掛かった場所が核心部のようだ。登りは右から左にひねったようなルートで、右に振られやすい。ここは注意だろう。
そこを登ると、急だが、難しくはない。斜面が急に緩くなると周囲の視界も広がる。観能の景色などが見え始めると頂きだ。
頂きは細長くて、一番奥がテッペンのようだ。展望も良く、恐ろしいくらいに見える。下を見ると目が眩みそうだ。
帰りはさきほどの10mの壁まではなんとか下れる。10mの壁は固定ロープを腕力勝負で下ることになる。しかしここは所持したザイルを使って懸垂下降する。ヒネッタような岩場なのでどうも右にふられそうだ。なんとか下に着地。
その下の3mの岩場は固定ロープを使って慎重におりた。あとは難しくないが慎重におりてザックの場所に着く。ザックを背負い一気にジャンクションまで戻る。今度は大岩に向かう。雰囲気の良い尾根道を進むと、左に碧岩の姿がヤブの間から見え始める。なんと姿の良い岩だろう。冬だと言うのに緑の樹林を身にまとっている。
ヤブ道から急に露岩の場所に出る。ここからが一番碧岩の眺めがよい。前方には大岩がドカッと存在している。この先はリッジ状で、なんだか剣岳の岩場を連想してしまう。リッジには鎖もロープもないので、立っていると支えるものがない。風が吹くとすごく緊張した。リッジ沿いとサイドに巻き道らしきものがあるのでそれを登った方が楽かも。
小さいコブを越えていくと木の生えた場所となる。頂には大岩と書かれた白い看板がある。ここも展望は怖いくらいだ。帰りも緊張しつつずり下りた。展望の良い一番端の露岩にて昼飯にする。碧岩を眺めつつの紅茶は非常に痛快な気持になりつつ美味しく頂けました。
下山はさっきのジャンクションピークに戻り、碧岩直下まで下って、急な道を下ることにする。ジグザグの下りは滑りやすい。しかし碧岩の西稜の岩壁を見ながら下れるので、すごく楽しい。時々登攀ルートを目で探しつつ降りる
沢へ降りるあたりはかなり急でへたをすると滑落しそうだ。木の根や岩につかまりつつ下る。沢に降りるとあとは楽だ。すぐに朝登った道と合い、道標に着いてしまう。
今回の山行で西稜に突き上げる幾つかのルンゼを確認した。まあ最悪の場合は末端手前の浅いルンゼから行くのも悪くないな、などと判断した。帰路も確認したし帰りに迷うことはない。あとは何時行くかが問題となってきた。
タイム :
出合8:00-8:458:55-9:10-10:40-10:55-11:30-12:15-12:5013:45-14:00-14:30-15:15-15:45
いよいよ西稜への計画を実行するのみとなった。
パートV
登攀開始 2002/12/16 2002/12/19 写真アップ
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| 大岩付近から見た碧岩と北西稜 |
西上州の奥に位置し、美しいその姿を知る人は少ない。今回、この碧岩の西稜に登る計画を立てた。同行者は碧岩など知る筈もなく、あまり緊張感が伝わってこない。ようするに気合が伝わってこない。僕の方は以前この地を訪れたことがある。そして今年の冬に西稜の偵察を兼ねて訪れた。末端から頂までの状態と下山路の確認をして、計画の準備は万端だ。
当日集合場所にはA氏は30分遅れでやって来た。緊張感ほとんど無いに近い。遅れを取り戻すために、関越道を突っ走った。
下仁田のコンビニにはB氏が朝飯を食いつつのんびりと待っていた。食い物を調達して早速に臼田線を走り出す。所々現れる町並みが何個か過ぎ、六車の町につく頃、町の上に忽然と碧岩の姿が現れた。
大岩と碧岩の尖峰が緊張感をもって立ち上がっている。ここで車を停車させて、カメラを撮ることにする。二名は、すごい山だな、という意見であり、俄然登攀意欲が湧いてきたようだ。
歓能のバス停を過ぎ、より細い舗装道路を進むと碧岩の駐車場に到着する。カラフルなトイレもある。車は10台くらいは停められるか。今日は晴天でだんだん暑くなってきた。
支度後、出発。沢道を進むが、道がやや荒れていて、木橋も落ちた箇所がある。危険ではなく、まあ当然のこととして登り続ける。三段の滝は水量が多目だ。右にある細い道が巻き道で二箇所フィックスロープがある。
滝上から西稜の取付点を探しつつ登る。碧岩に入る居合沢の滝を強引に登り、枝沢になっている水の流れたルンゼを登りだす。ここで良いのかみたいな、やや不安を持ちつつ、ルンゼから急斜面を登って、尾根上にでた。視界は良好であり眺めてみると、前方に大きな稜線が横たわっている。どうもそれが西稜のようだ。この尾根は枝尾根であり、西稜と合流するようだ。しかしこの枝尾根がちゃんと登れるかどうかわからない。間違いなルートであり場所だった。
ここは諦めてそく下山する。そして西稜の正規の取付き点を目指すことにした。 途中一般登山者と合う。「どこを登るのか」、と尋ねられたので、「西稜です」、と答えた。「それはどこの山だ」、と聞かれた。「碧岩の西稜です」、と答えたら、「碧岩はこっちの道だけど」と言われた。まあ南稜はそっちだけど、詳しく説明している時間がないので、とっとと下る。
三段ノ滝上の手前の水の流れるルンゼの一つ下のルンゼを登る。滑って脆い急なルンゼを登り、途中から左の尾根に入って20m登ると岩場となった。ここから登攀を開始した。右にルートを登りだすが、岩が脆く、潅木も抜けそうだ。いいかげんトライしたが無理と感じて諦める。左の青い岩の凹角は急過ぎて無理だ。そのうち、下に降りていたA氏が取付き点らしいものがある、とコールしてきた。
青い洞穴みたいなところの横を過ぎ小ピークの鞍部をトラバースすると硬そうなリッジが現れた。上には残置ハーケンもある。下の登山道からも明白な西稜のコルだ。前回、ここから登ってもいいかも、と思った箇所だ。
これが取付き点か不明だが岩はしっかりしている。それでここから登りだすことにする。
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| ジャンクションピーク付近から見た碧岩と西稜 |
1P目A氏。3級+15mくらい。
岩と立木を利用してツッパリ気味に登り始める。残置ハーケンの上がやや被っていて、木をホールドにして強引に乗っ越す。そこからヤブ気味のフェースを5mほど登ると太い潅木がありビレー。
2P目。3級−。30m。
リッジを登ろうとするが垂直でありやや脆い。かつリスもなく途中で中断。こんどは右から巻こうとする。しかし3mも行かないうちに脆い場所に突入。危ないから戻れとコールする。戻ってくるうちに数個、コブシ大の岩が剥がれて落ちた。「ラーク」などと下に怒鳴る。まあ下には誰もいないだろうけど。
僕の番である。左上を登るが一見してすぐ諦める。これで登れなかったら、また取付点探しになってしまう。そうなるとあと一時間はかかるだろうな。などという考えがよぎる。左下をよく見ると、バンドらしきものが見える。そこで2mくらいずり降りると、しっかりしたバンドが続いている。ラッキー、という感じだ。
バンドと言うよりは獣道みたいな感じだ。潅木にランニングビレーを取りつつ20mあまりトラバースする。途中から斜上するがバンドが途切れる。この上にはホールド、スタンスがある凹角が見える。こから直上しようと思ったが、あまりに垂直だ。即諦め、また周囲を調べてみる。先ほどの斜上したところからバンドがまだ続いている。一旦戻ってそのバンドを進む。5mも行くと木が根元から倒れた場所となる。倒れた元には外傾した岩場が見えた。少し行ってみたが悪い。ザイルの流れも悪いのでここでピッチを切る。
3P目。4級+〜5級。10m。
B氏がトップで先ほどの直上ルートを登る。しかし悪い、と言って戻ってきた。それで今度はバンドから外傾した岩場に進む。しかしここもランニングビレーが取れず一旦戻って選手交代。
僕。根元まで行き、外形した岩場を見る。山側は垂直であり、ホールドは脆くて手が付けられない。根元の手前にリスを見つけ、ハーケンを目一杯打ち込む。それからやおらトラバース開始。スタンスの草が今にも崩れそうだ。1m前進して草の間の隙間にハーケンを打ち込む。利いているか分からない状態。しかしここ以外ない。草のスタンスから外形した岩場に踏み入り、ややあるスタンスに足を乗せる。ホールドは5ミリくらい。ジリジリと進む。
振り返りビレーポイントの確認をする。落ちた場合、繋がっている潅木と最後のハーケンは保たずに抜けて、落下場所はあの木と岩のあたりか、などと確認をする。このへんの感覚は意外と冷静で自分でも驚く。
ジリジリと足をずらし、外傾岩場を通過。しかしそこには小指より細い三本の潅木が生えているだけだった。それもグラグラで。あと1m行くと太い潅木がある。目でスタンスの確認をした後、細かいスタンスから外形のスタンスにそっと乗る。滑れば飛んでしまう。足も疲れてきた。やっと潅木に手が届いたときホットした。と同時にドッと疲れた。
このトラバースに1.5時間も掛かってしまった。ここはボルトを打ち込むのが正解だろう。少し上にてビレーして2人に登ってもらう。
4P目。3級−40m。
![]() 六車付近から見た大岩と碧岩 |
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| @リッジV+、AW〜、BV−、DV− F爽快なリッジV |
ここからB氏がトップにて登りだす。しばらくしてコールあり。急な斜面を潅木をつかんで登る。ジグザグにバランスを取りつつ。ここなども潅木がなければ登ることができないだろう。潅木頼りに登り易そうな場所を選びつつ登ってくとリッジに出た。遂に西稜の稜線にでた…。越えてくる風が心地良い。
5P目。3級−。40m。
リッジどうしに登る。ここは傾斜も急でなく、ノーザイルでも登れる。露岩になっていて展望も良く、潅木も適当に生えているので、いままでと違って快適に登れるのが嬉しい。
大ピークの頂からの展望は非常に臨場感がある。碧岩の頂はまだまだ上だ。左にチョッキリから突き上がってくるのは北稜だ。ちょうど恐竜の背中のように盛り上がって頂に続いている。稜のサイドは垂直の白い壁となっており静かなる白亜の殿堂としてそびえている。
大ピークから少し下ると、ギザギザの稜となる。丁度刃渡りといった所か。ここを過ぎるとキレットとなる。ここは左右のルンゼが上がってきた終点となっているようだ。右のルンゼは僕等が探していた沢から上がってきたものだろう。たぶんこのルンゼを登ってくると案外楽にここまでくることが出来そうだ。
僕等はここで14時45分であり、すでに4時間余り経過していた。この先どうなることやら。
中間はフリーで登る
しかし正規ルートに入り込んだことにより、気を取り直して出発。眼上にみえるフェースは巨大で、やや気後れする。潅木の中を登っていくと向かって右はハングした脆そうな白い岩場だ。左にルートらしきリッジがある。細い潅木にランニングビレーを取りつつ登り始める。それほど難しく感じない。フリクションが気持良く効き、登りがはかどる。3mの凹角を登り、潅木の間を登ると小岩のピークとなる。ここから潅木帯に逃げビレー。2人に登ってもらう。
この上は潅木と松の木とヤブの間の獣道を登っていく。ここらはザイルをしまって、ノーザイルで先を急ぐ。何となく登山道に見えなくもない。
1時間も登ると、視界が広がる箇所が出てきて、その高さを実感できる素晴らしい光景だ。しかしまだ頂は宙にある。
10m リッジ2級+
![]() キレットからみた10mのリッジ(左端の白い岩) ![]() 松ノ木からのリッジ。周囲は素晴らしい眺め。空も青い |
潅木の間の急な斜面を息をはずませつつ登り続ける。視界が切れて、10mの白いリッジが現れた。急だがここは岩も脆くなく、ホールド、スタンスがあって気持ち良く登ることができる。ここはノーザイルで登った。振り仰ぐと西稜の緑の覆われた稜線がウネウネと曲がってあがってきているのがわかる。
しばらく潅木帯を登ると、またリッジが現れた。さきほどより急な感じだ。ここはザイルを使うことにする。
40m。3〜3級+。
A氏。ビレーの松の木を足場に2mほどズリ上る。右横には古い残置ハーケンがある。この上までがやや細かいが、その上はホールドもシッカリしていて非常に快適で楽しめる。下から皆の登る姿をカメラで写したが、垂壁を登っていく姿は絵になる。
最後は僕の番で松ノ木から3mも登ると、フリクションの利く登りとなる。振り返ると眺めは絶景だ。傾斜が緩むと潅木となりビレーポイント到着。ここからまた潅木帯を登る。
3mほどの岩場となりここもシッカリした岩で楽しく登れる。その上は獣道ではない踏み後があった。そこから10mも歩くと、「碧岩」の看板が眼に飛び込んできた。遂に頂まで来た。コルから頂まで2時間半でなんとか登れた。
感慨無量の気持だ。全員が集合して握手を交わした。
一時は登ることが出来るのか相当に不安だったが、なんとか登ることができた。
正味7時間20分。
一休み後一気に駆け下った。
今回のルートについて
正規ルートと言うと大ピークから頂までの間とした場合。特に悪いと感じた所はなかった。あえて言うと大フェースの1Pと上部のリッジの40mのピッチだ。どちらも3級くらいな感じではあるが、高度感もあり充分に楽しむことができる。
僕等が登りだしたのは末端の小ピークの鞍部からで、西稜のほぼ全てを登ったことなにる。
今回一番の核心部というと末端から大ピークまでの間だろう。1Pが3級+。3Pは4級+〜5級、短いが場所的な環境からすると相当悪く感じた。
一般的なルートという場合、枝沢から登ってキレットをツメ上げるのが正解のルートだ。この方が困難度から言うと登りやすいと言える。
ルート図もない未知の場所を登る場合、こういった試行錯誤的な登りになる。逆に言えば、こういった試行錯誤こそがバリエーションルートの登りの醍醐味と言える。ここから帰れるのか、この先どうなっているのか、どう登ればいいのかという不安と期待の入り混じった緊張感がなんとも言えない。
2002/6/X
8:15駐車場8:25--8:58滝--9:30ツメ--11:00取付点--14:45(大ピーク)--15:15フェース上15:35--16:30リッジ--17:20頂17:45--19:30駐車場